訪問看護を開業するのに必要な準備・費用とは

最終更新日:2020年09月28日

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訪問看護は、訪問看護ステーションなどの医療機関から人材を派遣し、患者宅や施設で医療処置を行うビジネスです。大きなやりがいがあり、社会貢献にもつながるビジネスなので、「自分も始めてみたい!」と考えている方は多くいらっしゃるでしょう。

しかし、訪問看護ビジネスを始めるのであれば、開業前にさまざまな準備を進める必要があります。単に訪問看護ステーションを開設するだけでは、地域住民から感謝されるようなサービスは提供できません。

そこで今回は、訪問看護ステーションの開業に必要な費用や特徴、準備など、訪問看護の開業前に知っておきたい情報をまとめました。おすすめのフランチャイズ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

訪問看護の開業に必要な費用

訪問看護の特徴

訪問看護の開業に必要な準備

訪問看護でおすすめのフランチャイズ

訪問看護の開業に必要な費用

はじめに、訪問看護の開業に必要な費用を初期費用と運営資金、売上、借入の有無に分けて紹介します。

初期費用

訪問看護の開業に必要な初期費用は、約550万円です。
この費用は、一般的な規模の訪問看護ステーションを開業した場合の金額なので、あくまで目安のひとつとして参考にしてください。

<初期費用の目安>

項目 金額
物件取得費 100万円
車両費 150万円
資格取得費 150万円
備品購入費 100万円
広告宣伝費 50万円
合計 550万円

主な初期費用としては、物件取得費や車両費、資格取得費、備品購入費、広告宣伝費が挙げられます。

訪問看護ステーションの開業では、飲食店のような広い店舗は必要ありません。
ただし、専用区画をもつ事務所が必要になるので、物件取得費と内外装費を合わせて100万円程度の費用がかかってきます。

また、患者の自宅に向かうための車両や、事務用品・医療用品などの備品が必要になる点も忘れてはいけないポイントです。
大がかりな設備は必要ありませんが、これらの車両費や備品購入費を合計すると250万円程度の費用がかかります。

さらに、訪問看護ステーションの立ち上げ時には、「常勤換算2.5名」の従業員(※後述で詳しく解説)を配置することが求められます。
看護学校を卒業していない場合は、入学~資格の取得までに約150万円の資金が必要になるため、この資格取得費も忘れないようにしましょう。

なお、訪問看護をフランチャイズで開業するケースでは、上記以外に加盟金や保証金、研修費などの費用が発生します。
そのため、個人開業に比べると開業資金はやや高くなりますが、フランチャイズ開業では本部からさまざまなサポートを受けられます。
なかには必要資金が抑えられている開業プランも見受けられるので、開業前にはフランチャイズも選択肢のひとつとして検討しておきましょう。

運営資金

訪問看護の開業に必要な運営資金は、1ヵ月あたり約277万円です。
毎月の売上を400万円程度と仮定して、各項目の計算を行っています。

<運営資金の目安>

項目 金額
人件費 220万円
賃貸料 10万円
車両関連費 30万円
水道光熱費 2万円
消耗品費・雑費 15万円
合計 277万円

主な費用としては、人件費や賃貸料、車両関連費、水道光熱費、消耗品費・雑費が挙げられます。
いずれの費用も、事業の規模によって金額が大きく変動するので注意してください。

上記なかでも、売上の約55%を占める「人件費」は高額になりやすいコストです。
事業の内容にもよりますが、訪問看護ステーションの開業時には看護師や保健師、理学療法士、作業療法士など多くの人員が必要になるため、どうしても人件費がかさんでしまいます。

また、訪問看護は賃貸料を抑えやすいビジネスですが、その代わりに「車両関連費」の負担が増えてきます。
ガソリン代や駐車場代、点検費などを含めると、車両関連費だけで毎月30万円程度のコストが発生するので、この金額もしっかりと事業計画に組み込む必要があります。

そのほか、事務用品・医療用品を新調するための「消耗品費・雑費」も、軽視できない費用です。
患者に適切な処置を施すには、数多くの医療用品を常にそろえておく必要があるので、消耗品費・雑費だけでも毎月15万円程度のコストがかかってくるでしょう。

ちなみに、フランチャイズを利用して開業をする場合は、本部に支払う「ロイヤリティ」もランニングコストになります。
ロイヤリティの相場は毎月15~25万円程度ですが、なかにはロイヤリティが抑えられた開業プランも見受けられるので、加盟先を選ぶ際にはしっかりと情報収集をしておきましょう。

売上

訪問看護ステーションの売上は、事務所の立地や規模、集客状況などによって大きく異なります。

たとえば、福岡県で事業を営む『福岡介護事業サポートセンター』が公開している収支モデルでは、1ヵ月あたりの売上は233万円ほど(※1年間の売上の平均)。
事務所の賃貸料が毎月10万円の収支モデルなので、これは一般規模の訪問看護ステーションを想定した場合の売上と言えるでしょう。

また、東京都で訪問看護を営む『Buurtzorg』も、毎月の賃貸料が10万円の収支モデルを公開しています。
人件費などから判断すると、こちらの収支モデルでは福岡介護事業サポートセンターよりも規模がやや大きいケースが想定されていますが、その売上は1ヵ月あたり約188万円(※2年間の売上の平均)です。
このように、訪問看護ステーションでは人件費を費やしたからと言って、必ずしも売上が伸びるとは限りません。

ただし、上記の収支モデルはいずれも、開業から時間が経つにつれて売上が大きく伸びています。
事業が軌道に乗れば、1ヵ月あたり400万円以上の売上を得ることも可能なので、場合によってはオーナーが受け取れる給与も毎月100万円を超えるでしょう。

借入の有無

訪問看護の開業では、借入によって必要資金を調達することが可能です。

具体的な方法としては、付き合いのある銀行や信用金庫、日本政策金融公庫からの融資などが挙げられます。
銀行や信用金庫は身近な存在ですが、融資の際にはしっかりとした事業計画書や見通しが求められることもあるので、個人開業の場合はややハードルが高いかもしれません。

一方で、日本政策金融公庫は新たに事業を始める方に対して、さまざまな融資制度を実施しています。
たとえば、新創業融資制度は10分の1以上の自己資金が必要になりますが、担保・保証人が不要な上に、返済期間がやや長いメリットがあるため、資金調達に困ったらぜひ考えておきたい選択肢でしょう。

ちなみに、患者数が少ない開業当初は、運転資金の影響で赤字経営になることも十分に考えられます。
そのため、開業前には少なくとも「運転資金の3ヵ月分」の資金を用意しておくことが大切です。

訪問看護のフランチャイズの開業・運営に必要な資金とは

訪問看護の特徴

ここでは訪問看護の特徴として、サービス内容やメリット・デメリット、成功・失敗のポイントについて解説していきます。

サービス内容

訪問看護ステーションの主なサービス内容は、患者への医療的ケアや状態観察です。

患者の状況によっては診療所で処置をすることもありますが、基本的には患者がいる自宅や施設へと出向き、看護師などが現地で処置を施します。
業務内容は訪問看護ステーションの規模によって多少異なりますが、主なものとしては以下が挙げられるでしょう。

  • 患者の健康状態の観察や処置
  • 日常生活における患者の看護
  • 家族への相談や適切なアドバイス
  • 在宅介護で困っている家族への支援
  • リハビリテーションのサポート
  • カルテなど、必要書類の作成
  • 接客や集客

ほかにも認知症・精神疾患のケアやターミナルケアなど、訪問看護ステーションは患者にさまざまなサービス・処置を施すことで、地域住民の健康面を守る施設として機能しています。

メリット

訪問看護ステーションを開業するメリットを3つご紹介します。

今後も高い需要を見込める

高齢社会にさしかかった日本では、多くの地域で訪問看護ステーションが求められています。
その需要の高さは訪問看護師の人材不足を引き起こすほどなので、現時点でも訪問看護は失敗しにくいビジネスと言えるでしょう。

また、特に最近では看護や診断を受ける現場が、病院から在宅へと移り変わりつつあります。
この流れがそのまま続き、在宅で看護・診断を受けることが当たり前の時代になれば、訪問看護の需要はさらに高まることが予測されます。

低資金で開業できる

飲食店などの他業種に比べると、訪問看護ステーションは低資金で開業しやすいビジネスです。
開業資金のなかでも特に抑えやすいコストとしては、事務所を建設するための「物件取得費」が挙げられます。

訪問看護ステーションの開業時には、大がかりな設備や内外装、患者を招き入れるための広いスペースなどが必要ありません。
患者の相談に乗るスペースや、事務をこなすためのスペースは必要ですが、訪問看護ステーションは小さめの事務所でも十分に開業可能です。

低資金で開業できる点は、資金調達のハードルを下げることにもつながるので、オーナーにとっては予想以上に大きいメリットになるでしょう。
ちなみに、フランチャイズ開業を選ぶ場合であっても、開業プランによっては500万円程度の資金で開業できます。

介護施設を併設するなど、幅広い経営手法を選べる

訪問看護ステーションの経営手法は、オーナーによって大きく異なります。
単に訪問看護をするだけの事務所もありますが、なかには医療・介護をするための施設を併設したり、患者が安心できるアットホームな民家を用意したりなど、その経営手法はさまざま。

特に介護施設の併設は、訪問看護ステーション全体の需要を伸ばす経営手法として注目されています。
ほかにも、アイデア次第で経営手法の幅はぐっと広がるので、訪問看護は経営の自由度が高いビジネスと言えるでしょう。

また、経営手法によっては専門知識・スキルが求められますが、フランチャイズ開業を選べば本部から用意される研修によって、必要な知識・スキルをしっかりと身につけられます。
開業後は本部の方針に従う必要があるので、個人開業に比べると経営の自由度はやや下がりますが、経験不足を補いたい方や未経験からチャレンジしたい方などは、フランチャイズ開業もぜひ選択肢として検討してみましょう。

デメリット

次に、訪問看護を開業するデメリットを2つご紹介します。

エリアによっては人材を確保しにくい

前述でも軽く触れましたが、訪問看護は人材不足に悩まされやすいビジネスです。
求人募集をしても人員が集まらず、そのまま休止に追い込まれるようなステーションも存在するため、開業エリアは慎重に選ばなくてはなりません。

また、人材不足の問題は、採用コスト・雇用コストの高騰にもつながります。
つまり、看護師がなかなか見つからない状況に追い込まれると、運転資金が増えることで経営が圧迫されてしまう恐れがあるので、開業前には採用活動についても綿密なプランを立てておきましょう。

なお、フランチャイズ本部のなかには、オーナーの人材確保を手厚くサポートしている本部も見受けられます。
人材不足に不安を感じている方は、安定した経営体制を築くためにもそのようなフランチャイズに加盟することを検討してみましょう。

法改正によって収益が減るリスクがある

訪問看護に関する「介護保険法」は、実はこれまでにもたびたび改正されています。
オーナーにとって良い方向性で改正されれば問題はありませんが、過去には介護報酬が減ったことで赤字経営に追い込まれるようなステーションも見受けられました。

今後に関しても、収益が減るような法改正が実施される可能性は否定できません。
そのため、どのような法改正が実施されても収益を確保できるように、24時間体制にするなどの迅速な対応が求められるでしょう。

経営体制の変更に大きな不安を感じる方には、経営面でさまざまなサポートをしてくれるフランチャイズ本部への加盟をおすすめします。

成功・失敗のポイント

訪問看護の成功・失敗のポイントを3つご紹介します。

ほかの訪問看護ステーションとの差別化を図る

訪問看護ステーションの数は、2012年頃から増え続けています。
つまり、現時点で競合が少ない開業エリアを選んだとしても、今後周辺に競合が増える可能性は十分に考えられるので、「経営の差別化」に力を入れることが重要になります。

前述でもご紹介したように、訪問看護ステーションの経営手法はオーナーによってさまざまです。
重度の難病患者を看護したり、地域の介護施設との連携をとったりなど、独自の運営体制を築いているステーションはいまや珍しくありません。

そのような競合が現れても経営が安定するように、開業後にもさまざまな差別化に取り組む必要があるでしょう。

人材確保のための資金・時間をしっかりと確保しておく

訪問看護ステーションを立ち上げるのであれば、「看護師不足」の問題にもしっかりと向き合う必要があります。
どのようなエリアで開業するとしても、訪問看護は人材不足に直面しやすいビジネスなので、開業後にもさまざまな方法で人材確保をしなければなりません。

そのために必要になるものが、「資金」と「時間」の2つです。
たとえば、採用活動をする資金が少なかったり、ほかの業務に追われていたりすると、人材確保はますます難しくなるでしょう。

したがって、訪問看護ステーションの運営では、人材確保に費やす資金・時間をしっかりと確保しておく必要があります。

営業や集客に力を入れる

訪問看護は将来的に需要が伸びやすいとは言え、「営業・集客」に力を入れる点も忘れてはいけないポイントです。
どれだけ優れたサービスを提供していたとしても、訪問看護ステーション自体の知名度が低ければ患者は訪れません。

訪問看護で成功を収めるオーナーは、さまざまな方法で営業・集客を行っています。
ポスティングなどの従来の方法はもちろん、なかには1ヵ月で数百件の病院や介護施設にまわり、着実に地域での知名度を獲得したような事例もあります。

特に地域密着型の訪問看護ステーションは、関連施設や医者との連携も求められるので、開業前には効果的な営業方法・集客方法についても検討しておきましょう。

訪問看護の開業に必要な準備

訪問看護の開業に必要な主な準備を3つご紹介します。

市場調査

訪問看護ステーションの開業前には、市場調査が必須です。
たとえば、「どのようなサービスが求められているか?」や「どんな競合が存在するか?」を把握しておかないと、質の高いビジネスプランや事業計画書を作成することはできません。

また、事業の目的や提供するサービスを決めたら、集客効果の高いエリアを選ぶことも必要になります。
仮に魅力的なサービスを打ち出しても、需要の低い地域で開業をすると患者が集まりにくくなるので、開業エリアは慎重に決めましょう。

店舗

ビジネスプランが固まったら、次は店舗の準備へと移りましょう。
訪問看護ステーションの開業では大がかりな設備は不要ですが、事務所として活用する物件や備品が必要になります。

また、前述でも触れましたが、訪問看護ステーションの開業時には「常勤換算2.5名」の従業員を配置する必要があります。
「看護師・保健師・准看護師」に該当する従業員でないと、常勤人員としては認められないので注意が必要です。

従業員を採用した後には教育も必要になりますが、フランチャイズ開業を選ぶと本部から人材教育のサポートを受けられる可能性があります。
オーナー自身が研修を受けられる開業プランも見受けられるので、自身の経験不足や人材教育に不安を抱えている方は、フランチャイズによる開業も検討しておきましょう。

資格・手続き

訪問看護ステーションの管理者は、看護師または保健師である必要があります。
そのため、オーナー自身が管理者になる場合は、これらの資格を取得しておかなければなりません。

ほかにも、訪問看護ステーションを新たに開設するためには、以下のような手続きも必要になります。

  • 法人設立の手続き
  • 自治体との開設に関する事前協議
  • 介護保険担当部署での認可申請

実際に必要になる手続きや申請の流れは、都道府県や市町村によって多少異なる可能性があるため、開業エリアが決まった段階で確認しておくことが望ましいでしょう。

訪問看護のフランチャイズを始めるのに必要な準備

訪問看護でおすすめのフランチャイズ

訪問看護ステーション

訪問看護ステーション

『訪問看護ステーション』は、車の買取ネットワークを営む「カーチェンジA1」が展開するフランチャイズです。
近年になってから同社は事業領域を一気に拡大しており、その一環として福祉事業も展開し始めました。

この開業プランはサポ―トが非常に手厚く、融資や教育、新規事業開拓など、さまざまな場面でオーナーを支援してくれます。
人材確保についてもサポートを受けられるので、訪問看護で悩まされがちな人材不足に対しても過度な不安を抱く必要はありません。

さらに、子どもから高齢者まで幅広い層をターゲットにしているため、安定した収益も期待できます。

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ブルーミングケア

ブルーミングケア

『ブルーミングケア』は、東京都に本社を構える株式会社Care Nation​が日本全国に展開する、地域密着型のフランチャイズです。
訪問型のビジネスではありませんが、フランチャイズ本部が新規物件を一括で借り上げ、完全個室でのデイサービスを提供するといった特徴的なビジネスモデルを展開しています。

施設となる物件は、加盟者の希望する地域に借りてもらえるので、このプランでは開業エリアが制限されることはありません。
本部が借りた物件は転貸契約にて加盟者に引き渡されるため、物件取得リスクを抑えた形での開業が可能となります。

また、人員募集や職員研修をサポートしてもらえる点も、オーナーにとってはうれしいポイントです。

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だんらんの家

『だんらんの家』は、東京都の日本介護事業株式会社が展開するフランチャイズです。
戸建て民家を事業所として活用する、利用者3.3名あたり1名の職員を配置するなど、独自の運営体制を築くことで着実に注目度を増してきました。

この開業プランの魅力としては、未経験・無資格の方でも加盟できる点が挙げられます。
無料で受けられる研修では、30年以上にわたって集約されたノウハウをしっかりと身につけられるので、経験不足の方でも安心して事業を始められます。

また、日本政策金融公庫の紹介や事業計画書作成など、資金調達面でサポートを受けられる点も心強いポイントでしょう。

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公開日:2020年09月28日