お好み焼き屋フランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
最終更新日:2020年07月02日

お好み焼き屋のフランチャイズ開業では、数千万単位の初期費用が発生します。
また、運営資金も含めると発生するコストの種類が多いので、フランチャイズによる開業を検討している方は、慎重に資金計画を立てることが必要です。
そこで今回は、お好み焼き屋のフランチャイズを始めるために必要な加盟金などの開業資金(初期費用)、ロイヤリティなどの運営資金を詳しくご紹介。
お好み焼き屋のフランチャイズでの独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
お好み焼き屋フランチャイズの開業と運営に必要な資金の目安
お好み焼きのフランチャイズ開業に必要な資金の目安は、3,000~4,000万円です。
この費用は、開業資金(初期費用)と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。
なかでも高額になりやすい費用としては、「店舗関連費」が挙げられます。
お好み焼き屋のフランチャイズ開業では、40~50坪程度の店舗が必要になるほか、厨房機器などの設備も導入することになるため、店舗関連費だけで2,000万円以上の費用がかかるケースは珍しくありません。
また、加盟する本部によって加盟金や保証金の負担が大きく異なる点も、事前に押さえておきたいポイントです。
本部の選び方次第では、初期費用を数百万円単位で節約することも可能になるため、フランチャイズの加盟先は慎重に決めるようにしましょう。
<開業資金(初期費用)の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
加盟金 | 90~500万円 |
保証金 | 25~200万円 |
店舗関連費 (物件取得費・内装工事費・設備費など) |
2,000~2,600万円 |
研修費 | 10~50万円 |
合計 | 2,200~3,100万円 |
<運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 234万円 |
賃貸料 | 180万円 |
原材料費 | 261万円 |
ロイヤリティ | 27~45万円 |
合計 | 700~720万円 |
※原材料費は売上の29%、人件費は売上の26%と想定して計算を行っています。
※月の売上を300万円と想定し計算を行っています。
以下で一つずつ項目を解説していきます。
お好み焼き屋のフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)
お好み焼き屋のフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)としては、加盟金や保証金、店舗関連費、研修費などが挙げられます。
特に「加盟金・保証金・店舗関連費」の3つは、加盟するフランチャイズによって大きな差が出るコストなので、本部による違いや内訳をしっかりと理解しておくことが大切です。
では、無理のない資金計画を立てるために、以下で各費用の詳細をチェックしていきましょう。
加盟金
お好み焼き屋のフランチャイズ開業に必要な加盟金は、90~500万円程度です。
加盟金とは、本部に加盟する際に一度だけ支払う費用のこと。
本部から提供されるブランドやノウハウの「使用料」といった意味合いがあるので、本部のブランド力が強かったりサポートが充実していたりすると、加盟金は高額になる傾向があります。
したがって、加盟するフランチャイズを選ぶ際には、加盟金の金額だけを比較するべきではありません。
ほかの費用はもちろん、「高い集客力があるか?」や「どのようなサポートが備わっているか?」なども加味したうえで、加盟先を選ぶようにしましょう。
保証金
お好み焼き屋のフランチャイズ開業では、25~200万円程度の保証金が発生します。
加盟金と同じく、保証金も加盟時に一度だけ支払う費用なので、ランニングコストにはなりません。
ちなみに保証金とは、ロイヤリティや仕入れ代金の支払いが滞った際に使われる「一時金」のこと。
仮に何らかの支払いが滞った場合には、その不足分が保証金から差し引かれる形となります。
つまり、保証金は本部に「預けておく資金」なので、契約の満了時にはその全額を返還してもらえます。
店舗関連費(物件取得費・内装工事費・設備費など)
初期費用の中でも、店舗関連費は特に高額になりやすい費用です。
その内訳は物件取得費や店舗造作費、設備費などであり、これらの費用を合計すると2,000~2,600万円程度のコストが発生します。
なかでも大きいコストは、「店舗造作費」と「設備費」の2つ。
お好み焼き屋の標準モデルでは、店舗造作費が1,400万円ほど、設備費が1,200万円ほどかかってきます。
また、加盟するフランチャイズによっては、敷地面積や建物面積に関する加盟条件が設定されている点にも注意が必要です。
そのような本部を選ぶ場合には、スペースがある程度広い物件を取得する必要があるので、物件取得費も軽視しないようにしましょう。
研修費
研修制度がある本部に加盟する場合は、10~50万円程度の研修費が発生します。
お好み焼き屋のフランチャイズ業界では、多くの開業プランに研修制度が含まれているため、研修費はあらかじめ予算に組み込んでおくと良いでしょう。
ちなみに、研修費がやや高めに設定されているフランチャイズは、開業前の研修やフォローに加えて、開業後のサポートも充実している傾向があります。
開業後のサポートは非常に心強いポイントになるので、特に未経験から始める方は「研修費・研修内容・サポート体制」の3つを比較するようにしましょう。
また、多くの従業員を雇う場合には、従業員を対象にした研修が実施されている本部を選ぶと、効率的に教育できます。
お好み焼き屋のフランチャイズに必要な運営資金
お好み焼き屋のフランチャイズに必要な運営資金は、主に以下の4つです。
- 人件費
- 賃貸料
- 原材料費
- ロイヤリティ
初期費用に比べると金額は大きくありませんが、上記はいずれも常に発生するコストなので、目安となる金額や内訳をしっかりと確認しておきましょう。
人件費
人件費は、運営するお店の規模によって負担が変わるコストです。
金額の目安は「売上の約26%」となるので、仮に毎月の売上を300万円と想定すると、1ヵ月あたり78万円程度の人件費が発生します。
人件費は従業員を減らすことで簡単に削減できますが、1人のスタッフがこなせる業務量には限界があります。
また、社員の給料やアルバイトの時給を削ると、従業員全体のモチベーションが下がるので、それに伴って売上も落ちこんでしまうでしょう。
お好み焼き屋の運営では、厨房の調理スタッフに加えて、お店を回すためのホールスタッフも用意しなければなりません。
無理に人件費を削減しようとすると、どこかに弊害が生じてしまうので、人件費を抑えたい方は人材や給与の削減ではなく、「業務の効率化」を意識するようにしましょう。
賃貸料
賃貸料も、お好み焼き屋の規模によって金額が大きく変わるコストです。
仮に40坪の物件を借りるとなると、1ヵ月あたりの賃貸料は60万円程度となります。
賃貸料は物件の広さのほか、「立地」の影響も大きく受けます。
たとえば、大きな道路に接している路面店や、ターミナル駅から近い物件は家賃が高くなるため、これらのエリアを避ければ賃貸料はある程度抑えられるでしょう。
ただし、人通りが少なかったり、あまりにもアクセスが悪かったりすると、客足が遠のいてしまう恐れがあります。
したがって、物件を選ぶ際には賃貸料だけではなく、立地による集客効果や宣伝効果も意識することが大切です。
原材料費
お好み焼き屋の原材料費は、「売上の約29%」が目安となります。
つまり、毎月の売上を300万円と仮定した場合は、1ヵ月あたり87万円程度の原材料費がかかります。
原材料費を抑えるには、廃棄ロスをうまくコントロールすることがポイント。
たとえば、注文が少ないメニューに関する原材料や、お店のコンセプトに合わないメニューを削減すれば、原材料費はある程度抑えられます。
ただし、仕入れる原材料を削減しすぎると、それに伴って売上も落ちてしまうので注意が必要です。
また、加盟するフランチャイズによっては、仕入ルートや仕入れ量を簡単に調整できない可能性も考えられるため、契約内容はしっかりと確認しておきましょう。
ロイヤリティ
お好み焼き屋のフランチャイズでは、売上の3~5%程度のロイヤリティが毎月発生します。
ロイヤリティとは、本部の商品やノウハウ、ブランドを利用するために支払う費用のこと。
ロイヤリティには複数の計算方式がありますが、お好み焼き屋のフランチャイズ業界では、売上に対する割合が決められた「売上歩合方式」が多く採用されています。
売上歩合方式が採用されている場合、ロイヤリティの金額は数%の違いで大きく変わるため注意が必要です。
たとえば、毎月の売上を300万円と仮定すると、割合の違いによってロイヤリティの負担は以下のように変わってきます。
・売上の3%…1ヵ月あたり9万円
・売上の5%…1ヵ月あたり15万円
1ヵ月単位で見ると「大したことない」と感じるかもしれませんが、年単位で見ると毎月数万円の違いが大きな差となるので、各本部のロイヤリティの仕組みはしっかりとチェックしておきましょう。
お好み焼き屋フランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
お好み焼き屋をフランチャイズで開業する場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
(必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。)
今回は、1ヵ月あたりの売上高が約300万円の店舗をモデルに算出しています。
総粗利益高
135.0万円
=300万円(売上高)ー87.0万円(原材料費)-78.0万円(人件費)店利益
60.0万円
=135.0万円ー75.0万円(家賃やロイヤリティなど)
最終的に残る利益は契約によって多少異なりますが、売上高に対する利益は「15~20%程度」になる開業プランが一般的です。
そのため、売上高500万円では75~100万円、売上高1,000万円では150~200万円ほどの利益を見込めるでしょう。
ただし、これは無駄なコストが発生していないことを前提としたシミュレーションです。
スタッフを雇いすぎたり、廃棄ロスが多かったりすると、無駄なコストによって利益が圧縮されてしまうので、開業をするのであれば「規模に適した運営環境」を整えなくてはなりません。
また、ロイヤリティのように加盟する本部によって負担が変わるコストもあるので、各本部の情報をしっかりと把握したうえで、開業プランを細かく比較するようにしましょう。
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公開日:2020年06月29日