スナックの開業準備に必要なものは?資金・資格・届出や成功のコツなど

最終更新日:2024年04月25日

スナックの開業を考えていながら、準備に必要なものが分からない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、スナックの開業に向いている人の特徴や必要な資格、メリット・デメリット、資金の目安、利用できる助成金・補助金・融資制度、開業の主な流れ、成功のコツなどを詳しく紹介します。

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目次

スナックとは?バーとの違いや向いている人の特徴

スナックの開業に調理師の資格は必要?

スナック開業のメリット

スナック開業のデメリット

スナック開業資金の目安と必要なもの

スナック開業で利用できる助成金・補助金・融資制度

スナック開業の主な流れ

スナック開業を成功させるコツ

スナック開業と似たフランチャイズを紹介

スナック開業についてまとめ

スナックとは?バーとの違いや向いている人の特徴

スナックとは?バーとの違いや向いている人の特徴

スナックとは、軽食をつまみながらお酒を飲む酒場をいいます。ママと呼ばれる女性や女性スタッフとの会話やカラオケなどを楽しめる場所です。

カウンター越しでの接客が特徴で、ラウンジやキャバクラのように女性が隣に座って接待することは基本的にありません。会話が好きな人や気遣いができる人、お酒が好きな人などに向いていると言えるでしょう。

また、スナックと同じようにお酒を取り扱う店舗としてバーがあります。スナックではママや女性店員が接客するのに対し、バーではマスターやバーテンダーと呼ばれる店員がカウンターでお酒を提供します。

スナックの開業に調理師の資格は必要?

スナックの開業に調理師免許は不要ですが、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者の資格は、都道府県が実施する食品衛生責任者養成講習を受講することで取得できます。調理師免許や栄養士の資格があれば、講習を受講しなくても食品衛生責任者になれます。

また、30人以上収容可能なスナックを開業する場合は、防火管理者の資格が必要です。防火管理者の資格は、消防署が実施する防火・防災管理講習を受講することで取得できます。

スナック開業のメリット

スナックを開業するメリットには何があるのでしょうか。ここでは利益率の高さ、食材ロスの少なさ、開業資金のハードルの低さの3つを紹介します。

ほかの飲食店よりも利益率が高い

スナックの開業は、ほかの飲食店と比較して客単価や利益率が良いため高い収益化を見込めます。

常連客を増やすことで安定した利益を目指せるというメリットもあります。カウンター越しの接客でお客さんと親しくなりやすいため、スムーズに常連客を増やせることもメリットです。

食材ロスが少ない

スナックではおつまみや軽食を提供するため、スナックの開業は食材のロスが少ない形態といえます。焼酎やウイスキーなどのお酒に関しても、食材のように傷むことがありません。また、お客さんにボトルキープしてもらえれば再来店につなげやすいというメリットもあります。

開業資金のハードルが低い

スナックの開業では広い店舗面積を必要としないため、比較的少ない資金で開業できます。地域によっては居抜き物件が多いという魅力もあります。

前述したように調理師のような特別な技術は不要なので、接客に慣れていれば開業しやすい点もメリットです。

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スナック開業のデメリット

スナックの開業にはメリットがある一方、デメリットもあります。生活リズムの乱れやお酒のトラブルに巻き込まれるリスクについて解説します。

昼夜逆転で生活リズムが整いにくい

スナックを開業すると、夜働いて朝寝るという生活リズムになるため、規則正しい生活が難しくなります。その結果、体調を崩してしまうかもしれません。しっかり体調管理に努めながら、少しずつ昼夜逆転に慣れていく必要があります。

お酒のトラブルに巻き込まれることがある

スナックでは、お酒で酔っぱらったお客さんによるトラブルが起こる可能性があります。泥酔したお客さんがママやスタッフに暴言を吐いたり、お客さん同士で喧嘩が始まったりといったケースです。

スナックを開業したらトラブルに巻き込まれないように酔っぱらったお客さんを笑顔でたしなめたり、上手に退店を促したりする必要があります。

スナック開業資金の目安と必要なもの

スナックの開業資金は500〜1,000万円程度が相場で、初期費用と運営資金に分かれます。費用項目と費用相場は次の通りです。

費用項目 費用相場
物件取得費 120万円~300万円
内装・外装工事費 100万円~400万円
暖房設備費 50万円~300万円
什器・食器の費用 30万円~100万円
広告宣伝費 5万円~30万円
消耗品費 50万円程度
運営資金(固定費) 150万円~200万円

物件取得費は敷金、礼金、前家賃を指し、賃料の6〜12ヵ月分を見込む必要があります。内装・外装工事費はデザイン費用、施工費、工賃などで坪単価10〜50万円が目安です。

暖房設備費はバーカウンター内の厨房などの設備、什器・食器は道具や備品、広告宣伝費は雑誌やインターネット広告、消耗品費は割り箸やおしぼりなどの費用です。

また、運営資金はスナックを継続するために必要なお金を指します。家賃や水道光熱費以外にも人件費が発生するため、余裕を持った資金計画が重要です。

内装工事費に関しては、居抜き物件を選ぶことで開業資金を抑えやすくなります。

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スナック開業で利用できる助成金・補助金・融資制度

スナック開業で利用しやすい助成金・補助金・融資制度に以下があります。

  • キャリアアップ助成金
  • トライアル雇用助成金
  • 特定求職者雇用開発助成金

キャリアアップ助成金」は、非正規雇用の労働者のキャリアアップ促進が目的の制度です。正社員化支援と処遇改善支援に分かれて計7つのコースがあり、支給対象と支給額が異なります。

トライアル雇用助成金」は、安定的な就職が難しい求職者を一定期間雇用した場合に助成される制度です。支給対象期間は原則3ヵ月間で、支給額は1人あたり基本4万円です。ただし母子家庭の母の場合は1人につき基本5万円となっています。

特定求職者雇用開発助成金」は、就職困難者を継続して雇用した場合に助成される制度です。母子家庭の母も対象に含まれており、短時間労働以外で雇用した場合は、基本60万円が支給されます。

申請にはそれぞれ条件があるため詳しい情報に関しては、労働局やハローワークの窓口、社会保険労務士事務所に確認してください。

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スナック開業の主な流れ

スナック開業の主な流れ

スナック開業の主な流れは次の通りです。

1. 店のコンセプトを決める
2. 必要な資金を調達する
3. 物件を選ぶ
4. 届け出や許可の手続きを行う
5. 仕入れ先を選ぶ
6. スタッフを採用する

それぞれのポイントを解説していきます。

1.店のコンセプトを決める

スナック開業前にコンセプトを決めておくことでお店のこだわりや強みを把握できるため、コンセプトはしっかりと決めましょう。コンセプトの例としては、軽食が美味しい、お酒の種類が多い、一人でも入りやすい、グループでも利用できる、女性も楽しめるなどが挙げられます。

お店のコンセプト以外にも、物件の条件、内装、外装を可能な限り具体的にイメージすることが大切です。

2.必要な資金を調達する

スナックの開業に必要な資金には初期費用と運営資金がありますが、初期費用は開業前に必要な準備金であり、運営資金は開業後に経営を維持するために必要な資金です。

自己資金以外の調達方法として、日本政策金融公庫の融資、国や地方公共団体の補助金・助成金、インターネットを活用したクラウドファンディングなどがあります。

開業直後はお客さんがつきづらいため、経費の6ヵ月分ほどの資金を用意しておくと安心です。

3.物件を選ぶ

スナックの開業に必要な物件選びのポイントは「自由度と費用のどちらを優先するか」を考えることです。

自由度を優先する場合はスケルトン物件がおすすめです。スケルトン物件とは、コンクリートが打ちっぱなしで、配管や配線が剥き出しになっている状態の物件をいいます。内装工事が必要ですが、コンセプトに沿ったスナックをゼロから作りやすいです。

費用を優先する場合は居抜き物件がおすすめです。居抜き物件とは、前に入っていたテナントの内装や設備がそのまま残されている物件をいいます。コンセプトに合った物件が見付かるまで時間がかかったり、場合によってはコンセプトの見直し自体が必要になったりするかもしれませんが、スケルトン物件よりも工事費用を抑えられます。

4.届け出や許可の手続きを行う

スナックを開業するには、前述した食品衛生管理責任者の資格や、飲食店営業許可申請が必要です。ほかにも、営業開始7日前までに防火対象物使用開始届を出さなければなりません。

深夜0時以降に酒類を提供する場合は深夜酒類提供飲食店提供届を出す必要があり、ママやスタッフがお客さんの隣で接待するには風俗店営業許可も必要になります。

なお、税務署に個人事業の開業届を提出し、青色申告承認申請手続きを行うことで青色申告が可能になるため、確定申告で最大65万円の所得控除を受けられます。

5.仕入れ先を選ぶ

スナックを開業するにあたって、お酒やおつまみなどの仕入れ先を決める際は複数の業者から見積もりを取ってコストを比較することが大切です。ほかにも品質、安全性、業者の対応などを見極めて選ぶと良いでしょう。

6. スタッフを採用する

スナック開業に向けてスタッフを採用するために求人広告を出して募集します。友人や知人に声をかけることで紹介も期待できます。お店のサイトやSNSアカウントがあれば告知も可能です。

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スナック開業を成功させるコツ

スナック開業を成功させるコツとして、集客方法の工夫、ターゲットを意識した内装や外装、飲食店の開業経験者の話の3点があるので紹介します。

集客方法を工夫する

集客方法はスナックを開業する2〜3ヵ月前から選定します。Web広告やSNSのようなオンライン集客と、雑誌広告や知人の紹介のようなオフライン集客を組み合わせることが大切です。

スナックで成功するには常連客の獲得が重要ですが、まずはお店に足を運んでもらわなければなりません。そのために可能な限り幅広い人脈を作り、お店の宣伝を行う必要があります。

ターゲットを意識した内装や外装にする

スナックを開業する際は、顧客ターゲットを明確にすることで好まれる内装や外装デザインを予測できたり、ニーズに沿った軽食メニューを考案できたりします。内装デザインに関しては、お客さんの第一印象であるカウンター席を中心に考えるのがポイントです。

また、ターゲットの年代に合わせて考慮することも重要になります。20代がメインターゲットならパーティー感があるデザインにしたり、50代であれば落ち着いた色合いの空間にしたりといった工夫が考えられます。

飲食店の開業経験者の話を参考にする

スナックを開業した人に限らず、飲食店の開業経験者の話を参考にするのもポイントです。友人知人に経験者がいれば積極的に聞いてみたり、インターネットで情報収集したりすると良いでしょう。以下のようなYouTube動画も参考になります。

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スナック開業と似たフランチャイズを紹介

フランチャイズで飲食店を開業すると、本部からノウハウを提供してもらえたり、店舗運営をサポートしてもらえたりといったメリットがあります。ここでは、スナックと似たフランチャイズで開業できる飲食店を紹介します。

産地直送居酒家 『浜焼太郎』

『産地直送居酒家 浜焼太郎』は自己資金が少なくて済むうえに、お客さん自身が焼いて食べるスタイルで調理経験不要という点がスナック開業と似ています。

ほかにも、本部から経験とノウハウをしっかりサポートしてもらえたり、低価格で良いものを仕入れられたりといった部分がおすすめポイントです。

The Public stand

『The Public stand』は、食事を出さないBAR業態で調理や食材のロスがないという点がスナック開業と似ています。

ほかにも、オペレーションが簡単なので少数のスタッフで店舗を運営できたり、周辺の飲食店と相互送客しやすかったりという部分がおすすめポイントです。

スナック開業についてまとめ

スナックの開業資金は500〜1,000万円程度が目安です。物件取得費や工事費のような初期費用に加え、家賃や人件費といった運営資金を見込まなければなりません。開業する際に調理師免許は不要ですが、食品衛生責任者の資格は必要です。

届出関係では、防火対象物使用開始届を提出します。ケースバイケースで深夜酒類提供飲食店提供届と風俗店営業許可が必要です。

スナック開業の成功のコツとして、オンラインとオフライン集客を組み合わせたり、顧客ターゲットを意識した内装や外装にしたり、飲食店経験者に話を聞いたりすると良いでしょう。

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公開日:2023年02月24日

よくある質問

Q 男性がスナックを開業するのは難しいでしょうか? 回答を見る
Q スナックを開業して経営するには、接客業が好きな必要がありますか? 回答を見る