年収3,000万円の会社員が脱サラ!4つのフランチャイズ経営で独立成功

最終更新日:2023年03月31日

フランチャイズ経営が気になるものの、「どの本部を選べば良いのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

今回取材した古川 暁さんは、フランチャイズについて徹底的に研究し、加盟前にも独自で本部を調査するなど万全の準備をして独立に臨んだ人物。

そんな古川さんに本部選びのポイントや複数店舗の経営について、リアルな収入などを取材したので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

一流会社員がセカンドキャリアに「フランチャイズ経営」を選んだ理由

綿密な調査を経て出店!しかし「机上とリアルは全く違った」

2年間続く赤字…ピンチを打開したのは「人とのつながり」

開業当初の年収は180万円…気になる開業資金と現在の年収は?

フランチャイズ経営未経験者は「情報収集」と「仲間探し」が成功の鍵

加盟先を選ぶ際は「自分の目で確認すること」も大切

一流会社員がセカンドキャリアに「フランチャイズ経営」を選んだ理由

インドアゴルフスクールに女性専用パーソナルジム、ハワイアンリラクゼーションサロン、ドライヘッドスパ専門店など多数のフランチャイズ店を経営し、今や成功を収めたと言っても過言ではない古川さん。

ですが、独立当初は仲間から「もうお店を撤退したほうが良い」と言われるほどの失敗もあったそうです。はじめに、古川さんの経歴やフランチャイズで脱サラした経緯、経営に苦戦した理由などを伺いました。

独立前はどのような仕事をしていたのでしょうか。

古川さん「信託銀行で10年ほど働いた後、外資系の金融機関へ転職して営業職を15年続けました。当時の年収は、約3,000万円です」

年収3,000万円の高給を捨ててまで脱サラした理由が気になります。

古川さん「外資系の営業職は、優秀な人間を若いうちに登用するのが特徴なのです。40歳くらいで退職するのが一般的ということもあり、当時私はセカンドキャリアを模索しているところでした。そんな折、47歳のときに共通の知人から「フランチャイズを研究する会」に誘われることに。この会へ入ったのが、フランチャイズで脱サラしたきっかけです」

知人の誘いがきっかけで、フランチャイズに興味を持ったということですか。

古川さん「はい。その知人から「フランチャイズ経営は人気がない」という話を聞いて、「不人気ということは、逆に当たりを引いたら大きく成功するのでは」と興味を持ちました」

綿密な調査を経て出店!しかし「机上とリアルは全く違った」

綿密な調査を経て出店!しかし「机上とリアルは全く違った」

最初に挑戦したフランチャイズ経営が、ゴルフスクールですよね。

古川さん「『ステップゴルフ』というゴルフスクールです。加盟を決断する前、実際に1号店へ話を聞きに行ったのですが、その際に会員数や月謝、入会金、家賃、スタッフ数、ロイヤリティーなどを詳しく教えてもらえました。教えてもらった数字を計算したところ、全店舗黒字だったので加盟を決意しました」

数字で判断したということですね。

古川さん「はい。ただ、その数字に嘘がないかどうかを確かめるために、1号店だけでなく当時6つあった全店舗へ足を運びました。

私の立場が店側にばれると怪しまれるので、当時は入会を検討しているお客さんを装って見学へ。各店舗の店長に「どのくらい会員さんがいるのですか」など質問をしていくなかで、本部の言う数字に嘘はないのだなと確信できたので加盟したという流れです」

徹底的にリサーチしたのですね。かなり準備した上で出店したと思いますが、開業当初から成功しましたか。

古川さん「それが、机上の勉強とリアルはかなり違ったので苦戦しましたね。敗因は、私に立地診断をする力がなく、お客さんが来るペースが遅かったこと。駅から徒歩3~4分のところに出店しましたが、もう少し駅に近いほうが良かった。今考えてみると、既存店は全て駅から徒歩1~3分の場所にありましたから」

駅からの距離が主な敗因だったと。

古川さん「あとは、百貨店の近くに出店すれば百貨店のお客さんがうちに流れると考えたのも誤算でした。その百貨店へ訪れるお客さんの数自体が予想外に少なく、期待していた集客ができなかったです」

2年間続く赤字…ピンチを打開したのは「人とのつながり」

1店舗目でかなり苦労したとのことですが、そのときの売り上げは赤字だったのでしょうか。

古川さん「最初の頃はずっと赤字で、フランチャイズ研究会の仲間にも「もう撤退したほうが良い」と言われました。仲間からは「あなたは、失敗を認めたくないが故にしがみついてずるずると出血量を増やす“脱サラ初心者の失敗”をしている」と」

それは辛いですね。そこまで言われても辞めなかった理由をお聞きしたいです。

古川さん「自分のなかで「まだ本気で頑張っていない」という気持ちが残っていたからです。

そこで、1店舗目は赤字でしたが、その教訓を活かして2店舗目を出店しました。2店舗目は駅から歩いて30秒くらいで、人がたくさん訪れる立地の物件を選定。1店舗目が赤字でも、2店舗目は黒字になるだろうと」

1店舗目が赤字なのに2店舗目も出店したのはすごいですね。1店舗目は結局、黒字になったのでしょうか。

古川さん「出店から2年くらいで黒字になりました。立地は変えていませんが、地域のコミュニティに溶け込んだり、お客さんと仲良くなったりすることを意識したのが、黒字化に成功した理由だと思います。

地元の商店街の人たちと関係を構築し、彼らから人を紹介してもらうことで会員が増えました。そこからさらに会員さん同士が仲良くなって、また新たに人を紹介してもらう。とても良い循環が生まれたと思います」

その打開策はどのように思いついたのでしょうか。

古川さん「お店というものは、「人」で集客するか「箱」で集客するかの2択だと私は考えています。「箱」つまり立地で失敗してしまったので、「人」で取り返さなければなと。ただ、人と言ってもスタッフに無理を強いても失敗するのは分かっていたので、私は地域のコミュニティに溶け込むというアプローチを選びました」

フランチャイズで失敗…悲惨な結末にならないようにするには!?

開業当初の年収は180万円…気になる開業資金と現在の年収は?

古川さん本人も「力技で乗り切りました」と語る、新たな発想でゴルフスクールの黒字化に成功。独立後の収入には、どのような変化があったのでしょうか。

開業資金と開業初期の年収について教えてください。

古川さん「1店舗目の開業資金は1,500万円で、政策金融公庫の創業融資を活用しました。2016年の開業初期の年収は、ゴルフスクールと女性専用のパーソナルジムそれぞれの役員報酬を合わせて180万円です。当時は、生活費を切り崩す形で経営していました」

現在の収入はどのくらいになりましたか。

古川さん「役員報酬の660万円です。ただ、この役員報酬の金額を決めているのは私なので、660万円しか稼いでいないというわけではありません」

なるほど。ゴルフスクールとパーソナルジムの運営資金についてもお聞きしたいです。

古川さん「店によって異なりますが、ゴルフスクールは月110万くらいです。たとえば自由が丘店の場合、日によってスタッフが2~4人稼働しますが、4人稼働するときは最低でも300万円は売らないと赤字になります。あとは家賃が50万円で、Google広告やアフィリエイトなどの広告費もそれなりに高いです」

ジムのフランチャイズを始めるのに必要な準備

フランチャイズ経営未経験者は「情報収集」と「仲間探し」が成功の鍵

フランチャイズ経営未経験者は「情報収集」と「仲間探し」が成功の鍵

フランチャイズ経営未経験者が開業する場合、最初に何をすべきでしょうか。

古川さん「まずは、フランチャイズ初心者向けの教科書的な本を1冊買ったり、フランチャイズのまとめサイトを見たりするのが良いと思います。あとは、『ビジネスチャンス』という紙のフランチャイズ情報誌を2ヵ月に1回購入すること。ここまでやって、最低ラインです」

次のステップも気になります。

古川さん「フランチャイズのお店を多く経営している人を見つけて、仲間にいれてもらうことですね。たとえば私が入っているフランチャイズ研究会なども、オーナーがたくさんいるので有用だと思います。

あとはフランチャイズフェアに参加すると、会場で資料を迷わずさっと手に取る慣れた雰囲気の人が目に入るはず。こういった人はすでにフランチャイズを経営しているオーナーの可能性が高いので、話を聞いてみると良いでしょう」

いきなり話しかけて良いものなのでしょうか。

古川さん「知らない人に声をかけるのが恥ずかしいという人もいますが、そのような人はフランチャイズ経営に向いていないでしょう」

そうなんですね。具体的に、フランチャイズに向いていないタイプなどはあると思いますか。

古川さん「失敗したときに、他人のせいにしてしまう人は向いていないと思います。あとは、絶対に失敗できないと切羽詰っている人も少し危険かと。「フランチャイズ経営は自己責任」という言葉を聞いて、それは当然だと思える人は向いていると思います」

加盟先を選ぶ際は「自分の目で確認すること」も大切

紆余曲折ありながらも、それからさらに2019年に自己資金で藤沢店に女性専用パーソナルジムを出店し、2020年にはハワイアンリラクゼーションのサロンを購入したという古川さん。

コロナ禍でリラクゼーション業界が落ち込むなか「今ならサロンを安く買えるのでは」と店舗購入に乗り出すなど、かなり攻めの姿勢でフランチャイズ経営に臨んでいる様子がうかがえます。

これからフランチャイズ経営を始めたい方が、注意すべき点などはありますか。

古川さん「本部の言うモデル収益の数字を真に受けすぎないことですね。どこかのお店の本当の数字なのか、それとも全店舗の平均の数字なのかなど、本部へしっかりと内容を確認することが大切です

ただ、本部が全て本当のことを言うとは限らないので、私がゴルフスクールのフランチャイズへ加盟したときのように、実際にお店へ足を運んで自分の目で確認するのが良いでしょう。

たとえば私は、飲食店でお酒を飲みながらスタッフに「1日何人ぐらい来るの?」や「1人3,000円くらい使うの?」と聞いたりしています」

実際にお店へ足を運び、そのフランチャイズの状態を調査する作業も楽しいという古川さん。脱サラ後に周囲からは「サラリーマン時代と比べて顔色が良くなった」と言われることも多く、イキイキとした毎日を送っているそうです。

「フランチャイズ加盟が気になっているけど、何から始めれば良いのか分からない」という方は、まずは古川さんのように自分の足で情報を収集してみることで、新たな発見が得られるかもしれません。

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公開日:2022年12月22日