脱サラ後の仕事はどう選ぶ?成功率をあげる方法と代表的な職業を紹介

最終更新日:2023年02月24日

将来的に脱サラを考えている人でも、どんな仕事で開業できるかわからないという人は多いのではないでしょうか。しかし、独立開業後に成功できるかどうかは仕事選びと事前の準備にかかっています。この記事では、脱サラ後の仕事の選び方や開業の成功率を高める方法を紹介します。脱サラ後に選ばれる代表的な職業も紹介するので、仕事選びの参考にしてみてください。

フランチャイズを探してみる

目次

脱サラした後に必ず成功する仕事はない

脱サラの成功率をあげる方法

おすすめの脱サラ後の仕事とは?話題の職業を5つ紹介

自分に合った仕事や職業で脱サラを目指そう

脱サラした後に必ず成功する仕事はない

世の中にはさまざまな仕事がありますが、誰でも成功できる仕事や絶対に倒産しない会社は存在しません。人命を預かる医療機関でさえ、患者が来なければ廃業の危機にさらされます。コロナ禍をはじめとする社会情勢の変化によって、これまで安定した収益を得られていた業種でも売り上げが大幅に減る事態も相次いでいます。絶対に成功できる仕事があったとしても、起業する人全員がその仕事に就くと競争率が大幅に高くなり、結局は失敗する人が出てしまうのです。

一方、脱サラ前にコツを押さえて準備を進めておけば事業に失敗するリスクを軽減でき、開業後の成功率を高めることができます。成功・失敗は別として、自分が得意な仕事を選んで開業することも、脱サラに成功する秘訣です。

脱サラ成功の定義

企業の寿命は30年程度という意見もありますが、この記事では「中長期的に事業を継続できている」ことを脱サラ成功と定義します。

ちなみに2019年度の全国の廃業率は3.4%で、諸外国と比較すると低い水準です(2021年中小企業白書)。廃業率には個人事業主のデータが反映されていないものの、事業に成功していても企業合併や後継者不足などの理由で廃業した企業の数も含まれています。また、2016年以降は中小企業・小規模事業者の休廃業・解散件数が毎年約6万件のペースで推移しています。

廃業する企業がある一方で、新規に開業する企業や個人事業主も一定数存在するのが実情です。売り上げが増加傾向にある開業者も全体の半数近くにのぼっています(日本政策金融公庫総合研究所「2021年度新規開業実態調査」)。そのため、自分の事業を長続きさせることが脱サラの成功を目指すためには重要です。

脱サラの成功率をあげる方法

脱サラの成功率のイメージ

独立した後に事業を長続きさせるためには、開業に成功した人からアドバイスを受けながら事業計画を細かく作成することが必要不可欠です。自分の希望する仕事で本当に収益を得られるのかどうかを、副業などの形で試してから脱サラを決断する慎重さも必要です。脱サラの成功率をあげる方法について解説します。

事業計画書を作成する

独立起業したいと考えたら、脱サラ後に自分がどのような仕事に取り組みたいか、どれだけの収益を実現したいかなどの思いを事業計画書にまとめましょう。事業計画書とは事業内容・自分自身のビジョンや資金計画などをまとめた書面で、金融機関に融資を申し込む時や国・自治体などに補助金を申請する際には必ず提出を求められます。

事業計画を立てるなかで自分の強み・弱みが明らかになるだけでなく、競合相手や市場ニーズ・営業戦略も具体化されていきます。
マーケティングの進め方や仕入先・提携先など決める内容は多岐にわたるため、事業を1人で進めることの大変さを実感できるでしょう。経営者の目線だけでなく、顧客や従業員の視点から事業戦略を見つめることで事業全体を客観視でき、優れた事業戦略づくりにも生きてきます。

事前に副業で試してみる

脱サラする前に、独立して取り組みたい仕事で本当に収益が得られるのかを副業で試してみるのも一つの方法です。開業したい職種に転職して、自分に合った仕事かを確認するのも良いでしょう。最近では将来の完全独立を視野に入れて、本業を持ちながら週末起業する人も増えています。

一度脱サラすると安定収入を得られない状態となり、たとえ事業に失敗したとしても後戻りできません。思うように収入が得られないと焦りが生じ、仕事に集中できない状況になってさらに失敗を重ねる悪循環に陥る恐れもあります。

一方、会社に在籍していれば安定収入を得ながら新たなビジネスにチャレンジできるため、心理的にも安定した状態で事業計画の精度を高めていくことも可能です。なお、副業を始める前に在籍する会社の就業規則を確認して、副業が認められるかどうかや、届出・許可の手続き方法などを確認しておきましょう。

脱サラ先輩の話をたくさん聞く

脱サラ後に事業を成功させたいと考えるなら、起業に成功した人から積極的にアドバイスを受けることをおすすめします。事業計画づくりに役立ち、しかも開業後の人脈ができるなどのメリットも生まれます。

脱サラを目指す人は起業して成功したいという気持ちよりも、会社を早く辞めたいという気持ちが先行しがちです。
一方、本気で事業を成功させたいと考える人は、多くの起業家・投資家に会って話をしたり異業種交流会に参加したりしています。その上で、起業に必要な心構えや独立後の苦労や成功などについてアドバイスを得て、事業計画やビジネスの推進に活かしています。脱サラの先輩の話をたくさん聞き、脱サラに成功した自分をイメージしてみるのも良いでしょう。

おすすめの脱サラ後の仕事とは?話題の職業を5つ紹介

脱サラ後の仕事のイメージ

誰でも必ず成功する職業はありませんが、自分の強みや得意分野を活かした職業に就けば脱サラに成功する可能性が高まります。自力で開業を目指す方法やフランチャイズに加盟する方法など、脱サラの形はさまざまです。ここでは、脱サラ後の仕事選びの方法や、注目されている職業について紹介します。

1:ネットビジネス

ネットビジネスはパソコンさえあれば自宅で開業できるので、開業資金が少なくて済みます。自分の得意分野を収益につなげることができ、働く時間や場所も柔軟に決められるのが特徴です。

ネットビジネスと一言でいっても、ジャンルは多岐にわたります。例えば、プログラミング・デザイン・動画編集といったクリエイティブなジャンルをはじめ、有料コンテンツやオンライン講座、パーソナルコーチングなどのジャンルがあります。事業の方向性を明確化しやすく、会社員時代の経験をビジネスに活かして事業の多角化を目指すことも可能です。ほとんど在庫を抱えないため利益率が高く、脱サラに成功しやすいのもネットビジネスならではの魅力です。

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2:飲食業

飲食店はビジネスの仕組みがシンプルなので、独立開業を目指す人の多くが脱サラ後の仕事として検討しています。全国どこでも開業できる上、カフェ、居酒屋、バー、ラーメンなど好みにあわせて業態も選べます。立地条件や顧客のニーズを把握した上で出店場所や業態を決めることが、脱サラの成功を目指すためには重要です。

調理機材や接客設備などの初期投資が高額になるほか、食材の仕入費用や店舗の賃料・光熱水費といった固定費がかかります。競合店も多いため、廃業率が高めである点にも留意が必要です。フランチャイズ展開する飲食チェーン店も多く、飲食業の経験がない人でも本部のサポートを受けながら飲食店の経営をスタートすることも可能です。飲食業の業態ごとに仕事の概要や向いている人の特徴を紹介するので、自分に合った仕事選びの参考にしてみてください。

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居酒屋

居酒屋は、主に夜間帯にアルコール飲料や料理を提供する業態の飲食店です。近年ではランチ営業に取り組んだりお酒・料理のジャンルを絞り込むなど、経営スタイルも多様化しています。場の空気を盛り立てながらスピーディーに接客できる人に向いています。

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ラーメン屋

ラーメン屋は、ラーメン(中華そば)を中心にご飯もの・餃子などのサイドメニューを提供する業態の飲食店です。チェーン店を含めて競合店が多く、スープや麺にこだわる店舗も少なくありません。競合店に勝とうという強い向上心を持つ人や、長時間の仕込みに耐えられる体力を持つ人に向いています。

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バー経営

バーは、カウンター越しに洋酒や軽食を提供する業態の飲食店です。落ち着いた雰囲気で会話を楽しむ場というイメージがあるため、場の雰囲気や人間関係を大切にできる人に向いています。提供するお酒やカクテルも多種にわたるので、お酒に関する幅広い知識も必要です。

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カフェ・喫茶店

カフェ・喫茶店は、コーヒーや紅茶などのソフトドリンクやスイーツ・軽食を提供する業態の飲食店です。店舗のインテリアや提供するメニューに独自性を出す店舗や、雑貨の委託販売に取り組む店舗も増えています。気配りのできる人や、広い視野でコミュニケーションをとれるタイプの人に向いています。

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パン屋

パン屋はベーカリーと呼ばれることもあり、主にテイクアウトで食パンや調理パンなどを提供する業態の飲食店です。飲食スペースを設けてカフェと同様のサービスを提供する店舗もみられます。新メニューの開発力のある人や体力のある人に向いています。

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蕎麦・うどん屋

蕎麦屋・うどん屋は共に麺類をメインに、天ぷらや丼もの・寿司などのサイドメニューも提供する業態の飲食店です。だしや自家製の麺にこだわりを持つ店も多いですが、近年ではチェーン店も増えておりファーストフードとしても認知度が高まっています。競合店に負けない向上心を持っている人や、忙しい時間帯でも平常心で仕事ができる人に向いています。

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3:小売業

小売業のジャンルはコンビニをはじめ、リサイクルショップや自動車販売・レンタカーなど多岐にわたります。フランチャイズ展開する業態が多いため、営業・販売の経験がなくてもオーナーとして成功できる可能性があるのが特徴です。

店舗物件を借りる費用や什器・設備などの初期投資が必要ですが、自分の好きなエリアに店舗を構えて地域に根ざしたビジネスを展開できます。フランチャイズに加盟すると、商品の仕入れや販売ノウハウの提供などのサポートを受けられます。また、リサイクルショップは飲食業と比べて開業資金を抑えやすく、買い取り・販売の両面で高い顧客満足度を得られるためやりがいを感じやすいのも特徴です。

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4:サービス業

サービス業も、脱サラ後の仕事として選ばれることが多いです。ハウスクリーニングやコインランドリーの経営、整体・エステなどバラエティに富んでおり、会社員時代に得られたノウハウを活かしてビジネスを展開できます。結婚相談所や幼児教育・学習塾、介護サービスでは、自分の人生経験も活かすことができるのが魅力です。

ネットビジネスと同様に商品の仕入れはほとんど発生しないため、比較的少ない初期費用で開業を目指せます。業態によっては自宅を拠点に開業することも可能です。フランチャイズ展開する業態も増加傾向なので、サービス業で独立開業する場合はフランチャイズへの加盟も有力な選択肢となるでしょう。

5:農業や漁業の一次産業

最近では農業・漁業といった第一次産業に取り組みたいと考えて、脱サラする人も増えています。都市部から地方へ移住したり体を動かしたりするなど、ほかの職業にはない要素が多いですが、自然と向き合うことでストレスが軽減されると感じる人もいるため、独立開業を目指す方法としても人気です。

農地や漁業権を確保するなど脱サラ前に必要な準備は多めですが、あらかじめ独立開業後のイメージをつかむこともできます。また、商品の販売や農業・漁業体験などを組み合わせて、第6次産業としてビジネスを拡大できる可能性もあります。

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自分に合った仕事や職業で脱サラを目指そう

自分の強みや得意分野を活かせる仕事を選ぶことが、脱サラに成功するための第一歩です。一度会社を辞めると後戻りできないため、副業から事業を始めて成功できるかどうかの感触をつかむのも良いでしょう。

また、先輩経営者からアドバイスを受けたり、独立開業後の事業戦略や資金計画などを事業計画書にまとめたりして、脱サラ後のビジョンを明確にする姿勢も大切です。どの仕事で開業しても失敗するリスクは伴いますが、自分に合った仕事や職業で脱サラを目指せば成功率は高まるでしょう。

公開日:2021年12月24日

よくある質問

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