副業の詐欺に騙されないために|詐欺の見極め方や被害時の対処法とは
最終更新日:2024年09月20日

副業が社会的に注目を集めるなか、仕事とみせかけた副業詐欺も増えています。「簡単にすぐ稼げる」といった謳い文句に乗せられないためにも、詐欺を見極める視点が大切です。
この記事では、副業詐欺の代表的な手口やパターン、詐欺に遭わないための対策などを解説します。万が一、副業詐欺に遭ってしまった際の対処方法や相談場所についても紹介します。安心して取り組める副業を見つけるために、お役立てください。
副業の詐欺手口7パターン
よくある副業詐欺の手口を紹介します。手口には特定のパターンがあり、知っておくと詐欺かどうかの冷静な判断につながるので参考にしてください。
1.講習料・教材費の請求
資格取得や勉強代と謳い、講習料や教材費の支払いを要求してくる副業には注意が必要です。教材や機械を購入しなければ参入できない仕事は、お金を支払った後に連絡が取れなくなる、教材が届かないといったリスクが考えられます。
「講習後の試験に合格すれば、誰でも稼げる」「パソコン1台使ってWebサイト制作で月収20万円以上も可能」といったキャッチコピーは安易に信用せず、信憑性を確認しましょう。
2.○○するだけでもうかる
「○○するだけでもうかる」といった謳い文句が付いている副業案件は要注意です。「写真を選ぶだけ」「1日10分で月5万円」など、あまりに良い言葉で募集している副業は、実際に稼げる保証がないケースがほとんどです。また、個人情報や金銭の抜き取りが目当てというパターンも少なくありません。
副業といえども仕事であり、ギャンブル感覚で簡単に大金が手に入ることはないことを覚えておきましょう。
3.投資話
FXや仮想通貨などの投資話は、詐欺の可能性が高い案件も多く含まれているため注意しましょう。「今なら先行投資で必ずもうかる」「投資しておけば何もしなくてもリターンが○倍」といった謳い文句で、出資者を募集している場合は詐欺の可能性があります。
投資した後連絡が途絶える、いつの間にか高額を請求されるといった投資詐欺も実際に発生しています。オンライン上の顔が見えない存在からの紹介や、知り合いからの上手い投資話には注意が必要です。
4.チャットレディ・パパ活やママ活
チャットレディやパパ活、ママ活を狙った詐欺も増加しています。アプリやWebサイトを通じて出会った相手に危険なサイト登録を誘導する、契約保証金の請求を迫るといったパターンがあります。
また、アプリで有料会員への登録を強制してくるケースにも要注意です。本人確認書類の提出が必須で、24時間の監視体制があるなど安心して利用できるアプリが安心でしょう。
5.情報商材
副業詐欺でも定番の情報商材は、ネットビジネスの浸透とともにトラブルや被害も増えているため注意しましょう。商品の特性上、購入するまで中身を確認できないため、金額を支払った後に中身が空だった、嘘や偽物だったというケースがあります。
また、情報商材は相場や適性価格がほぼ存在しないので、金額に幅がある点も詐欺につながりやすい要因です。
6.ポイント還元
ポイント還元サイトは、商品購入やサイト登録によってポイントが貯まり、現金として利用できる仕組みです。なかには、貯まったポイントを交換できるまでに長い時間がかかる、条件を満たしてもポイントが付与されない、など悪質なサイトがあります。
高還元の案件がいつもあるとは限らないため、短期間に高額を稼げるようなキャッチコピーは要注意です。
7.スマホだけで稼げる
最近はスマホでできる副業が増えている一方で、詐欺や怪しい案件も多く見られます。スマホ1台でできる手軽な仕事と見せかけて、登録料やクレジットカード番号などの個人情報を集めることが目的のケースもあります。
本当に稼げる仕事なのか、運営元や口コミをよく調べて判断する必要があるでしょう。
副業の詐欺の特徴
副業詐欺にはさまざまな手口が存在しますが、共通点を押さえておくと怪しい案件に引っかかるリスクを減らせます。副業詐欺の代表的な特徴について詳しく解説します。
事前にお金が必要になる
副業を始めるに当たり、事前に支払いが発生する案件には注意が必要です。特に下記のような費用がかかるものは要注意です。
- 教材費
- 講習料
- 入会金・会員登録費用
- 月額使用料
- 契約手数料
- 情報提供料
高額な初期費用の支払いが必要な場合、運営側は最初に利益が得られるため、支払った後に連絡が取れなくなるパターンが考えられます。「○万円で会員登録すると、高時給の仕事を紹介できる」「資格取得の教材費として○万円かかる」といった言葉に惑わされないよう気をつけましょう。
楽して稼げるをPRしている
副業詐欺で特に多いのが、楽に稼げるニュアンスでPRしている案件です。SNSやWebサイトの広告によく見られる「誰でも確実に」「1日30分で簡単に」といった勧誘は、詐欺である可能性が高いため、クリックしないよう気をつけましょう。
誰でもすぐに高額を手に入れられる話には裏があります。結果的に損をする、トラブルに遭うといったリスクの方が高いので、派手な表現や誇大な言い回しに乗せられないよう注意が必要です。
SNS経由で近づいてくる
SNS経由の勧誘も、近年目立っている副業詐欺の手口です。TwitterやインスタグラムなどのDMやLINEなど、さまざまな手法が存在します。
過去にあった事例では、LINEの友達追加で案件に申し込むと勝手に詐欺サイトやアフィリエイト広告が大量に送られてくるケースがありました。そのほかにも、Twitter上で「リツイートした人は抽選で現金プレゼント」と謳い、当選者には広告クリックや現金の振り込みを要求するといった手口もあります。
SNSでは、相手がわからないまま気軽に交流できてしまいます。確実性が判断できるまでは安易にアカウント登録や支払いを行わないようにしましょう。
副業の詐欺にあったときの対処法とは?
万が一、自分や身近な人が実際に副業詐欺にあってしまった場合に取るべき3つの対処法について解説します。副業詐欺に気づいた際、どのような対応を取るべきか知っておくことで冷静に行動し、返金依頼などの対処ができます。また、個人情報の漏えいや解約トラブルといった二次被害の予防にもつながります。
国民生活センターや消費者センターに相談する
副業詐欺だと気づいたら、全国の国民生活センターまたは消費者センターに相談しましょう。国民生活センターは、消費者から金銭や契約など生活全般の相談を受け付けている独立行政法人です。消費者センターは、同じ法人が運営する専門機関で、全国に700以上の相談所を設置しています。
両センターでは、副業の契約や報酬支払、費用負担などにおけるトラブルの相談が可能です。全国の相談所のほか、電話相談も利用できます。すぐにアドバイスが必要な場合は近くの相談所へ連絡しましょう。相談所に出向く場合は、ホームページで近くの相談所を検索し、インターネット予約を入れておくとスムーズです。
消費者ホットラインに電話する
消費者ホットラインは、「誰もがアクセスしやすい相談窓口」として先述の国民生活センターにより開設された緊急連絡電話です。「188」に電話すると、近くの相談窓口に引き継いでもらえます。
相談窓口につながるまでは通話料は無料なので、詐欺かどうか疑わしい場合や相談所の場所がわからない場合に有用でしょう。相談を受け付けるにあたって、氏名や住所、電話番号など個人情報のヒアリングがあります。
なお、消費者ホットラインが話し中のときは、国民生活センターの「平日バックアップ相談」のアナウンスがあるので、案内された番号にかけ直しましょう。
警察に通報する
副業詐欺は立派な犯罪なので、警察にもすみやかに通報しましょう。警察に被害届を出すことで解決が早まり、返金を受けられる可能性が高まります。被害額が少額だからと泣き寝入りせず、報告することが大切です。
被害額が高額なケースや重大な被害を受けた場合は、110番へ連絡します。ただ、110番通報は緊急性の高い連絡先のため、電話しにくいときは都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口を利用しましょう。専用窓口「#9110」へ電話すると、該当地域の窓口につながります。
クーリングオフを利用する
副業詐欺に遭ってから一定期間内は、クーリングオフによる契約解除が可能です。クーリングオフは、一度契約や申し込みを締結した後に改めて再考するための期間を設け、期間内なら無条件で契約の撤回や解除ができる制度です。契約解除によって支払ってしまった費用を取り戻すことが可能です。
クーリングオフの可否や期間は、取引の種類ごとに特定商取引法で定められています。マルチ商法と見なされる副業詐欺は、契約書または商品の受け取りいずれか遅い方の日付から20日間がクーリングオフ期間です。
なお、通信販売にはクーリングオフがなく、返品や返金の特約があれば内容に従います。特約がない場合は、商品受け取りを含む8日以内の返品が可能ですが、商品の返品費用は基本的に消費者負担です。
2022年6月1日より、書面だけでなくメールやUSBメモリなどの電磁的記録、Webサイト上のフォームからの通知でもクーリングオフが可能になりました。具体的なクーリングオフのやり方や条件などは、契約書面や利用規約などの記載に従う必要があります。詐欺を回避するためにも、契約書面をよく確認することが大切です。
副業で詐欺にあわないためにできること
副業詐欺に遭わないためには、案件の安全性や信頼性を自分で確認することが大切です。副業詐欺を回避するためにできる対策を紹介しますので、副業開始前のチェック項目として活用してください。
取引先の情報を細かく確認する
副業を扱っている取引先の情報を確認しましょう。副業といいながら詐欺で人を集めているケースの多くは、架空の社名や実在しないビル名を使っています。インターネット検索やSNS上でホームページやアカウントが見つからない場合は、実在しない企業である可能性が高いため注意が必要です。
企業の法人番号や所在地、代表者名といった基本情報をチェックしましょう。可能であれば、現地へ足を運んで所在地とされている店舗やオフィスを確認できるとより安心です。併せて、口コミや利用者のレビューを調べてみてください。実在する企業であっても評判が良くない場合は再検討の余地があります。
副業の仕事内容は書面で確認する
副業の仕事内容は、基本的に書面で確認することを徹底しましょう。契約書や発注書などを通して書面ベースでやり取りしておくと、万が一トラブルになっても解決までの時間を早められます。
アルバイト求人サイトや知名度の高い人材紹介サイトでの副業募集は、契約書面と同等の利用規約が存在します。ただ、大手サイトを通さない副業案件の場合、契約書を交わすことで詐欺の疑いがなく、安全な案件である証明となります。
なお、契約書類では小さい文字で不利になるような項目が書かれていることもあるので、署名・捺印の前によく読んでおくことをおすすめします。
詐欺手口を理解して安全な副業を探そう
副業のなかには、費用や個人情報を騙し取る悪質な詐欺も存在しています。もちろん信頼性が高く、安全な副業案件もあるので、怪しい案件かどうかを見極めることが重要です。
「すぐに稼げる」「簡単な作業だけ」といった甘い言葉や、相手のわからないSNSでの勧誘などは詐欺の可能性が考えられます。安易に信用せず、取引先の情報や契約書面を確認して判断することが大切です。お金や時間を無駄にしないためにも、詐欺の手口を理解して安全な副業に取り組みましょう。
安全性のある副業チェックリストやおすすめ案件について解説している下記記事も併せてご参照ください。
副業を安全に行おう!怪しい副業の見分け方と安全な副業ランキング
公開日:2022年06月16日