長引くコロナ不況でも約67%が開業に意欲的!ネットビジネス、飲食テイクアウト、介護福祉、不動産業界が盛況の兆し│開業副業調査ラボ

最終更新日:2022年03月31日

新型コロナウイルスの流行により、遠距離移動の自粛やステイホームの推進など日常生活の変化は著しく、様々な業界が多大な影響を受けました。
それもワクチンの普及や政策効果、国民1人ひとりの配慮により、2021年の秋以降は落ち着きをみせ、これから社会経済は回復していくように思われました。

しかし残念ながら、2022年はオミクロン株流行によるコロナ第6波の到来という幕開け。

あまりに長引くコロナ不況により、今再び、業績悪化の嘆きや将来不安の声が大きくなっています。

そこで今回は、開業に関心がある262人を対象に、コロナ禍を経て新しくビジネスを始めることについてどのような意識変化があったのか傾向を探るためアンケート調査を実施しました。

目次

当記事の調査データについて

コロナ禍における開業意欲の変化

コロナ禍における収入変化と開業意欲への影響

コロナ前後で比較し「より安定収益が得られるか」を重視するようになった人が多数

興味がある業界の変化(コロナ禍前、withコロナ時代、2022年現在の比較)

フランチャイズ比較.netとは

当記事の調査データについて

株式会社じげんが運営するフランチャイズ比較.netのサービス利用者を含む、開業への関心が高い262人を対象にしたアンケート調査を元にしています。(アンケート実施期間2022年2月22日~3月8日)

調査データ引用・転載時の注意

調査データを引用・転載する際は、必ず「出典:開業副業調査ラボ(フランチャイズ比較.net)」の明記をお願いいたします。
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フランチャイズ比較.net利用者を対象とした開業に関する意識調査データを提供し、より真剣に開業を検討されている方の傾向や需要などについて数字的根拠を元に分析・発表します。

コロナ禍における開業意欲の変化

様々な業界が揺れに揺れたコロナ禍において、開業への意欲にどういう影響があったのか調査しました。

コロナ禍で開業への意欲が強まった人は46.5%!変化なしを合わせると約66.5%が意欲的!

コロナ禍において新しくビジネスを始めたいという意欲はどのように変化したかアンケートをとったところ、開業意欲が強まっていると回答した人は46.5%ほど、対して慎重になったと回答した人は33.5%にとどまりました。

意欲が強まっていると答えた人、変化はなかったと答えた人を合わせると、全体の約66.5%の人がコロナ禍にあっても開業意欲はそうそう衰えることなく意欲的にあり続けていることになります。

飲食業界や旅行・イベント業界を始め、さまざまな業界で経営難を訴える声がよくきかれたので、検討を続けている方が多いというのは意外な結果のように感じられる方も多いでしょう。

コロナ禍においての開業意欲の変化_アンケート調査

しかしコロナが直接的な要因となり意欲が変化した人に限定して数字をおっていくと、コロナが直接影響して開業意欲が強まったと答えた人は22.5%、コロナによって消極的になったと答えた人は24%と、僅差ではありますが逆転しています。

コロナ禍においての開業意欲の変化_アンケート調査2

▲「開業に慎重になった」と回答した人の内訳をみるとコロナが直接要因であるという回答が7割、コロナは関係ないと答えた人が3割という結果に。

コロナの影響で開業意欲が強まった理由は「安定志向の増加」や「現在の仕事の業績悪化」

コロナ禍で開業意欲が強まった理由についても、掘り下げて質問したところ、「コロナ禍を経て不況に左右されない仕事をしたい気持ちが高まった」という回答が最も多い24%、次いで「コロナによる業績悪化に伴い収入が減った」が23%、「現在の仕事がコロナの打撃を受け不安になった」が19%という結果でした。

コロナ禍においての開業意欲が高まった理由_アンケート調査

いずれも現在の仕事に対しコロナ不況で不安を抱えている点が共通しており、全体の7割近くを占めます。

残りの約3割は、コロナにより急成長している業界に興味が出た、家族とのかかわりが増えワークライフバランスの点から意欲が高まった、テレワーク導入により時間に余裕ができたなど、市場や生活の変化から開業をするなら今と考えた層で占められました。

コロナの影響で開業に消極的になった理由は「不況に左右される市場への不安」

対して、開業に対し消極的になった理由は「コロナ禍を経て不況に左右されない仕事をしたい気持ちが高まった」が45%と半数近くまでのぼりました。
その次が「検討していた業界がコロナにより打撃を受けているから」で22%です。

どちらもコロナによる市場変化が要因といえ、それが7割近くを占める結果となりました。

コロナ禍においての開業に消極的になった理由_アンケート調査

開業意欲変化について業界差分

開業に対し慎重になったと回答した層の多くが、コロナの市場変化による不況不安ということから、検討している業界ごとに差異があるのかについても調べてみました。

意外にもコロナで経営難が取りざたされた「飲食業」は、コロナ影響で開業に積極的・消極的になった人の割合がほとんど変わりませんでした。

一方、コロナ不況由来で開業に慎重になったと回答した人の割合が多かったのは、「学習塾・幼児教育・各種スクール」と「結婚相談所」という結果に。

コロナ禍においての開業意欲の業界別変化_アンケート調査

「学習塾・幼児教育・各種スクール」に関しては、オミクロン株によるコロナ第6波は子どもの感染数が多かったことが要因のひとつにあげられるでしょう。
学力の低下が懸念される中でも、教室の閉鎖のニュースは相次ぎ、ストック型の安定収入モデルのイメージが一変、コロナ不況に左右される業種というイメージに切り替わったのかもしれません。

「結婚相談所」に関しては、個人開業の場合、客層がやや中高年に偏る傾向があるため、コロナ禍では集客が困難になることが予想されたためと考えられます。

開業意欲の変化に関し、独立開業予定の人と副業形態予定の人との比較

ひとくちに開業といっても、いわゆる脱サラをして完全に独立開業を目指す人や、現在の仕事を辞めずに副業形態でビジネスを開始する人など様々です。
そこで、コロナ禍の開業意欲の変化に関して、独立開業を目指す人と副業で始めたい人とを分けて傾向を比べてみました。

まず、独立開業を目指す人に限定して数字を紐解いていくと、コロナ影響で消極的になったと回答した人が最も多い結果となりました。

独立開業においては、初期投資が大きく、安定収入を断ち切っての新規ビジネスとなることもあるため、コロナ禍で目まぐるしく変化する市場に対し先が読めず、どうしても慎重になってしまうのでしょう。

コロナ禍においての開業意欲の変化(独立開業予定の人)_アンケート調査

対して、副業を検討中の方に限定してみると、コロナにより副業を開始したい意欲が強まったと回答した人が最も多くなっています。

副業においては収入増の狙いや空き時間の有効活用などがきっかけになる分、コロナ禍での業績不振やリモートワーク・ステイホーム推進による在宅時間の増加などがプラスに働く背景があったようです。

コロナ禍においての開業意欲の変化(副業予定の人)_アンケート調査

コロナ禍における収入変化と開業意欲への影響

開業意欲が強まった理由・慎重になった理由では、少数ですがコロナによる収入減が理由にあがっていました。
平時でも収入減は転職理由によく挙げられます。
第一の理由としてあげられなかっただけで、収入変化の背景がないかどうかについても調べてみました。

開業を検討中の人で収入増している人はほとんどいない

全体では、収入が下がったと回答した人が45%、収入が上がった人はわずか7%、変化がない人は48%という結果でした。

収入が増え、新規事業に乗り出すため開業する人も一部いるはずですが、この数字からは収入減もしくは収入が変化しない(増えない)という状況にあり、開業を検討し始めたということがわかります。

コロナ禍においての収入変化_アンケート調査

コロナ禍で開業意欲に変化が出た人のうち約60%は収入減の状況

一方、コロナ禍で開業意欲に変化があったと回答した人のうち、収入の変化をたずねると59%もの人が収入が下がったと回答しました。

全体とを比べて比率に大きな差分があります。

このことから収入減少の状況が、直接的あるいは間接的に開業意欲に影響している可能性は高いといえるでしょう。

コロナ禍においての収入変化2_アンケート調査

コロナ前後で比較し「より安定収益が得られるか」を重視するようになった人が多数

開業を検討する際、懸念として重く考えているポイント、重要視するポイントは人それぞれ異なります。
コロナ禍を経てその意識がどのように変化したのかもみてみましょう。

開業検討の際の懸念点に変化があった人は77%

開業への不安はさまざま挙げられますが、その内容がコロナ禍を経て変化したと回答した人は77%にも及びました。

コロナ禍においての開業懸念の変化_アンケート調査

変化したという回答の内訳をみていくと、「収入が不安定になりそうとより不安になった」が最も多い23%。
次いで、「黒字化が難しいのではとより不安になった」が17%、「資金不足がより不安になった」が13%と続きます。

コロナ禍においての開業懸念の変化2_アンケート調査

いずれもお金に関する不安という点が共通しています。
開業に際しては、初期投資額や収入支出を気にする方がほとんどなので、これらが上位を占めるのは自然な状態です。

ここで注視すべきなのは、コロナ禍を経て不況に左右されるかどうか、安定収入が得られるかどうかという意識が高まり「収入が不安定にならないか」という心配が1位に浮上しているという点です。

バブル崩壊、金融危機、リーマンショック……不況に陥った時には、若者の進路がわかりやすく安定志向に偏りますが、今回のコロナ不況によっても、多くの人が安定志向に傾いている様子がこの調査からうかがえます。

開業時に重視するポイントが変化した人は82%

開業検討の際、どういった点を判断材料として特に重視するかは人によって異なります。
開業資金と答える人もいれば、初期投資の回収期間と答える人、高収入を目標にする人、安定経営を第一と考える人……、各々の事情や目的によって違いがあるのも当然でしょう。
しかし、長引くコロナ不況はそれらにも多大な影響を与えたようです。
コロナ禍を経て開業の際に重視するポイントに変化があったかどうかのアンケート調査では、変化したと回答した人がなんと82%となりました。

コロナ禍においての開業重視ポイントの変化_アンケート調査

変化したと回答した人の内訳をみてみると、不況によって業績が左右される例をたくさん目にしたからか「安定収益が見込めるかをより重視するようになった」が18%と最も票をあつめています。
次に「開業資金の安さをより重視するようになった」が12%、「不況にも左右されないビジネスかどうかをより重視するようになった」が11%でした。

コロナ禍においての開業重視ポイントの変化2_アンケート調査

3つのうち「開業資金の安さを重視」という項目だけ、不況による安定志向から外れているように思われるかもしれませんが、先述の「コロナ禍で収入変化」では収入減したと回答した人は45%と半数近くいました。
それを踏まえると、投資できる額が少なくなったので開業資金を抑えたいニーズが高まるのも道理といえるでしょう。

興味がある業界の変化(コロナ禍前、withコロナ時代、2022年現在の比較)

コロナ禍の市場変化が開業検討者の意識にいくらか影響を与えることは、これまでのデータからよくわかります。

そこで、今度はコロナが流行する前、コロナ禍の真っ只中いわゆるwithコロナ時代、第6波の収束後アフターコロナ時代を見据える2022年現在とで、各業界への興味がどのように移り変わっているかをみてみましょう。

2022年は飲食のテイクアウトや不動産、自動車業界への関心が高まっている

業界別で人気順を追っていくと、身近なtoC事業である飲食業界と、ネット環境があれば始められるネットビジネス業界に票があつまっています。

特にコロナ禍においてネットビジネスの需要は激しい変化がみられました。
まずコロナ前とwithコロナ時代を比べると、自粛によりネット利用が増えたことや在宅で始められる点が、時代にマッチし関心が高まりました。
現在はピークがすぎたのか、やや票は減りましたがコロナ前と比べると高い状態を維持しています。

また、withコロナ時代と2022年現在とを比較すると「飲食のテイクアウト」や「不動産」、「自動車業界」の関心が高まっていることがわかります。

コロナ禍においての興味のある業界変化_アンケート調査

3つの中では不動産業界への関心の高まりは特に顕著でした。この数年を通して不況に左右されにくい様子が目に見える結果として現れたので評価が高まっているのでしょう。

飲食のテイクアウト(お弁当・ファストフード・移動販売など)に関しては、withコロナ時代に急成長をみせたかのように思われましたが、意外にも、コロナ禍前と比較して関心は落ちていました。
カフェや定食屋なども生存をかけてデリバリー&テイクアウト戦略を繰り出していたため、競合の多さから難易度が高く感じられたなどが理由として考えられます。
そして現在は、withコロナ時代を経て成功例と失敗例が明らかになり、成功モデルを踏襲しやすくなったことから、関心が高まりコロナ前の状況まで回復しようとしています。

上のふたつと比べると勢いはやや落ちますが、自動車・中古車業界も関心が高まっています。
コロナ以前より少子高齢化で市場は萎むと騒がれていましたが、withコロナ時代では交通機関を避けた自動車での移動が多くなり、コロナ前よりも注目されつつあるようです。

コロナ時代が終わった後、成長が見込める業界

コロナ時代が完全に終わった後、自身の興味とは関係なくどの業界が成長すると思うかについて質問したところ、ネットビジネス業界に票があつまる結果になりました。

次いで、介護・福祉業界、飲食のテイクアウト(お弁当・ファストフード・移動販売など)が続いています。

コロナ後に成長が見込めると考える業界_アンケート調査

ネットビジネスは先述したとおり、以前より勢いがあった分野ですがコロナを機にさらにその勢いが増した業界です。
少し落ち着いたとはいえ、成長市場であることは間違いありません。
この結果に関しては誰の目にも明らかなテクノロジー分野の進化・発展を踏まえたヨミでもあるのでしょう。

介護・福祉は、少子高齢化社会の今、需要は必然的に高まっていきます。
加えて、コロナ禍では不況に左右されない強みに注目があつまりました。
資金や施設の準備、人材確保、各制度への理解、諸手続きなど、開業までの難易度が高く誰でも簡単に参入できる業界ではなく、ネットビジネスや飲食といった人気業界と比べれば開業検討者は少ないものの、不況に左右されないと証明された分野であり、需要の大きさも相まって成長を感じる人は多いようです。

3つ目に票があつまった飲食のテイクアウト(お弁当・ファストフード・移動販売など)は、まさにコロナによって需要が形成された業界といえるでしょう。
低コストで高収入が見込める移動販売はコロナ前より注目されてはいましたが、デリバリーサービスの急成長に乗るような形で、元よりテイクアウト向けだった商品は流行の波に一早く乗ることができました。
現在ではデリバリー&テイクアウトの需要が完全に確立されており、近所にあるファストフードであってもデリバリーを利用するケースは珍しくありません。
こちらも今後間違いなく賑わい続ける業界となるでしょう。

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公開日:2022年03月31日