コンサルティング業で脱サラ・独立!「最強の営業」で創業12期目の長期経営に成功

最終更新日:2023年05月26日

脱サラに挑戦する人自体は珍しくないものの、起業した会社を長期経営させるのはなかなか難しいもの。

今回取材した竹内 慎也さんは、12期目の長期にわたる会社を経営していますが、2年目に「大赤字でこのまま続ければアウトだった」という危機一髪の経験をしています。

一体どのように会社を立て直したのか、独立の経緯や効果的な営業方法、開業資金などを伺いました。また、これから脱サラしたい方へのアドバイスも伺ったので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

起業した会社が12期目に突入!フリーターから経営者へ

フリーターから会社員、一時的な脱サラ、そしてまた会社員へ

異業種交流会での「実績作り」から起業スタート

2年目から大赤字に…「講師の紹介」でピンチを打開

開業資金は300〜400万円!コンサルティング業ならではのやりがいも

脱サラできなくても「まずは小さな一歩を踏み出すこと」で変わる

起業した会社が12期目に突入!フリーターから経営者へ

「大学卒業後は何もしておらず、プー太郎でした」と話す竹内さんですが、今や自身が起業したコンサル会社は12期目に突入するほどの安定感。フリーターからどのように経営者になったのか、まずはその経歴を伺いました。

起業して12期も会社を存続させるのは、なかなか難しいことだと思います。一体どのような会社を経営しているのか教えてください。

竹内さん「コンサルティング会社を経営しています。中小企業の組織を強化したり、人事面のサポートをしたりといった作業が主です。あとは補助金関連の認定支援機関もやっており、事業計画を一緒に作って支援するような業務もしています」

もともと会社員として、そのような仕事をされていたのでしょうか。竹内さんの経歴をお聞きしたいです。

竹内さん「実は私、大学を卒業してからすぐに就職をしていないんです。1年ほどほぼ遊んでいた状態でした。クラブミュージックがすごく好きだったので、DJの真似事なんかしてましたね」

そうだったのですね。その状態を1年で抜け出せたのがすごいです。

竹内さん「焦りがあったのももちろんですが、大学時代の友人たちから「ボーナスをもらった」なんて話を聞いていると、自分は何をやっているんだろうと考えてしまったんです」

フリーターから会社員、一時的な脱サラ、そしてまた会社員へ

起業した会社が12期目に突入!フリーターから経営者へ

それで就職を決めたんですね。

竹内さん「はい。その後、訪問販売の会社に就職し、住宅リフォームの売り込みをしていました。家を一軒一軒回ったり、電話番号を調べて電話したり、とても苦労しましたね。

門前払いだらけだったので、数ある営業のなかでもこの営業が一番難しいのではと思うほど。ただ、その会社で営業スキルが身についた実感があり、これはほかの仕事にも通用するのではないかなと思って次の仕事を始めました」

その次には何をされたんですか。

竹内さん「自分でネットショップを立ち上げましたが、これは1年ほどで辞めています。その後、求人広告の会社へ転職し、5年ほど働きました。そこでは営業で1番になるという覚悟を持って臨み、実際に1年目で1番にもなれました。充実感も、かなりありましたね」

一度ネットショップ運営で脱サラしているんですね。
会社員として上手くいっていたなら、再度脱サラする必要もなかったのでは。

竹内さん「脱サラの必要はなかったかもしれませんね。ただ、リーマンショックなどで業績全体が沈んでいましたから。働いてる割に報酬が少ない実感があったんです」





異業種交流会での「実績作り」から起業スタート

脱サラでなぜコンサルティング業を選んだのか、理由が気になります。

竹内さん「一時期自分でネットショップ運営をしていましたが、そのなかで仕入れが伴うビジネスの苦労がよく分かりました。それで、物販ではなく自分の経験値が上がれば上がるほど単価も上がるような仕事をやりたいなと思い、そうなるとコンサルティングが良いのかなと。

そもそもネットショップ運営をしているときに、組織化ができないことをネックに思っていました。組織化できるビジネスを始めるために人材の勉強をしようと思って、人材系の会社に転職したのです。なので、もともといつか脱サラしようという気持ちはありました」

脱サラを見越して、戦略的に人材の会社に入ったのですね。
起業するにあたって、まずは何から始めましたか。

竹内さん「人脈を増やすために、異業種交流会を開きました。当時流行っていたmixiというSNSを使ってオフ会を開いたら、約20人が集まったのです。そこで、私が今まで学んできた営業職としてのプレイヤースキルを教えたり、セミナー活動をしたりしていました」

実際それでお金は稼げるものなんですか。

竹内さん「そのときは、実績を作る目的で活動をしていました。まずは実績がなければ、何も進められませんから」

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2年目から大赤字に…「講師の紹介」でピンチを打開

会社員時代に培った営業スキルを活かすために、コンサルティング業で独立した竹内さん。最初の集客で20人が集まり順調なスタートを切りましたが、2年目からは徐々に売り上げが減る厳しさを体験したそうです。

最初の業績はどんな感じでしたか。

竹内さん「1年目はラッキーパンチもあって仕事がありましたが、それが無くなってからは厳しかったです。1年目はとんとんに近い黒字でしたが、2年目からは大赤字。継続していた仕事がほぼ全部終了したので、方針転換をしないといけないなと考え直しました」

それで新規営業を始めたんですね。

竹内さん「電話営業もしましたし、サイトを作ってリスティング広告をかけたりした時期もありました。あとは、既存顧客からの紹介を増やそうという取り組みもしましたね」

ちなみに、そのなかで一番効果が抜群だった営業を知りたいです。

竹内さん「やはり、最強の営業は講師の紹介だと思います。もともと自分で営業マン向けセミナーをしていましたが、自分では対応できないセミナーも多くありました。なので、自分がセミナーを受注して、その後はほかの先生に紹介するという形をかなり取りました」

竹内さんはYouTubeチャンネルも運営していますが、それもコンサルティング業への影響を考えてのことなのでしょうか。

竹内さん「何か動画を使った情報発信をした方が、マーケティング上有効なのかなと。一件一件お客様にしっかりと説明するのはもちろんですが、情報を貯めておくことでいろいろな方にとって便利なのではとも思っています。YouTubeの収入に頼ってるわけではないですが、実際に月5~6万円の収入があります」

開業資金は300〜400万円!コンサルティング業ならではのやりがいも

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具体的な年商についてお聞きしたいです。

竹内さん「初年度は2,000万円くらいです。詳しくは言えませんが、一番稼いだときで億を超えています。2年目の上半期が終わったときが最もきつくて、本当にこのままいけばアウトのところまで来ていましたね」

開業資金はどのくらいだったのでしょうか。

竹内さん「300〜400万円くらいでしょうか。すべて自己資金で揃えました。使い道は事務所の家賃のほか、会社を立ち上げるときに仲間が来てくれたので彼らの人件費などです」

意外とお金がかかっていますね。実際に開業してみて、良かったことはありますか。

竹内さん「良かったことは、誰かを雇って進めていくなかで、自分一人では出せなかったような結果が出たことですね。また、私の仕事はコンサルティングなので、お客さんへパフォーマンスが直接伝わります。逆に言うとお客さんから直接フィードバックが返ってくるので、そのフィードバックがやはり嬉しいです」

コンサルタントという仕事ならではですね。それでは、逆に悪かったことも知りたいです。

竹内さん「2年目のときに思いましたが、なぜ年収を減らしてこんなことをやっているんだろうとバカバカしくなりました。もうやめようかとも考えましたが、あと少し粘ろうと思って今があります」
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脱サラできなくても「まずは小さな一歩を踏み出すこと」で変わる

竹内さんは、ほかに何かやりたい事業などあるのでしょうか。

竹内さん「まだ構想段階ですが、先ほど少し話した講師の紹介をインターネットのみで完結できるマッチングビジネスとして成立させたいです。2023年中にはリリースしたく、今はテストマーケティングをしている段階です」

竹内さんの夢も、やはりこの新事業に関連しているのでしょうか。

「新規事業などを通して、皆さんに喜ばれる仕事をいろいろな方面からしたいですね。この10年間は特にコンサルティングを徹底してきましたが、最近はDXなどが叫ばれていますし、新しい提供の仕方があるのではないかなと」

なるほど、ありがとうございます。それでは最後に、脱サラしたい方へ一言お願いします。

竹内さん「脱サラを考えた瞬間に、脱サラは絶対した方が良いです。良い道が見えてるかもしれないし、厳しい道しか見えてないかもしれない。ですが、両方足したり引いたりするとプラスの方が絶対に大きいです。

雇用されていると守られている部分が大きいですが、制限もあります。制限がなくなるのは怖いかもしれませんが、脱サラすれば収入や働き方に納得できるのではないでしょうか」

最後に竹内さんは「焦って脱サラしなくても良いですが、脱サラのまずは準備をするなど一歩目を踏み出すってことが重要」と話してくれました。

すぐに脱サラするのが難しい方も多いかもしれませんが、異業種交流会に参加してみたり、興味のある業界の研究をしたりなど、小さな一歩目を踏み出すところから始めてみるのも良いかもしれません。

公開日:2023年03月03日