リタイア後の生活にはいくら必要?資金を貯めるコツやおすすめのリタイア生活

最終更新日:2023年04月04日

リタイア後は収入源がなくなるため、その後の生活に不安を感じる人もいるかもしれません。リタイア後の生活にいくら必要なのかを把握し、資金を貯めることができれば、安心してリタイア後の生活を楽しめます。

今回はリタイア後の生活に必要な資金の内訳や、資金を貯めるコツ、リタイア生活を楽しむポイントを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

リタイア後の生活にはいくら必要?

リタイアしても生活できる資金を貯めるコツ4選

リタイア後の生活を楽しむポイント

おすすめのリタイア生活

リタイア生活についてまとめ

リタイア後の生活にはいくら必要?

リタイア後は、生活に必要な資金と老後のための資金がかかります。以下では、関係省庁の調査データを参考に、それぞれの資金の目安を紹介します。

生活費に必要な資金

総務省の調査「令和3年度 家計調査年報(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出と非消費支出は以下の通りです。

  • 消費支出:224,436円
  • 非消費支出:30,664円
  • 合計額:255,100円

1ヵ月あたりの生活費を25万5,100円とした場合、年間で必要になる生活費は306万1,200円となります。年金などの社会保障給付を含む、夫婦の実収入の目安は23万6,576円で、支出の合計額と差額を計算すると、次のように計算できます。

  • 236,576円-255,100円=-18,524円

家計は、1ヵ月あたり1万8,524円が不足し、年間約22万円の赤字になることが分かります。つまり、リタイア後の生活費を確保するためには、夫婦で年間22万円を賄えるだけの貯蓄が必要です。

老後資金に必要な資金

老後資金に必要になる資金は受給する年金額と、自分と配偶者が生きると仮定できる年齢から、おおよその資金額を計算できます。厚生労働省が発表する「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータを基に、65歳から受給する年金額の平均を以下にまとめました。

  • 厚生年金+国民年金:月額146,145円
  • 国民年金のみ:月額56,358円

男性・女性の平均寿命を確認し、それぞれが受け取れる年金額を計算します。厚生労働省が2021年に発表した「令和3年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は次の通りです。

  • 男性:81.47歳
  • 女性:87.57歳

会社員として働いた男性と専業主婦の女性の無職世帯と仮定した場合、それぞれが平均寿命まで受け取れる年金額は以下の金額になります。

  • 男性:146,145円×12ヵ月×17年(82歳-65歳)=29,813,580円(約3,000万円)
  • 女性:56,358円×12ヵ月×23年(88歳-65歳)=15,554,808円(約1,600万円)
  • 合計額:3,000万円+1,600万円=約4,600万円

夫婦のみの無職世帯の生活費合計額を基に、男性の平均寿命までのリタイア後に必要な夫婦の生活費を計算していきます。

  • 255,100円×12ヵ月×17年=52,040,400円(約5,200万円)

次に、男性の平均寿命後から女性が平均寿命を迎えるまでの生活費を計算するために、65歳以上の単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計額を出します。

  • 消費支出:132,476円
  • 非消費支出:12,271円
  • 生活費合計額:144,747円

前述の合計額を基に、男性の平均寿命後から女性の平均寿命までに必要になる女性のみの生活費を出しましょう。

  • 144,747円×12ヵ月×6年(23年-17年)=10,421,784円(約1,000万円)

上記で求めた男性の平均寿命までのリタイア後に必要な夫婦の生活費と、男性の平均寿命後から女性の平均寿命までにかかるとされる女性のみの生活費を合計すると、以下の通りとなります。

  • 合計額:5,200万円+1,000万円=約6,200万円

65歳から受給できる夫婦の年金額の合計額をリタイア後に必要な生活費を差し引くと、夫婦がリタイア後の生活に向けて準備すべき資金額を出すことができます。

  • 4,600万円-6,200万円=-1,600万円

上記のとおり、夫婦でおよそ1,600万円の資金が必要であることが分かります。

老後資金は多めに見積もっておくべき

老後資金は、前述の資金のほかにも必要になる支出があります。たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • 葬儀費用
  • ケガ・病気をしたときに支払う医療費
  • 親戚への結婚・出産にかかる費用の一部負担など

上記のような費用も考慮し、老後資金は前述した金額よりも多めに用意しておくことで、リタイア後の生活を安心して過ごせるでしょう。

リタイアしても生活できる資金を貯めるコツ4選

リタイアしても生活できる資金を貯めるコツ4選

リタイア後の老後資金を貯めるために、いくつかコツがあります。それぞれのメリット・デメリットと、資金を貯めるのに向いている理由を解説します。

1.定期預金で着実に貯める

定期預金は、金融機関で定期預金の契約をして、毎月一定額のお金を入金するだけのシンプルな方法です。定期預金は、健康に自信があり、長く働きたい人におすすめです。株式投資や不動産投資などのようなリスクをかけずに、資金を貯めることができます。ただし、物価が上昇しインフレが起こると、苦労して貯めた資金の価値が下がる場合があります。

2.つみたてNISAを利用する

つみたてNISAは、積立投資をする人を対象にした少額投資非課税制度です。非課税制度を利用して資産運用をしたい人におすすめです。掛金を積み立て、運用で得た利益は自分の好きなタイミングで引き出せます。また、つみたてNISAで得た利益は非課税になるので、節税効果が期待できます。

3.iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、個人向けの年金制度です。厚生年金がない自営業の人におすすめです。iDeCo対象の投資商品を購入し、掛金を積み立てることで、60歳以降になると掛金と運用で得た利益の合算額を受け取れます。ただし、職種や加入する年金制度によって利用限度額が異なります。たとえば、自営業は月額68,000円、厚生年金加入者は月額23,000円までです。

4.生活費を見直す

生活費を見直す際に確認すべき費用は、以下の項目が挙げられます。

  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費(スマホ料金やインターネット関連の利用料金など)
  • 車の維持費(保険料や車検代、税金など)
  • 生命保険
  • 家賃・住宅ローン

上記の費用の中で無駄がないかをチェックしましょう。たとえば、スマホの利用頻度が少ない場合は、パケットの使用量などに合わせて料金プランを見直すと良いでしょう。

リタイア後の生活を楽しむポイント

リタイア後は自由な時間が増えるので、やることがないと暇を持て余してしまいます。また、貯めた資金を計画的に使用しないと、後々の生活が立ち行かなくなるリスクがあります。リタイア後の生活をより豊かに過ごすためのコツを紹介するので、ぜひ役立ててください。

リタイア後の目標を作る

目標が定まると、やるべきことが明確になり、積極的な行動をとれるようになるので、充実した生活を送りやすくなります。難易度が高すぎる目標を設定すると、いつまでも達成できず、モチベーションを低下させてしまいます。目標を設定する際は、やや努力が必要で現実的に達成が可能なレベルの内容にしましょう。

しっかりと資金計画を立てる

リタイア後に旅行などのお金がかかる趣味を楽しみたい場合は、生活費を圧迫しないために資金計画を立てておきましょう。貯めておいた資金を趣味などに使い込んでしまうと、その後の生活費が不足して家計が火の車になる恐れがあります。生活費とは別に、趣味などに使用できる余剰資金を用意し、何にいくら使う予定でいるのかをノートにまとめておくことをおすすめします。

健康寿命を延ばす努力をする

平均寿命は生まれてから亡くなるまでの寿命を指しています。一方、健康寿命は病気などによって日常生活に支障がなく、一人でも健康的に暮らせる期間の目安です。健康寿命を延ばすことで、リタイア後に想定される医療費を節約でき、余った資金を趣味などに活用できます。健康寿命を延ばすためには、栄養バランスのとれた食生活と適度な運動を心がけましょう。

おすすめのリタイア生活

おすすめのリタイア生活

リタイア後の生活を充実させる方法として、ボランティアの参加や趣味活動、再雇用制度の利用などが挙げられます。「リタイア後の生活で何をしようか」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

ボランティアに参加する

リタイア後は仕事関係の人付き合いがほとんどなくなるため、自宅で過ごすことも増えるでしょう。人との触れ合いが薄くなると、コミュニティの中で孤独を感じやすくなるので、地域のボランティアに参加すると良いでしょう。ボランティアに参加することで、社会貢献や運動不足の解消などのメリットも得られます。地域の人とのつながりが深まれば、災害などが起きたときに支え合うことができます。

新たな趣味を始める

現役時代は時間がとれずに諦めていたことなど、新たな趣味にチャレンジしてみるのもおすすめです。リタイア後は自由な時間が増えるので、夫婦で過ごす時間とは別に一人で趣味を楽しむ時間をつくってみるのも良いかもしれません。たとえば、旅行やアウトドアに出かける、絵画教室に通う、自宅で映画鑑賞を楽しむことも選択肢に入れてみてください。

再雇用制度を利用する

再雇用制度を利用すれば、65歳で定年を迎えた後も70歳まで働き続けられます。「元気なうちは働きたい」という方や、リタイア後にやりたいことが見つからない方は、再雇用制度を利用しましょう。継続して働くことで余剰資金ができた場合は、生活レベルを上げたり趣味に活用したりすれば、より充実した老後を過ごせるでしょう。

独立・開業する

独立開業すれば、得意なことや趣味の延長として、やりたいことを実現できます。たとえば、カフェを開きたい、得意料理を提供できる飲食店を開業したいなどが挙げられます。手間をかけずに独立する方法としておすすめなのは、フランチャイズのオーナーになることです。フランチャイズは、本部がある企業の傘下に入り、店舗を開業する方法です。本部から運営のノウハウやサポートを得られるため、安心して独立開業を目指せます。

リタイア生活についてまとめ

リタイア後の生活には、夫婦のみの世帯で約1,600万円の資金が必要です。

ほかに、葬式費用や医療費、趣味、旅行などにかかる費用を含めると、さらに追加の資金を用意しなければならないでしょう。

生活費を見直し、つみたてNISAやiDeCoなどの制度を利用して、資金を貯めることが大切です。

リタイア後は自由な時間が増えるので、何をしたいのか目的を明確にした上で、しっかり資金計画を立てましょう。

公開日:2022年10月26日

よくある質問

Q リタイア後を見据えてどのように資金を貯めたら良いですか? 回答を見る
Q リタイア後の生活を充実させるためにおすすめの活動はなんですか? 回答を見る