免税事業者って?独立したら消費税の支払いのタイミングはいつから?

最終更新日:2020年05月11日

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私達の日常生活において身近な税金といえば消費税です。
普段は消費税を支払うだけでしたが、独立をして事業者になればそれだけでは済まず、様々な知識が必要になります。

たとえば、消費税は請求する側の課税事業者と免税事業者に分かれています。
免税事業者は消費税の納付が免除されており、その条件は独立・起業をしたら知っておくべき知識です。
そこで今回は、そもそも消費税とはというところから解説していきます。

目次

そもそも消費税とは

免税される条件とは?

免税事業者に該当するケース

免税事業者の消費税請求は可能?

課税事業者の条件

まとめ

そもそも消費税とは

消費税とは特定の物やサービスに関わるものではなく、消費に対して公平な負担となる間接税です。
最終的に消費税を負担するのは消費者となっており、生産や流通の過程において販売価格に上乗せされていきます。

ご存知の通り、2019年10月1日から数年ぶりに消費税が引き上げになりました。
同時に軽減税率もスタートし、何かと戸惑った方も多かったのではないでしょうか。
また、消費税には国税である消費税と都道府県税である地方消費税が含まれており、以下のような割合になっています。

項目  標準税率 軽減税率
消費税率 7.8% 6.24%
地方消費税率 2.2% 1.76%
10.0% 8.0%

このように国税である消費税と地方消費税が合計され10%、もしくは8.0%となっています。

免税される条件とは?

先ほどお伝えしたように、最終的に消費税を負担するのは消費者です。
一方で、生産や流通に関わっていく事業者の中には、消費税の納税義務がない免税事業者と呼ばれる方もいます。

比較的売上が小さい事業者がそれに該当し、ほとんどの場合規模も小さい場合が多数です。
消費税額の計算は何かと煩雑になることが多いもの。
そこで、小さい規模の事業者への負担を考え免税しているのです。

免税事業者に該当するケース

では、その免税事業者は具体的にどのような条件になるかと言うと、以下の基準によって判定されています。
詳しく解説していきます。

基準期間

まずは基準期間について解説していきます。
個人事業主の基準期間はその年の前々年です。
一方、法人の場合はその事業年度の前々事業年度です。
このときの課税売上高が1,000万円以下であれば、免税事業者に該当します。
ちなみに、個人事業主の場合は12月が年度締め法人の場合は任意(ほとんどの場合は3月)となっています。

特定期間

特定期間とはある課税売上高を計算する一定の期間のことです。
個人事業主の場合はその年の前年1月1日から6月30日までの半年間、法人の場合は前事業年度開始日からの半年となっています。
課税売上高が1,000万円を下回っていれば免税事業者です。

新規開業時のときは

先ほどお伝えしたように、個人事業主の場合の基準期間は前々年もしくは前々事業年度が基準となります。
つまり、開業からの2年間は課税売上高に該当しないので、原則として納税義務はありません。
ただ、ひとつ注意点があり、課税売上高が設立2年目の特定期間中に1,000万円を超えた場合は納税義務が発生してしまいます。
加えて、期首の時点で資本金1,000万円以上の法人の場合は納税義務の免除がないため、設立一期目から消費税を納税しなくてはいけません。

免税事業者の消費税請求は可能?

お伝えしたように免税事業者は消費税の納税を免除されています。
納税をしないのだから、当然消費税の請求もできないと思う方も一定数います。
しかし、免税事業者であっても取引先への消費税の請求は可能です。
仮に本来の報酬に消費税を上乗せして請求しないとなれば、仕入れの時に支払った消費税を負担しなくてはなりません。

ただし、消費税が10%になったタイミングで「区分記載請求書保存方式」が導入されています。
これにより、税率が8%のものと10%のものをそれぞれ分けて請求書に記載する必要があります。

2023年からのインボイス制度

消費税に関連するものとしてインボイス制度があります。
これは2023年10月から段階的に開始されるもので「適格請求書等保存方式」と呼ばれています。

この適格請求書を「インボイス」と呼び、これに記載された消費税以外の仕入れ額控除ができなくなってしまうのです。

さらに、このインボイスは登録を受けた課税事業者のみが発行できるものになっています。つまり、免税事業者が発行した請求書は仕入額控除の対象にならないということです。

取引先の事業者からすると、仕入れ額控除ができる取引先が優先になるでしょう。

そうなると、近い将来には課税売上高が1000万を超えていない場合でも、課税事業者になるかどうかを検討しなくてはならないかもしれません。

課税事業者の条件

ではここからは課税事業者の条件をお伝えしていきます。
先ほど解説した基準期間や特定期間における課税売上高や一定の基準に達する資本金を持つ法人の場合も課税事業者になります。
加えてその他にも、以下のようなものに一定の条件があります

・相続や会社の合併
・新設法人による調整対象固定資産の仕入れ
・特定新規設立法人
・高額特定資産の仕入れ

2019年12月現在では上記のようになっていますが、近年では税制に関する取り決めが多くなっており今後も条件が変わるかもしれません。

ひとつずつ解説していきます。

相続や会社の合併

個人事業主が相続によって事業を引き継いだ場合に、課税事業者になることがあります。
具体的に言うと、相続があった年は被相続人のみでの課税売上高での判定になります。
しかし、相続があった翌年と翌々年においては、被相続人と相続人自身の課税売上高を加算した金額での判定に。この時に課税売上高の合計が1000万円を超えると、課税事業者になるのです。

法人が合併して組織の再編をした場合も実施には複雑なのですが、同様の考え方で消費税の課税事業者になることがあります。

新設法人による調整対象固定資産の仕入れ

調整対象固定資産とは、100万円以上の資産のことです。
資本金が1,000万円以上を満たし、設立1期目か2期目にその仕入れを行った場合に該当してしまいます。

前提の条件として、設立1年目か2年目に1,000万円以上の資本金を持つ事業者に限定されるので、そこまで多いケースではないかもしれません。
しかし、該当すれば三年目の売り上げが1,000万円以下だったのに、免税事業者にならなかったとなる場合もあるので注意が必要です。

特定新規設立法人

特定新規設立法人の場合にも課税事業者になります。
特定新規設立法人とは以下の条件に該当した場合です。

・設立1期・2期で基準期間がない法人
・事業年度開始の日(期首)での資本金の額が1,000万円未満
・売上5憶円超の会社の子会社

なぜ子会社が関連してくるかと言うと大企業が節税を目的として子会社をたくさん作ることがあるからです。
そういった納税免れを防ぐために特定新規設立法人も課税事業者にしているというわけです。

高額特定資産の仕入れ

高額特定資産の仕入れを行い、以下のものに該当した場合は課税事業者になることがあります。。

・課税事業者である
・高額特定資産の仕入れ
・簡易課税の適用がない

課税事業者としての期間は、その資産を取得した課税期間の初日から3年間と、長期間に課税義務が発生します。

この高額特定資産は、先ほど解説した調整対象固定資産と混同しやすいものです。
しかし、その内容は異なっています。
高額特定資産とは一つの取引単位での税抜1,000万円以上の資産のことです。

簡易課税とは課税売上高が5,000万円以下で事前に届け出をしている場合に適用されます。
これは、仕入控除税額を課税売上高にみなし仕入れ率を反映させたものです。
簡易課税制度については国税庁のサイトでも紹介されています。

この特例は、先ほど説明したように課税事業者であることが前提となっているため、該当しない方も多いかもしれません
しかし、調整対象固定資産を対象とするケースと同様に確認しておかないと想定外の損失になる場合もあるので注意しましょう。

まとめ

このように、免税事業者の目安になる課税売上高や資本金の金額は1,000万円が境目です。
そのため、独立したての方のほとんどは免税事業者が多くなっています。

しかし、解説したように2023年からはインボイス制度の開始されます。
これは、消費税が大きく変わる制度のひとつです。
まずはそれに備えて、消費税を取り巻く仕組みについて学んでおくことが必要かもしれません。

公開日:2019年12月26日