繁盛するフランチャイズ店舗運営の秘訣(1)オーナーと店長との間の信頼関係はあるか

公開日:2015年03月24日

FC(フランチャイズ)で店舗ビジネス、飲食業や小売業を始められるオーナーは、その手軽さからとても多いのですが、多くのお店でオープン後、苦戦を強いられているという現状があります。その原因の1つが「儲かる」という言葉や「多角化」という視点に重きを置き、事業をはじめられているケースが非常に多いからでした。さて今回ですが、「繁盛するFC(フランチャイズ)店舗運営の秘訣」として別の視点でお話をさせて頂きます。

記事提供:フランチャイズタイムズジャパン

目次

「オーナーと店長との間の信頼関係はあるか」

土谷 淳(つちや・じゅん)

「オーナーと店長との間の信頼関係はあるか」

フランチャイズで独立・起業・開業をされる際には、これも当たり前のことなのですが、実はこの信頼関係が成り立っていない、またはオーナー様の事業にかける想いが伝わっていないケースが非常に多いのです。

裏を返せば、この信頼関係を改善することだけで、フランチャイズ事業の業績が上がり始めるケースがとても多いということなのです。
一度、読者の皆様と確認をしてみたいのですが、皆様は自分の店長(部下)とどれくらいのコミュニケーションを取られていますでしょうか。
「頻度」もそうですし、「コミュニケーションの質」も重要です。さていかがでしょう。

まずは「頻度」ですが、

* (1) 最低、週に1回以上は直接お話をされていますでしょうか。
* (2) 業績の上がらない店長(部下)とは毎日数分でも直接お話をされていますでしょうか。
頻度は、自分の心がけ次第ですぐに変わりますので、もし心当りのある方はすぐに行動に移して頂ければと思います。

フランチャイズで独立・起業・開業される際には「コミュニケーションの質」も大事です。この質が、信頼関係に大きくかかわってきます。「質って何?」「目標達成への手段や自分の想いを伝えること。店長の悩みを聞くこと?」なんて思われるかもしれません。それは違います。

「質」とは、次のことを把握された上で、店長と話が出来ているかどうかです。

* (1) 部下1人1人の夢や目標を把握しているか。
* (2) 部下の弱点と得意な分野を把握しているか。
* (3) 事前に一緒に立てた会社の目標(店舗の目標)に沿った話が出来ているか。
フランチャイズで独立・起業・開業される際の繁盛する店舗運営の秘訣は、これだけです。何も難しいことは1つもないのですが、さていかがでしょうか。

コミュニケーションを取る上で、名前を覚えるなんてことは当たり前です。大切なことは、部下の方の人生を知る努力をしているのかどうか、実はここが一番肝心なのです。なぜなら、フランチャイズで独立・起業・開業される場合に、これを知っているかどうかでコミュニケーションの質が大きく変わってくるからです。

例えば、店舗オーナーやフランチャイズ事業責任者の方々の中には、「目標達成しろ。なにやっているんだ!」と数字が上がっていない店長にいつも叱っていらっしゃる方も少なからずいるかと思います。そんなとき一旦冷静になって考えてみて欲しいのです。店長(部下)はどんな夢を追いかけているんだろうか。どんな目標を掲げているのだろうかということを・・・。

そのことを理解したとき、店舗オーナーや店長の皆様との間に大きな信頼関係が生まれてきます。なぜなら、フランチャイズ店舗オーナーに目標や夢があるように、部下である店長にも夢や目標があるからです。

信頼関係とはその夢や目標をお互いに理解し、今やっていることがお互いの夢や目標に近づくものであるのかどうか、そのことが確認できた時、初めて生まれるものだからです。そしての信頼関係があるからこそ、目標や夢を必ず実現させようと心に誓えるものではないでしょうか。

なかなか売上があがらない、店長が言うことを聞いてくれない。そう考える前に、「店長(部下)との間に信頼関係があるのか」「店長のことを自分は何を知っているのだろうか・・・」ということを今一度、考えてみて頂ければと想います。

土谷 淳(つちや・じゅん)

株式会社WILLCAN代表取締役

飲食業の人財育成支援や飲食店業績改善支援及び店長代行業務を行なう。フランチャイズ本部のスーパーバイザー育成支援及び代行業務も手がけ「企業に眠る人財を活性化させたい」という想いをもつ。