フランチャイズ におけるテリトリー制とは

公開日:2020年01月09日

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フランチャイズでの開業を考えた場合、周辺の競合店や同じブランドの店舗があるかどうかは気になるところです。
周辺環境によって大きく店舗の売上が左右されるケースもあるため、フランチャイズ選びの大きな要素にもなるでしょう。
フランチャイズ本部が出店をする際には、様々な決まりやルールに基づいて行なっています。
そのうちの一つとしてあるのがテリトリー制です。
しかし、テリトリー制と聞いても「その実態はよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フランチャイズにおけるテリトリー制について解説していきます。

目次

フランチャイズのテリトリー制とは

テリトリー制の契約内容は?

テリトリー制の手法

 ロケーション制

 クローズドテリトリー制

 オープンテリトリー制

 複数テリトリー制

テリトリー制のメリット

テリトリー制のデメリット

まとめ

フランチャイズのテリトリー制とは

テリトリー制は加盟店の商圏を保証する制度です。
商圏の保証を行うことで、店舗同士でのカニバリゼーション(共食い)を防ぐ効果があります。
このカニバリゼーションは、ビジネスを行う上で深刻な状況になることも少なくありません。
フランチャイズで開業するならばテリトリー制やその権利への理解を深めておく必要があるのです。

たとえば、自分がフランチャイズ店舗を開業した後、すぐ近くに別のオーナーが同じブランドの店舗を出展することも考えられます。
これはテリトリー制が実施されていれば、まず考えられないことです。

しかし、フランチャイズで用いられる戦略のひとつとして、ある地域に集中して店舗を出店していくドミナント戦略があります。
フランチャイズ本部としては、なるべく店舗数を増やしていきたいもの。
つまり、オーナー側はテリトリー権が欲しい、フランチャイズ本部側としてはむやみにテリトリー権を与えたくない、といった状態になってしまうのです。

ただ、ドミナント戦略を行うことで、地域内でのフランチャイズ認知度をあげたり、シェアの確保ができたりといったメリットもあります。
フランチャイズ加盟店のオーナーとしても、これらのバランスを考慮した上で開業を決定しなくてはならないのです。

テリトリー制の契約内容は?

お伝えしたように、テリトリー制はフランチャイズ本部と加盟店オーナーの間で意見が異なりやすいものです。
そうなると、気になってくるのはその契約内容。
しかし、結論から言ってしまうとテリトリー制の具体的な契約内容はフランチャイズ本部によって様々です。

たとえば、テリトリー内での独占はできるものの、テリトリー外であれば活動に制限がかけられてしまうこともあります。
また、肝心の独占権の保証に関しても約束されるものもあれば、あくまで「優先」の範囲で留まることもあるのです。
そうなると「法律でこの辺りを定めてしまえば良いのでは」と思う方もいるのではないでしょうか。

もちろん現在でも「中小小売商業振興法」で加盟店に対して、書面交付義務や説明義務・テリトリー権や近隣への出店計画の開示は求められます。
しかし、後から出店してきた加盟店が自分のお店に影響を及ぼすかどうかは店舗の規模や商圏に左右されてしまいます。

つまり、単純な距離だけで影響を決定するのは難しく、近隣への出店とそれによる損害の関係の立証の困難と言えるのです。

テリトリー制の手法

テリトリー制と一言でいっても様々な手法があります。
全てを紹介するのは難しいのですが、よくあるテリトリー制として以下を紹介します。

・ロケーション制
・クローズドテリトリー制
・オープンテリトリー制
・複数テリトリー制

ひとつずつ解説してきます。

ロケーション制

まずはロケーション制です。
ロケーション制は、各店舗の所在地での事業を行う権利です。
明確なテリトリー権の範囲があるわけではないことが特徴。

主にコンビニエンスストアや飲食業など、比較的店舗数を必要とする業種で採用されている手法となっています。
ただし、自分の店舗のすぐ近くや隣に直営店や加盟店がオープンにしても、フランチャイズ本部への異議申し立てはできません。

クローズドテリトリー制

クローズドテリトリー制は特定の領域を持ち、そこでの販売権のみが保障されています。
他の領域へのセールスはご法度となっていますが、担当のエリア内であればきめ細かいサービスやセールスも実行可能です。

ただし、それによって販売員に顧客がついた場合は、その販売員が競合に移ってしまったときその顧客を失ってしまうリスクもあります。

オープンテリトリー制

オープンテリトリー制は、クローズドテリトリー制の逆に位置づけられています。
特定の領域を持たず、どの市場においても自由な競争が可能になっています。

主に商品やサービスの導入期において用いられる戦略です。
というのも、自由な競争が可能になっているが故に、自社の販売チャネル内でも価格競争が起きてしまうことがあるからです。
つまり、導入期以外での活用は販売制度の視点からみても好ましくないと言えます。

複数テリトリー制

複数テリトリー制は店舗というよりも、営業担当者に対して用いられることが多いテリトリー制です。

他のテリトリー制とは多少特徴が異なるものではありますが、1人での対応が困難な場合比較的活用されているシステムです。

特に、顧客が多い企業や取引先が複数の事業所や店舗を所有している場合には効果的です。
また、複数テリトリー制は、さらに大きく以下の2つに分類可能です。

・グループテリトリー制
・ダブルテリトリー制

こちらはそれぞれ解説します。

【グループテリトリー制】

グループテリトリー制は、一つの領域に対して複数の営業担当者を導入します。
実際のテリトリー範囲や顧客の数などによって人数が変わってきます。ポイントとしてはある程度の人数をひとつのテリトリーに配置し顧客を担当していく点。
店舗で例えるならば、一つのエリアに対し様々なジャンルの出店を行うようなイメージです。

【ダブルテリトリー制】

一方のダブルテリトリー制は、1つのテリトリーに対して二人の営業担当者を配置する方法です。
この時に配置される営業担当者の特徴は異なることが多くなります。
たとえば、経験や性格・能力が異なる二人を配置し、お互いに足りない部分を補い合うような形になります。
先程と同じように例えると、同じテリトリーにお酒がメインの店舗と食事がメインの店舗出店するようなイメージです。

テリトリー制のメリット

テリトリー制は何と言っても、加盟店にとって大きなメリットがあります。
お伝えしたように、テリトリー制はある地域においては同じフランチャイズ本部からの同一商圏内への出店はありません。
その上で独占的権利も所有できます。

競合他社の出店は十分考えられるものの、ある程度安定した経営が実現するため安心感が得られるでしょう。
つまり、言い換えればフランチャイズ本部にとっても、その安心感を売りに加盟開発が有利になります。
同業他社にテリトリー制がない場合であれば、加盟店の売上と利益を保てるといったアピールにもなるでしょう。

テリトリー制のデメリット

テリトリー制のデメリットは、フランチャイズ本部にとってのものが主になります。
メリットと同様に、独占的権利を加盟店に持たせることで発生してしまうのです。
まず、テリトリー制は言い換えれば該当する商圏での営業を任せることになります。
つまり、その加盟店の営業努力に関わらず…となってしまいます。

思うように加盟店が営業努力をしなかったり、経営状態が思わしくない場合でも同一圏への出店はできません。
他にもすでに加盟店が出店している場合は、より良い物件が見つかっても新しく出店することもできません。
そうなってくると、全国で考えても必然的に出店できる店舗の数に限りが出てしまいます。

このようにお伝えするとテリトリー制は加盟店にはメリットしかなく、デメリットはフランチャイズ本部だけのものと思うかもしれません。
しかし、上記のようなデメリットは加盟店に対しても関係してくるものなのです。

どういうことかというと、店舗の数が限られるということはスケールメリットも狭まってしまいます。
スケールメリットが狭まってしまうことでの加盟店への影響は大きなものです。

たとえば、仕入れの費用や広告宣伝費がある一定のラインから下がらなくなってしまいます。
スケールメリットを活かせば、基本的にこれらの費用はある程度下がっていくものです。
もちろんそこに限界はありますが、スケールメリットを活かした場合と活かせない場合は大きく結果は異なるケースが多数です。

また、店舗の数が限られてしまうとなれば、全国的な店舗の認知度も頭打ちになるでしょう。
そうなるとブランディングの構築が思うようにできず、店舗の売り上げにも影響が出ると考えられます。

このように考えていくと、フランチャイズ本部へのデメリットは大きく、その影響を加盟店も受ける流れになるでしょう。

まとめ

このように、テリトリー制はフランチャイズ本部のみならず、加盟店に対しても大きな影響を及ぼすものです。
しかし、デメリットはもちろんありますが、メリットは大きなものです。
フランチャイズ本部としては開発戦略や経営戦略を考え、テリトリー制の検討をしていく必要があります。

もちろん、そういった視点は加盟店も同時に持っておかねばいけません。
まずはテリトリー制をしっかり理解し、より将来性のあるフランチャイズ本部選びをしてみてはいかがでしょうか。