司法書士で年収3,000万円!高収益&低資金“士業の資格”で独立・脱サラする魅力

最終更新日:2023年05月26日

飲食店経営や講師業、YouTuberなどさまざまな脱サラ方法がありますが、手堅く独立するなら資格を活用した士業も一つの選択肢です。

今回取材した加陽 麻里布さんは、ストイックな勉強で司法書士の資格を取得し、今では年収3,000万円を超える独立成功者。そんな加陽さんですが、士業は「利益率の高さと開業資金の低さ」が魅力だと語ります。

司法書士の魅力や成功のポイント、開業資金、収入・収益などを伺ったので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

「22歳まで遊んでから本気を出す」高校生で決めた人生プラン

宅建の資格取得で戦略的に就職!しかし営業ノルマが厳しく退職

「1日18時間の勉強」やると決めたら絶対にやりきる覚悟が必要

初年度売上800万円!知人からの発注と退職代行ビジネスで成功

年商約1億円!士業の魅力は「とにかく利益率が高いこと」

「実績は簡単に作れる」単価アップのコツは上流の業務を巻き取ること

「22歳まで遊んでから本気を出す」高校生で決めた人生プラン

司法書士や飲食店経営、YouTuberなど複数のビジネスを手がけ、さらに司法書士の売り上げだけで年収3,000万円を達成した加陽さん。

30歳でまさに成功と呼べるほどの実績を実現していますが、それには「22歳まで遊んで、それ以降に本気を出す」と決めた加陽さんならではの人生プランが関係しているようです。

仕事内容を教えてください。

加陽さん「永田町で司法書士事務所を経営し、会社法人関係の手続きを中心に企業のコンサルティング業務などをしています。そのほかには、Youtuberや飲食店の経営もしています」

加陽さんは30歳ですでに高給を達成されていますが、起業や独立するまでの今までの人生についてお聞きしたいです。

加陽さん「子どもの頃の話で言うと、とにかくおじいちゃん子でした。なので、高校生のときに祖父が亡くなってすごく悲しかったです。ただ、祖父と生活するなかで「もっと自由に遊びたい」という気持ちがあったのも事実。

遊びたいけど、勉強もしなければいけない。それで、新卒で就職する22歳まで思い切り遊んで、それから本気を出そうと決めました」

宅建の資格取得で戦略的に就職!しかし営業ノルマが厳しく退職

すごい思い切った決断ですね。

加陽さん「遊ぶとは言ってもいつか大学に行きたいと思うかもしれないので、通信高校に入りました。結局、通信高校でも遊んでいたので大学に行く選択肢はありませんでしたが。就職しなければいけない22歳がどんどん近づいてきて、これから自分はどうしたら良いのだろうと悩みましたね」

急に現実が襲ってきたと。

加陽さん「大学は、本当に学びたいことがあって行くのであれば非常に意義がある場所だと思います。ただ、私の場合は大学に4年間行くのであれば、4年間資格の勉強をしたいなと。それで半ば現実逃避的な形で、資格の予備校に通いました。

簿記の三級と二級を取ったので「経理の仕事をしよう」と最初は考えましたが、私は絶望的に算数ができない。なので、20歳のときに宅建の試験を取得し、宅建なら不動産会社で働けるなと思って22歳で就職しました」

完璧な流れですね。

加陽さん「ですが、実際は就職した会社がとんでもない会社だったのです。テレアポ営業をしていましたが、物件なんてそんなすぐに売れないもの。それにも関わらず1ヵ月間売れなかったとなると、完全に給料泥棒扱いです。ただ、売れさえすれば遊んでいても誰も何も言わない会社だったので、その点は私に合っていたかもしれません」

営業ノルマが厳しい会社だったんですね。それで、結局退職してしまうと。

加陽さん「私に合ってはいましたが、やはり辛くて、長く続けられないなと思ったんです。それで手に職をつけようと思って選んだのが、紆余曲折あって司法書士という流れです」

「1日18時間の勉強」やると決めたら絶対にやりきる覚悟が必要

「1日18時間の勉強」やると決めたら絶対にやりきる覚悟が必要

紆余曲折の部分が気になります。なぜ司法書士を選んだのでしょうか。

加陽さん「当時は、社長になりたいけど何をしたいのか分からないという状況でした。そこで、元手がかからないビジネスなど自分で条件を絞って調べたら、資格を取るしかないなと。

宅建や簿記などの簡単な資格を持っている人はたくさんいるので、そこそこ難しくて開業しやすくて、尚且つ学歴が関係ない資格として消去法で司法書士が残りました」

いろいろ調べた上で、消去法で決めたんですね。試験にはすぐに受かりましたか。

加陽さん「いいえ。当初は7ヵ月で受かる予定だったのですが、想像以上に難しかったです。1度試験に落ちてしまったので、1年間ここから死ぬ気でやるぞと思って起きてる時間を全て勉強に費やしました。試験直前期は1日18時間くらい勉強していたので、そのときはさすがに受かりましたね」

その間の生活費はどうしていたのでしょうか。

加陽さん「貯金が100万円くらいしかなかったので、兄に借りたり、食費をかなり限界まで切り詰めたりしていました。

人付き合いを切るのが怖いという受験生も多いですが、一生懸命その期間集中して勉強すると決めたら、集中することが大切です。私の場合は2年間でしたが、合格した後は友人との関係も普通に復活しましたから」

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22歳まで本気で遊んで、その後の資格取得にはストイックに取り組んだ加陽さん。このメリハリが成功の要因とも言えそうですが、利益率の高い士業という仕事ならではの特性も関係していました。

資格を取得してからは、司法書士事務所に就職したんですよね。

加陽さん「はい。ただ、その事務所は8ヶ月ほどで辞めています。それからは仕事の当てがないのでいろいろな場所に出向きましたが、結局近所の税理士のおじいちゃんと出会い、その方から相続の仕事をどんどん受注するようになったのが転機となりました。

その方は国税上がりの税理士さんで、大手の税理士法人から取ってきた相続の登記などを私に任せてくれたんです。そこで売り上げが立つようになり、初年度の売り上げは800万円くらいでした」

売り上げのほとんどが、そのおじいさんからの仕事ということですよね。

加陽さん「はい。さらに、YouTubeを独立と同時に始めました。司法書士でYouTubeをやってる人がほとんどいなかったので、宣伝としては一番良かったですね。YouTubeからの問い合わせで、仕事に繋がったものもあります。

あとは、会社として始めた退職代行ビジネスが上手くいったのも大きいです」

退職代行ビジネスですか。具体的にどういうビジネスなのでしょうか。

加陽さん「まずは、退職代行センターというLP(ランディング・ページ)を立ち上げて宣伝します。そうすると、そこに退職したい人から連絡が来るので、私がその人の代わりに職場へ退職の意思を伝えるという代行ビジネスです。

今はすでに飽和して価格競争になっていますが、独立した初年度はその売り上げがとてもありがたかったです」

年商約1億円!士業の魅力は「とにかく利益率が高いこと」

開業資金について教えてください。

加陽さん「士業やコンサルティング会社はパソコン一つあればできるので、100万円もかかっていません。士業の魅力は、開業資金が一切かからずリスクなく開業できるところ。そこから派生するコンサルティング業務も自宅で開業できますし、資金がかかりません。司法書士になったときの登録料として、20~30万円かかるくらいですかね」

加陽さんは会社をいくつも経営されていますが、案件を分ける形で会社が増えていったのでしょうか。

加陽さん「そうですね。永田町司法書士事務所は、永田町にある司法書士事務所。ストックオプションの設計評価に関する専門会社は、ストックオプションアドバイザリーサービス株式会社。そして、金融コンサルの会社は永田町リーガルアドバイザー株式会社です。名前ですぐに専門が分かる形になっています」

それぞれの会社は黒字化しているのでしょうか。

加陽さん「単体で見るとばらつきはありますが、決して赤字にはなっていません。年商はコンサルティング会社と併せて約1億円で、私の年収は恐らく3,000万円ぐらい。稼いでいるというよりも、経費が全然かかっていないんです。司法書士事務所は、それほど利益率が高い。2年前は2,200万円、1年前は2,700万円、今年は4,800万円と売り上げが年々伸びています」
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「実績は簡単に作れる」単価アップのコツは上流の業務を巻き取ること

初年度は税理士の知人から仕事をもらえたと言っていましたが、実績ゼロから仕事をもらうのは難しいと思います。
加陽さんが、実績作りで何か工夫されたことはありますか。

加陽さん「実績は簡単に作れると思っています。例えば自宅で良いので、セミナーを開くこと。実際に人が来なくても、セミナーを開催した実績になります。ずっと続けていると、そのうち本当にちゃんと集客してくれる企業から声をかけられるようになりますから。

あとはKindleで本を書いてみたり、クラウドソーシングで企業の法律記事を監修したりするのも良いと思います。ただ、嘘の実績はダメなので、嘘にならない作り方と見せ方が大切ですね」

なるほど。見せ方次第なんですね。司法書士で稼ぐためのポイントなどはありますか。

加陽さん「ポイントは、高単価な仕事を取るにはどうしたら良いかを考えることですね。例えば不動産は所有権の登記が一番大切な業務ですが、実は登記が一番安いんです。

なので、登記のところだけをずっと取り続けていては稼げない。契約段階から入ってアドバイザー的な形で関わるなど、川上で仕事を取れるようにならないと厳しいと思います」

取材の最後、「自営業になってから本当に面白い世界が広がっていた」と楽しそうに話す加陽さん。どのビジネスで独立しようか迷っている方は、手堅い士業を一つの選択肢にすることで、新たな道が見えてくるかもしれません。

公開日:2023年03月13日