コインランドリーを開業するのに必要な準備・費用とは
最終更新日:2020年08月27日

生活に密着した家事の一つでもある「洗濯」を取り扱うコインランドリーは、収益性が高く安定した収入が期待できるため、個人・フランチャイズ問わず人気のあるビジネスです。近年では、所有している土地を有効活用するために開業する方も増えてきています。
そこで今回は、コインランドリーの開業に必要な費用や特徴、準備など、コインランドリーの開業前に知っておきたい情報をまとめました。おすすめのフランチャイズ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
コインランドリーの開業に必要な費用
はじめに、コインランドリーの開業に必要な費用を初期費用と運営資金、売上、借入の有無に分けて紹介します。
初期費用
コインランドリーの開業に必要な初期費用は、約2,300万円です。
この費用は、15坪ほどの店舗と仮定した金額で、あくまで目安の一つとして参考にしてください。
<初期費用の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 200万円 |
内装工事費 | 800万円 |
機器購入費 | 1,300万円 |
合計 | 2,300万円 |
主な費用は、物件取得費や内装工事費、機器購入費で、店舗の立地や規模などの条件によって変動します。
コインランドリーは10~15坪ほどの小型店舗から50坪くらいの大型店舗、プレハブ型の店舗と種類が豊富です。店舗の広さによって設置できる機器の種類や数も変わってくるので、計画的に準備を進める必要があるでしょう。
初期費用のなかでも特に大きな割合を占めるのは、機器購入費です。洗濯機や乾燥機は1台で100万円前後するため、導入する台数や機種などによって高額になる可能性もあります。
コインランドリーをフランチャイズで開業する場合には、上記以外に加盟金や研修費など、本部への支払いが発生します。加盟金0円の本部もあり、個人で開業する場合とほとんど変わらない費用で始められるケースもあります。
運営資金
コインランドリーの開業に必要な運営資金は、1ヵ月あたり約45万円です。
売上が月間80万円ほどの店舗と仮定し、各項目を計算しています。
<運営資金の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 6.4万円 |
賃貸料 | 12.8万円 |
水道光熱費 | 24万円 |
消耗品費 | 1.6万円 |
合計 | 44.8万円 |
主な費用は、人件費や賃貸料、水道光熱費、消耗品費などで、店舗の規模や従業員の雇用状況などによって変動します。
コインランドリーにおける人件費は、1ヵ月あたり売上の0~8%が目安です。基本的に無人で営業ができるため、オーナー1人でも始めることが可能です。オーナーが経営に専念したい場合は、店舗や機器の清掃などを行う人材を雇う必要があるので、その分人件費もかかります。
賃貸料は店舗の立地や規模にもよりますが、1ヵ月あたり売上の13~16%程度です。また、店舗を運営するうえで水道光熱費も1ヵ月あたり10~30%程度発生します。
また、コインランドリーの運営では洗剤などの消耗品費も発生します。利用状況などにもよりますが、1ヵ月あたり売上の2%程度で考えておくと良いでしょう。
初期費用と同様に、個人とフランチャイズの開業では必要な運営資金が異なり、フランチャイズの場合はロイヤリティの支払いが発生します。定額制や売上変動制など本部によってさまざまで、なかにはロイヤリティ0円のところもあります。
売上
コインランドリーの売上は、店舗の規模や立地などが大きく影響します。
約2万店舗の導入実績を持つフランチャイズ本部『AQUA』を例に挙げると、住宅街に出店している店舗の場合、8坪程度の店舗で約47万円が売上の目安です。
また、関東を中心に展開するコインランドリーのフランチャイズ本部『コインランドリーピエロ』を例に挙げると、13~20坪程度の店舗で1ヵ月の売上は約50~150万円となっています。
借入の有無
コインランドリーを開業する際の資金調達方法として、借入が挙げられます。
一般的な借入先として民間銀行がありますが、過去の実績や現在の財政状況など融資の条件が厳しめであるため、個人で一から開業する場合は審査の難易度が高まります。
その他の借入先としては日本政策金融公庫や自治体・信用保証協会が提供する融資制度などが挙げられますが、特に利用しやすいのが日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫の新創業融資制度に関しては、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を持っていれば融資を受けられる可能性があるので、ほかの借入先よりハードルが低めです。
店舗の規模などの条件によって金額は変動しますが、初期費用の3分の1程度は準備しておきたいところです。
コインランドリーのフランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
コインランドリーの特徴
ここではコインランドリーの特徴として、サービス内容やメリット・デメリット、成功・失敗のポイントについて解説していきます。
サービス内容
コインランドリーの主なサービス内容は、洗濯・乾燥を行う場所を提供することです。
オーナーの立ち位置にもよりますが、ほかには
- 店舗見回り
- 集金
- 掃除
- 洗剤などの発注と補充
- 機器のメンテナンス
- 問い合わせ対応
- 売上管理
などの業務が発生します。
メリット
コインランドリーを開業するメリットを3つご紹介します。
収益性が高い
コインランドリーを開業するメリットは、収益性が高いことです。
基本的に無人店舗で運営できるコインランドリーは、人件費がかかりません。多くの業種において運営費用の大半を占める人件費がかからないということは、大きなメリットになります。
また、特に自分が所有する土地やテナントで営業をする場合、毎月の経費は水道・電気・ガスといった水道光熱費と、洗剤や柔軟剤などの消耗品費のみとなります。新たに店舗を取得する場合でもランニングコストを抑えやすいので、高収益が期待できます。
安定した利益が見込める
安定した利益が見込めることも、コインランドリーを開業するメリットの一つです。
硬貨やプリペイドカードでの現金支払いが中心のコインランドリーは代金未回収のリスクが低く、現金収入を得やすいことが特徴として挙げられます。
また、共働き世帯の増加やアレルギー・ウイルス対策などにより年々需要が高まっていることも大きな要因です。洗濯は日常生活で欠かせない行為であることからも、景気に左右されず安定した経営ができるビジネスだと言えます。
副業・サイドビジネスにも最適
副業・サイドビジネスにも最適であることも、コインランドリーを開業するメリットです。
基本的に店舗への常駐は不要なので、店舗の見回りや集金など最小限の業務で済みます。体力が必要な仕事や長時間の労働・接客もなく、コインランドリー業務にかける時間を最小限に抑えられるので、時間の有効活用が可能です。
フランチャイズの場合、清掃や集金、問い合わせ対応などを代行する本部もあり、オーナーの負担をさらに軽減することもできます。
デメリット
次に、コインランドリーを開業するデメリットを2つご紹介します。
初期費用が高額
コインランドリーを開業するデメリットは、初期費用が高額であることです。
開業前には、洗濯機・乾燥機などの機器や両替機の購入・設置、両替用のお金、監視システムなどの準備が必要になります。
特に費用がかかるのが、各種機器の導入費です。洗濯機や乾燥機は1台で100万円前後することもあり、大型店舗の場合は広い分必要な台数も多いため、初期費用が高額になる可能性があります。
機器のレンタルサービスを利用することもできるので、初期費用をできるだけ抑えたい方は検討してみると良いでしょう。
競合が多め
共働き家庭の増加やアレルギー・ウイルス対策など、社会情勢の影響から需要が高まっているコインランドリーの経営は人気があります。
そのため競合も多く、開業エリアにすでに競合店がいたり、近所に競合店ができたりする可能性も高いです。
競合が多いビジネスで売上を上げていくには、差別化を図ることが必要不可欠です。フランチャイズの場合、本部独自の強みを持っているケースが多いので、個人で開業するより差別化が図りやすいでしょう。
成功・失敗のポイント
コインランドリーの成功・失敗のポイントを3つご紹介します。
集客が見込める立地か
コインランドリーを成功させるためには、集客が見込める立地で開業できるかが重要なポイントとなります。
例えばコインランドリーへ向かうとき、自分の洗濯物を持って出るため、人通りの多い繁華街や駅前などには通いづらいのではないかと考えらえます。
また大量の洗濯物を運ぶため、多くの利用者は車を使用して来店すると仮定すると、車ですぐに立ち寄ることができる幹線道路沿いなどロードサイドに出店すれば、通いやすくなる上、その道を通る人々に店の存在を知ってもらうことができるのではないかと考えられます。
コインランドリーを利用する動機には、家に乾燥機がない、布団などの大物を家で洗えない、そもそも洗濯機を持っていないなどといった理由が挙げられます。こうした来店動機を持つ人は、戸建て住宅よりもマンションやアパートなどの集合住宅に住んでいることが多いです。そのため、出店場所の周辺にこうした集合住宅が密集しているような立地を選ぶのが良いでしょう。
そして利用者の利便性を考えると、多くの洗濯物を抱えて移動するため、駐車場は入口の前にあるのが理想的です。
初期費用を抑えた開業ができるか
初期費用を抑えた開業ができることも、コインランドリーを成功させるためのポイントの一つです。
多くのお客さんは自宅から近く車が止めやすいコインランドリーを利用するので、いくらたくさんの洗濯機や乾燥機を設置しても、内外装に力を入れても売上が伴うとは言い切れません。
初期費用が高額になりやすいビジネスではありますが、できるだけ安く機器を調達するなど工夫をするだけでなく、初期投資の回収期間も考えたうえで初期費用の上限を設定し、それに合わせて準備を進めていくことをおすすめします。
競合と差別化が図れているか
競合と差別化が図れているかも、コインランドリーを成功させるためのポイントです。
洗濯や乾燥ができる場所というだけでもある程度の利用者を獲得できますが、リピートしてもらえる店舗づくり、すなわち競合店との差別化ができているかが重要になります。
最近では、カフェやアクアリウム、地域コミュニティなど、プラスアルファの要素を加え競合店との差別化を図っているコインランドリーも増えてきています。
ただ特別なことをするというだけでなく、利用者のニーズに合ったサービスで差別化を図ることが成功への近道となるでしょう。
コインランドリーの開業に必要な準備
コインランドリーの開業に必要な主な準備を3つご紹介します。
店舗
コインランドリーの開業には、まず店舗の準備が必要です。
新規で店舗をつくるか、居抜き物件を利用する、所有している土地や物件を活用するかの3つの方法があります。
店舗建築や内装工事、機器設置などが必要になりますが、居抜き物件や所有している土地・物件で開業することで、店舗に関する初期費用を抑えることが可能です。
各自治体によって施設基準が設けられていることがほとんどなので、個人で一から開業する場合は少し難易度が高く感じてしまうかもしれません。フランチャイズ本部であれば開業ノウハウを持っているので、相談しながら安心して準備を進められるでしょう。
採用・教育
コインランドリーはオーナー1人でも始められるので、従業員の採用・教育は基本的に必須ではありません。
採用が必要な場合でも重労働や難易度の高い業務がないことから、マニュアルを準備しておけば対応できるでしょう。
フランチャイズの場合は本部実施している研修に参加することができるので、オーナーの採用・教育に関する負担も最小限で済みます。
資格・免許・手続き
コインランドリーの開業には専門的な免許は不要ですが、「コインオペレーションクリーニング営業施設の開設届け」が必要です。
以下の流れで取得できます。
1.保健所に「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届け」を提出
2.保険職員による店舗の検査
3.「検査済証」の交付
地域によって手続きが異なる場合もありますので、開業前にしっかり確認しておきましょう。
コインランドリーでおすすめのフランチャイズ
コインランドリーピエロ
『コインランドリーピエロ』は、関東を中心に180店舗以上展開している「センカク」が運営するコインランドリーです。
店舗の開閉や清掃、集金、消耗品の仕入れなどの運用代行、24時間365日対応のコールセンター、機器メンテナンス、店内遠隔監視など、本部サポートが万全であることを大きな強みとしています。
商圏に合わせて本部がつくった既存店の引継ぎも可能なため、開業後の経営を軌道に乗せやすくなります。
ふんわりキレイランドリーフルーフィー
『ふんわりキレイランドリーフルーフィー』は、関東を中心に30店舗展開するコインランドリーです。
「中小企業経営強化税制を活用した即時償却が可能なタイプ」と「独自の特許技術を活用したトレーラーハウス型で4年償却が可能なタイプ」の2種類の加盟プランによって、短期償却を実現しています。
店舗清掃から集金、メンテナンスまで日々の店舗業務は全て本部が代行。オーナーの負担を最小限に抑えた経営が可能です。
エムアイエス
『エムアイエス』は、全国580店舗展開の実績を持つコインランドリーのフランチャイズです。
10坪程度の土地があれば開業できるので、土地や建物を有効活用したい方にもおすすめです。
また、毎月必要な主な費用は水道光熱費や洗剤、メンテナンス費。ランニングコストを抑えた運営ができるため、手元に70〜80%の粗利を残すことができます。
オンライン説明会も開催しており、自宅からでも気軽に参加できます。
公開日:2015年10月02日