フランチャイズオーナーになると雑務が増える?役所に必要な申請から従業員の給与の振込まで必要なTo Doを紹介

最終更新日:2020年05月15日

これから事業を始めようという方にとって、フランチャイズのオーナーになるという選択肢は有力なものです。
一から事業を立ち上げるのは大変な一方で、大企業のネームバリューを活かしながら営業を続ければ軌道に乗りやすいでしょう。

しかし、フランチャイズのオーナーも楽なことばかりではありません。
特に事業を立ち上げるにあたって書類を申請することは欠かせないのです。
その他、従業員のスケジュール管理や給与計算などもオーナーのやるべき業務であることを忘れてはいけません。
今回はこういったこまごまとした雑務に関して紹介していきましょう。

目次

フランチャイズで開業する際に必要な申請「開業届」  

業種によって異なる開業時の手続き

従業員を雇う場合に必要な手続きは?

給与計算もフランチャイズオーナーの仕事

まとめ

フランチャイズで開業する際に必要な申請「開業届」

事業を開業することは必ず役所に知らせなければいけません。
役所は自分の自治体てどんな営業が行われているのかをチェックしなくてはならないからです。
そのため、どんな形で事業を行うにせよ開業届は必ず提出しなければいけません。
ただ、個人事業主として事業を始めるか、それとも法人を設立して事業を始めるかによって提出すべき書類は変わってきます。

さらにはこうした書類については提出期限が定められているのも忘れないように気を付けましょう。
もし期限を過ぎてしまったら指導を受けてしまい、店の評判が下がってしまうこともあり得るのです。
また、提出する場所なども変わってくるので、注意したうえで準備を進めていきましょう。

個人でフランチャイズ開業する場合

まず開業届は開業してから1ヶ月以内に出すという決まりがあります。
その期限を過ぎてしまったら、より面倒が増えることになってしまうので注意しましょう。
開業届の書類は役所に行けばもらえますし、書き方についても職員の方に教えてもらえます。
記載事項も所在地や営業形態を書けばいいだけなので難しいことはありません。

ちなみに、納税のための確定申告の際に青色申告を選ぶ場合は、事前に申請が必要になります。
これも1ヶ月以内に決めなければいけないので早めに行っておきましょう。
また、開業届には2種類あり、それぞれ税務署と地方自治体に提出しなければいけません。
開廃業等届出書は税務署、事業開始申告書は地方自治体ですので間違わないようにしてください。

法人でフランチャイズ開業する場合

個人ではなく法人を設立する場合は法人設立届出書というものを出さなければいけません。
こちらの期限は設立から2ヶ月以内に提出と定まっています。
法人向けの書類だからといってやはり難しいところはなく、事業の目的や所在地を書くのみです。

青色申告の承認を受けたい場合は、3ヶ月以内に書類を提出しなければいけません。
また、税務署だけでなく自治体の法人事業課にも同じ書類を提出する必要があるので忘れないようにしましょう。

業種によって異なる開業時の手続き

先ほどまで紹介してきた開業届はすべての事業者が提出しなくてはいけないものです。
一方で、業種によってはまた別の書類を提出しなければいけません。
フランチャイズで起業するからには業界ならではの手続きに関してはしっかりとレクチャーされるはずです。

しかし、あらかじめ勉強しておいた方が苦労は少なくなるでしょう。
ここからはそれぞれの業種で提出しなくてはいけない書類を一つひとつ見ていきましょう。

フランチャイズで飲食店を開業する場合

飲食店を開業するためにはまず保健所に飲食店営業許可を申請しなくてはいけません。
この営業許可は誰でも申請すればもらえるというものではなく、一定の資格を持っている必要があります。

食品衛生責任者の資格は保健所に行って講習を受ければもらえるものなので、しっかりと受けるようにしましょう。
その他、どういう食品を取り扱うかによっても届けるべき書類は変わってきます。
たとえば深夜遅くにまで営業を行う場合は警察に届出を行わなくてはいけません。
また、肉や魚を扱う場合は食肉販売業、魚介類販売業の許可をそれぞれ申請する必要があります。
また、お菓子などを売るにあたっても許可を受ける必要がありますので、自分の営業形態がどれに当てはまるかを事前に調べておきましょう。

フランチャイズで介護施設を開業する場合

お年寄りの方の介護を取り扱う事業についてもやはり届出が必要になります。
まずは自治体の介護保険課に指定申請を行わなくてはいけません。
すべての介護業者は自治体の指定を受けて運営しなくてはいけないのです。

その他、助成金の申請も行った方がいいでしょう。
介護事業を行うにあたっては何かと資金が要りますが、これに関しては国から助成を受けることができる場合があります。

助成金の種類はさまざまですが、まずは開業の際に自治体に相談してどんな助成が受けられるのかを聞いてみるのがいいでしょう。

フランチャイズで買取店を開業する場合

中古物品の買取を取り扱う場合はまず古物商の許可を受けなくてはいけません。
なぜ古物商としての資格がいるかというと、偽物の中古品を売りさばいている業者が中には存在しているからです。
警察としては中古品の販売経路がわからなくなってしまっては犯人にたどり着けません。
そうしたことを未然に防ぐためにこうした届出が必要となるのです。
警察署や公安委員会にしっかりと届出をして営業をスタートしましょう。

許可証が交付されるまでには1ヶ月から2ヶ月程度かかりますので、時間に余裕を持って申請しておいてください。

従業員を雇う場合に必要な手続きは?

事業を始めるためには従業員を雇う必要があります。
人員が多ければ多いほど営業は効率化されますし、それまでになかったアイディアも生まれやすくなるでしょう。
もっとも、従業員を雇用するためにも手続きをしなくてはいけません。

ちなみに、個人事業主として一人で営業を行う場合もこうした手続きは必要となります。
そもそも個人事業主は経営者にして従業員です。
ですのでしっかりとやるべき手続きを覚えておきましょう。

まずは雇用契約書が必要になります。
これはこういった条件であなたと契約します、という旨の文章が書かれた書類です。
従業員に対してやってはいけないことを記したり、逆に雇用者からこういったことがあった場合は労働監督署に訴えることができる、などといった文章を記したりすることになります。
雇用者と従業員のそれぞれの押印が必要になる大切な書類ですので、契約を行う際は必ず用意しておきましょう。

そのほか必要になるのは社会保険や雇用保険の手続きです。
社会保険についてはまず従業員から年金番号を通知してもらいましょう。
そして通知してもらった番号をもとに年金事務所に届出を行わなくてはいけません。
年金事務所には健康保険・厚生年金被保険者資格取得届という書類を提出する必要があります。
この書類の提出期限は従業員を雇用してから五日以内となりますので早めに提出してください。

雇用保険についてはハローワークに雇用保険被保険者資格取得届の書類を持って届出を行いましょう。
届出期限は雇用した翌月の10日までとなります。
社会保険に比べれば猶予がありますが、やはり早めに行っておいた方がいいでしょう。

そのほかにも所得税や住民税の手続きを税務署や役所で行わなくてはいけません。
やるべき届出が多いので大変ですが、一人の人間を雇うというのはそれだけの重責を担うということでもあります。

給与計算もフランチャイズオーナーの仕事

従業員を雇うにあたってはそれ相応の対価を支払わなくてはいけません。
給与の支払いに関してのトラブルは、後々元従業員によるネット上での情報拡散などで、店の評判が落ちてしまう可能性もあるため、十分に気を付けましょう。

もっとも、給料をどう支払うかどうかはオーナーにとって大変な業務です。
固定給で雇っている従業員ばかりならまだしも、出られる日が限られているアルバイトやパートの従業員を雇っていたなら、なおさら計算は難しくなります。
加えて業務が忙しいときは残業代も出さなくてはいけません。
給与の計算をスムーズに行うためにも、タイムカードやパソコンの専用ソフトなどはしっかりと導入するようにしておきましょう。

さらに、いざ給与を計算し終えた後にもやるべきことは待っています。
かつては給与を封筒に入れて直接従業員に手渡すということも行われていました。
しかし、防犯上のリスクを考えて、今では銀行口座に入金するのが一般的です。
そのためにはあらかじめ従業員の銀行口座を教えてもらいます。
さらに、銀行への入金手続きのための書類の用意も必要です。

そしてなによりも重要なのが給与明細でしょう。
この月はこれだけ働いたからこれだけの給与をあなたに支払います、といった旨の書類です。
それに加えて所得税や社会保険税でどれだけ天引きが行われているかも明記します。
これがなければ従業員から自分の給与は正確に払われているのだろうか、と不信感を抱かれてしまうので、しっかりと作成するようにしましょう。

まとめ

ここまでやるべき手続きなどを簡単に紹介してきました。
一通りの記述を見てきて、やはり雑務が多くて大変だという印象を抱いた方もいらっしゃるでしょう。

とはいえ、自分で業務を立ち上げるという喜びは何物にも勝るものがあります。
初めの頃は雑務が忙しいあまり本業に身が入らないということもあるでしょうが、慣れれば徐々に負担は減っていくでしょう。
それに、こうした雑務の負担を少しでも軽減するための方法もたくさんあります。
たとえば税務関係の計算などを行ってくれるパソコンのソフトも販売されていますし、シフト管理を行ってくれるソフトなどもあるのです。

その他、書類を代筆してもらうために行政書士の方に相談してみるのもいいでしょう。
さらには、労務関係を相談するにあたっては社労士の方の意見も参考になることが多いです。

いろいろな方法を試してみて、自分なりの経営ができるように努力してみてください。

公開日:2019年10月10日