開業資金の相談先一覧|選び方や相談のコツ・費用を解説

最終更新日:2022年04月26日

独立や開業を目指す人のなかには、開業資金について専門家に相談したい人もいるでしょう。この記事では開業資金の相談先を紹介するとともに、選び方や相談のポイント、相談の費用を紹介します。始めに相談したい内容を明確にすることで、相談先を選ぶ基準ができます。基準を設けて、最適な相談先を選びましょう。

フランチャイズを探してみる

目次

開業資金を相談するメリット

開業資金の相談先一覧

開業資金の相談先の選び方

相談内容や予算にあわせて相談先を見つけよう

開業資金を相談するメリット

インターネットで検索したり、書籍を読めば開業資金の悩みはクリアになると考える人もいるでしょう。第三者に頼らなくても開業資金の調達は可能ですが、開業資金について専門家に相談するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

融資審査に通りやすくなる

開業資金を専門家に相談するメリットの一つに、融資審査が通りやすくなることが挙げられます。自己資金のみでは開業資金が足りず、公的融資を検討している場合、指定の書類の提出や面談など融資審査を受けなくてはいけません。
事前に専門家に相談をすることで、融資審査のポイントを把握することができ、融資審査に通りやすくなります。

事業計画や返済計画を相談できる

2つ目のメリットは、事業計画や返済計画の相談ができることです。事業計画や返済計画は融資審査で必要になり、融資審査を通過するためにも重要になります。それだけではなく、実際に将来の事業運営や融資の返済計画、おさえるべきポイントについても事前に相談ができます。

専門家から客観的かつ専門的な意見やアドバイスがもらえれば、自身のやるべきことを、より明確にできるはずです。

開業資金の相談先一覧

開業資金の相談先一覧

開業資金について相談できる窓口は数多く、それぞれ特徴があります。相談したい内容や費用によって自分に合った相談先を選びましょう。相談先それぞれの特徴や相談するメリット、費用について紹介します。

商工会議所

日本全国にある商工会議所では起業・創業支援を行っており、開業時の悩みを相談できます。また商工会議所によっては独自にセミナーを運営し、起業・創業のサポートを行っています。

特徴と相談方法

商工会議所は開業だけでなく、経営上の課題に対してさまざまなサポートを提供しています。また必要に応じて弁護士や税理士など士業を紹介してくれます。

相談方法は各商工会議所によって異なります。たとえば東京商工会議所では、事前予約制となり対面、オンライン双方で相談を行っています。

相談するときのポイントや注意点

商工会議所自体に融資を行う制度は設けられていません。また、各商工会議所によって相談時間や相談回数に制限が設けられているケースがあるため確認が必要です。

費用

商工会議所での相談は無料の場合が多いです。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、国が100%出資する政府系の金融機関です。民間の金融機関と異なり、営利を追求せず、民間の金融機関では融資が難しいとされる実績のない開業時の融資を中心に提供しています。

特徴と相談方法

開業時の融資のみでなく、「創業前支援」としてこれから開業を考える経営者に向けてアドバイスや情報提供を行っています。また業種ごとに創業のポイントをまとめた資料を無料で公開しています。

相談方法は電話のほか、来店による対面面談やオンライン面談から都合に合わせて選ぶことができます。

相談するときのポイントや注意点

相談内容は記録されるため、事業計画や自己資金が不十分な時期に相談に行くのは控えた方が無難でしょう。まずは専門家に相談した上で、準備が整って来たら日本政策金融公庫に相談に行くのが望ましいです。

費用

「創業前支援」の電話相談や来店・オンライン相談を無料で行っています。

よろず支援拠点

よろず支援拠点は中小企業庁が設置した経営相談所です。各都道府県に設置され、年々相談件数が増加しています。

特徴と相談方法

よろず支援拠点の特徴は中小企業診断士や税理士、弁護士といった専門家に直接相談ができ、アドバイスをもらうことができる点です。

よろず支援拠点での相談は事前に予約が必要です。予約方法は都道府県によって異なるので、最寄りのよろず支援拠点のホームページで確認しましょう。

相談するときのポイントや注意点

よろず支援拠点では相談に乗ってもらい、助言・アドバイスを受けられます。つまり、融資を受けるための事業計画の作成補助や、融資の申し込みに関する相談は難しいでしょう。

またスタッフによっては相談したい内容の知識・経験が十分でないこともあります。事前に相談したい内容を伝え、詳しい専門家がいるかどうか確認しましょう。

費用

よろず支援拠点では、無料で何度でも相談可能です。

中小企業基盤整備機構

経済産業省傘下の独立行政法人で、中小企業支援を目的に設立された団体です。開業時の支援から事業再生、人材育成、販路開拓など幅広い経営支援サービスを提供しています。

特徴と相談方法

中小企業基盤整備機構の特徴は、運営するファンドから助成を受けられる点です。ほかの公的な相談先にない機能で、具体的に「地域中小企業応援ファンド」と「農商工連携型地域中小企業応援ファンド」を準備しています。開業時でも要件に該当すれば助成を受けられます。

相談方法は電話・対面・オンラインに加え、経営相談チャットサービス「E-SOUDAN」を備えています。時間を気にせず、疑問や不安をチャットを通じて解消できます。

相談するときのポイントや注意点

経営相談チャットサービス「E-SOUDAN」などを備え、気軽に相談できるのが中小企業基盤整備機構のメリットです。ほかのサービスに比べて、起業家や開業を考えている人になじみがなく知名度が高くありません。ほかのサービスで予約が取れなかったり、なかなか相談時間が確保できない人は積極的に活用を考えてもいいでしょう。

費用

中小企業基盤整備機構では無料で経営に関する相談を行っています。

民間の金融機関(銀行・信託銀行・信用組合)

中小企業との取引を重視する民間の金融機関があり、創業や開業相談を行う窓口を設け、創業融資を行っています。

特徴と相談方法

創業融資を行っている金融機関を見つけ、自身で問い合わせます。

相談するときのポイントや注意点

創業融資は金融機関にとってリスクが高く、多くの民間金融機関は積極的に創業融資を行っていません。創業融資を希望して面会を希望しても、断られてしまうケースもあります。

費用

民間の金融機関は融資したのちの利子で収益をあげており、融資の相談に費用はかかりません。

ドリームゲート

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。Webサービス、教育、イベントの3つを軸にさまざまな活動を展開しています。現在は株式会社プロジェクトニッポンによる自主運営となっています。

特徴と相談方法

ドリームゲートでは開業や経営に精通した400名以上のアドバイザーが登録しています。詳細な専門分野やエリアなどを選択することで、該当する専門家を検索できます。相談方法は面談のほかにメールでの相談も可能です。

相談するときのポイントや注意点

ドリームゲートでは融資や投資は行っていませんが、資金調達先を紹介してもらうことができます。また費用は原則かかりませんが、実際に業務を依頼する際には有料になるので注意が必要です。

費用

原則として面談は無料で実施できます。ただし一部の面談相談や実際に業務が発生する際には有料になるケースがあります。

士業(行政書士・税理士・中小企業診断士など)

行政書士、税理士、中小企業診断士といった士業に相談するのも一つの方法です。

特徴と相談方法

インターネット検索などで探したり、ほかの相談先から紹介してもらい問い合わせます。

相談するときのポイントや注意点

士業とひとくちにいっても、それぞれ専門分野は異なります。相談内容に応じて、相談する士業を検討しましょう。また同じ税理士であっても、資金調達の書類作成はできるものの相談業務には不慣れな人もいます。相談内容を解決してくれる士業かどうか見極めが求められます。

費用

事務所によって異なりますが初回相談を無料にしている事務所が多いです。相談料や具体的に業務を依頼する際には所定の費用がかかります。

民間企業

民間企業にて開業支援を行う企業があります。

ほかにも業種に特化した開業支援サービスもあり、たとえば飲食業であれば「飲食開業コンサル」、フランチャイズ開業であれば「フランチャイズ専門の開業資金相談」などさまざまなサービスが存在します。

特徴と相談方法

各社のサービスによって相談可能な範囲が異なります。業界やジャンルに特化している開業支援サービスもあり、開業を検討しているジャンルと合致するサービスであれば心強いでしょう。

相談するときはインターネットで検索し、自身で問い合わせます。ほかの相談先から紹介してもらえるケースもあります。

相談するときのポイントや注意点

相談できる範囲は各社サービスによって異なります。相談後に提供サービスの範囲外であると分かることもあるので、事前に相談事項を明確にし、問合せしたいサービスで対応してくれるか確認できると安心です。

費用

無料で相談できることもありますが、各社のサービスによって異なります。気になるサービスがあれば、詳細に確認するようにしましょう。

ベンチャーキャピタル・投資家

スタートアップに投資を行うベンチャーキャピタルや投資家も相談窓口の一つです。

特徴と相談方法

ベンチャーキャピタルや投資家は数々の創業者を支援しています。そのため、自身が考える開業のアイデアに対して壁打ちを行ってくれます。壁打ちを行うことで、事業計画がより質の高いものに仕上がる可能性があります。

相談する際は自身で検索したり、ほかの相談先から紹介してもらいましょう。

相談するときのポイントや注意点

事業計画が着想段階で面談をすると、準備不足やアイデア不足と判断されてしまうケースがあります。投資家によっては次回以降の面談を断られることもあるので、面談前に相談内容を具体的にまとめておくと良いでしょう。

費用

費用はベンチャーキャピタル、投資家によって異なりますが、無料で相談を受け付けているケースが多いです。ただし面談には事業計画書などの提出を求められるケースがあります。

開業資金の相談先の選び方

開業資金の相談先の選び方

開業資金の相談先は公的機関、民間機関ともに数多く存在します。数多くの選択肢から、どのように相談先を選ぶのが良いのでしょうか。相談先を選ぶ時のポイントを2つ紹介します。

費用で選ぶ

一つ目の選び方は相談に必要な費用で決めることです。開業段階では非常に多くの資金が必要で、費用をおさえたいのが本音でしょう。無料で相談できる窓口も多いので、資金と相談して相談先を決めましょう。

相談可能な範囲で選ぶ

もう一つは、相談内容によって相談先を決める方法です。単に開業資金の融資を銀行に相談したい場合は、銀行に直接相談するほうが良いでしょう。銀行からの融資のみならず、どのような融資方法があるのか知りたい場合は相談先が変わってきます。

融資以外にも事業計画や商品・サービス開発、営業方法など開業にあたっての相談内容は多岐に渡ります。どのような内容を相談したいかによって相談先は異なりますので、はじめに相談したい内容を明確にすることが必要です。

相談内容や予算にあわせて相談先を見つけよう

開業資金の相談先は思っていたよりも豊富にあると感じた人も多いでしょう。相談内容や予算によって最適な相談先は人それぞれ異なります。まずは開業資金に関して、何を相談したいのかを明確にし、予算と照らし合わせながら自分に合った相談先を見つけましょう。

公開日:2022年04月26日

よくある質問

Q 融資に向けたプレゼンについても相談できますか。 回答を見る
Q 事業計画書のフォーマットはありますか。 回答を見る