看護師は副業しても大丈夫?可能なケースとおすすめの副業8選

最終更新日:2022年07月27日

「やりたいことがあるのでもう少し収入をアップして貯金がしたい」「来月ピンチになりそうだから少し多めに稼ぎたい」という看護師さんも多いのではないでしょうか。そんなときは副業を持つという手がありますが、看護師の場合は副業しても大丈夫なのでしょうか。副業ができる病院の見極め方や、看護師におすすめの副業について紹介します。

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目次

そもそも看護師は副業しても大丈夫?

看護師が副業の仕事を選ぶ際のポイント

看護師におすすめの副業8選

看護師におすすめの副業についてまとめ

そもそも看護師は副業しても大丈夫?

そもそも看護師は副業しても大丈夫?

副業を始める前に知っておきたいのが、現在の勤め先が副業を許可しているかどうかという点です。看護師が副業できるかどうかは、勤め先の就業規則によります。国公立と民間でも違いがあるのでそれぞれ解説します。

国公立の病院は原則副業禁止

国公立の医療機関は保健所なども含め原則的にNGだと思っておいたほうが良いでしょう。

副業禁止については、国立の医療機関については「国家公務員法103条」で、都道府県立の医療機関や市立病院などは「地方公務員法38条」で営利目的の副業が禁止されています。

理由としては以下があげられています。

  • 本人や職場、公務員の信用を損なうような行為はしてはいけない
  • 本業の職場で知り得た情報は漏洩してはいけない
  • 職務に集中して業務に当たらなければならない

副業を持つと本業以外の場所でトラブルや情報漏洩が起きて本業に支障をきたす場合があります。本業と副業で多忙になり業務に集中できない事態が発生する可能性も考えられます。そこで、公務員では副業を禁止しています。

ただし、家業の手伝いや、フリマアプリ・不動産賃貸などは問題がありません。

民間の場合は病院ごとの就労規則に従う

民間の場合、副業を禁じる法律はなく、勤め先の病院ごとに就労規則のなかで定めています。そのため、副業をしたいと思ったら、勤め先の就労規則を調べなくてはいけません。

厚生労働省のモデル就業規則でも「第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と記載しているように、社会的に副業は認められる傾向にあります。そこで勤務先の医療機関も認めている可能性はあります。

ただし、医療機関によっては現在でも副業を禁止しているところもあります。理由としては、働きすぎによる従業員の体調面への心配や、公務員と同様に守秘義務が破られる可能性などへの懸念もあるでしょう。

就労規則に明記がなくどうしても行いたい場合、先輩にほかにやっている人がいるか聞いてみたり、上司、人事などに確認してみたりしてください。

看護師が副業の仕事を選ぶ際のポイント

看護師が副業をするとしたら、「資格、経験、スキルを生かせる仕事」「本業の負担にならない仕事」を選ぶのをおすすめします。副業を成功させるためのポイントについて解説していきます。

看護師の資格を活かせる

看護師の資格があれば、仕事探しの幅が広がります。せっかく持っている資格ですから、活用するのがおすすめです。

健診やイベントの救護所での業務、高齢者施設でのサポートなど看護師の資格があることでできる病院以外の仕事は多くあります。ほとんどは看護師にとっては慣れた仕事であるため、一から業務を覚える負担がなく、すんなりと仕事に入れます。

なかには看護師の資格があるために、普通のアルバイトよりも報酬が高いものもあるので、ぜひ探してみてください。

本業に影響が出ない

副業に時間と体力を費やし、本業に影響が出るのでは意味がありません。無理の少ない副業をするのが、長く続けるポイントです。

看護師の仕事はハードであるため、働く時間を増やすとそれだけ疲れがたまりやすくなります。副業をしたために休息時間がなくなり、体調を崩して本業を休まなくてはいけなくなるような事態は避けたいところです。

時間的にも本業と副業が重ならないようにしなくてはいけません。最初の面接の段階では、就業時間が重ならないと思っていても、いざやっていくうちに、急なシフトを頼まれるなどして、時間のやりくりが難しくなるケースもあるので注意してください。

スキルアップ目的の副業は避けたほうがベター

副業でスキルアップを目指すのはあまりおすすめできません。

副業は収入アップが主な目的ですが、スキルにこだわっていると報酬が高い仕事を逃してしまう可能性があります。収入が少ないと副業をするモチベーションが保てなくなります。

週にわずかしか働かない副業でスキルアップを目指すのは難しく、収入とスキルの二兎を追ってどちらも得られなければ、副業をしている意味を見失ってしまいます。

本業と副業をして忙しいうえに、スキルアップという目的まで重ねてしまったために、心身を消耗させるのも避けたいところです。

もしスキルアップをしたいのであれば副業でするのではなく、本業の転職を考えたほうが良いでしょう。

看護師におすすめの副業8選

看護師におすすめの副業8選

看護師が副業をするなら、スキルを活かせる仕事のほうが無理なく働けます。まったく異なる仕事をしようとすると、新鮮に感じられるかもしれませんが、一から覚えなくてはいけない業務も多く負担になってしまいます。スキルを活かしながら働ける仕事を紹介します。

1.夜勤専従看護師

夜勤帯のみ勤務する看護師の募集も多くあります。本業を日勤で働いている場合には、時間がかぶらずに働けます。

メリットとしては夜勤帯は日勤帯よりも報酬が高めに設定されている場合が多いという点があります。1回の夜勤で2万円台後半から4万円が目安となっています。週に1回だけの夜勤でも、月に10万円以上稼げるという計算になります。本業での業務内容と違いが大きくなければ、スキルの面で無理なく働けるのも魅力です。

ただし、日中も働いて夜も働くとなると、シフトの組み合わせ方を工夫しないと、体調を崩しやすくなるというデメリットがあります。眠気から本業でミスしやすくなるかもしれないので、無理がないように気を付けてください。

2.イベントナース

ライブ会場や各種イベント会場でけが人や急病人への対応をする仕事です。救護室に来たイベントのお客様に対して、適切な応急処置を行います。医療行為は行わず、重傷や重病と判断したら近隣の病院へ搬送します。

お客様に多いけがや体調不良の種類には、貧血や転倒による打撲、長時間列に並んでいたことからくる気分不快、緊張からくる多感、生理痛、熱中症、切り傷、腹痛、発熱などがあります。

イベントナースとして働くメリットとしては単発での募集が多いので、無理なく働ける点です。報酬も高めで、日給1〜3万円が目安です。イベントは週末に多くあるため、土日に休みになるクリニックに勤めている人におすすめです。

デメリットとしては救護所も野外のテントであることが多く、真夏や真冬は自分の体調管理が必要になる点があります。また、仕事の数が多いわけではないので、人気があるイベントだとすぐに枠が埋まってしまう可能性があります。

3.ツアーナース

旅行好きな人に向いているのがツアーナースです。修学旅行や社員旅行、大型のツアー、家族旅行などに同行する看護師のことです。

旅行先で体調不良者やケガ人が出たときに処置をしたり、参加者の健康管理を行ったりします。必要に応じて現地の医療関係者と連携を図りますが、基本的には1人で対処しなければならないので、経験とスキルが必要です。ツアー中はいつ何があるか分からないため、気を抜けないという大変さがあります。

一方、仕事とはいえさまざまなところに行ける楽しみがあります。また、高齢者や疾患・障がいがある家族とは、なかなか旅行に行けずに寂しいと感じている人も多くいますが、看護師が付き添うことで夢をかなえてあげることができ、喜んでいる姿を見ているとやりがいを感じられるというメリットがあります。

人が好きで円滑にコミュニケーションがとれる人であれば仕事を楽しめるでしょう。また、登山や海外旅行などに慣れている場合も、強みにできます。

報酬は1日1〜2万円程度が目安です。

4.健診・検診ナース

健診センターで健康診断を行う仕事です。施設で行うだけではなく、各地の企業などを巡る巡回健診の仕事もあります。

採血や身長・体重測定、心電図、腹囲測定などのほか人間ドックで行われるようなCTやMRIの補助、内視鏡の介助などを行う場合もあります。

基本的にはマニュアルがあるので、本業でのスキルがあれば難しい仕事ではありません。また、日勤で残業がほぼないのも魅力です。半日勤務が多いため、休日に無理なく働けます。

デメリットとしては時給が1,200~1,500円程度で、ほかの案件に比べると若干安めであることが挙げられます。

5.訪問看護師

訪問看護師の仕事は、療養生活をしている利用者の自宅を訪れ看護をするというものです。主治医の指示に従って、ケアや健康状態のチェック、医療処置などを行います。

高齢者が増えていることもあり、訪問看護師のニーズは高く募集も多くなっています。時給は1,300〜2,000程度が目安です。

メリットとしては自宅の近くで仕事が見つかりやすく、自分の休日に合わせて行えるという点があります。

一方、1人で訪問するケースが多く、体調の変化に気付いたときなどに的確な判断をしなければならないプレッシャーが常にあります。服薬管理、点滴、褥瘡処置、家族へのサポートなど、行う業務も多く、看護スキルが高くないと負担が大きいかもしれません。

6.デイケアサービス

デイケアサービスなどの高齢者向け施設では常に人手を求めているため、非常勤ですぐに始められるでしょう。医療的な業務は少ないものの、病院での看護で培った体力や、人と接するスキルが役立つ可能性はあります。

業務内容としてはリハビリやレクリエーションの手伝いをしつつ、看護師として利用者の健康管理を行います。

働くメリットとしては、急患や重傷者などへの対応もある病院での仕事に比べると、緊張が少なく働ける点があります。また、病院とは環境が異なるので、新鮮な気持ちで働けます。人が好きでコミュニケーションを図るのが得意な人であれば、ほかのスタッフや利用者と家族のような関係を築けるかもしれません。

デメリットとしては、デイサービスは日中での業務になるため、勤めている病院と勤務時間がかぶりやすい点があります。

時給は1,200~1,800円程度を目安にすると良いでしょう。

7.訪問入浴

介護が必要な人に対して入浴のサポートをする仕事です。時給1,500~2,000円が目安です。

訪問入浴の利用者は要介護認定を受けているうえで、医師から入浴をしても大丈夫だと許可を得ている人です。基本的には介護士、看護師、オペレーターがチームを組んで、介護が必要な人の自宅を訪問し、介護用の浴槽を使って入浴のサポートをします。

チームでの看護師の役割は利用者の血圧・体温などのバイタルチェックをして入浴に支障がないかを判断し、入浴中、入浴後も体調に問題はないかを確認します。入浴中は介護士のサポートをすることもあります。

メリットとしては単発で仕事が受けられるので、時間に余裕があるときに、自分のペースに合わせて働けるという点です。デメリットとしては、人によっては不慣れな介助の業務が負担になる人もいます。

8.医療系ライター

オンラインのサイトなどでは医療系の記事も多く配信されています。医療知識を生かしてWebライターとして活躍する方法があります。

報酬を受け取る形はさまざまで1文字単位や1記事単位、固定制などがあります。1文字単位の場合、最初の頃は1文字1円などと低めですが、慣れてきたり、記名原稿が書けたりするようになると、上がっていくこともあるようです。

メリットとしては自宅で作業ができるので、時間の制約を受けない点があります。人間関係の煩わしさもありません。

デメリットとしては自分で仕事の管理をしなければならず、うっかり多めに受け過ぎてしまったために徹夜をしたという人もいます。また、医療系記事でも専門外のテーマの場合、情報を集めるのに時間がかかってしまうケースもあります。

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看護師におすすめの副業についてまとめ

国公立の医療機関では基本的には副業が認められていませんが、民間の場合は就労規則次第では副業が可能です。看護師の資格やスキルを生かしながらできる、副業向きの仕事は意外に幅広くあるので、時間と余裕がある人は挑戦してみてください。

単発で働ける健診・検診ナースや、イベントナース、旅行に同行できるツアーナースなども人気があります。ただし、疲れて本業に支障が出たり体調を崩しては本末転倒なので、無理のないように自己管理をすることも忘れないでください。

公開日:2022年07月28日

よくある質問

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