臨店とは

最終更新日:2020年05月11日

事業を成功させるためには日頃からコミュニケーションをとっておきたいSV(スーパーバイザー)。SVはフランチャイズ事業を行う方にとっては特に身近な存在です。

しかし、SVについて本部と現場の橋渡し役というのはわかっていても、なかなか深いところまでは理解していない方も多いようです。

そこで今回は、SVの仕事内容と、そのひとつでありSVと現場との接点でもある「臨店」について詳しく解説していきます。しっかり理解をしてSVとの関係性を良好に保っていきましょう。
ぜひ参考にしてみてください。

目次

SVとエリアマネージャーとの違い

SVの仕事内容とは

臨店とは

臨店の目的とは

SVが行う臨店を行うときの視点

まとめ

SVとエリアマネージャーとの違い

まず、SVとエリアマネージャーの違いを解説します。

この2つは会社によって様々な使われ方をする場合もあり混同させることも多いのですが、一般的には以下のようになっています。

SVはスーパーバイザーの略で一般的に会社全体における管理や慣習を行う監督のような役職です。それに対してエリアマネージャーは、与えられたエリア内のマネジメントを行う立場です。

もう少し分かりやすく言うと、フランチャイズ本部に属して各店舗のスタンダードを確認するのがSV。

一方で、フランチャイズ事業を行う会社の複数店舗のエリア管理するのがエリアマネージャーといったイメージです。
では次に、SVの仕事内容について確認していきます。

SVの仕事内容とは

SVの大まかな役割としては以上のようなものですが、その仕事内容は勤務先によって異なる場合も。
ここでは勤務先の例をいくつか紹介して、その仕事内容を解説します。

SVであっても業界によっては、エリアマネージャーのような仕事内容を求められるケースもあります。

コールセンター

コールセンターのSVは、そこで働くスタッフの統括を行います。
先ほど解説したSVの概念とは少し違い、どちらかと言うと店長のような役割が求められているのです。
主な業務としては、スタッフへの指導や研修などを主に行い、現場がスムーズに動いていくような仕組みを作っていきます。

また、顧客からのクレームの対応もSV自らが行うこともあるでしょう。

福祉業界

福祉業界にもSVが存在しています。

コールセンターのSVと同じような役割が求められており、こちらも同様に施設長のようなイメージです。

「主任介護支援専門員」という、ケアマネージャーの上位に当たる人がSVとして位置づけられることが多くなっています。

小売店や飲食店

一般的なSVの仕事のイメージは、小売店や飲食店の場合です。

この場合は、自分の担当するエリアを持ち、その中にある複数店舗の定期的な巡回するというもの。

各店舗の店長とコミュニケーションをとり、売上からスタッフの教育などの多種多様の店舗運営における指導やアドバイスを行っていきます。
また、本部との橋渡しとしての役割も。

本部からの連絡事項を店舗に伝え、実際の店舗の状況を本部に持ち帰って報告することも行います。
これは、ほとんどの場合、次に説明する臨店を通じて行われるケースが多くなっています。

臨店とは

では、ここからは臨店について解説していきます。

臨店とはお店を訪問することであり、SVの重要な仕事のひとつです。

特にフランチャイズ事業では重要な役割となっており、それぞれのフランチャイジーに対して本部の施策や考え方を伝達して行きます。

このようなことから、SVによる臨店が多いフランチャイズは決まり事が多く、反対に臨店が少ないフランチャイズはある程度自由度が高いとも言えるでしょう。

臨店の目的とは

臨店の目的は主に以下の4つのものがあります。

・本部側の指示を店舗に伝える
・店舗の運営状況の確認
・コンサルティング
・店舗の問題点を本部に伝える

ひとつずつ解説していきます。

本部側の指示を店舗に伝える

先ほど説明したように、臨店には本部側の指示を店舗に伝える目的があります。

本部では、常に時代に合わせた販売戦略や接客マニュアルの見直しバージョンアップを行っています。そのため、このような戦略や決定事項をスムーズに伝える役割をSVが担っているのです。

前提として、本部と店舗はお互いに協力して売上を伸ばし、利益を出すことが目的です。
SVから伝えられたことを実践するのは店舗の役割ですが、それには日々のSVと店舗の担当者とのコミュニケーションは必須になります。
このことからも、臨店は本部側の指示を店舗に伝えると同時に、本部と店舗のコミュニケーションの機会でもあるのです。

店舗の運営状況の確認

実際にSVが臨店に訪れてまずやることは、店舗の運営状況の確認です。

安全性や衛生状態に始まり、スタッフの身だしなみや接客態度などまで確認をしていきます。
この辺りのチェックは、本部が望む運営状況に店舗があるかどうかの判断材料です。

コンサルティング

上記のように店舗の運営状況の確認を行った結果、何かしらの不備があればコンサルティングを行っていきます。

これは、その場で改善できることから、少し時間がかかってしまい、本部から後日指示を受けるようなものまで。
もし、指摘された項目に疑問や不安があれば、その場で解消し具体的な改善策を練っていくことも店舗では必要になります。

店舗の問題点や要望を本部に伝える

臨店を行い運営状況の確認やコンサルティングを行った後は、店舗の問題点を本部に伝える役割がSVにはあります。

もちろん、本部に伝えるのは店舗の問題点だけではなく、店舗から出た要望や提案を報告します。

SVから報告を受けた本部は、それを受け検証や分析を行っていくことに。
その結果、新たな指示や戦略につなげて行くといった流れになっていきます。

SVが行う臨店を行うときの視点

ここからは、SVが行う臨店準備について解説していきます。
SVが臨店を行う際には以下のような点を考えながら店舗に足を運んでいます。

・目的や目標は明確か
・目的や目標がアクションに落とし込めているか
・数字で検証を行っているか
・具体的な改善提案があるか
・改善提案を実施しているか

一般的にSVは上記のような視点を持って臨店を行っています。

SVが持っている視点を理解し、それを踏まえておくと臨店が店舗にとっても有意義な時間になるでしょう。
ひとつずつ解説していきます。

目的や目標は明確か

まずSVが臨店の際に確認するのは、店舗の目的や目標が明確であるかどうかです。

どのような事業にしても漠然とした運営を行っているわけにはいかず、目的や目標がなくてはいけません。

SVの臨店の目標でもあるコンサルティングを行うにあたっても、これらは大切なものです。また、目的や目標はエリア全体のものと各店舗のものが必要です。

目的や目標がアクションに落とし込めているか

設定している目的や目標が、実際にアクションとして落とし込めているかどうかも必要です。このアクションは具体的であればあるほど良く、誰が何をいつまでにするかと言ったように誰が見ても理解できるようにしておかなくてはいけません。

ここを具体的にしておかないと実際に行動に落とし込むのも難しくなってしまいますし、行動の優先度も下がってしまうものです。

目的や目標の数字検証を行っているか

行動に加え数字で検証を行っているかどうかも大切です。

たとえば「売上の何パーセントを・誰が・どのように・何を行い・何パーセントまで向上させる」といった具体性が必要です。
もちろん、その数字は実現可能なものでなくてはいけません。

「売上を50%増やす」と設定するだけなら簡単ですが、それが実際に実現できるかどうかは別問題です。
実現が難しいようであれば「人件費や仕入れの適正化によって、同じぐらいの利益を出せるかどうか」といった部分まで数字の検証を行うべきなのです。

具体的な改善提案があるか

臨店の結果、改善すべき箇所を指摘されることがあります。

改善についても目的目標と同様に具体的なものに数字をつけて提案しなくてはいけません。SVとしても「当然指摘しただけでは改善しない」と思っているので、店舗側としても万全な指摘に対する改善の提案を行う必要があります。

改善提案を実施しているか

実際に立案した改善提案を「実施できているかどうか」も日々確認しなくてはいけません。

改善=今までやっていなかったおろそかになっていたことを実行するとも言えるので、習慣化できるまでは店舗としても日々のチェックが必要です。

習慣化する方法は様々ですが、改善点の指摘から改善完了までSVは見届ける必要があるのです。

まとめ

このようにSVが行う臨店はコミュニケーションから事業の今後の戦略・振り返りなど様々な目的があります。

同時に現場としても臨店は、さらに良い事業展開を行うためにも必要な時間です。
もちろん、臨店はお互いの貴重な時間を使うもの。そうなると、やはりその効果は最大限にしたいところです。

この記事を参考にせっかくのお互いの時間を有意義に使えるように活用してみてください。

公開日:2019年12月06日