家族に支えられながらシングルマザーで医療関係フランチャイズで独立!

最終更新日:2023年02月10日

女性の社会進出が声高に叫ばれるものの、現実問題として家事や子育てと仕事を両立するのは難しいもの。特に経営者のような責任のある立場は、より一層ハードルが高く感じることでしょう。

そこで今回は、シングルマザーで医療関係のフランチャイズ開業・経営経験のある磯崎 春菜さんを取材しました。子育てと経営を両立させるだけでも難しいものですが、磯崎さんの場合はフランチャイズ開業時に3人のお子さんを育てていたとのことで驚きです。

2度の離婚に生活保護、そしてフランチャイズ開業に向けた厳しい研修など、紆余曲折さまざまな苦難を乗り越えてきた磯崎さんに、独立のお話を伺いました。

目次

3人のお子さんを育てながら一念発起してフランチャイズで独立!

研修中のテストに落ちたことで「開業できないかも」と涙を流す

ゼロではなくイチから起業できるのがフランチャイズの強み

2度の離婚に生活保護…波瀾万丈な人生と金銭的な苦労

子どもの理解とサポートがあったから挑戦できたフランチャイズ開業

周囲の話を聞いて客観視することが独立には大切

3人のお子さんを育てながら一念発起してフランチャイズで独立!

磯崎さんは現在、育児をしながら母親向けのコーチングを主とした教育関連ビジネス『にじいろ学園』で代表を務めています。現職を始める前は医療関係のフランチャイズを経営しており、その当時は3人のお子さんを子育て中だったとのこと。なお、現在は4人のお子さんがいます。

フランチャイズで独立しようと思ったきっかけを教えてください。

磯崎さん「30代前半には何か始めたいと考えていて、アンテナを張っていました。そこで、フランチャイズの募集を偶然見つけたのがきっかけです。

特にフランチャイズのなかでも、オーナー自身が国家資格を取得したり、現場に出て働いたりする必要がないビジネスが良いと思っていました。そのため、事務的なことや営業などのオーナー業務をメインにできる仕事を選びました。

また、オーナーになる前は人と人をつなぐ仕事をしており、医療・介護の知識もありました。医師との関わりもあったので、独立してオーナーになる前から業界について勉強できていたと思います」

フランチャイズ開業にあたり何から始めましたか?また、初期費用はどのように調達しましたか?

磯崎さん「まずは、店舗の準備から始めました。加盟金の100万円は当時の夫に借りたものです。当初は反対されましたが、最終的には理解してくれました」

研修中のテストに落ちたことで「開業できないかも」と涙を流す

フランチャイズ開業にあたり大変だったことを教えてください。

磯崎さん「研修です。東京で5日間の研修を受ければフランチャイズを開業できるという話でしたが、実際はそんなに甘くありませんでした。

研修では、はじめに医療関係のことを一通り動画で教えてもらいました。個人事業主や法人などさまざまな開業のパターンがありますが、手続き関係のことも最初に動画で学べます。

そのほか、医療マッサージには医療保険がどのくらい適用されるのかなども学びました。教室のような会場に20~30人の受講生がいましたが、女性は2人だけでしたね」

座学以外にどのような研修がありましたか?

磯崎さん「グループになり、ケアマネージャーという職種の人を訪問しました。訪問するのにも段取りがあり、ケアマネージャーに名刺を渡す前にチラシを作成しなければいけないことを学びました。

今までに経験のないことが多く、頭が真っ白になったことを覚えています。テストは下から数えた方が早く、結局落ちてしまいました」

テストで落ちても開業できるのですか?

磯崎さん「100日間のレポートと事業計画書を書くことで対応してもらえました。最初は「加盟金も払ったのに開業できないのか」と思い、ポロポロと涙が出ましたね」

介護・デイサービスに関するフランチャイズはこちら

ゼロではなくイチから起業できるのがフランチャイズの強み

ゼロではなくイチから起業できるのがフランチャイズの強み

レポートや事業計画書の提出に加えて、研修から帰宅後はチラシを配ったり、医療・福祉関係の知識を学んだりなど、とにかく大変だったそうです。ただ、本部との連携が上手くいっていたこともあり「実際に動いてみて、分からないことは聞く」という取り組み方で開業準備や営業活動を乗り越えられたとのこと。

営業活動は上手くいきましたか?

「施設を2〜3回訪問して、「困ってることがあったら何でもします」と自分から売り込みました。施設側から「公式サイトを見た」と電話がくることもありますが、数少ないです。

初めて契約が取れた時は、とても嬉しかったです。営業ではただお金をもらう意識で臨むのではなく、顧客が求めていることを聞いて信頼関係を築くように務めました。実際にサービスを受けるのは寝たきりの方が多く会話が難しいので、ご家族との信頼関係を築くことを意識しました」

収入はいくらでしたか?

「軌道に乗ってきて月50万円、70万円程度でしょうか。しかし、そこから諸々引かれるので、実際のところは十数万円しか残りません。「これだけやってるのにそれだけ?」という気持ちにもなりますが、フランチャイズの仕組み上は仕方ないかなとも思います。

事業をする基礎を教えてもらったと思えば納得できますし、勉強させてもらう身としては良い仕組みかと。ゼロから起業するのではなく、イチから起業するイメージでした」

2度の離婚に生活保護…波瀾万丈な人生と金銭的な苦労

本部と連携して事業のノウハウを学び、着実に顧客との信頼関係を築き上げた磯崎さん。子育てとビジネスの両立で順風満帆そうにも見えますが、それまでの人生ではさまざまな苦労がありました。

今までどのような仕事をしていたのでしょうか?

磯崎さん「美容関係や夜の仕事、飲食業など接客業ばかりです。仕事を4つ掛け持ちしている時もありました。現在はボランティア関連の仕事で、会社員としてもらった収入で食費などをまかなっています。私はバツ2ですが、元夫からの金銭的な補助はありません」

生活保護を受けられていたと聞きましたが。

磯崎さん「生活保護を受けたのは離婚したばかりの時で、当時はまだフランチャイズを開業していませんでした。2回目に結婚した人がもともと借金のある家庭の育ちで、彼が実家の借金を1人で返していました。

今まで子どものために貯めていたお金が無くなっていき、クレジットカードの支払いなどで生活が大変に。そこに子どもの喘息で医療費がかかり、生活保護を8ヵ月間だけ受けた経験があります」

子どもの理解とサポートがあったから挑戦できたフランチャイズ開業

子どもの理解とサポートがあったから挑戦できたフランチャイズ開業

もともと何か始めたいという想いがあったものの、家庭の事情で最初の一歩を踏み出せなかった磯崎さん。実際にフランチャイズ開業で自己実現を叶えましたが、子育てとの両立は簡単なことではありません。

フランチャイズ開業時に高校生だった娘さんは一体どのように思っていたのか、当時の心境を聞いてみました。

娘さん「正直、最初は不安や心配が大きかったです。母子家庭のような形で弟もまだ小さかったので、経済的なことはもちろん、お母さんの体力も大丈夫かなと。

ですが、しばらく様子を見ていたら楽しそうで、大変でもお母さんが楽しいなら良いという気持ちに変わりました。私が学校から帰った時や寝る時にも仕事をしていたので、家族の時間が減って寂しいとも思いましたが応援したいなと。複雑な気持ちでした」

お母さんから影響を受けたことはありますか?

娘さん「お母さんはかなり自由で、いきなり「これを始めたい」など言い出すんです。ですから、私ももうちょっと自由にしようとか、好きなことをしたいと考えるようになりました」

「母との時間が減って寂しかった」と語る娘さんですが、その一方で「やるならとことん貫いてやってほしい」と応援の気持ちもあるようです。磯崎さんがフランチャイズ開業に挑戦できたのも、母のことを支える家族の存在があったからかもしれません。

周囲の話を聞いて客観視することが独立には大切

これから独立したい方へアドバイスをお願いします。

磯崎さん「失敗例をたくさん見てきて思うのは、お金の面を考えることも大切ですが、いろいろな経験を聞いて戦略を立てることも大切だということ。また、どのような職業でも人と関わるのであれば、最終的にはコミュニケーションや安心感、信頼関係が重要です。

個人事業主も良いですが、まずは会社員を辞めず、大きなリスクを持たず、副業から始めるのが良いかもしれません。たとえばPCの専門知識がある方は「代わりに収録して編集します」など、必要とされていることをまず始めるのが良いのではないでしょうか」

独立する上で最も大切なことは何だと思いますか?

磯崎さん「客観視できる自分を常に持っておくことです。たとえば私の場合、性格的に「これだ」と思ったら周りの話を聞きません。周囲の話を聞かない人は勉強好きなことが多いですが、極めすぎないように注意が必要です。自分の首を自分で締めてしまいます」

客観視し、周囲の話をしっかりと聞くことが独立する上では大切。ただ、その一方で磯崎さんは「全ては経験なので、失敗を後悔しないことも大切」とも話してくれました。

冷静でありつつも、失敗を後悔しない前向きさ、そして挑戦し続けるバイタリティーも独立には必要なのかもしれません。「仕事と家庭を両立したい」や「女性でも会社を経営して独立したい」という方は、磯崎さんの独立体験談をぜひ参考にしてみてください。

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公開日:2022年09月16日