ドミナント戦略とは

公開日:2019年11月21日

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出店を考慮する際に必ず考えなくてはいけないのは、その戦略です。出店計画戦略は事業を大きく左右するものであり、それはフランチャイズにおいても同様です。その戦略の中のひとつでもあるドミナント戦略。
ドミナント戦略は事業の拡大に有効ですが、馴染みのない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ドミナント戦略の概要や企業の事例・メリット・デメリットなどをひとつずつ解説していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

出店計画戦略の立てかた

 ターゲットを明確にする

 競合他社の調査

 立地や商圏の調査

 具体的な出店戦略

ドミナント戦略とは

ドミナント戦略を採用している事業

 コンビニ

 飲食店

ドミナント戦略のメリット

 地域に根付きやすい

 配送効率が高い

 地域にマッチした宣伝広告ができる

 スーパーバイザーの時間が取りやすい

ドミナント戦略のデメリット

 災害時に不安がある

 近隣店舗での顧客の奪い合い

 地域の特性変化による売り上げへの影響

まとめ

出店計画戦略の立てかた

ドミナント戦略を詳しく解説する前に、出店計画戦略の立て方についておさらいしておきます。
事業を始めるにあたって、出店計画を考えることは非常に重要です。
ここが外れてしまうと、本来売上が立つべき事業であっても撤退になってしまうこともあります。もちろん、フランチャイズの場合は本部のサポートやノウハウの共有によって、あらかじめ収益が見込める出店計画になるでしょう。

とはいえ、そこはやはり自分の事業。自分が納得し「ここなら勝てる」と思うような開業をしたいものです。
そのためには、綿密に出店する場所や方法について計画を練っていく必要があるのです。
そこで、必ず考えておきたいこととして、以下の4つを紹介します。

・ターゲットを明確にする
・競合他社の調査
・立地や商圏の調査
・具体的な出店戦略

ひとつずつ解説していきます。

ターゲットを明確にする

事業を始めるにあたってまず行いたいのは、ターゲットの明確化です。
これは、これから行っていく商品の顧客となる層を明確にすることで、個々のイメージが絞れていないと事業として勝ち残っていくことは困難。

たとえば「20代から30代の共働きの女性であまり時間がなく食事をスムーズに済ませたい方」といった具合です。
このターゲットを具体的にして、その層がいる地域を狙った出店やサービス商品の開発をして行きます。

競合他社の調査

ターゲットが明確になったら、次は競合他社の調査を行っていきます。
競合他社の調査をする時は出店数はもちろん、そのサービスや価格・客層など調べられる範囲で調べ尽くします。
詳細に調べていくにつれて、出店する業態が地域にマッチしているのか・競合が手強いのか・勝てそうなのかといった部分が見えてきます。

商圏の調査

競合他社の調査と同時に、商圏の調査も進めていきます。
商圏とはその店舗に集客できる範囲のことです。一般的な例でいうと、コンビニであれば3,000人・スーパーなら10,000人といったように、業態で商圏人口は異なってきます。

また地域性に関しても考慮しておく必要があります。
地域ごとにちょっとした文化はあるもので、その文化に合わない商品だと好まれないことも考えられるのです。

具体的な出店戦略

このように深掘りしていったら具体的な出店戦略についても考えていきます。出店戦略は様々で、フランチャイズ本部によっても採用している戦略が違います。

ある程度の距離を保ってメディアでシェアを奪っていく方法や、次に詳しく説明していくドミナント戦略のように一定の地域に集中して店舗を出店していく方法もあります。

つまり、出店戦略によって今後の事業の広げ方にも影響を及ぼすケースがあるのです。
やはりここは慎重になる必要があり、自分が今後行っていきたい出店戦略とマッチするフランチャイズ本部選びも重要になってきます。

ドミナント戦略とは

ではここからは、ドミナント戦略について詳しく説明していきます。
ドミナント戦略とは、一つの地域に集中してチェーンストアを出店する戦略です。
「dominant」の意味は「優勢である」とか「支配的な」といった意味があり、まさに出店する地域において大きなシェアを取る戦略と言えます。

このドミナント戦略を成功させるには、緻密なエリアマーケティングが必要です。
先ほど説明した、ターゲットの明確化や競合他社や商圏の調査が事業の運命を握ると言っても過言ではありません。
たとえば、ドミナント戦略は集中出店をする戦略なので、地域の人口や将来性は他の出店戦略よりも重要な要素となります。

人口が増加していく・新たな交通網が開通するといった調査をより深く行うことは必須です。
加えて、商品やサービスのマッチングも考慮しなくてはいけません。

地域の状況が変わり、店舗の重要性が無くなってしまえば、複数店舗を一気に撤退させなくてはならない事態にも陥ってしまうことも考えられます。
均一化された商品の中でも、関東と関西で味付けを変えるといった工夫も需要に合わせるためには必要になってきます。

ドミナント戦略を採用している事業

ここではドミナント戦略を採用している事業の例として、コンビニと飲食店を紹介します。
この二つの事業はドミナント戦略の効果があり、フランチャイズでも人気の事業です。
ひとつずつ解説していきます。

コンビニ

コンビニの中でドミナント戦略を採用しているのはセブンイレブンです。
業界では「セブンイレブンといえばドミナント戦略」と言われるぐらい積極的なドミナント戦略を創業当初から行なっています。徐々に出店地域を拡大しており、最近ようやく全国に出店が完了しました。

フランチャイズでは1地域に対して1店舗と店舗数を制限する場合も多くなっています。しかし、ドミナント戦略を採用しているセブンイレブンでは、すでに店舗がある地域であっても出店することが可能になっています。
その証拠に「家の近くにセブンイレブンがいくつかある」といったこともあるのではないでしょうか。

飲食店

スターバックスは基本的にフランチャイズ展開を行なっておらず、全店直営で運営しています。フランチャイズでの開業を考える方にとっては参考程度にはなってしまいますが、そのドミナント戦略は圧倒的なものです。
集中的な出店によって、一部のエリアにおけるカフェの中では最も優位な位置を獲得しています。

たとえば、東京都新宿区だけですでに30店舗近い出店を行っているのです。
これは、スターバックスが持つブランド力と提供される付加価値・徹底したドミナント戦略によるものと言えるでしょう。

ドミナント戦略のメリット

ドミナント戦略の大きなメリットとしては以下の4つです。

・地域に根付きやすい
・配送効率が高い
・地域にマッチした宣伝広告ができる
・スーパーバイザーの時間が取りやすい

ひとつずつ解説していきます。

地域に根付きやすい

ここまででお伝えしているように、ドミナント戦略は一定地域に複数店舗を出店することです。それは出店した地域での認知度を高めることにもつながります。
そうなってくると「〇〇といえばここ!」といったブランディング構築にも最適で、知名度が低い店舗であっても出店した地域では優位を保つことも可能なのです。

配送効率が高い

配送効率が上がることもメリットのひとつです。
配送効率は、言い換えれば納品効率にもなるため、場合によっては売上を左右することもあります。

配送する店舗が離れているとそのぶん時間もかかってしまいものです。しかし、ドミナント戦略では一定地域に集中させているため、テンポのいい配送が可能になります。
また、配送のテンポが良いということは、食材の鮮度を落とさずに届けることができるといった効果も期待できるでしょう。

地域にマッチした宣伝広告ができる

先ほど解説したように、出店する地域によって特性や需要は異なります。
全店舗共通の宣伝広告をしている場合は、出店した地域での効果が薄いケースも。
かといって、店舗ごとに宣伝広告を変えていると、その費用は莫大なものになってしまいます。

しかし、ドミナント戦略のような出店方法だと、地域ごとに宣伝広告を変えることも可能です。
ある程度まとまっている店舗ごとに適した宣伝広告となるため、そのぶん費用も最小に抑えられます。

スーパーバイザーの時間が取りやすい

これはフランチャイズならではのメリットですが、ドミナント戦略だとスーパーバイザーの移動時間が減ります。
スーパーバイザーの役割は各店舗を定期的に訪れ経営指導を行うことです。移動時間が減ると自然と1店舗にかける指導時間が長くなるもの。

スーパーバイザーがじっくりと店舗に向き合う時間があれば、オーナーとしても店舗の問題の大きな部分から小さな部分まで相談をしやすくなるでしょう。

ドミナント戦略のデメリット

地域に根付き、そこでの圧倒的な存在感が期待できるドミナント戦略ですが、デメリットもあります。
このデメリットはメリットの裏返しのようなもので、以下の3つが考えられます。

・災害時に不安がある
・近隣店舗での顧客の奪い合い
・地域の特性変化による売り上げへの影響

ひとつずつ解説していきます。

災害時に不安がある

ドミナント戦略では、地震や台風などの自然災害における災害時のダメージに懸念が残ります。
集中的に出店しているエリア一帯がこれらの災害によりダメージを受けてしまうと、多くの店舗が営業できない状態になることも考えられます。
そうなると売上も大きく落ち込んでしまいますし、修繕が必要な場合はその費用も多く必要になってしまうでしょう。

近隣店舗での顧客の奪い合い

店舗から店舗への距離が短い場合や集中した出店を行っている場合だと、いわゆる「カニバリゼーション」の状態になってしまうことがあります。

「カニバリゼーション」とは同一企業内で顧客の奪い合いになっている状態で、チェーン店としては好ましくないものです。
カニバリゼーション防ぐためには、出店の距離範囲を十分に考慮したドミナント戦略が必要になります。

地域の特性変化による売り上げへの影響

地域の特性変化による売り上げの影響も大きくなります。
店舗にとって良い変化であれば売上の向上が見込めますが、そうではない場合は大きく売上が落ちてしまうケースもあります。

たとえば、交通事情が変わってしまった・近隣のアミューズメントパークがなくなってしまったなど。
このような場合は複数店舗が同時に影響受けてしまうので、経営危機に陥ってしまうことも考えられます。

まとめ

このようにドミナント戦略は、地域において優位性を保ち認知度を高められる戦略です。しかし、一点集中のような戦略になるためそのメリットとデメリットは常に背中合わせ。

フランチャイズ本部でも、ドミナント戦略を採用しているところとしていないところがあります。
この記事を参考に、ドミナント戦略を採用するフランチャイズ本部の選び方のひとつにしてみてください。