登録者数12万人！ファイナンシャルプランナーYouTuberが語る「脱サラ・独立」の戦略
最終更新日：2023年05月26日
「お金はあるけど時間がない」や「理想のライフスタイルを叶えたい」という理由で脱サラを目指す方もいるのではないでしょうか。
今回取材した井上 ヨウスケさんは、ファイナンシャルプランナーでありながら、2023年1月現在で登録者数12万人を超える人気YouTuberでもあります。
お金のプロである井上さんが「お金持ちより時間持ち」と語るのには一体どのような真意があるのか、独立の流れや高知移住の話、さらにYouTubeを成功させるためにしたことなどを伺いました。
目次
「脱サラ後の俳優経験を活かし」ファイナンシャルプランナーの道へ
登録者数12万人！人気YouTuberの仕事内容と高知移住
“お金持ち”ではなく“時間持ち”を目指して、家族とともに高知県の一軒家で暮らす井上 ヨウスケさん。今では週に30時間働いているかどうかとのことですが、現在の豊かな生活を手に入れるまでにはお金の面で苦労をしたとも話します。
現在どのような仕事をしているのか教えてください。
井上さん「ファイナンシャルプランナーです。投資や保険の相談を受けたり、セミナーをしたりなど、主にお金の話をする仕事をしています。あとはYouTubeチャンネルも運営していて、そこでもお金の話をしています」
メインの仕事はファイナンシャルプランナーということでしょうか。
井上さん「ファイナンシャルプランナーがメインで、その仕事の一つとしてYouTubeをやっています。収入の5分の1がYouTubeで、残りが講師料や個別相談の相談料、セミナー動画の販売などです。収入は一つに偏っていない感じです。」
いろいろな事業をされているんですね。そもそも、脱サラするために高知へ移住したのでしょうか。
井上さん「高知へ移住したのには、静かなところで暮らしたかったこと、そして妻がいつか地元高知県に帰りたいと言っていたことが関係しています。当時、私はもう脱サラしてどこでも働けるようになっていたので、それなら高知県を選んで移住しようと決意しました」
俳優に挑戦するも月の収入10万円以下…苦労した貧乏時代
高知へ移住する前にすでに脱サラされていたんですね。
井上さん「高知へ移住したのが35歳で、脱サラしたのが22歳です。18歳から印刷工場に勤めており、出世の道も見えていました。
ですが、自分の課長や部長を見たときに「自分も将来こういう人生になるのかなと」と考えてしまったんです。もともと絶対にその会社で働きたかったわけではないので、自分のやりたいことに挑戦したいと思い独立しました」
それでファイナンシャルプランナーの道を目指したんですね。
井上さん「いいえ。当時はきらびやかな世界に憧れていたので、俳優に挑戦しました。ですが、実際にやってみて自分はお芝居が好きじゃないと分かったんです。24時間お芝居のことを考えてる人でも売れない世界だったので、そこまでの熱量は自分には無いなと気づきました」
俳優ですか。具体的にどのようなお芝居をされていたのでしょうか。
井上さん「150人くらいの人の前でお芝居をする劇団をやってました。公演は年2回だけだったので、それ以外の時間はバイトと稽古。自分で脚本を書いて公演できたことは楽しかったですが、稽古とアルバイトの両立が難しく、1ヵ月で10万円も稼げず大変でした」
俳優を辞めたのには、金銭的な面も関係していたのでしょうか。
井上さん「そうですね。結婚したいと思ったのが、大きな理由です。なかには奥さんに養ってもらっている先輩もいましたが、それは自分には無理だなと感じていたので」
「脱サラ後の俳優経験を活かし」ファイナンシャルプランナーの道へ
それで俳優を辞めて、なぜまったく異なる業種のファイナンシャルプランナーを選んだのかが気になります。
井上さん「もともと就職しようと思っていたのですが、就活が上手くいかず。そのときに、職業訓練校で資格を取る選択肢を妻からすすめてもらいました。その学校一覧のなかにファイナンシャルプランナーの資格を取れるところがあって、面白そうだなと思ったのがきっかけです」
それで実際に勉強を始めてみたら、ファイナンシャルプランナーが井上さんに向いていたと。
井上さん「今までファイナンシャルプランナーという仕事について全く知りませんでしたが、実際にお金の勉強を始めてみるととても楽しかったんです。あとは講師に自営業の素敵な方が多く、たとえば元芸人で現ファイナンシャルプランナーなど面白い経歴の方もいました。もともと私は俳優をしていたので、自分の経験も活かせるかもしれないなと思ったのです」
なるほど。それで実際に独立してみて、最初から上手くいきましたか。
井上さん「最初は仕事がなくて、ずっとバイトをしていましたね。最初はファイナンシャルプランナーではなく、営業のお手伝いなどをしていました。それで客先へ「人手が足りないから来てよ」と言われて手伝いに行っているうちに、その企業からセミナーの仕事をもらえるようになり、そこからさらにまた別の企業へ紹介される形で仕事が増えていった流れです」
「お金持ちより時間持ち」お金のプロが語る幸せの価値観とは
町工場から俳優、そしてファイナンシャルプランナーという少し変わった経歴で独立した井上さんですが、やはり独立当初から黒字化は難しかったそうです。ファイナンシャルプランナーというお金のプロでありながら、「お金より時間のほうが価値が高い」と話す井上さんに、収入やお金に対する価値観を伺いました。
黒字化したのはいつ頃でしょうか。
井上さん「31〜32歳くらいですかね。月30万円くらい稼げるときもあれば、一桁しか稼げないときもありました。ただ、妻も働いていたので、そのときはなんとかなりました。現在は私だけの収入で家族が生活でき、なおかつ老後のお金を準備できるだけの年商があります。
ただ、お金がそんなにあっても私自身、お金を使いたいものがない。私はお金より時間のほうが価値が高く、“お金持ち”より“時間持ち”のほうが良いと思っているんです」
時間持ちですか…。具体的にどういう意味でしょう。
井上さん「たとえばこの自然豊かな高知県で、天気が良い日にキャンプに行きたいと思ったとします。普通の仕事だったら、行けないですよね。私は、行きたいと思ってすぐキャンプに行けるほうが豊かだと思うんです。
役者時代に貧乏だったので、やはり苦労しない人生は幸福だと思いますが、最低限の生活より少し稼げたらもう幸福度は上がらないのかなとも思っています」
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「単価アップ」で時間持ちへ…YouTube成功の秘訣とは
なるほど。ただ、時間を増やすためには、仕事の単価を上げる必要があるかと思います。井上さんは、何か単価を上げる工夫をされていましたか。
井上さん「一つは、動画を始めたことですね。たとえば「ファイナンシャルプランナーの井上さんに仕事を頼もう」と思われるのではなく、「井上さんはファイナンシャルプランナーだから頼もう」と認知される必要がありました。
ファイナンシャルプランナーの誰々さんに依頼しようという選ばれ方は、ファイナンシャルプランナーなら誰でも良いと同義です。そうなると、もう単価は上がりませんから」
実際に動画を始めて単価は上がりましたか。
井上さん「収入が一番低かったときの10倍くらいになりました。あとは動画後に本を二冊出したのですが、一冊出したときから大きく変わった実感があります」
動画経由のお仕事が多いとのことですが、動画を上手くいかせるためにした戦略もお聞きしたいです。
井上さん「一つは、キャラを作らないようにしたことです。私の動画では、世の中の皆さんがわからないことを解決できるような内容を意識しています。昔はGoogle検索で多くの人が検索しそうなボリュームのネタを選んでいましたが、今は視聴者さんからのコメントで決めることもあります。」
副業から本業として独立する選択肢もあり
YouTubeで成功するためには、他者との差別化が必要なイメージがあります。
そこら辺は、何か工夫されたのでしょうか。
井上さん「最初は顔出しをせずに撮っていましたが、ほかに顔出ししている人がいなかったので顔を出し始めました。いつか顔出しが主流になる時代が絶対来ると思っていたので、早めにやるほうが良いだろうなと。
また、スーツを着たお堅い格好はYouTubeに向いていない気がしたので、親しみが持てるよう私服にしました。あとは機材にこだわったり、他の人が見ない角度でテーマに触れたりもしましたね」
井上さんが成功したのは、いろいろと戦略を練ったからなんですね。
それで実際に高知でビジネスをしてみて、良い点と悪い点が何かあったのかお聞きしたいです。
井上さん「良い点は、高知移住が一つのキャラになることです。インターネットで仕事をする以上、ある程度はキャラクタービジネス。私は経歴自体少し変わっていて、さらに移住して高知で働いてるとなるとより面白さが増すかなと。悪い点は、大阪などの都会と比べて人脈を作りにくいところでしょうか」
取材の最後、脱サラしたい人に「脱サラはやってみる価値がある」と話した井上さん。脱サラは大変ではあるものの、副業を本業にするのも一つの選択肢だとアドバイスをくれました。
脱サラしたいけど踏み出せない方は、井上さんのように資格の勉強を始めたり、副業から挑戦したりすることで、一歩近づけるかもしれません。
公開日：2023年02月06日
