YouTuberになるには?讃岐うどん動画で人気の「ヤグタウン」が語る独立・脱サラ

最終更新日:2023年05月26日

YouTuberといえば、将来なりたい職業の上位にランクインするほど人気の仕事。とはいえ、YouTubeだけで生活をするのは難しく、趣味にとどめている方も少なくありません。

そんななか、今回取材した「ヤグタウン」こと高地 直人さんは、YouTubeに関連する仕事だけで生計を立てている人物です。

一体どのようにYouTubeで成功したのか、「後悔しない生き方がしたい」と話す高地さんに、脱サラの経緯や開業資金、成功の秘訣などを取材しました。

目次

登録者数6万人超え!讃岐うどんYouTuber「ヤグタウン」

「初期費用は5万円」気になるYouTuberの開業資金は?

「1年でダメだったら辞める」期限と覚悟を決めて退職

父の死がきっかけ…「後悔しない生き方をしたい」と脱サラ

YouTube成功の鍵は「データ分析×試行錯誤」

いつ死ぬかわからないからこそ、後悔しない生き方を

登録者数6万人超え!讃岐うどんYouTuber「ヤグタウン」

YouTuberという職業に憧れる人は多いですが、実際のところ、YouTube一本で生活を成り立たせるのはそう簡単ではありません。

今回、讃岐うどんに特化した動画で生計を立てるヤグタウンこと高地 直人さんに、開業資金や経費、YouTube成功のコツなどを伺いました。

仕事内容について詳しく教えてください。

高地さん「現在、YouTubeに関わる仕事だけで生計を立てています。讃岐うどんがメインのチャンネルで、撮影は週3〜4回ほど。基本的には午前中に2軒撮影して、午後からは家で編集しています。

2軒以上足を運んでしまうと、お腹がいっぱいになって味が分からなくなってしまうんですよね。なので、翌日の撮影まで夕食や朝食などは一切何も食べず、うどんの美味しさを直で感じられるよう意識しています」

お店の軒数にもこだわりがあるんですね。撮影や編集のスタッフはいるのでしょうか。

高地さん「アポイントから撮影、編集まで完全に一人で行っています。YouTubeは企画を考えるのが一番大変で、一人で行うのは実はとても厳しいんです。なので、お店側が撮影に協力してくれれば毎回異なる動画が撮れますし、その結果としてお客さんが増えて、お店側が喜んでくれたら嬉しいなと思っています」

「初期費用は5万円」気になるYouTuberの開業資金は?

YouTuberとして独立した際の開業資金をお聞きしたいです。

高地さん「最初にカメラを買ったり、編集ソフトを揃えたりしたくらいですね。パソコンはもとから使っていたものがあるので、新しく買っていません。今は8万円ほどのカメラを2台使っていますが、最初は型落ちしたGoProから始めたので5万円くらいで済みました」

スマホで撮影する人も多いですが、やはりカメラが良いんですね。

高地さん「そうですね。私も最初はiPhoneを使っていましたが、映像が汚いし手振れも酷かった。見ていたら気持ちが悪くなるような動画だったので、それでGoProを買いました」

なるほど。ちなみに経費はどのくらいですか。

高地さん「撮影に関わる飲食代と移動のガソリン代、あとは編集で使う電気代くらいですかね。ランニングコストはかなり低いです。私が省エネな人なので、だからこそ地道に頑張れるのかなと思っています」

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「1年でダメだったら辞める」期限と覚悟を決めて退職

alt「1年でダメだったら辞める」期限と覚悟を決めて退職
高地さんはもともとサラリーマンをしていたそうですが、そのときと比べて収入はどのくらい変わりましたか。

高地さん「年収はサラリーマン時代よりまだ下です。お金を自由に使えるのは間違いなく今のYouTuberですが、サラリーマン時代も必要なものは全部経費で落ちたので、お金の使い方の変化については何とも言えません」

なるほど。サラリーマン時代にYouTubeを始めようと決意した経緯を知りたいです。

高地さん「会社を辞める1年前くらいには、YouTube一本でやっていきたい気持ちがありました。ただ、サラリーマンを辞めてから1年で結果が出なかったら、もうYouTubeはすっぱり諦めようと事前に決めていたんです。

退職後1年間はYouTubeに全力で取り組みたかったので、その1年間はアルバイトなどしなくて済むようサラリーマン時代にお金を貯めました」

計画的に退職したんですね。ちなみに会社では何の仕事をされていたんですか。

高地さん「建築業の現場監督として、職人さんの施工を見たり、図面を書いたりしていました。ただ、個人的にはあまり楽しくなく、自分のやりたい仕事でもなかったんです。

受かった会社の中で一番大きな会社に入っただけで、入社したときは「多分ずっとここでやっていくんだろうな」と思っていました。人間関係は楽しかったけれど、拘束時間が長くて勉強することも多かったのが結構きつかったです」

父の死がきっかけ…「後悔しない生き方をしたい」と脱サラ

alt父の死がきっかけ…「後悔しない生き方をしたい」と脱サラ
そもそもなぜYouTubeを始めたのでしょうか。

高地さん「友人に誘われたのがきっかけです。軽いノリで趣味として始めたのですが、動画を全く知らない人が見てくれるのがすごく楽しかった。どうしたら再生数が伸びるのかを考えて、それが上手くいったときはもっと嬉しくて、それでさらにハマっていきましたね」

そのときはスマホですよね。編集はどうしていましたか。

高地さん「編集方法はネットで調べて、無料ソフトを使っていました。Windowsムービーメーカー、AviUtl、Adobe Premiere Elementsを使って、今はAdobe Premiere Proというように渡り歩いています。当時はゲーム配信もしていて、そこから上手くいき始めた感じです」

本当に趣味でやっていたんですね。それで、本格的に始めるきっかけは何だったのでしょうか。

高地さん「父が亡くなったことです。癌で亡くなったのですが、判明してから1年も経たずに亡くなってしまいました。定年してゆっくりする前に亡くなったのを見ていたら、自分のなかで「YouTubeをやりたい気持ちを持ちながら今の仕事を続けるのは嫌だな」と。

明日死ぬかもしれないし、後悔しない生き方をしたい。そう思って、それから1年くらいで会社を辞めました」

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YouTube成功の鍵は「データ分析×試行錯誤」

讃岐うどんの配信を始めて、順調に結果は出たのでしょうか。

高地さん「上手くいかない期間が1〜2ヵ月間ありました。再生数も全然伸びなくて、登録者数がガンガン減っていく…。最初にゲーム配信のチャンネルとして始めたので、ジャンルを変えたことで登録を外した方もいると思います。

動画をあげるたびに登録者が減り続けていくので、普通の人だったら多分もう心が折れてるだろうなと。それくらい落ち込みました」

それでも讃岐うどんのコンテンツからは撤退しなかったんですね。

高地さん「最初に1年間と期限を決めたので、この1年に全て注ぎ込まなければと思っていたんです。それで動画の構成や見せ方、解説の仕方などを試行錯誤した結果、辿り着いたのが今のスタイルです。

1ヵ月1,000人ペースでじわじわと登録者数が伸びて、1年後にはYouTubeで食べられるようになりました。もし今の状態に辿り着けなかったら、今はYouTubeをやっていないと思います」

そこに辿り着けた理由は何だと思いますか。

高地さん「常に新しいことをやり続けたから辿り着けたと思っています。あとは、いろいろ模索することに加えて、視聴者維持率と視聴回数、高評価率などデータの推移をしっかりと見ることも大切です。

試行錯誤した結果、このチャンネルでは情報番組のようなうどん動画をあげていますが、それもいろんなことをやっていろんなデータを取った上で今の形になりました」

いつ死ぬかわからないからこそ、後悔しない生き方を

今に至るまでに紆余曲折いろいろあったのですね…。
それでは実際に脱サラしてみて、最も良かったことは何だと思いますか。

高地さん「脱サラして良かったことは、自分のペースで動けること。あと、自分が付き合いたくない人とは付き合わなくて良いことですね。サラリーマンだとどうしても付き合いを気にする必要がありますが、脱サラしてから全く気にしなくなりました」

逆に悪かったことはありますか。

高地さん「悪かったことは、未来への不安でしょうか。今も収入はサラリーマン時代に届いていませんし、YouTubeが今後収益の分配などを変えたらどうなるのかも不安です。それに、今自分がやってることにみんなが飽きてしまう不安もありますね」

脱サラするとき、ご家族に反対はされませんでしたか。

高地さん「母が「本当に大丈夫なの?会社に残ったほうが良いんじゃないの?」と言っていたので、反対されていたと思います。母の不安も分かるので、自分の中で1年で結果が出なければ諦めると決めていました」

なるほど、ありがとうございます。
それでは最後に、これから脱サラしたい方へメッセージをお願いします。

高地さん「人間、生きていたらどうなるか分からない。明日死ぬかもしれないし、一年後に死ぬかもしれません。いつ死んでも後悔しないように、脱サラしてみるのもあり。後悔しないように生きてください」

脱サラに挑戦しようと思っても、将来への不安から一歩踏み出せない方も多いことでしょう。脱サラが不安な方は、高地さんのように結果を出すまでの期限を決めてみるのも良いかもしれません。

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公開日:2023年05月09日

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