家庭教師のフランチャイズを始めるのに必要な準備

最終更新日:2023年04月03日

家庭教師のフランチャイズ開業は、短期間での黒字化を目指しやすいビジネスです。
さらに、研修制度や手厚いサポートが用意された開業プランも見られるので、未経験からでも挑戦しやすい業界と言えるでしょう。

ただし、自分にぴったりな本部を選んだり、本部のサポートをうまく活用したりするためには、フランチャイズに関するさまざまな知識・情報を身につけておくことが必要。
そこで今回は、家庭教師のフランチャイズの費用や特徴、準備、本部選びのポイントなど、家庭教師のフランチャイズを始める前に知っておきたい情報をまとめました。
おすすめのフランチャイズ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

家庭教師のフランチャイズの費用

家庭教師のフランチャイズの特徴

家庭教師のフランチャイズを始めるときの準備

家庭教師のフランチャイズ本部選びのポイント

おすすめのフランチャイズ

家庭教師のフランチャイズの費用

ここでは、家庭教師のフランチャイズでかかる開業資金(初期費用)と運転資金について解説していきます。
フランチャイズ本部や事業規模によって費用は異なるので、参考程度にチェックしてみて下さい。

開業資金(初期費用)

家庭教師のフランチャイズを始めるために必要な開業資金(初期費用)は、15~100万円程度です。
家庭教師は新たに店舗を用意しなくても始められるビジネスなので、学習塾など店舗型のビジネスに比べると、開業資金を抑えやすい傾向にあります。

発生する具体的な開業資金としては、フランチャイズへの加盟金や教材費、研修費、備品・設備費などが挙げられます。
なかでも、「加盟金」はフランチャイズ本部によって差が大きいコストであり、本部の選び方次第では40~50万円ほどの差が生じてきます。

また、フランチャイズ開業では加盟金や研修費が発生する分、個人開業に比べると初期費用が高くなる可能性があります。
ただし、個人開業では教材や備品をすべて自分で用意する必要があり、さらに未経験者はスキル面の問題で参入しにくいので、開業資金だけを比較するべきではありません。

各フランチャイズの開業プランを確認し、「どのようなサポートを受けられるのか?」や「手間をどれくらい削減できるのか?」を把握したうえで、加盟するフランチャイズを検討しましょう。

運営資金

家庭教師のフランチャイズの運営資金は、1ヵ月あたり15~100万円程度です。

なかでも差がつきやすい費用としては、「人件費」が挙げられます。
生徒が数名であればオーナー1人でも運営できますが、10名以上の生徒を抱えるとなれば、少なくとも1~2人のスタッフを用意しなくてはなりません。
さらに生徒が30名以上にもなると、3~4人程度のスタッフが必要になるため、人件費だけで毎月40~60万円ほどのコストが発生します。

ロイヤリティについては本部によって方式が異なりますが、家庭教師の業界では金額が固定されている「定額方式」と、売上に対する割合が固定されている「売上歩合方式」の2つが主流です。
定額方式では毎月2万円、売上歩合方式では売上の10%程度が相場になると考えておきましょう。

また、こちらの記事でも家庭教師のフランチャイズの開業資金(初期費用)や運営資金について詳しく解説しています。

家庭教師のフランチャイズの開業・運営に必要な資金について詳しく見る

家庭教師のフランチャイズの特徴

ここでは家庭教師のフランチャイズの特徴として、サービス内容やメリット・デメリットについて解説していきます。

サービス内容

家庭教師とは、主に小中高生を対象とした、生徒の家庭で勉強(受験対策や試験対策など)を直接教えるビジネスのこと。
生徒を店舗に集める学習塾とは違い、家庭教師はそれぞれの生徒宅に足を運ぶ形になるため、基本的には生徒と「1対1」のスタイルで勉強を教えます。

各生徒の授業日については、「毎週月曜日の18~20時」のように固定されたイメージが強いかもしれませんが、必ずしも毎週決まった時間に指導をするわけではありません。
親御さんに相談をすればある程度の融通はききますし、通常の授業に加えて「季節講習・特別講習」などを実施する場合は、連日出勤することもあります。

また、インターネットが広く普及した影響で、ビジネスモデルが多様化しつつある点も理解しておきたいポイント。
生徒宅に足を運ぶ一般的な形式に加えて、最近ではパソコンを使った「オンラインレッスン」を導入するフランチャイズ本部も見られるようになりました。

メリット

ここからは、家庭教師をフランチャイズで開業するメリットを3つご紹介します。

■手間やコストを削減できる

加盟する本部にもよりますが、フランチャイズ開業は個人開業に比べると、手間やコストを大幅に削減できる可能性があります。

たとえば、個人開業を選ぶ場合には独自のノウハウを開発し、そのノウハウに沿った教材・機材を用意しなくてはなりません。
ノウハウの開発だけで長年を費やすようであれば、それだけで多くの手間とコストがかかってしまうでしょう。
そのほか、レッスンに必要なスキルの習得や、生徒を集める販促活動などに関しても、すべて自分で段取りを組む必要があります。

その点、フランチャイズ開業では研修制度や各種サポートを利用できるので、個人開業に比べると効率的に開業準備を進められます。

■未経験からでも挑戦しやすい

一見すると、実務経験が必須のように思える家庭教師ですが、フランチャイズで開業をする場合は未経験からでも十分にオーナーを目指せます。
家庭教師のフランチャイズ業界では、開業プランに「開業前の研修・フォロー」が含まれているケースが多いため、経験不足だけで開業を諦める必要はありません。

また、本部が用意したノウハウをそのまま利用できる点も、フランチャイズ開業ならではの魅力です。
単にノウハウが用意されているだけではなく、加盟先によっては仕組みや活用方法も丁寧に教えてもらえるので、そのような本部を選べば経験不足をしっかりと補えるでしょう。

■短期間での黒字化を目指せる

飲食などのフランチャイズと比べ、家庭教師のフランチャイズ開業では物件取得費や賃貸料がかかりません。
つまり、初期費用・運営費用を大幅に抑えられるので、場合によっては短期間での黒字化を目指せます。

そのほか、内装費や外装費、設備費などがほとんど発生しない点も、家庭教師ならではのメリットでしょう。
運営資金を節約する形で経営できれば、生徒数が数名でも黒字化を実現できます。

デメリット

次に、家庭教師のフランチャイズのデメリットを3つご紹介します。

■運営方法に制限がかかる

フランチャイズに加盟すると、基本的には本部の経営方針に従わなくてはなりません。
つまり、運営方法や仕入に制限がかかるので、どうしても経営の自由度は下がってしまいます。

あらかじめ運営方法が決められている点は、未経験者にとっては心強いメリットになる一方で、自由に経営したい方にとっては致命的なデメリットになり得ます。
特に、本部の経営方針と理想の経営像がかけ離れている場合は、思わぬトラブルを招いてしまう恐れもあるので、開業プランの内容は加盟前にしっかりと確認することが必要です。

■ロイヤリティの支払いが毎月発生する

フランチャイズの加盟店は、本部に対して毎月「ロイヤリティ」を支払う必要があります。
ロイヤリティは店舗状況に関わらず発生するコストなので、場合によっては経営を圧迫する要因になってしまうでしょう。

家庭教師のフランチャイズ業界では、少なくとも毎月2万円ほどのロイヤリティが発生します。
特に「売上歩合方式」が採用されている場合は、ロイヤリティだけで1ヶ月あたり数十万円の費用が発生するようなケースも。

ロイヤリティは仕組みによって負担が大きく変わってくるので、各フランチャイズの計算方式は必ずチェックしておきましょう。

■ブランドイメージの影響を受けやすい

本部のブランド力を集客に利用できる点は、フランチャイズ開業ならではの魅力。
しかし、ブランドイメージの影響を受ける点は、必ずしもメリットになるとは限りません。

たとえば、本部が不祥事を起こした影響でブランドイメージが下がると、その影響は自社にも及んできます。
家庭教師の業界においても、ブランドイメージの悪化によって生徒が離れる可能性は十分に考えられるため、本部の信用性は慎重に判断しなければなりません。

特に知名度が高いブランドは、一度の不祥事でイメージが大きく悪化するため、事前の情報収集にはしっかりと力を入れるようにしましょう。

成功・失敗のポイント

ここからは、家庭教師のフランチャイズの成功・失敗のポイントを3つご紹介します。

■効果的な集客ができているか

家庭教師のビジネスを軌道に乗せるには、新規生徒を安定して獲得する必要があります。
そのためには、チラシなどの一般的な販促活動だけではなく、効果的な方法で集客をしなくてはなりません。

たとえば、近年ではインターネットが普及した影響で、ネット検索によって家庭教師を探す親御さんが増えてきました。
そのような層を狙う方法としては、ホームページの開設やブログの運用などが挙げられます。

また、開業プランに「販促活動のサポート」が含まれている本部に加盟する方法も、集客力を高める手段のひとつです。
ただし、サポートしてもらえる内容や、個人で取り組める販促活動の範囲については、加盟するフランチャイズによって変わる可能性があるので、事前に下調べをしておきましょう。

■自分の強みを活かしたビジネスモデルになっているか

オーナーが自ら生徒をレッスンする場合は、自分の強みを活かしたビジネスモデルであることを確認する必要があります。
フランチャイズは加盟する本部によって、レッスンのノウハウや経営方針が大きく異なるので、その点に注意して加盟先を選ばなくてはなりません。

前述でもご紹介したように、近年ではITの技術を活用することで、オンライン家庭教師サービスを提供する本部も見られるようになりました。
生徒にとってオンライン家庭教師は便利なサービスですが、すべてのオーナーがそのシステムを上手く活用できるとは限りません。

生徒からの評判を高めるには、自分の強みを活かすことが前提となるので、フランチャイズ開業では自分と本部の相性を冷静に判断するようにしましょう。

■想定できるトラブルに対して、先回りできているか

家庭教師は一度契約をすると、長期間にわたって生徒をレッスンする流れが一般的です。
その影響で、契約に関するトラブルが生じやすい傾向にあるので、トラブル対策はしっかりと考えておく必要があります。

特に生徒側の都合によるキャンセルや、自社都合のキャンセルの対応については、契約を結ぶ前に入念に話し合いを行いましょう。
ほかにも、事前に想定できるトラブルに関しては、対応方法を契約書面に残しておくなどの工夫が必要です。

家庭教師のフランチャイズを始めるときの準備

家庭教師のフランチャイズを始めるときの主な準備は、「市場調査・資格(学歴)の取得・販促計画」の3つです。
準備が不足していると、開業後にスタートダッシュを切ることが難しくなるので、必要になる準備をしっかりと確認しておきましょう。

市場調査

フランチャイズに加盟する場合であっても、開業前の市場調査は必要です。
たとえば、開業エリアに多く住んでいる層や競合他社の情報をチェックしなければ、集客につながる効果的なサービスは打ち出せません。

また、家庭教師のフランチャイズ開業では、事前に「ターゲット層」を絞っておくことも大切なポイント。
レッスンをする生徒の年齢層に加えて、「どのレベルを目指す生徒をサポートするのか?」についても、事前に設定しておく必要があります。

そのため、市場調査はできる限り念入りに行い、自分の計画に合ったターゲット層を設定するようにしましょう。

資格・学歴の取得

家庭教師のフランチャイズ開業では、特に必須となる資格はありません。
しかし、資格・学歴がそのまま評判につながるビジネスなので、効率的に生徒を集めたいのであれば、開業前の段階で役に立つ資格を取得しておきたいところでしょう。

たとえば、家庭教師の先生が教員免許を持っていれば、親御さんは安心して子どもを任せられるはずです。
また、家庭教師の業界では「学歴」も非常に重要であり、偏差値の高い有名大学を卒業していることが、そのまま実績として評価されるケースもあります。

数年単位での準備は必要になりますが、家庭教師は資格・学歴によってスタートラインが大きく変わってくるため、可能であれば必要な資格・学歴を取得する計画を立ててみましょう。

販促計画

家庭教師の開業後にスタートダッシュを切るには、開業前から販促活動に取り組むことが大切です。
フランチャイズに加盟する場合であっても、開業プランによっては効果的な広告・宣伝のサポートが含まれていない可能性があるので、販促計画は自分でも考えておく必要があります。

チラシや案内状の作成も重要ですが、家庭教師の販促活動で特に意識しておきたいポイントは、インターネットを上手く活用すること。
ホームページやブログの開設のほか、SNSやスキルマーケットの利用など、ネットを活用した販促活動にはさまざまな種類が存在します。

開業エリアやターゲット層も意識しながら、より効果的な販促計画を組み立てていきましょう。

家庭教師のフランチャイズ本部選びのポイント

家庭教師のフランチャイズの本部選びで重要なポイントとしては、大きく以下の3つが挙げられます。

  • 収益のポテンシャルが高いか
  • サポート内容が充実しているか
  • リスク管理が徹底されているか

経営を成功させるには、「収益を増やすこと」が何よりも重要です。
そのため、フランチャイズ本部のブランド力やノウハウなど、収益に直結する要素は細かくチェックしなければなりません。

また、特に未経験から家庭教師を始める方は、研修制度や販促活動などの「サポート内容」にも目を向けましょう。
本部に依存しすぎるのは問題ですが、不足しているスキルや準備を補ってくれるようなサポートは、積極的に利用するべきです。

最後に「リスク管理」についてですが、前述でもご紹介した通り、家庭教師は契約関係のトラブルが発生しやすいビジネス。
だからこそ、リスク管理が徹底されている加盟先を選ぶことが望ましいと言えます。
「どのようなトラブルへの対策が用意されているのか」や「具体的にどんな対策があるのか」を意識しながら、各開業プランのリスク対策を細かく確認しておきましょう。

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こちらの開業プランは個人指導塾の形式となりますが、一般的な家庭教師のフランチャイズと同様に、さまざまなサポートが用意されています。
強力なネットワークを活かした採用支援に加えて、生徒集客を徹底的に支援してもらえる点は、オーナーにとって非常に心強いポイントでしょう。

家庭教師とは違い店舗は必要になりますが、特殊な内外装や設備を必要としないため、開業資金・運営資金を抑えた形で開業できます。

SANSTEP家庭教師学院

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家庭教師を派遣するタイプのフランチャイズなので、物件取得費や家賃、内外装費などを抑えた形で開業できます。

さらに、経験豊富なスーパーバイザーが3週間フォローしてくれる点も、オーナーにとっては心強いポイントです。
一番不安になりやすい開業初期に手厚いサポートを受けられるので、実務経験が不足している方でも安心して開業できるでしょう。

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公開日:2020年05月29日