理容院・美容院のフランチャイズを始めるのに必要な準備

最終更新日:2020年05月12日

安価に髪を切れる1,000円カットや、シャンプーからマッサージまですべて手がけるトータルビューティーなど、理容院・美容院の営業スタイルは多様化しつつあります。
現在、理容院や美容院のスタッフとして働きながら、「開業資金が貯まった段階で自分のお店を持ちたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

こちらでは、フランチャイズで理容院・美容院を始めたいという方に向けて、必要な費用の目安や成功のポイント、おすすめのフランチャイズなどを紹介します。
個人で開業する場合とフランチャイズではどういった違いがあるのかについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

理容院・美容院フランチャイズの費用

理容院・美容院フランチャイズの特徴

理容院・美容院フランチャイズを始めるときの準備

理容院・美容院フランチャイズ本部選びのポイント

おすすめのフランチャイズ

理容院・美容院フランチャイズの費用

理容院・美容院のフランチャイズを検討する上でとても重要な「初期費用」と「運営資金」について、まずは説明します。

開業資金(初期費用)

理容院・美容院のフランチャイズの初期費用は、300~2,500万円程度が目安です。

初期費用に約2,000万円の幅がある理由としては、それぞれの店舗によって物件に関わる費用が大きく異なることが挙げられます。
新たに物件を契約して外装・内装工事をするのか、あるいはすでにオーナーが所有している物件を店舗として活用するのかでは、費用が数百万円変わります。
どちらにせよ物件に関わる費用は初期費用の大半を占めるため、事前に綿密な見積もりをするようにしましょう。

物件を用意するだけでなく、カット専用椅子やシャンプー台などの大型品、カラーリング剤やパーマ液などの消耗品も仕入れなければいけません。
業務に使う備品や消耗品は本部が負担してくれることもあるため、どこまでが自己負担でどこまでが本部負担なのかを事前に確認しておくことが大切です。

また契約の際に支払う加盟金は、本部によって金額は異なりますが100~300万程度に設定されていることがほとんど。
一見すると加盟金が高い本部でも、そのなかに店舗の工事費用が含まれていることがあります。
加盟金が高くても初期費用の総額でみると安く抑えられている本部もあるため、まずは複数のフランチャイズを比較するところから始めてみましょう。

運営資金

運営資金は、1ヵ月100~500万円程度が目安です。
ただしこの金額はあくまでも目安のため、店舗の規模や形態、売上額によって金額が変動することに留意してください。

運営資金には、家賃、消耗品、ロイヤリティ、スタッフを雇う場合は人件費が含まれます。
特に家賃は毎月の費用のなかでも大きな割合を占めるため、予算の範囲を超えないよう吟味してから物件を契約するようにしましょう。

次に消耗品ですが、理容院・美容院の運営にはカラー剤やパーマ液などを必要に応じて適宜購入する必要があります。
ただし消耗品の金額はそれぞれの営業スタイルによって異なり、たとえばパーマやスパを行なわないカット専門店では、薬剤にかかる費用を抑えることが可能です。

またスタッフを雇う場合は毎月人件費が発生するため、無理のない範囲でスタッフを採用しなければいけません。
本部によってはスタッフの研修費用が別途でかかるため、契約前にスタッフの研修費用についても確認することをおすすめします。

最後にロイヤリティですが、ロイヤリティは本部に支払わなければいけないライセンス料のこと。
毎月一定の金額を支払う必要があるため、金額や支払い方式に納得した上で本部と契約を結ぶようにしましょう。

理容院・美容院フランチャイズの開業・運営に必要な資金について詳しく見る

理容院・美容院フランチャイズの特徴

次に、理容院・美容院のフランチャイズの特徴として、具体的なサービス内容やメリット・デメリットなどを解説していきます。

サービス内容

個人で開業する場合とフランチャイズに加盟する場合の主な違いは、本部からのバックアップを受けられるかどうかという点です。

個人で理容院・美容院を開業する場合は、物件選びから店舗の改装、開店後の集客まで1人で行なう必要があります。
たとえ長年現場で活躍してきた美容師であっても、経営ノウハウまで身につけている人はそう多くありません。
そのためせっかく高度な技術を身につけて店舗を開業しても、十分な集客を見込めず廃業してしまう人がいるのも現状です。

一方でフランチャイズに加盟して開業する場合は、出店先の立地や内装デザイン、集客など経営に関係する業務は本部がサポートしてくれます。
そのため個人で開業するよりも廃業のリスクが低く、安心した状態で開業を迎えられるのがフランチャイズのポイントです。

メリット

今まで店舗を経営した経験がない方にとって、本部から手厚いサポートを受けられるフランチャイズは魅力的に感じることでしょう。ここでは、フランチャイズに加盟するメリットを3つ紹介します。

ゼロからルールを考える必要がない

フランチャイズで開業をする場合、店舗運営に関わる細かな規定のほとんどは本部によって決められています。
メニューの料金や使用する薬剤、店舗のレイアウトなど、オーナー自身がゼロから考えなくて良いのがフランチャイズのメリットでしょう。

また本部によっては、出店するエリアや場所を選んでくれることがあります。
綿密な市場調査をした上で立地を選ぶため、開業後すぐに集客が見込めるのもフランチャイズならではの魅力です。

店舗運営や立地など、あらゆる項目がすでに本部によって決められているフランチャイズ店では、初めて店舗を経営する方でも安心して開業することができます。

低コストで店舗を運営できる

一般的に、個人で開業するよりもフランチャイズに加盟するほうが費用を安く抑えることができます。

個人で開業するとなると、自分で物件を契約し、機器や備品は全額自己負担で購入しなければいけません。
しかしフランチャイズであれば、本部が物件の賃貸料を何割か負担してくれたり、機器や備品を安価に調達してくれたりします。

またカラーリング剤やパーマ液などの消耗品は本部が一括で仕入れるため、個人で仕入れるよりもリーズナブルな価格で手に入れることが可能です。

求人の募集やスタッフの育成がしやすい

理容院・美容院は、スタッフの採用が難しい業界だと言われています。
特に個人経営の店舗は宣伝力が弱いことが多く、なかなか店舗スタッフの応募が来ず、人員の確保に苦労することも少なくありません。

一方フランチャイズは、本部の資金力を活用して大規模な広告を出せるのが強み。
求人広告や本部のホームページなどあらゆる手段を使って募集をかけられるため、個人経営の店舗よりもスタッフを確保しやすいと言えます。

さらにフランチャイズ店では、オーナーだけでなく店舗スタッフにも手厚い教育ができるのが特徴です。
本部による研修制度が整っているため、スタッフの育成がしやすいのもフランチャイズならではのメリットでしょう。

デメリット

開業する上でメリットがたくさんあるフランチャイズですが、デメリットがまったく無いというわけではありません。メリットだけでなくデメリットを理解し、より良い形で開業のスタートを切れる準備をしましょう。

オーナーの価値観やこだわりを反映しにくい

フランチャイズで店舗を運営する場合、店内のレイアウトやサービス内容などあらゆる項目が本部によって決められています。
そのためお店作りに対して強いこだわりがある方にとっては、フランチャイズは自由度が低く窮屈に感じるかもしれません。

またそれぞれの本部によって独自のコンセプトや価値観を持っているため、オーナー独自の考えを店舗運営に反映させることは難しいと言えます。
フランチャイズへ加盟する際には、自身の価値観と本部の理念が一致しているかをよく考えることが大切です。

営業時間や値段設定に縛りがある

フランチャイズ店のなかには、本部によって営業時間や定休日が厳格に決められているところも少なくありません。
時間や休日の融通が利きにくいため、プライベートを重視したい方や、他に事業を持っている方にとっては不便に感じることもあるでしょう。

また営業時間や定休日だけでなく、フランチャイズではカラーやカットなどのメニュー料金も本部が決定します。
メニュー料金の値上げやカラーリング剤の変更については契約で定められていることが多く、オーナーの独断で変更をすれば違約金が発生することがあるため要注意です。

ロイヤリティが負担となる可能性がある

フランチャイズは、個人で開業するより初期費用を安く抑えられるのが魅力です。
ただし、個人経営では発生しないロイヤリティの支払いがあることを忘れてはいけません。

ロイヤリティの支払いは、その月の売上額に応じて支払う「売上歩合方式」と、毎月同じ金額を支払う「定価方式」の2つがあります。
定価方式を採用している本部に加盟をすれば、売上が多い時は良くても、売上が下がった時にはロイヤリティの支払いが負担になる可能性も。

ロイヤリティの金額や支払方式については、契約前にしっかりと確認しておくことが大切です。

成功・失敗のポイント

理容院・美容院のフランチャイズ運営を成功させるには、「潤沢な運営資金と綿密なシミュレーション」がポイントとなってきます。
特に市場調査や経営戦略については、本部に任せっきりになるのではなく自主的に勉強しておくことが重要です。

経営の知識を身につけているか

理容院・美容院の開業を予定している方は、すでに業界での経験年数が長くスキルが高いことがほとんどです。
そのため「開業すればすぐにリピーターがつくはず」と考えている方も少なくありません。

しかし理容院・美容院の運営は、経験やスキルだけでなく経営の知識がなければ事業を継続させることは難しいのが実情。
せっかく高いスキルを持っていても、経営が上手くいかなければすぐに廃業となってしまう可能性があります。

そのため実際に店舗を開業する前に、集客や会計などの基本的な経営の知識を勉強しておくようにしましょう。
事前に売上や収益のシミュレーションをしておくことで、無駄な経費を使ったり、人件費が高くなりすぎたりするリスクを避けられます。

運営資金に余裕はあるか

潤沢な運営資金を準備することは、フランチャイズ経営を成功させる鍵となります。

理容院・美容院を運営する上で、毎月支払わなければいけないのが家賃、消耗品、ロイヤリティ、そして人件費です。
フランチャイズは大規模な宣伝ができるのが魅力ですが、それでもやはり1ヵ月目から大繁盛するのは難しいと言えます。
売上が少なくても上記の費用は発生するため、開業前に十分な運営資金を用意しておくことが重要です。

飲食店と違い理容院・美容院は、新規顧客だけでなくリピーターを増やすのが商売繁盛のポイント。
リピーターが増えて売上が安定するまでは、赤字続きの店舗も少なくありません。
この売上が安定しない期間を耐え抜くためにも、最低でも半年程度の運営資金を準備してから開業に臨むようにしましょう。

出店エリアは集客が見込める立地か

出店エリアについては本部が場所を選定してくれることが多いですが、オーナー自身が場所を決めることができるケースもあります。
オーナーが場所を選ぶ際には、「本当にこの立地で集客を見込めるか」を吟味するようにしましょう。

たとえば同エリアにすでに人気の理容院や美容院が営業している場合は、距離を離して競合のいないエリアを選ぶなどの対策が必要です。

また美容業界では、以前勤めていた理容院・美容院のお得意様が、開業後の店舗でもリピーターになってくれることがあります。
以前の店舗ですでに多くの指命客を抱えている方であれば、以前の勤め先と近い場所に出店して、既存の顧客を新店舗へ引っ張るのも良いでしょう。

理容院・美容院フランチャイズを始めるときの準備

理容院・美容院のフランチャイズを始める際の準備を大きく分けると、店舗、採用・教育、集客の3つがあります。
これらは良いスタートを切るために非常に重要となるため、一つ一つ確認していきましょう。

店舗

理容院・美容院を始めるには、まずは店舗を用意する必要があります。
物件の立地や規模など、それぞれの本部の契約に従って物件を取得するようにしてください。

理容院・美容院のお店作りにおいて、最も重要なことが機器の準備です。
カット専用椅子やシャンプー台、電気備品など施術に使う機器はもちろん、待合室のソファや雑誌を入れる本棚など、購入しなければいけないアイテムはたくさんあります。

また物件によっては大規模な外装・内装工事をする必要があり、この工事費用も合わせると数百万円は必要となるでしょう。
美容業界はお洒落なイメージが重要となるため、最初のお店作りを妥協しなくて済むよう十分な初期費用を準備しておくことが大切です。

採用・教育

理容院や美容院の営業スタイルは、カット専門店やスパ・マッサージも行なう店舗、卒業式や成人式のメイクまで対応する店舗など様々です。
そのためスタッフを採用する際には、応募者が「店舗の営業スタイルに合ったスキルを兼ね備えているかどうか」を確認するようにしてください。

また採用面接の際には、スタッフの技術力はもちろん、そのスタッフが自店でどういったスキルを磨きたいのか希望を聞いておくことで早期離職を防ぐことにも繋がります。

さらに理容院・美容院の運営を成功させるには、施術のスキルだけでなく高い接客力も必要です。
本部のマニュアルや研修制度を活用しながら、施術スキルだけでなく接客スキルを高める教育も進めていくようにしましょう。

集客

フランチャイズ店では、オーナーではなく本部が集客の大部分を担うことがほとんどです。
オーナーは本部に宣伝料を支払うことで、大規模な広告を出したり、たくさんのチラシを配ったりすることができます。

ただし本部が宣伝を担ってくれるからといって、オーナー自身が何もしなくて良いわけではありません。
たとえば新規顧客が訪れた際には、割引クーポンやお得なサービスを宣伝するなど、次回また来店してもらえるような工夫をすることが大切です。

さらに「お友達を紹介するとカット料金が割引」など、こういったお友達紹介サービスの情報を伝えることで新規顧客の獲得にも繋がります。
理容院・美容院へ訪れる顧客は、そのエリアに住んでいる人や、通勤や通学をしている人が多いのが特徴。
口コミによってどんどん顧客が増えるよう、地域のネットワークを駆使した地道な宣伝活動をしていく必要があります。

理容院・美容院フランチャイズ本部選びのポイント

フランチャイズで理容院・美容院を始める際、以下の3つのポイントに留意して本部を選ぶことを推奨します。

  • 予算内で開業ができるか
  • 契約内容に無理はないか
  • 本部のコンセプトに納得がいくか

開業・店舗運営に必要な資金は、事前に何度もシミュレーションすることが大切です。
理容院や美容院の開業は、物件を取得したり大型の機器を購入したりする必要があるため、あらゆる業界のなかでも初期費用が高くなる傾向にあります。
開業資金に費用を注ぎ込みすぎると、後の運営資金が圧迫される可能性がないとも限りません。
そのためまずは複数のフランチャイズを比較し、予算内で開業できる本部を選ぶことが大切です。

次に契約内容についてですが、そのフランチャイズ本部では「どこまでオーナーに裁量権を与えているのか」を確認しておくことが重要です。
薬剤のメーカーは本部が選ぶのか、備品類は自分で調達して良いのかなど、本部とオーナーの住み分けをしっかりしておくことで、不要なトラブルを避けることができます。

また理容院・美容院において、本部のコンセプトに納得できるかどうかも重要なポイントです。
たとえばオーナー自身が「気軽に訪れられる街の美容院」を目指していても、本部のコンセプトが「お洒落で上質な高級サロン」であれば、オーナーの臨むお店作りをすることは難しいでしょう。
自分がどういったコンセプトや雰囲気のお店を運営したいのかを考え、その理念に近いフランチャイズを選ぶことが重要です。

おすすめのフランチャイズ

カットファクトリー

カットファクトリーは、カットを専門にすることでローコスト経営を可能としたフランチャイズです。
ワンカット1,000円という安価な値段設定が、他のフランチャイズにはないオリジナリティを出しています。

カットに特化したメニューはシンプルで誰にとってもわかりやすく、小さな子供から高齢者まで幅広い年代からの人気を集めています。
カラーリングやパーマは行なわないため、薬剤の仕入れ費用を安く抑えることができる点もカットファクトリーの強みです。

顧客1人あたりに対応する時間が短いため、とにかくカットの数をこなして、回転の速い営業スタイルを好む方にピッタリのフランチャイズでしょう。

カットファクトリーについて詳しく見る

CUT LAB 1518

CUT LAB 1518は、カットの専門店でありながら訪問理美容も行なっているフランチャイズです。
身体が不自由な人や高齢者など、自宅から外出することが難しい顧客を対象にビジネスを展開しています。
これから高齢者が増える地方においては、さらに需要が高まっていくビジネスモデルだと言えるでしょう。

CUT LAB 1518は本部のバックアップ体制が抜群で、オーナーに対して物件の紹介や経営ノウハウの提供、人材教育など一通りのサポートをしてくれるのが特徴です。
今まで店舗運営をしたことがない方にとっては、安心して開業できるフランチャイズだと言えます。

CUT LAB 1518について詳しく見る

SEASON

SEASONは、都内で展開するフランチャイズ店で、スタッフのスキルの高さに定評があります。
経費の50%が人件費で、人材の確保やスタッフの育成には余念がありません。
オープン前の研修制度が整っているため、「安さや速さよりも、とにかく高い技術で勝負をしたい」という方にとってはピッタリのフランチャイズだと言えるでしょう。

経営者と技術者を完全に分けているSEASONでは、今まで美容業界で働いたことがない方でも、オーナーとして店舗を運営することが可能です。

SEASONについて詳しく見る

公開日:2019年10月21日