フランチャイズの物件開発ノウハウ(1)希望物件にめぐり合った時の対応方法

最終更新日:2020年12月18日

FC(フランチャイズ)で独立・起業・開業される際に、希望の物件にめぐり合った時の対応方法から、契約にいたるまでの必要最低限の確認事項をご紹介いたします。

記事提供:フランチャイズタイムズジャパン

目次

(1)希望物件にめぐり会った時の上手な対応方法

(2)契約までの必要最低限の確認事項

土井 恭一(どい・きょういち)

(1)希望物件にめぐり会った時の上手な対応方法

フランチャイズで独立・起業・開業される際にお店を探される場合、多くの希望条件があるわけですが、100%では決して無いが、検討するに値する物件にめぐり合えた時、どう対応すべきでしょうか?(不動産会社側から胸を張って言えることではありませんが・・)

結論からいうと「まずはフランチャイズ事業で使用する出店申込書を仲介不動産会社に提示すること」です。「周囲への相談」「本部の現地確認」「商圏調査」「設備容量確認」などなど、申込前に確認しておきたいことは山ほどありますが、それはすべて後回し後回し。ベストはその場で、又は持ち帰り、帰社後すぐのFAXでもかまいません。

肝心なことは「他社から出店申込が入る前に一刻も早く出店申込書を提示すること」なのです。

事業で使用する出店申込を提示することにより、物件を100%抑えることはできませんが、不動産会社によっては募集をストップさせたり、申込順に検討されたりと様々ですが、申込提示により、競合されると予想する他社の動きが鈍ることは間違いありません。

対応方法

フランチャイズ事業で使用する出店申込書の提示後、何らかの事由にてキャンセルを入れても、手付金などの金銭を預け入れる前であれば、キャンセル料など費用は原則発生しません。契約直前のギリギリまで引っ張るようなことは道義的に好ましくありませんが、調査の結果、キャンセルすることは、日常的に発生しております。しかし不動産会社へは誠意をもってキャンセル事由を話し、理解いただくように努めて下さい。

(2)契約までの必要最低限の確認事項

フランチャイズで独立・起業・開業される際、出店申込から貸主承諾が下り、契約いわゆる金銭を支払う前までに以下の必要最低限確認する事項があります。

1) 設備容量の確認

・ 専門工事会社の方より電気、ガス、水道、排水が業種に対応可能であるか?

・ 増設する場合の費用は?

・ 貸主又は借主いずれの費用負担であるか?

2) 外観における看板掲載範囲の確認

フランチャイズで独立・起業・開業される際には、店舗はビルの「顔」に当たるケースが多く、外観における看板範囲を制限されることが一般的です。予めイメージパーツの提示、間に合わない際は、外観写真のコピーに色鉛筆でここまで使用したい旨を提示することでも構いません。

3) 建物登記簿謄本の確認

フランチャイズで独立・起業・開業される際に借りたビルが破産した場合、折角の設備投資が無駄にし退去せざるを得ない場合があります。フランチャイズで独立・起業・開業される前には、予めビルの担保状況を把握する必要があります。

4) 賃貸借契約内容の確認

これは契約当日に説明されるものではなく、前もって契約内容を確認し、不明点は仲介不動産会社又は関係者へ確認の上、万全を持って契約に挑みましょう。

以上、本日は基礎的なお話を書かせていただきました。次回は、大方の皆様が興味あると思われますが、気に入った物件のとり方をお教えします。

土井 恭一(どい・きょういち)

株式会社ABC店舗 代表取締役

数少ない「店舗不動産」専門会社。仲介営業業務に人を主体としないITを主体とした物件紹介システムを構築展開し、スピーディーに大量の店舗物件情報を 提供する。主に飲食店の居抜き店舗物件を取り扱う。

公開日:2020年12月18日

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