創業補助金制度とは?開業するなら知っておきたい、対象業種から手続きの方法・ポイントとは?

最終更新日:2020年05月15日

これから新しいビジネスに取り組もうとしている方を支援してくれる、創業補助金制度。

その制度をうまく活用できれば、新たな事業を始める上で大きな手助けとなってくれるでしょう。

創業者にとってメリットの大きなこの創業補助金制度の仕組みや申請方法、交付までの流れをきちんと理解し、正しく活用して事業開設に役立てましょう。

創業補助金制度とは?|目次

1 創業補助金制度とは?        

2 実際に創業補助金を利用するには          

3 まとめ

1 創業補助金制度とは?

開業のときに助けとなる創業補助金制度の対象となるのはどういった業種なのか、注意すべきことなど、この制度を利用するにあたって知っておくべき点は多くあります。

まずは創業補助金制度とはどういった制度なのか、その具体的な内容を知るところから始めましょう。

1-1 創業補助金制度とは?

創業補助金制度とは、新たな事業を創業する方に対し、そこに掛かる費用の一部を補助してくれる制度です。

この制度は、新たな需要と雇用の創出を促し国の経済や雇用の活性化させることを主な目的としています。

開業時に受けられる資金援助には、助成金と補助金の2種類があります。助成金の場合は、資格要件を満たしていれば基本的に受けることが可能です。

しかし補助金の場合には、決まった予算の中で採択の上限が決まっている場合が多く、資格要件を満たしても必ず申請が通るわけではありません。

1-2 創業補助金の対象となる業種

創業補助金制度にて対象となるのは、新たな事業やサービスを創業する、あるいは事業承継ののちに新たな事業展開を行う第二創業を検討している中小企業の代表者、小規模事業者などです。

個人事業であっても、指定された期間内に創業した方であれば補助金を受けることが可能です。しかし、一般社団法人は対象外となるため注意しましょう。

年齢や性別に制限はありません。業種も特に制限は設けられておらず、公序良俗に反する事業でなければ誰でも応募することができます。

この創業補助金を受ける際には、事業計画書を提出し、地域活性化に役立つ事業であることをアピールする必要があります。 また募集期間は毎年定められているため、補助金を受けたい方は期間内に書類を提出するようにしましょう。

1-3 創業補助金の対象となる使い道

どのような経費にこの補助金制度を適用できるのかも合わせて覚えておきましょう。創業補助金制度の対象となるのは、以下のような場合です。

  • ・会社設立費用 会社を設立する場合、登記手続きが必要となります。この書類をまとめる作業等を行う場合に、司法書士へ依頼するケースも多くあります。こうした専門家への依頼費用は補助金の対象となります。

  • ・人件費 事業を運営していくために、従業員の雇用が必要となることもあります。正社員やアルバイトなどを雇う場合には、その給与や賞与が補助金の対象となります。ただし、役員給与や社会保険料、通勤手当などは対象外です。

  • ・賃貸料 事務所や駐車場などを借りる場合に支払う家賃も補助対象です。借り入れの際に仲介手数料を払っている場合は、その料金も補助対象になります。

  • ・外注費 事業によっては、作業を外部へ委託しているケースもあるでしょう。たとえば、部品の製造やHP制作などです。こうした際に掛かる外注費や委託費が補助対象になります。

そのほかにも、設備投資費や仕入の際に掛かった費用、旅費、交通費などが対象となります。 補助金を受ける対象とならないものには、消耗品や水道光熱費、通信費、接待交際費、会議費などがあります。この対象範囲は、事業を平常に運営していく上で最低限必要となる費用まではまかなってもらうことができる、というように捉えると良いでしょう。

(参考元:http://www nishidaystk com/category/1823239 html)

1-4 創業補助金のメリット・デメリット

補助金を受けることのメリットはもちろん、創業者にとって大きな負担となる費用の一部を支援してもらえる点です。

一部の経費は補助金の対象外となりますが、事業運営にあたって大きな割合を占める人件費や外注費、設備費、内装工事費、賃料なども補助金の対象となるため資金の負担も大きく軽減されるでしょう。また、融資と違い返済が不要なこともメリットの一つです。

一方デメリットはというと、申請期間が限られている、申請書類などの手続きに時間や手間を要する点です。

創業補助金の申請は、事業計画書などの書類の提出義務や、補助金を受給したのち5年間は事務局へ売り上げなどの事業状況を報告しなければならないなどの取り決めがあります。

また、5年間の売上状況に利益が多く出た場合には、補助金額の範囲内で、その一部を事務局へ納める必要があります。

さらに、補助金は全ての対象経費を使い終わってからの後払いとなりますので、資金に余裕のない方は金融機関等の融資もあわせて検討しなくてはなりません。

こうしたメリット・デメリットも踏まえ、補助金を上手に活用しましょう。

2 実際に創業補助金を利用するには

それでは、実際にこの創業補助金を利用するためにはどのような手続きをとればいいのでしょうか。その方法や必要書類などについて詳しくご紹介します。

2-1 創業補助金の申請に必要なもの

まずは、申請にあたって必要なものを用意しておきましょう。創業補助金の申請手続きのためには、事業計画書を用意しなければなりません。

事業計画書の内容は、事業テーマ、事業計画の概要、補助金交付の希望額、補助事業期間などです。 さらに、どのような事業を行うのかを詳しく報告するための応募申請書も提出します。

応募申請書には、どういった製品やサービスを提供するのか、現在の市場規模はどれほどか、ニーズはどれくらい見込めるのか、さらに、創業するきっかけと将来への展望は何かなど、事業の詳細を記入します。

これらの申請書は、インターネット上でフォーマットのダウンロードが無料で行われています。テンプレートを活用して、必要事項を記入していきましょう。

またそのほかにも、申請時には経費明細書や事業要請書などが必要です。合わせて、印鑑も忘れずに用意しておきましょう。

2-2 創業補助金の申請期間

創業補助金は、創業(個人事業の場合は開業届の提出、法人の場合は会社設立)の時期によって対象者が定められています。

たとえば、平成27年の場合、平成27年3月2日以降に創業した方、または創業予定の方のみが対象となります。この期間よりも前に開業している方は対象外となります。

また、募集期間は約1ヶ月間です。その期間内に申請しなければ給付が認められないので注意しましょう。

各創業補助金の窓口によって募集期間が限られているほか申請には複数の書類の準備が必要になるため、開業することが決定している場合は準備を早めに進めておきましょう。

募集期間は毎年変わるためホームページなどを細かくチェックしておくことをおすすめします。

2-3 創業補助金の申請窓口

創業補助金の申請をする際には、各地域にある所定の窓口へ書類の提出をする必要があります。

この窓口となっているのは、商工会議所や銀行、金融公庫などです。自分の住む地域では、どこに窓口が設定されているのかをきちんと把握しておきましょう。

たとえば東京の場合には、東京商工会議所、株式会社りそな銀行、株式会社日本政策金融公庫などが、認定連携創業支援事業者として定められています。
また、創業補助金に関する不明点があった場合には、各地方にある認定支援機関に相談することも可能です。

この認定支援機関には、税理士、弁護士、中小企業診断士といった方が在籍しており、プロのアドバイスを受けることができます。

2-4 創業補助金の申請から給付までの流れ

それでは、創業補助金を受給するための手続きの流れをご紹介します。

まずは、各地域にある認定支援機関に創業補助金の申請を希望する旨を伝えます。 事業計画書の作成も、認定支援機関に相談しながら作ることでスムーズになるでしょう。

事業計画書や応募用紙はインターネットから無料でダウンロードが可能です。 書類に必要事項を記入したら、所定の事務局へと提出します。

認定支援機関通知書に押印してもらった状態の書類も必要となりますので、合わせて準備しておきましょう。

事務局へ書類を提出すると、実際に補助金の対象となる内容かどうかが審査されます。この審査で問題なく交付が可能と判断されたら、1~2ヶ月後に結果の通知が届きます。

事業内容に将来性や利益性などが見込めない場合、審査の時点で受給が認められなくなってしまいますので、しっかりと記入しておきましょう。

受給できることが確定したら、交付申請書を事務局へと提出します。その後、実際に事業をスタートさせます。

この際に、事業計画書に書いていたことと違う事業を行っている場合や、明らかに不要な経費が発生していた場合には、交付が取り消されてしまう可能性もありますので注意しましょう。事業を実施したら、経費に掛かった領収書などは全て保管しておき、それを事務局へ提出します。

こうした一通りの流れを経て、ようやく補助金の交付へとつながります。

2-5 創業補助金の注意点

借入という形ではなく、受給という形で資金の支援をしてもらえる補助金ですが、注意しなければならない点もいくつかあります。

まず、この補助金は申請期間が限られているという点です。

あくまでも「創業」補助金であるため、開業してから時間が経っている場合には対象外となってしまいます。

また、補助金が受けられるのは創業してすぐではなく、実際に事業が開始した後となります。

つまり、まずは自分で融資などを受けた上で資金調達をして開業資金を支払わなければなりません。

これらは補助金目当ての開業を防ぎ、事業の運用資金に余裕を持たせて倒産のリスクを回避するためでもあります。

補助金制度を活用することは大切ですが、そこに頼りすぎないよう注意しましょう。

3 まとめ

創業補助金制度は、新たな事業・雇用の創出を加速させるために作られた制度です。予算には上限があり、助成金と違い、一定の条件をクリアすれば必ず受給できるわけではありません。受給に向けて、自分の事業が地域に貢献していることを、しっかりと伝えることが大切です。

受給後は、創業後5年間の利益状況に応じて、補助金の一部を事務局に返納する必要がある場合もありますが、あくまで補助金額の範囲内になります。予めそのことを念頭において資金繰りを行うことが必要です。

書類作成と手続きを行うだけで、受給できる可能性のある創業補助金なので、積極的に活用を考えたいですね。

また、申請に当たっての手続きの中で、創業後のビジョン・計画、企業の理念なども、より明確になっていくことでしょう。

公開日:2020年05月15日