早期退職で失敗しない方法は?早期退職の失敗・成功例やメリットとデメリット

公開日:2022年10月26日

キャリアアップや新しい挑戦のために、早期退職を考えている人の中には「早期退職が正しい決断なのか」という不安もあるでしょう。自身だけでなく、家族や周囲にとっても最良の決断になるかどうかは、事前の準備や確認にかかっています。

この記事では、早期退職で失敗した人と成功した人のエピソードやその違いを踏まえて、早期退職で失敗しないためのポイントについて解説します。

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目次

早期退職に失敗しないためには?

早期退職の失敗・成功例

早期退職に失敗する人と成功する人の違い

早期退職のメリット・デメリット

早期退職の失敗についてまとめ

早期退職に失敗しないためには?

早期退職に失敗しないためには?

「早期退職」は、一般的には定年退職前に自ら退職を申し出ることを意味します。退職金や失業保険での優遇などのメリットがある一方で、早々に決断してしまったがゆえに後に後悔するケースも見られます。早期退職で失敗しないために知っておきたい5つのポイントについて解説します。

会社都合退職になるかどうかを確認する

早期退職の扱い方は勤務先企業によって異なるため、会社都合と自己都合どちらに該当するか事前に確認しましょう。早期退職の制度には「希望退職制度」「早期退職優遇制度」といった種類がありますが、規定の年齢で早期退職が選べる「選択定年制」の場合は自己都合での退職となります。

経営状態の悪化などによって早期退職者を募る場合は、会社都合の退職です。失業保険の受給金額や開始のタイミングにも影響するため、自分のケースが会社都合に該当するかを確認しておきましょう。

早期退職の目的・目標を明確にする

早期退職の目的や目標を明確にしておくことは、早期退職成功の重要なポイントです。退職後にやりたいことや挑戦したいことなどを具体的に決めておくことで、希望するライフプランに向けて進められます。

社会貢献や趣味など、退職した後の時間の使い方を見据えれば、有意義に過ごせるでしょう。キャリアアップや再就職を前提とする場合、就職活動の準備は入念に行い、リスク対策を複数用意しておくと安心です。

貯金が十分にあるかを考える

早期退職後、再就職など収入源を確保するまでは貯金を使って暮らすことになります。現在の貯蓄額でどのくらい生活できるのか、将来的にどのくらい不足するか具体的な金額を把握しておきましょう。早期退職後の必要額によって、就職先の選び方も変わります。

退職金の割り増しで多めにもらえるものの、収入がないと生活費が出ていくばかりです。また、業績悪化などの理由で退職金が出ない可能性もゼロではないので、資金の管理をしっかり行いましょう。

退職金の額やサポート内容を確認する

退職金の額や再就職サポートの内容を事前に調べておくことも大切です。早期退職制度を利用する場合、退職金は通常の退職よりも割り増しされます。

厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、早期退職優遇制度で受け取れる退職金額は、45歳以上かつ勤続20年以上で平均2,326万円と出ており、定年退職の1,983万円よりも高額です。

また、退職金の受け取り方によって税金の種類も異なる点に注意が必要です。退職金の受け取り方は、主に次の3つに分けられます。

  • 全額を一時金として受け取る場合:退職所得
  • 全額を年金として受け取る場合:雑所得
  • 一時金+年金として受け取る場合:一時金は「退職所得」、年金は「雑所得」

場合によっては税引き後の額が大きく変わるため、自分の状況に応じた受け取り方が選べるかどうかも確認が必要です。

家族の理解を得る

早期退職後のライフプランについて、家族とよく話し合い、了解を得ておく必要があります。

トラブルにならないために、事前に家族へ早期退職を決めたことや新しい挑戦をすることを説明し、理解を得ておきましょう。転職や早期退職の可能性について話ができる関係を日ごろから築いておくことも大切です。

早期退職の失敗・成功例

早期退職の失敗・成功例

ここで、早期退職の失敗例と成功例について紹介します。メリットが多い早期退職ですが、必ずプラスになるとは限りません。早期退職の事例について、失敗あるいは成功した原因やポイントを知り、自分のケースに役立てましょう。

失敗例

早期退職での失敗例として、以下のようなケースが挙げられます。

  • 退職金で住宅ローンや教育ローンを完済したいがために退職し、先の見通しがなくなった
  • 長い間就職先が定まらず、転職を繰り返している
  • 職場のストレスから開放されたものの、就職先の給与が下がってしまい、生活費のために貯金を切り崩すことになった

早期退職で失敗しやすい代表的な原因が、退職金の割り増しや給与アップといった目先の利益だけでの判断です。優遇が受けられる点はメリットですが、いずれ退職金や貯金も尽きてしまうことになりかねません。

また、前職での待遇を下げたくないために、再就職先として腰を据えられない場合も失敗につながります。長期的な見通しを検討せず、ストレスから解消されることだけを優先して退職したところ、キャリアアップは難しく、就職できても待遇が下がることも考えられます。

成功例

早期退職で成功する人は、退職後のライフプランを具体的に考え、計画的に準備をしています。主な成功例として、以下のようなケースがあります。

  • 退職金や在籍時の人脈を活かして起業し、事業を軌道に乗せた
  • 生計を見直して生活費を削減した
  • 希望する転職に成功し、新たな職場で満足度の高い仕事をしている

これまで培ってきたスキルや経験を活かして転職や独立を行う人は、早期退職に成功する傾向にあります。退職金を財源とし、在籍時の人脈やスキルを活かして起業すれば、短期間で事業を軌道に乗せられる可能性があります。

給与が多少下がったとしても、生計パターンを見直すことで生活全体における満足度を上げることは可能です。希望する職種に就いて、新しい環境で刺激を受けながら満足度の高い仕事ができている場合も成功例といえます。

早期退職後にやりたいことが明確にある人や、家族や周囲と早期退職後のプランについて話し合い、理解を得ている人は成功しやすい傾向です。早期退職後の仕事や収支のバランスを考慮して、現実的な準備に取り組みましょう。

早期退職に失敗する人と成功する人の違い

早期退職に失敗する人と成功する人では、何が違うのでしょうか。早期退職の失敗例と成功例を踏まえた上で、両者の特徴について解説します。早期退職の検討段階で知っておきたいポイントとして、ぜひ参考にしてください。

早期退職に失敗する人の特徴

早期退職に失敗する人の特徴としては、以下の項目が考えられます。

  • *退職金などのメリットに飛びつく *
  • 退職後の仕事や生活のプランがあいまい
  • 社内外の評価がない
  • 社外で通用するスキルや実績がない
  • 前職以上の給与や待遇にこだわる
  • 家族や周囲の人に相談せず、自分だけで早期退職を決断する

退職金や失業保険の優遇といった目先の利益だけを見て、早期退職を決める人は失敗しやすい傾向があります。再就職するにあたって、他の企業に貢献できるようなスキルや実績、社内外での評価を持っていることも重要です。

家族や周囲の人に相談や伝達なく早期退職を決めてしまうと、後にトラブルとなる可能性があります。

早期退職の成功する人の特徴

早期退職に成功する人の特徴は、以下の通りです。

  • どの会社でも活躍できるスキルがある
  • 早期退職の目的や目標が明確
  • 家族や周りの理解を得ている
  • 早期退職後の資金計画やキャリアプランを入念に立てている
  • 新しいチャレンジや環境の変化に前向き
  • 退職後ある程度の生活をカバーできる貯金や収入がある

早期退職する目的や退職後のプランを明確に立てておくことで、退職後にブレることなく就職活動を進められます。就職の選択肢を増やすためにも、在籍時からスキルや経験を積むことが重要です。

また、退職後の生活を送るための貯金や収入がある人も、早期退職に成功しやすいと言えるでしょう。労働だけでなく、投資の配当といった不労収入を確保しておくことも検討しておきたいところです。

早期退職のメリット・デメリット

ここで、早期退職のメリットとデメリットについて解説します。早期退職を検討する上で、両方を知った上で決めることが大切です。

早期退職のメリット

早期退職のメリットとしては、退職金の割り増しや就職支援、失業保険の優遇が受けられることが挙げられます。退職後のまとまった時間を利用して、趣味や新しいチャレンジをすることも可能です。

退職金が割り増しでもらえる

早期退職では、通常の退職に比べて退職金が割り増しされることが一般的です。特に、福利厚生としての早期退職融合制度がある会社では、定年退職よりも退職金は高額になる傾向があります。ただ、実際に受け取れる金額は会社や個人によって大きく異なるため、事前に計算しておくと良いでしょう。

まとまったお金が得られるので、住宅ローンの完済や起業などさまざまな使い道が考えられます。子育て後のライフプランの幅も広がるでしょう。

就職支援を受けられる

福利厚生としての早期退職優遇制度がある会社では、早期退職者の就職サポートに力を入れていることが多く、会社の手厚いバックアップを受けてスムーズに就職できるでしょう。

グループ企業の場合、系列会社への紹介をあっせんしてもらえる可能性もあります。通常の定年退職だと退職後の就職支援がないことが多いため、キャリアパスを作りやすい点は早期退職の大きなメリットです。

会社都合退職なら失業保険の優遇を受けられる

早期退職は会社都合による退職のため、失業保険の優遇が受けられます。自己都合と会社都合では失業保険のタイミングだけでなく、給付期間や受給金額にも違いがあります。

自己都合での退職だと、給付制限により退職後3ヶ月から失業保険金が発生しますが、会社都合での退職の場合は最短1週間からです。給付期間は自己都合だと最長で150日間ですが、会社都合の退職の場合は最長330日間と長くなっています。また、会社都合による上限額は約260万円で、自己都合の倍以上の金額を受け取ることが可能です。

ただ、「選択定年制度」による早期退職の場合は、自己都合退職扱いのため注意しましょう。

早期退職のデメリット

早期退職にはメリットが多い一方で、就職先が決まりにくくなる点や、年金支給額が減るリスクなどのデメリットも考えられます。退職金が多くもらえる可能性が高いものの、収入がない期間が長引く可能性も考慮する必要があるでしょう。

再就職先を探すのが難しい

早期退職者向けの就職支援があるとはいえ、必ずしもすぐに再就職できるとは限りません。一般的にブランクがあると転職に不利となり、就職活動期間が長引くほど再就職は難しくなる傾向です。

前職で役職に付いていた人や実績を出した人でも、希望要件で就職できるという保証はないことをよく理解した上で、早期退職を検討する必要があります。

収入が減る可能性が高い

早期退職後の就職活動が長くなるほど、収入が減る可能性が高まります。退職金は定年退職に比べると多めで、失業保険も退職から最短1週間でもらえますが、無職の期間は収入が途切れてしまいます。

再就職できたとしても、職種や業界ごとに求人内容は大きく異なり、転職の適切年齢ではないため希望額よりも給与が下がる可能性も考えられます。

年金支給額が減る可能性がある

早期退職後の就職状況は、将来受け取れる年金支給額にも影響します。会社員の厚生年金は加入期間や給与額によって支給額が変わる仕組みです。そのため、退職後の無職あるいは個人事業主の期間が長くなると、受け取れる厚生年金の受給額が減ってしまう可能性があります。

また、再就職後の給与が前職より低い場合、もらえる年金額は少なくなる可能性が高いでしょう。退職金の割り増し額と収入や年金額の減少分とのバランスを見ることも、早期退職を検討する上で重要です。

早期退職の失敗についてまとめ

早期退職は、経済が不安定な時代には実施する企業も増える傾向があります。退職金の割り増しや就業支援、失業保険の優遇などメリットが多い反面、生活費用の不足や就職活動の難航といったリスクも考えられます。

早期退職を失敗しないためには、資金や人間関係における入念な準備や、計画的な実行が必要です。キャリアアップややりたいことへの挑戦など、新しい挑戦を始める機会として有用な早期退職を成功させるために、余裕を持って検討していきましょう。

よくある質問

Q 早期退職で成功する人・失敗する人の違いとは何ですか? 回答を見る
Q 早期退職に失敗しないためには何をしたらいいですか? 回答を見る