独立して年商1.2億円!話題の「ファイナンシャルプランナー」が語る脱サラFPの戦略
最終更新日:2024年09月20日

ファイナンシャルプランナーとして脱サラする方は多いですが、どのようにスキルを身に着け、独立に至ったのかはあまり知られていません。
今回取材した尾山 道郎さんは、フリーターから保険営業、そしてファイナンシャルプランナーで独立した人物です。年商1.2億円とかなりの事業規模を誇っているようですが、一体どのように事業を成功へ導いたのでしょうか。
脱サラの流れや一風変わった事業成功の戦略、これから脱サラする方へのアドバイスなどを取材したので、ぜひ参考にしてみてください。
脱サラ・独立した「ファイナンシャルプランナー」の仕事内容とは
ファイナンシャルプランナーというお堅いイメージの仕事と、一風変わった着物姿が対照的な尾山さん。ですが話を聞くうちに、その着物姿も戦略の一つだと分かりました。
現在の仕事内容について教えてください。
尾山さん「個人をメインの顧客としたファイナンシャルプランナーをしています。投資や住宅ローン、保険、相続、税金など、人生に関わるお金回り全般のバランスを見ながらお世話する仕事です。
独身の20代や子育て世代、終活を考える世代など、いろいろな世代の方から相談があります。資金力や居住地もさまざまで、海外在住の日本人からも相談がありました」
相談は全て尾山さんが1人で受けているんですか。
尾山さん「私ともう1人のコンサルタントで対応しています。うちの会社の場合は、最初のコンサルティングのときにほとんどのバランスを整えるようにしているんです。なので、次にまた依頼者と話をするときは、家庭環境の変化など人生の節目のときになります」
では、相談があった時点で業務はほとんど完了しているんですね。
尾山さん「そうですね。ただ、投資の場合は追加注文の相談などが定期的にあるので、話をさせてもらう機会は多いです。それに、個人からの依頼だけでなく、法人から退職金制度を充実させるための相談なども受けています」
ゲーマーから公務員へ…徳島移住で6年半のフリーター生活に終止符
尾山さんはもともと、お金に関する仕事をしていたのでしょうか。経歴について、詳しくお聞きしたいです。
尾山さん「私は高校を卒業しておらず、若い頃は日雇いバイトなどをしながら6年半ほどフリーターをしていました。その当時、私が何をしていたかというと、格闘ゲームのゲーマーですね。一応、全国大会のベスト16に入っていました」
かなり本気で取り組んでいたんですね。
尾山さん「それで、フリーターをしていたときに、姉が結婚して徳島県へ移住したんです。その姉に誘われたのが、徳島へ移住したきっかけです。
姉の旦那は公務員だったので、公務員の良いところを見る機会が多くありました。それで「公務員は良いなぁ」と思うようになり、徳島市役所を受験したら無事に合格できたので、フリーター生活が終わった感じです」
フリーターからいきなり公務員試験に合格するのは、すごいですね。
尾山さん「市役所は学歴や職歴をあまり見ていなくて、試験に受かるかどうかが重要なんです。公務員試験は広く浅くが特徴で、私は広く浅いことが得意だった。適性があったのだと思いますよ」
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公務員時代に気づいた「話を聞く才能」を活かして脱サラ
なるほど。それで市役所では、どのような業務をしていたんですか。
尾山さん「裏方で事務をやったり、住民課で市民と前線で関わったりしていました。なかでもクレーム処理が好きでしたね」
クレーム処理が好きな人はかなり珍しいと思います。
「クレームが起こるときは、コミュニケーションが上手くいってないことがほとんど。なのでまずは必ず最初に謝ること、そして怒っている人に「この人は話を聞いてくれるかも」と思ってもらうことが大切です。
あとは「できません」と被せ気味に言わないことや、カウンター越しではなく隣に座って話を聞くことなども意識していました」
公務員時代からすでに話を聞くスキルが高かったのかもしれませんね。それで、なぜ公務員を辞めることになったのでしょうか。
尾山さん「公務員時代の経験を通して、自分は話を聞いたり世話をしたりするのが好きなんだと気づきました。そんな折に友人から保険営業の仕事に誘われ、「これはかなり喋る仕事だな」と思ったのが転職の理由です。
ただ、その会社に勤めてから独立した場合、今後取り扱いできる保険の種類が限られてしまう決まりがあったんです。保険の種類が限られてしまっては、顧客にとってベストな選択を提供できない。なので、その保険営業の仕事は退職して、それから知人と一緒に保険代理店の営業所を新たに作る形で脱サラしました」
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先代から引き継ぐ形で「ファイナンシャルプランナー」事業で独立
その代理店で脱サラしてから、現在の仕事を始めたということですか。
尾山さん「そうなります。保険代理店の仕事は、本当に好きでした。ですが、自分がトップではないため本当にやりたいコンサルティングを提供できず、今後どうしようかなとも思っていたんです。そんなとき、このファイナンシャルプランナーの会社で社長をしていた方がセミリタイアするということで、会社を引き継がせてもらえることになりました」
引き継ぐ形で独立されたんですね。ということは、開業資金はほとんどかかっていないのでしょうか。
尾山さん「はい。もともとこの会社は、飲食の事業をやっていて、そのときの開業資金は1,000万円でした。その開業から数ヵ月後に、私が加わっています」
会社に加わったときはすでに、ファイナンシャルプランナーの資格を持っていたんですよね。
尾山さん「資格は持っていましたが、実はファイナンシャルプランナーの仕事において資格はあまり重要ではないんですよ。資格がなくても、誰でもファイナンシャルプランナーを名乗ることはできます。私は広く浅いことが得意だと話しましたが「保険や住宅ローン、投資などを幅広くカバーしてアドバイスする仕事は何だろう」と考えたら、それがファイナンシャルプランナーの仕事だったんです」
現在の年商は1.2億円!着物の「一風変わった姿」も戦略の一つ
実際に独立してみて、売り上げはどのくらいになりましたか。
尾山さん「コロナ禍で赤字だった年もありましたが、コロナ融資に助けられました。普段から顧客にも「現金としてお金の余力があることは大切だから、借りられるものは借りなさい」と言っていて、それを自分でも実感できたと思っています。
現在の年商は1億2,000万円ほどで、これにはファイナンシャルプランナー業務のほかに、サブの業務も含まれています。飲食店や保育園の経営を委託しているビジネスですね」
かなり稼がれているんですね。今は事業が順調とのことですが、何か事業を行う上で課題などがあるなら教えてください。
尾山さん「私は自分自身が目立って、ほかの人に見つけてもらうのが得意なんです。なので、客寄せパンダ的な要素を私が担当して、適性のある人に企業をまとめる役割を任せなければかと思っています」
尾山さんは着物を着ていますが、それも「目立つため」という目的があるのでしょうか。
尾山さん「印象に残ってほしいという思いで着物を着始めました。私は発見してもらうことが得意ですし、人に見つけてもらうのはファイナンシャルプランナーにとって大切なことなんです。私はラジオにも出演していますが、それも「ラジオをやっているファイナンシャルプランナーなんていないだろう」という思いで始めました。ラジオはもう6年半ほど続けています」
夢は"魔法使い”になること…まずは「本当に脱サラが必要か」を考えよう
脱サラしてみて良かったこと、そして悪かったことなどを知りたいです。
尾山さん「良かったことは、「目立つのが好き」という自分の特性を存分に活かせていることです。自然体のままいろいろな仕事ができて、自分の癖がそのままお客さんにとってメリットになる。強みを仕事にできたのは良かったことですね。
悪かったことは、私は教育が下手なので従業員を悶々とさせてしまっていることです。もちろん、私自身も悶々としています」
なるほど。ファイナンシャルプランナーとして今後どのようになりたいのかもお聞きしたいです。
尾山さん「一言でいうと「魔法使い」ですね。金融のことを皆さんに知ってもらいたいという思いはありますが、やはり完全に理解するのは難しいです。なので、説明するときは何かを捨てなければいけません。
そこで何かを捨てたとしても、もし私が有名人や完璧な人だったら、お客さんも「もうお願いします」と信頼しきって任せてくれると思うんです。そういう状況を私は一言で、魔法使いという言い方をしています」
魔法使いみたいなファイナンシャルプランナー。なんだか、尾山さんらしいですね。それでは最後に、これから脱サラを目指す方へメッセージをお願いします。
尾山さん「新しい組織を作って事業を始めるのは、かなり大変です。なので脱サラではなく、自分のやりたいことができる環境へ移るのも一つの方法です。経営者はやはり特殊なポジションなので、サラリーマンのほうが間違いなく楽。それでも脱サラしたいのであれば、計画をしっかりと練ってから始めましょう」
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公開日:2023年05月17日