開業資金調達の申請代行とは?サポート内容や利用方法を紹介

最終更新日:2022年05月30日

開業資金の調達を急ぎたいけれど、創業時はほかにもやるべきことがあり、申請業務を代行して欲しい方もいるでしょう。慣れない書類作成や専門用語に苦戦し、思うように準備がはかどらないこともあります。この記事では、手間のかかる開業資金調達の申請代行サービスについてサポート内容や利用方法を紹介します。

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目次

開業資金調達を効率化するなら申請代行がおすすめ

開業資金調達申請代行のサポート内容例

代表的な開業資金調達の申請代行サービスと費用

開業資金の調達に申請代行を利用する注意点

申請代行を活用して開業資金の調達を成功させよう

開業資金調達を効率化するなら申請代行がおすすめ

開業資金の調達は企業などからの出資、金融機関からの融資、補助金や助成金の活用と選択肢はさまざまです。しかし、どの調達先を選ぶ場合も事業計画の作成や各種書類の準備など、調達までに数多くのステップを踏まなくてはいけません。

事業計画の作成や各種書類の準備には専門知識が求められるため、多忙な開業時に多くの時間を割かれてしまいます。ほかにもやるべきことがある開業時に大きな負担となり、困っている方は多いでしょう。

多忙な創業期の開業資金調達では、申請代行サービスを活用するのがおすすめです。申請代行サービスを活用すれば、面倒な事業計画の作成や書類の準備をしてくれるだけでなく、融資の成功確率を高められます。資金調達時に活用できる申請代行サービスの種類や、サポート内容について紹介しますので、是非活用を検討してください。

開業資金の調達方法については「開業資金の調達方法とは?調達ポイントやメリット・デメリット」を参照ください。

開業資金調達申請代行のサポート内容例

開業資金調達の申請代行サービスには、具体的にどのようなサポートがあるのでしょうか。申請代行サービスが提供する4つのサポートについて解説します。なお、サービス提供する企業によってサポートの範囲は異なるため、依頼したい内容と企業が提供するサービス範囲を照らし合わせて、自社に合った申請代行サービスを選ぶようにしましょう。

事業計画(創業計画)の作成サポート

事業計画(創業計画)の作成サポートは、申請代行サービスにて提供する代表的なサポートの一つです。

事業計画(創業計画)は日本政策金融公庫での創業融資をはじめ、金融機関からの融資を希望する場合は必ずと言っていいほど必要な書類です。事業計画書は、事業内容や今後の戦略・収益の見通しなどを説明する書類であり、融資以外の資金調達でも求められることがあります。事業計画書の内容が開業資金を調達できるかどうかのカギを握ると言っても過言ではありません。

起業に向けた意欲などの説得力に欠けたり、各種数字に矛盾がある場合は、審査担当者がマイナスのイメージを持つ可能性があります。また、何度チェックをしても、自分では気づかない矛盾が潜んでいることもあります。
申請代行サービスを活用すれば、説得力や矛盾点の無い、調達先から評価される事業計画の作成サポートを行ってくれるので安心です。

なお融資審査を通過するポイントや融資全体の流れについては「開業資金の融資審査を通る基準とは?創業融資申し込みの基本を解説」を参照ください。

提出書類の作成サポート

資金調達では事業計画(創業計画)以外にも提出が必要な書類がいくつもあります。

参考に日本政策金融公庫での創業融資の申し込みでは以下の書類が必要です。

  • 借入申込書
  • 月別収支計画書(資金繰り計画書) ※任意
  • 履歴事項全部証明書の原本(申込が個人の場合は不要)
  • 見積書(設備資金希望時)
  • 不動産の登記簿謄本または登記事項証明書(不動産担保希望時)

必要書類に抜け漏れがあると改めて準備をしなくてはならず、時間と労力がかかってしまいます。さらに面談時には、上記に記載した以外の書類提出が必要となるケースもあります。申請代行サービスを利用すれば、必要な書類の作成をサポートしてくれます。

資金調達時に提出が求められる書類については「開業資金調達の書類作成方法とは?必要準備や注意点を解説」を参考にしてみてください。

融資担当者の紹介

申請代行サービスを活用すると、融資元の融資担当者を紹介している場合がある点も魅力です。
融資の判断において重要なポイントは、提出書類の内容と融資担当者の裁量によります。書類を不備なく準備しても、融資担当者の心象が悪ければ希望する融資は受けられないかもしれません。

融資面談前に融資担当者の紹介を受けることで、融資担当者の人柄などを把握でき、面談当日の緊張がほぐれリラックスして面談に臨めるでしょう。

申請代行サービスを通じて、融資担当者とのコネクションを作り、融資面談に向けて良好な関係をつくりましょう。

融資面談の同席や対策の実施

申請代行サービスを利用すれば、融資担当者との融資面談の対策や同席によるフォローを受けることができます。融資面談では事業計画をきちんとプレゼンし、自社の強みや弱みを把握するとともに、事業への熱意を伝えられるかがポイントになります。また融資担当者からの質問に対して、適切に答えられるかも重要な要素です。

数多くの融資面談に同席して、面談の流れや融資判断を分ける面談のポイントを心得ている申請代行サービスの力を借りることで、面談のポイントをおさえて十分な対策ができるでしょう。また緊張などで上手く話せないときは、同席してくれる申請代行サービスの担当者がフォローしてくれるので安心です。

また、申請代行サービスを活用すれば、融資の判断で重要な役割を担う融資面談のサポートも得られます。

代表的な開業資金調達の申請代行サービスと費用

代表的な開業資金調達の申請代行サービスと費用

開業資金調達の申請代行サービスにはいくつか種類があり、それぞれサービスの範囲や特徴、費用が異なります。代表的な開業資金調達の申請代行サービスを3つ紹介します。自社のニーズに即した申請代行サービスを選びましょう。

認定支援機関(経営革新等支援機関)

一つ目の代表的な申請代行サービスは認定支援機関です。認定支援機関とは略称で、経営革新等支援機関が正式名称となります。

認定支援機関とは中小企業庁が認定するもので、中小企業などの経営を支援する目的で設置されました。認定支援機関は主に弁護士や税理士、社労士などが認定されており、それぞれの得意分野は異なります。

特に日本政策金融公庫などの金融機関からの融資を希望する場合は、認定支援機関にて融資の代行手続きを行っているので活用を検討しましょう。

認定支援機関による申請代行サービスの費用は「着手金」と「審査に合格した場合にかかる報酬(成功報酬)」に分かれます。それぞれ相場は以下の通りです。

  • 着手金 10万円前後
  • 審査に合格した場合にかかる報酬(成功報酬) 補助金申込額の10%前後

なお、開業資金調達における全ての手続きを、認定支援機関に依頼できるわけではありません。必要書類を集めたり、金融機関との融資面談などは自身で行う必要があります。

公認会計士や税理士法人

公認会計士や税理士法人も開業資金調達の申請代行サービスを行っています。

法人によって提供するサービスの内容や範囲、費用が異なり、必要書類作成のためのヒアリングをした上で事業計画書、収支計画書、資金繰り表などの各種書類の作成を代行してもらえます。また融資面談に向けたポイントを交えて面談対策を実施してくれるのも魅力です。法人によっては面談同席も対応しています。

サービス内容とともに費用も法人によって異なりますが、大きく3つの体系があります。

着手金+成功報酬

一つ目の料金体系は着手金+成功報酬の組み合わせです。着手金は融資の成否に関わらず支払う費用で、相場は3~5万円です。融資が決定した場合の成功報酬は融資額によって変動します。

完全成功報酬

完全成功報酬の料金体系もあります。完全成功報酬では着手金は発生せず、融資が決定した場合のみ成功報酬を支払います。支払う報酬は調達額の5%前後が相場です。

顧問契約

税金の計算や決算対応を任せるために税理士と顧問契約を結ぶケースがあります。顧問契約を結んでいる場合、月額の顧問料のみで別に資金調達費用は発生しないことがあります。なお顧問料は一ヵ月10~50万円が相場です。

その他の民間サービス

民間企業でも申請代行サービスを行っています。経営コンサルタント業を営む企業や、経理業務のアウトソーシングを行う企業などが、税理士や公認会計士の専門家と提携してサービスを提供しています。
参考に申請代行サービスを行う民間企業を2つ紹介します。

株式会社TOP ONEと税理士法人 大石会計事務所が協同して運営するTOP ONE経理代行センターは経理業務全般のアウトソーシングを担っています。同社は融資に欠かせない事業計画作成サポートを提供するとともに、開業後の経理業務全般をサポートしてくれます。開業後を見据えて中長期的な支援が必要な人は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

経営コンサルタント業を営むエクセルブレーン株式会社が提供するサービスです。事業計画書の作成代行に特化し、事業計画書の作成は中小企業診断士の取得者のみで行っています。経営コンサルタントの視点から融資に通りやすい事業計画書の作成が期待できる点が特徴です。

なお料金体系はサービスを提供する企業や希望するサービス範囲によって異なります。検討中のサービスごとに料金体系を確認するようにしましょう。

開業資金の調達に申請代行を利用する注意点

開業資金の調達に申請代行を利用する注意点

開業資金調達を効率的に行うために申請代行サービスの活用は有効ですが、利用時に注意しなくてはいけないこともあります。注意点を押さえておかないと、かえって資金調達が遅れてしまう恐れもあります。資金が必要になるタイミングで融資が受けられないということが無いよう、サービス利用時に注意すべきポイントを紹介します。

全ての申請業務を代行依頼するのは難しい

申請代行サービスを活用したからといって、開業資金調達に必要なプロセスを全て依頼することはできません。申請代行サービスを活用しても、事業計画書の作成に必要な資料や書類など、自身で準備が必要な業務も発生します。

また融資面談に同席をしてくれる申請代行サービスもありますが、事業への情熱や意気込みを伝えるのは創業者であるあなた自身の役目です。創業者にしかできない役目を代行することは難しいと理解しておきましょう。

申請代行サービスに任せる業務、自身で対応する業務を切り分けて、開業資金調達に必要な準備を進めましょう。

依頼範囲によって申請代行業者を選ぼう

申請代行サービスはそれぞれ強みや得意とする分野が異なります。事業計画の作成に強みがあったり、事業計画作成から融資面談までワンストップでサポートするサービスなど特色があります。自社に必要なサービスは何かを洗い出し、依頼する範囲によって代行業者を選びましょう。

また事業計画書の作成と一口に言っても、おおよそ計画が完成している段階なのか、まだ検討が必要な段階なのかフェーズはさまざまです。創業者の描く事業計画が十分でない段階で申請代行サービスを利用しても、融資面談を通過する事業計画書はつくれません。その場合はまず事業計画に対するアドバイスや助言が必要といえるでしょう。

開業資金の相談先一覧|選び方や相談のコツ・費用を解説」を参考に、自社の段階に合わせて必要な相談先を選びましょう。

申請代行を活用して開業資金の調達を成功させよう

申請代行サービスの活用は開業資金調達にメリットがあると感じた方も多いでしょう。多忙な開業時に申請代行サービスを利用すれば、効率的に開業資金の調達ができます。しかし全てを申請代行業者に任せることはできません。申請代行サービスを活用しつつ、創業者にしかできない事業への熱量や意気込みを語り、創業融資を成功させましょう。

公開日:2022年05月30日

よくある質問

Q 完全成功報酬型の場合、融資が受けられなかったら費用は発生しませんか。 回答を見る
Q 公認会計士や税理士に開業資金調達の申請代行を依頼する場合、顧問契約は必須ですか。 回答を見る