早期退職の年齢はいくつまで？若いうちに退職するメリットや注意点を解説
最終更新日：2022年10月24日
通常の定年退職ではなく、早期退職をする人が増えています。「早期退職にどのようなメリットがあるの？」「どれくらいの年齢の社員が対象になるの？」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。
そこで今回の記事では早期退職制度の概要や目的など、早期退職について幅広く解説します。40代や50代で早期退職を考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
早期退職制度とは
早期退職制度とは、定められている定年よりも若い年齢で退職するための制度です。会社から社員に退職を要請するのではなく、社員に希望より退職する制度となっています。
早期退職制度は、会社の人事制度の1つとして取り入れられているのが基本です。詳しくは後の項目で解説しますが、退職金が割増になったり再就職支援を受けられたりと、利用することでさまざまなメリットを得られます。
早期退職制度が浸透した背景は、「従来の雇用制度の崩壊」です。これまでの日本の雇用制度は、「年功序列」と「終身雇用」が基本でした。しかし時代の流れによって、日本ならではの雇用制度が崩壊しつつあり、早期退職制度が採用されるようになっています。
早期退職制度の目的
企業が早期退職制度を設ける主な目的として、社員のキャリア形成支援が挙げられます。
早期退職制度では、退職金の割り増しがよく行われています。これは人生の次のステップへと踏み出そうとする社員に対して、資金面での後押しをするものです。
また早期退職制度は、人員整理の一環として行われることもあります。業績悪化などが原因で、人件費を削減しなければならなくなった際に、早期退職者を募集するのが基本的な流れです。
早期退職制度で対象となる主な年齢
早期退職制度で対象となる主な年齢は、「40代」と「50代」です。これにはいくつかの理由があります。まずは40代や50代の人件費が高いことです。先ほども解説したように、早期退職制度は、人件費を削減する目的で導入されることもあります。
日本の会社は、年齢や勤続年数などに応じて給料が高くなる傾向にあります。そのため、会社で最も人件費の高いカテゴリーに属しているのが40代や50代なのです。
またバブル期に大量入社した社員として、50代が占める割合が多いのも特徴です。若手が少なく、ミドル・シニア世代が多いとなると、「逆ピラミッド」の従業員構成となります。早期退職制度の対象となりやすいのは、こうした事情も関係していると言えるでしょう。
早期退職制度と選択定年制度との違い
早期退職制度と混同しやすいものとして、選択定年制度があります。選択定年制度は、「いつ定年にするのか」を、事前に話し合って決定しておく制度です。現在、基本的には60歳で定年を迎えることになっています（希望すれば65歳）。
しかし選択定年制度を使えば、60歳から65歳の間で「どの年齢の際に定年を迎えるか」を選べるようになります。また定年は、会社側が決めるのではなく、あくまでも社員の自由意志によって決められるのが基本です。
早期退職制度は、会社側が早期退職者を募るものであり、「定年をあらかじめ決めておく」という選択定年制度とは性質が異なります。また選択定年制度とは異なり、40代や50代で退職できるなど、年齢面での違いも顕著です。
早期退職制度と希望退職制度との違い
早期退職制度と希望退職制度も、厳密には別の制度となっています。希望退職制度とは、会社が早期退職者を募る制度です。この意味では、早期退職制度と、そこまで大きな違いがないように見えます。
しかし希望退職制度は、「人件費の削減」がメインであり、福利厚生としての意味合いはほとんどありません。また人事制度として設置されている早期退職制度とは異なり、希望退職制度は、一時的に退職者を募集するものです。
そのため、「社員に退職を推奨する」など、早期退職制度とは異なるアプローチが見られます。社員の意思は尊重されるものの、実態としてはリストラに近いものです。
- 早期退職制度は人事制度として確立され、福利厚生の性質を持っている
- 希望退職制度は人件費削減がメインとなっている
上記のように理解しておくと分かりやすいでしょう。
40〜50代の年齢で早期退職するメリット
40〜50代の年齢で早期退職制度を利用すると、さまざまなメリットが得られます。ここでは退職金の割増や失業保険の優遇措置など、早期退職するメリットについて、3つのトピックに分けて解説します。
退職金が割増になるケースが多い
40〜50代の年齢で早期退職すると、退職金が割増になるケースがあります。早期退職制度では、自己都合退職や会社都合退職と比べて、退職金が高く設定されているのが基本です。
主に福利厚生として早期退職制度が設置されているところでは、その傾向がより顕著と言えます。「定年まで勤めて定年退職する」場合より、早期退職の方が高い退職金を得られるケースも珍しくありません。高い退職金が得られれば、その分セカンドキャリアの可能性が広がります。
もちろん会社によって事情が異なるため、決断する前にまずはシミュレーションしておきましょう。
失業保険の優遇措置を受けられる
早期退職によって、失業保険の優遇措置を受けられるのも大きなメリットです。ただし自己都合退職か、会社都合退職日によって、優遇措置の内容が異なります。
自己都合によって退職した場合、失業保険の給付開始までにブランクがあり、一定期間待たなければなりません。給付期間は年齢や雇用保険の加入期間によって変わりますが、一般的には90〜150日とされています。
また自己都合退職だけでなく、人員削減などの名目で、会社都合退職をするケースもあります。会社都合退職の場合は、ブランクが発生する自己都合退職とは異なり、申請から1週間ほどで受給可能です。期間は、90〜330日間となっています。自己都合退職よりも、期間が長く設定されているため、より多くの金額を得られます。
セカンドキャリアに踏み出せる
セカンドキャリアに踏み出せるのも早期退職をするメリットです。福利厚生として早期退職制度を設置している会社は、「セカンドキャリアのための再就職支援」を行っているところが多くあります。
多くの退職金を得られるのは良いですが、やはり心配になるのが「次の就職先」や「当面の生活費」です。早期退職制度であれば、新しい就職先を斡旋してくれるなど、再就職を部分的または全面的にサポートしてくれます。
通常の定年退職の場合、こうしたセカンドキャリアへの支援はほとんど行われません。そのため再就職支援といった内容は、早期退職制度ならではのメリットと言えます。また、再就職以外にも、早期退職後に自身で起業にチャレンジすることも可能です。退職金を資金にして、40〜50代から独立開業というセカンドキャリアに踏み出す人も多いでしょう。
40〜50代の年齢で早期退職する注意点
40〜50代の年齢で早期退職する際には、いくつかの注意点があります。特に家庭を持っている人は、自分だけの問題ではないため、より計画的に進めていく必要があるでしょう。
ここでは、40〜50代の年齢で早期退職する際の注意点について、3つのトピックに分けて解説します。
家族の理解を得る
まずは家族の理解を得ることです。特に「夫が会社員」「妻が専業主婦」という分業体制になっている家庭では、夫の就職・退職が、家族に大きな影響をもたらします。
家族に何の説明もしないまま早期退職をしてしまうと、退職後にトラブルが発生してしまう可能性もあるでしょう。早期退職を考えている場合は、家族に早めに相談をし、理解を得られるように努力するのが大切です。
ここで特に重要なのは、「なぜ早期退職を考えているのか」「退職後のキャリアパスをどのように描いているのか」の2つです。早期退職をしたいという事実ではなく、その考えに至った経緯や今後の方向性を説明できると、家族からの理解も得やすくなるでしょう。
計画的に貯金や資産運用をする
家族の有無に関係なく、計画的に貯金や資産運用をしておくのも重要です。特に確認しておきたいのは、「早期退職の時点で貯金額がどれくらいあるのか」になります。
早期退職をして再就職をしない場合は、収入がほとんどなくなってしまいます。また40代で早期退職をする場合は、年金受給開始までの期間も長いでしょう。固定収入がなくなることを考えつつ、「今の資産状況で暮らしていけるかどうか」をシミュレーションするのが大切です。
まだ比較的若い年齢であれば、資産運用をするのもおすすめです。公的年金の国民年金基金や、私的年金のiDeCoなど、活用できるサービスは多くあります。老後の生活を安定させるためにも、資産運用を考えておきましょう。
退職後の働き方を決めておく
退職後の働き方を決めておくのも重要です。早期退職制度を利用する前に、自分のキャリアパスを描き、どのようなことにチャレンジするのかを考えておきましょう。
具体的な方向性としては、「再就職をする」「起業する（自分で事業を展開する）」「財産を少しずつ使いながら悠々自適に暮らす」の3つがあります。このなかで最も安定するのは、固定収入がある「再就職」の選択肢です。
「起業」に関しては、事業が失敗するリスクもありますが、結果的に大きく稼げるようになる可能性も見逃せません。また自分のやりたかったことにチャレンジするため、モチベーションを維持しやすい点も大きな魅力です。
自分の目指すライフスタイルに応じて、退職後の働き方を決めておきましょう。
早期退職後におすすめのセカンドキャリア
早期退職後におすすめのセカンドキャリアが、フランチャイズの開業です。フランチャイズのメリットは、自分のスキル・経験を活かせることです。また、まったく経験がない分野でも挑戦できるため、幅広いアプローチができます。
たとえば飲食業界（特にカフェ）で長い経験を積んできたのであれば、珈琲所コメダ珈琲店がおすすめです。売り上げに影響しない定額ロイヤリティが特徴で、店舗の利益を守るための仕組みが整っています。またこちらのフランチャイズは、飲食での経験がなくても開業可能です。
またネットショップの運営に興味があるなら、UECがおすすめです。約30万円と低い値段で開業でき、面倒な手続きは全て代行してもらえます。海外拠点や配送センターもあるため、気軽に始めやすいフランチャイズです。
早期退職対象の年齢になったら独立も検討してみよう
早期退職対象の年齢は、40〜50代が基本です。早期退職を考えている場合は、事前に家族の理解を得るなど、計画的に進めていきましょう。また早期退職のメリットや注意点を整理しておくのも重要です。今回の記事を参考にして、どのようなキャリアを歩むか考えてみましょう。
早期退職後は再就職をする以外に、独立を検討してみるのも良いでしょう。フランチャイズ開業であれば、これまでに経験してきた分野はもちろん、未経験の仕事にも挑戦できます。
「どのフランチャイズにすれば良いかわからない」と悩んでいる場合はフランチャイズ比較.netをぜひ参考にしてください。今回の記事で紹介したフランチャイズ本部を含めて、さまざまなカテゴリーを紹介しています。早期退職大賞の年齢で独立開業できるよう、準備を進めていきましょう。
公開日：2022年10月26日
