宅配フランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
公開日:2020年05月25日
宅配フランチャイズは、お弁当やピザ、水、野菜などさまざまなジャンルがあり、加盟する本部によっても必要開業・運営資金が異なります。
そこで今回は、宅配のフランチャイズを始めるために必要な加盟金や店舗関連費、車両費などの開業資金(初期費用)、人件費や原材料、賃貸料などの運営資金を詳しくご紹介。
宅配フランチャイズでの独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
宅配フランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安
宅配フランチャイズの開業に必要な資金の目安は、1,054万円です。
この費用は、開業資金(初期費用)と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。
加盟金や保証金、ロイヤリティが0円のフランチャイズ本部を利用することで、開業・運営資金を抑えることができます。
<開業資金(初期費用)の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
加盟金 | 180万円 |
店舗関連費 (物件取得費・内装工事費・設備費など) |
70万円 |
車両費 | 100万円 |
保証金 | 50万円 |
資格取得 | 3万円 |
研修費 | 30万円 |
合計 | 433万円 |
<運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 180万円 |
原材料 | 360万円 |
賃貸料 | 27万円 |
水道光熱費 | 18万円 |
車両関連費 (ガソリン代・駐車場代など) |
36万円 |
ロイヤリティ | 0万円 |
合計 | 621万円 |
※売上が月間300万円ほどの店舗と仮定し、各項目を計算しています。
以下で一つずつ項目を解説していきます。
宅配フランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)
宅配フランチャイズの開業に必要な資金(初期費用)には、加盟金や店舗関連費、車両費、保証金などが挙げられます。
フランチャイズ本部によって異なるのは加盟金や保証金、宅配サービスのジャンルや配達手段などが影響するのが店舗関連費や車両費です。
加盟金
宅配フランチャイズの開業に必要な加盟金は、180万円程度です。
なかには加盟金が0円の本部もありますが、ブランド使用料や店舗運営のノウハウ、サポート提供への対価として支払う費用のため、必要なノウハウ・サポート提供が受けられるかもしっかり確認することが必要です。
店舗関連費(物件取得費・内装工事費・設備費など)
店舗内での調理が不要なお弁当や水、本部の工場を使用するクリーニングなどの宅配ビジネスは、広いスペースや大きな設備投資が不要で、店舗関連費は70万円程度が目安です。
厨房機器の導入が必要な場合は規模や種類にもよりますが、400~500万円くらいかかると想定しておきましょう。
車両費
宅配フランチャイズには、バイクや軽バンなど商品を配達するための車両が必要です。
新車・中古車どちらを購入するかにもよりますが、中古であればバイクの場合は30~80万円、自動車の場合は50~100万円くらいで購入することができます。
また、車両のリースサービスを提供しているフランチャイズもあるので、できるだけ開業資金を抑えたい場合は利用を検討してみるのも良いでしょう。
保証金
宅配フランチャイズに必要な保証金の目安は、50万円です。
保証金が0円の本部もありますが、その他の費用が高く設定されていないか、加盟店にとって条件が厳しすぎないかなど、細かな点も確認しておくと安心でしょう。
資格取得
お弁当やピザなどの飲食系の宅配フランチャイズを始めるには、「営業許可」と「食品衛生責任者の資格」が必要です。
営業許可は開業する地域の保健所で取得することができ、手数料は1.6~1.9万円と地域によって異なります。
また、食品衛生責任者の資格は食品衛生協会で実施されている講習を受けて取得します。講習時間は6時間程度、受講料は東京都の場合1万円です。
食品衛生責任者資格
項目 | 概要 |
---|---|
講習時間 | 6時間 (・衛生法規:2時間・公衆衛生学:1時間・食品衛生学:3時間) |
受講料 | 1万円 |
※東京都の場合
研修費
宅配フランチャイズを開業するにあたって、本部のサービスやノウハウ、調理技術などを習得するための研修に参加する必要があります。
本部によって異なりますが、30万円くらいで見積もっておくと良いでしょう。
研修を受ける人数や回数などによって費用が変わるケースもあるので、従業員を雇う場合にはより注意して確認しておくと安心です。
宅配フランチャイズに必要な運営資金
宅配フランチャイズに必要な運営資金は、主に以下の6つです。
- 人件費
- 原材料
- 賃貸料
- 水道光熱費
- 車両関連費
- ロイヤリティ
運営資金のなかでも割合が大きいのは原材料で、宅配サービスのジャンルや既存店の活用などの条件によって抑えられるのが賃貸料や水道光熱費です。
人件費
宅配フランチャイズにおける人件費は、1ヵ月あたり売上の20%程度です。
雇用する従業員の人数などによっても変動するので、計画的な採用が重要だと言えます。
原材料
宅配フランチャイズの原材料は取り扱う商品によって異なりますが、1ヵ月あたり売上の30~40%が目安となります。
配達の際には容器やトレー、ラップなどの梱包資材が必要になるので、梱包資材費も含めて資金を確保しておくことが必要です。
賃貸料
宅配フランチャイズの賃貸料は、1ヵ月あたり売上の2~3%くらいかかります。
大きな設備投資が不要なお弁当や水などのフランチャイズ本部の場合、小スペースでの開業が可能なので賃貸料の割合も低めです。
調理が必要な場合でも、既存店舗の営業時間外や稼働していないスペースを利用することで、費用を抑えることができます。
水道光熱費
宅配フランチャイズでかかる水道光熱費は、1ヵ月あたり1~2%です。
取り扱う商品や調理の有無などによっても変動しますが、運営資金のなかでも比較的安く済みます。
車両関連費(ガソリン代・駐車場代など)
バイクや自動車で配達を行う宅配フランチャイズは、ガソリン代や駐車場代などの車両関連費も運営資金として必要です。
車両の種類や台数などにもよりますが、1ヵ月あたり売上の3~4%程度で見積もっておくと良いでしょう。
ロイヤリティ
宅配フランチャイズのロイヤリティは、0円で設定されている本部が多いです。
なかには、ロイヤリティではなく「会費」や「エリア負担金」などの名目で毎月本部への支払いが発生するケースもあるので、その点にも注意して確認しておきましょう。
宅配フランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
高齢者向けに宅配弁当サービスを提供している「ライフデリ」の場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
(必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。)
今回は、1ヵ月あたりの売上高が約324.9万円の店舗をモデルに算出しています。
総粗利益高
190.3万円
=324.9万円(売上高)ー134.6万円(原材料費)店利益
85.5万円
=190.3万円ー104.8万円(人件費や賃貸料、水道光熱費など)
宅配フランチャイズで利益をしっかり残すには、原材料費のコントロールが重要だと言えます。
フランチャイズに加盟すれば収支面での相談もできるので、安心して経営に専念できるよう本部のサポートを最大限に活用しましょう。