廃業届の基礎知識!書き方や手続き方法などをまとめて紹介!

公開日:2021年04月09日

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個人事業主が廃業する場合は、税務署に廃業届(廃業等届出書)を提出する必要があります。しかし、廃業の手続きは必要書類が多く、複数の提出先があることから、混乱してしまう方も多くいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、廃業届の書き方や必要書類、実際の手続き方法などをまとめました。

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目次

廃業届とは?

廃業届を書く前に準備するもの

廃業届の書き方

廃業届の手続き方法

廃業届を提出しないとどうなる?

廃業を決めたらスケジュールの作成を

廃業届とは?

廃業届とは、廃業する個人事業主に対して提出が義務づけられている書類のこと。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」であり、個人事業主が事業所得や不動産所得、山林所得に関する廃業をした場合は、税務署にこの書類を提出しなければなりません。

また、廃業届の提出時には、ほかの添付書類をそろえることも必要です。記入すべき項目も多いため、廃業を検討している方は書き方や手続き方法を本記事でしっかりと確認していきましょう。

廃業届を書く前に準備するもの

廃業届を書く前には、事前に以下のものを準備しておくとスムーズに作業を進められます。

準備するもの 概要
廃業届(廃業等届出書) 最寄りの税務署から入手可能。国税庁の公式ホームページからもテンプレートをダウンロードできる。
マイナンバーを確認できるもの マイナンバーカードや通知カードのこと。コピーなどを添付する必要はないため、マイナンバーを覚えている場合は不要。
印鑑 押印用の印鑑。開業届の提出時と同じものを使用することが望ましい。
開業届の控え 開業日などを記入する必要があるため、開業届の提出時に保管した控えを用意しておく。
確定申告書の控え 事業所の所在地や給与の支払状況など、廃業する事業の概要を記入する際に使用する。

ケースによっては不要なものもありますが、上記のものを準備しておくと記入ミスの防止にもつながります。なかでも開業届や確定申告書の控えは、探すのに手間がかかることもあるので、早めに準備することを心がけましょう。

廃業届の書き方

税務署に提出する廃業届(廃業等届出書)は、正しい方法で記入をしなければなりません。そこで次からは、主な項目に分けて廃業届の書き方をまとめました。

廃業届の書き方

出典:国税庁ホームページ
※「個人事業の開業・廃業等届出書」を加工して作成

主な項目 概要や書き方のルール
税務署名・提出年月日 所轄(納税地)の税務署名と、廃業届を提出する年月日を記入する。
納税地 納税地の住所に関して、「住所地・居所地・事業所等」のいずれかに該当するものに○をつける。また、その下には開業届に記入した納税地の基本情報(住所など)を記入。
上記以外の住所地・事業所等 事業主の自宅と事務所が異なる場合は、上記の「納税地」に記入していないほうの基本情報(住所など)を記入する。
氏名・生年月日・個人番号 廃業する事業主の個人情報を記入し、氏名の横に押印する。個人番号については、12桁のマイナンバーを記入。
職業・屋号 開業届や確定申告書の控えを確認し、これらの書類と同じ「職業・屋号」を記入する。
届出の区分 「廃業」に○をつけ、右側に廃業の事由を記入する。なお、主な事由が事業譲渡の場合は、その下に譲渡先の住所・氏名を記入するだけで構わない。
所得の種類 廃業する事業によって得ていた所得に○をつける。また、廃業する事業の範囲(全部もしくは一部)も選択し、「一部」の場合は対象となる事業をすべて記入する。
開業・廃業等日 廃業した当日の年月日(※西暦で記載)を記入する。
事業所等を新増設、移転、廃止した場合 廃業する場合は記入不要。
廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合 法人設立が廃業の事由である場合は、設立する法人の基本情報(法人名や代表者など)を記入する。
開業・廃業に伴う届出書の提出の有無 廃業手続きの際に、合わせて提出する届出書に○をつける。
事業の概要 廃業前に行っていた事業内容を、できるだけ具体的に記入する。
給与等の支払の状況 家族に給与を支払っていた場合は「専従者」に、それ以外の人物を雇っていた場合は「使用人」の欄に該当する人数などを記入する。給与の定め方については、「月給・日給・時給」のように具体的に記入。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無 従業員を雇っており、かつ源泉徴収税の納期の特例を申請していた場合は○をつける。
給与支払を開始する年月日 廃業する場合は記入不要。

なお、廃業届の上部には「個人事業の開業・廃業等届出書」と記載されていますが、「開業」の文字は二重線で消しておきましょう。

廃業届の手続き方法

廃業手続きをスムーズに済ませるには、税務署での「手続き方法」も事前に確認しておくことが大切です。廃業等届出書のほかに必要な書類と合わせて、以下で廃業手続きの方法をチェックしていきましょう。

提出期限

廃業等届出書の提出期限は、廃業の事実があった日から「1ヵ月以内」です。ちなみに、提出期限が土日祝日に該当する場合は、その翌日が税務署に提出する期限となります。

廃業日からある程度の猶予はありますが、手続きを後回しにすると忘れてしまう恐れがあるので、廃業を決めた段階でスケジュールを立てておきましょう。

提出先

作成した廃業等届出書は、納税地を所轄する税務署に提出します。納税地と現住所が離れている場合は、提出先が最寄りの税務署ではない可能性があるので注意してください。

なお、該当の税務署が分からない場合は、国税庁の公式ホームページから検索をしてみましょう。

提出方法

廃業等届出書の提出方法には、以下の2つがあります。

  • 税務署に持参する…所轄の税務署に持参する方法。受付時間は平日の8時30分~17時まで(時間外収受箱に投函すれば、受付時間外でも提出可能)。
  • 郵送する…所轄の税務署に郵送する方法。紛失を防ぐために、普通郵便ではなく簡易書留で郵送することが望ましい。

なお、解散などの登記が必要になる法人とは違い、個人事業主の廃業手続きでは費用は発生しません。ただし、ケースによっては設備・在庫の処分費用や、従業員への退職金などを用意しておく必要があります。

廃業届のほかに必要な書類

廃業の手続きでは廃業等届出書のほか、以下の書類も税務署に提出する必要があります。個人事業主によって提出書類は異なるので、一つずつしっかりと確認していきましょう。

青色申告の取りやめ届出書

廃業にともなって青色申告を取りやめる場合は、「青色申告の取りやめ届出書」を所轄の税務署に提出します。提出期限は廃業した翌年の3月15日までなので、廃業した年の確定申告の際に提出しても構いません。

ただし、提出を後回しにすると忘れてしまう恐れがあるため、できれば廃業等届出書と一緒に提出しておきましょう。

事業廃止届出書

廃業前に消費税の課税事業者に該当していた場合は、所轄の税務署に「事業廃止届出書」を提出します。課税事業者とは、以下のうちいずれかの条件を満たす事業者のことです。

  • 前々年の課税売上高が1,000万円を超えている
  • 前年1~6月までの課税売上高、または給与等支払額が1,000万円を超えている

提出期限については「速やかに」と明記されているため、こちらも廃業等届出書と合わせて提出できるように準備しておきましょう。

所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書

予定納税をしている個人事業主が廃業すると、所得税・復興特別所得税を支払い過ぎてしまう恐れがあります。納め過ぎた税金は確定申告によって還付されますが、一時的な支払い超過を避けたい場合は「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」を所轄の税務署に提出します。

なお、提出期限は下記の通りですが、提出漏れを防ぐために廃業等届出書と合わせて用意しておくことが望ましいでしょう。

  • 第1期分と第2期分…減額申請をする年の7月1日~7月15日まで
  • 第2期分のみ…減額申請をする年の11月1日~11月15日まで

なお、提出にあたっては損益計算書の添付が必要です。

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書

従業員に給与を支払っていた個人事業主は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を所轄の税務署に提出します。提出期限は、廃業等届出書と同じく廃業日から1ヵ月以内です。

都道府県税事務所に対する提出書類

これまで行ってきた事業内容や規模に関わらず、個人事業主が廃業する際には「都道府県税事務所への提出書類」も準備しなければなりません。具体的には廃止に係る申告書などを提出しますが、これは廃業等届出書とは全く異なる書類であり、自治体によって書類の名称や提出期限が異なります。

また、提出先は税務署ではなく「所轄の都道府県税事務所」となるため、事前に各地域の必要書類や提出先の住所を調べておきましょう。

廃業届を提出しないとどうなる?

税務署に廃業等届出書を提出しなかった場合、個人事業主には以下のような弊害が生じます。

  • 納付する義務がない税金の支払いを求められる
  • 税務調査の対象になる
  • 給与所得者になっても確定申告の案内が届く

これらは必ず発生する弊害ではありませんが、手続きを怠ると余計な混乱を招きかねません。自身の状況を整理するためにも、廃業時にはしっかりと手続きを済ませておきましょう。

廃業を決めたらスケジュールの作成を

個人事業主が廃業する際には、必ず廃業等届出書などの書類を税務署に提出しなければなりません。また、都道府県税事務所にも提出すべき書類があるので、廃業を決めたらまずは手続き全体のスケジュールを立てることが大切です。

必要な手続きを忘れないように、一つずつ確認しながらスケジュールを立てていきましょう。

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