居酒屋を経営したい方必見!開業手順・資金・資格から成功・失敗ポイントまでお伝えします

最終更新日:2023年07月07日

料理が好き、食べるのが好き、おいしいものが好き。そんな理由から「飲食店」を開業・経営したいという方は数多くいます。ただし、一口に飲食店といっても、カフェや喫茶店、ファミリーレストラン、ラーメン店、ファストフードなどそのジャンルはさまざまです。

そのなかでも人気のジャンルが大人の社交場「居酒屋」です。お酒が好きだから、酒場の楽しい雰囲気が好きだからといった理由で居酒屋経営を目指す人もいますが、人気の秘訣はそれだけではありません。

居酒屋は利益率が高く、代金をその場で回収できるため、低資金での独立開業を目指している人に適しているのです。また、自分で考えたメニューや価格、コンセプトなどで独自性を出して固定客をつかみ、おいしいお酒や料理を提供して喜んでもらえるという点も、人気のポイントです。

一方で、客商売ならではの難しさもあります。お客様への対応の難しさや、営業が深夜に及ぶため身体的な疲労を感じる方も少なくありません。また、オープンしたものの客足が伸びず、なかなか利益が出ないかもしれないというリスクがあります。

居酒屋の開業に際しても、保健所からの営業許可が必要になるなど、煩雑な手続きが必要になります。「居酒屋をやりたい!」という気持ちだけでは、なかなか開業までたどり着けないかもしれません。

そこで今回は居酒屋の開業や経営のメリット・デメリット、居酒屋の開業に必要な手続き、そして独自開業かフランチャイズにすべきかについて解説します。

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目次

居酒屋経営は難しい?気になる成功率やリスク

居酒屋経営にはいくらかかる?必要な資金の目安

居酒屋の経営は儲かる?開業後の年収目安

居酒屋の経営に必要な資格や届出

居酒屋の開業方法と経営開始までの手順7ステップ

居酒屋経営のメリット・デメリット

居酒屋経営で陥りがちな失敗例

居酒屋経営を成功させるポイント

居酒屋経営の成功率が上がる!おすすめのフランチャイズ

居酒屋経営の成功には入念な事前準備が大事

居酒屋経営は難しい?気になる成功率やリスク

居酒屋経営は難しい?気になる成功率やリスク

飲食店の独立開業のなかでも人気が高い居酒屋ですが、開業率だけでなく廃業率も高く、「経営が難しい」とされている業種の一つです。

そもそも、居酒屋を含む飲食業自体の廃業率が高く、開業2年以内は50%、3年以内で70%、5年以内で80%以上とも言われていることから、勢いで始めて失敗しないためにも、居酒屋の成功率は低いという現実を知っておくことが必要でしょう。

現に、東京商工リサーチによると、2022年(令和4年)の飲食業の倒産件数は522件で、そのうち居酒屋が含まれる「酒場、ビヤホール」の件数が120件と最も多かったことが分かっています。

【2022(令和4)年飲食業 業種小分類別倒産状況】

順位 小分類 倒産件数
1位 酒場、ビヤホール 120
2位 専門料理店 118
3位 食堂、レストラン 112
4位 喫茶店 40
5位 宅配飲食サービス業 34

飲み会や接待の減少など、コロナ禍の新しい生活様式の定着が居酒屋の倒産件数に大きく影響したと考えられています。徐々に新型コロナ対策の制限緩和が進んでおり飲食業の回復も期待されていますが、価格高騰によって大きな打撃を受けている居酒屋も少なくありません。

居酒屋の経営は決して簡単ではないことを十分に理解し、このような状況下でも売上や利益をしっかり出せる仕組みを確立した上で開業することが大事だと言えます。また、居酒屋経営の成功率を上げるには、知名度や経営ノウハウが確立されたフランチャイズに加盟するという方法も有効です。

参照:飲食業倒産は過去20年間で最少 「宅配」、「持ち帰り」は倒産が急増 ~ 2022年「飲食業の倒産動向」調査 ~ | 東京商工リサーチ

居酒屋経営ができるフランチャイズ一覧はこちら

居酒屋経営にはいくらかかる?必要な資金の目安

居酒屋経営にはいくらかかる?必要な資金の目安

では実際に居酒屋を経営するとなると、いくらくらいの資金が必要になるのでしょうか。
こちらでは、開業資金(初期費用)と経営に必要な費用に分けてご紹介します。

居酒屋の開業資金(初期費用)

居酒屋は、他業種に比べて開業資金が高額です。相場としては安くてむ200万円、高くて1,000万円と言われていますが、そう簡単に言えない面もあります。

必要経費は大きく分けて物件費・人件費・広告費・運営資金となります。物件費は、店の家賃をはじめ、保証金や仲介手数料、内装工事費や食器・酒器の購入、厨房設備や電気工事費なども含まれます。

居酒屋の場合、立地条件が経営を大きく左右します。少々家賃が高くても、人通りの多い好条件の店舗を選ぶ必要があるため、店舗物件費は開業資金のなかでも大きな割合を占めます。

店の規模にもよりますが、10坪程度の店舗の場合、物件取得費でおよそ300〜400万円、厨房の工事などで約800万円、厨房機器の購入に約100万円、必要な食器などの購入に約100万円かかります。

しかし、飲食店をそのまま引き継いで借りる「居抜き」の場合は、厨房工事や厨房機器などの費用を低く抑えられることがあるので、開業資金は大幅に削減できます。

人件費は、スタッフ採用のほか、接客などの教育にかかる費用です。宣伝費は、お客様にお店を知ってもらうために必要な費用。チラシの印刷やホームページの制作・運営費などが含まれます。なお、小規模の店舗なら従業員は自分と家族だけといった少人数で始められるので、低く抑えることが可能です。

また、開業してから経営が軌道に乗るまでの間の運営資金も必要です。最低でも6ヵ月分は用意しておきましょう。

また、居酒屋をフランチャイズで開業・経営してみたいという方は下記記事にて紹介しているフランチャイズで開業した場合の必要資金をチェックしてみてください。

居酒屋フランチャイズの開業・運営に必要な資金とは

一般的な飲食店と居酒屋の開業資金を比較

居酒屋は、「飲食業」に分類されます。簡単に言えば、カフェや喫茶店・レストランなどと同じ業種です。

では、居酒屋は他の飲食店の開業資金と比べるとどうなのでしょうか? 物件費・人件費・広告費・運営資金などを含めた平均的な開業資金は、以下のようになります。

  • 居酒屋:1,500万円
  • カフェ・喫茶店:600万円
  • レストラン:900万円

居酒屋の場合、厨房の工事費が高額になるため、必然的に開業資金が高くなってしまいます。ただし、居抜きで店舗取得した場合は、この工事費および設備費を大幅に削減できるので、1,000万円以下での開業も可能です。これは、他の飲食店でも同じこと。居抜きであれば200万〜500万円ほど開業資金を低くできます。

また、店舗の規模によっても開業資金は変わってきます。席数が10席ほどであれば、物件取得費や毎月の家賃、人件費を低く抑えられるため、開業資金が低くなります。逆に、30席、40席以上の大規模店舗となると、大幅に開業資金が高くなります。居酒屋の場合、立ち飲み店にすれば店舗の規模を小さくできますし、回転率アップも狙えます。ゆったりした空間をウリにするカフェや喫茶店ではできない運営形態です。

くわえて、業態によっても開業資金は変わります。レストランならばカレー専門店やステーキ専門店というように、メニューを特化することで設備費を低くすることができます。居酒屋であれば、焼き鳥専門店やたこ焼き専門店などにすればいいわけです。

居酒屋は他の飲食店に比べ開業資金が高いと言われていますが、工夫次第で開業資金を抑えることができます。いろいろな可能性を試して、自分にあった開業方法を模索することも必要です。

居酒屋の経営に必要な費用

居酒屋の経営に必要な費用は主に、食材費・人件費・家賃・光熱費・広告費で、店舗の規模などによって大きく変わりますが、一般的には売上の90%が経費だと言われています。
その内訳は以下の通りです。

項目 比率
食材費 約30%
人件費 約30%
家賃 約10%
光熱費 約10%
広告費など 約10%

また、日本政策金融公庫では居酒屋の経営指標として売上高や売上原価率、人件費・諸経費の売上高比率の目安が記載されているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

項目 売上高または売上高比率
従業員1人当たりの売上高(月間) 106.2万円
店舗面積3.3㎡当たりの売上高(月間) 16万円
売上原価 32.4%
人件費 36.0%
諸経費 29.9%

参照:創業の手引、創業のポイント集「創業ポイント集(居酒屋)」 | 日本政策金融公庫

居酒屋と他の飲食店を比べてみたい方はこちらもチェック!

居酒屋と同じ飲食店が経営できるフランチャイズ一覧はこちら

居酒屋の開業・経営に必要な資金の調達方法

居酒屋の開業・経営に必要な資金の調達方法

居酒屋を開業するには、物件や設備投資などに多額の資金が必要になるので、資金調達が必要になるケースが多いです。金融機関からの借り入れのほかに、自治体などが実施している助成金・補助金や開業支援もあるので、どの調達方法が適しているのかをしっかり見極めるよう心がけましょう。

初めて独立するという場合は、比較的ハードルの低い政府の金融機関「日本政策金融公庫」からの融資で資金調達をするケースが多いです。

居酒屋の開業にはこのようなステップがあり、状況に応じてすべきことや流れも異なります。時間がかかる場合も想定して、時間に余裕をもって開業準備を進めるようにしましょう。

「自己資金が少なくて不安…」という方は、下記の記事も参考にしてみてください。

自己資金なしで開業資金の融資は可能!自己資金に含まれるものとは

\低資金開業や資金調達サポートが可能な本部も!/

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居酒屋の経営は儲かる?開業後の年収目安

居酒屋の経営は儲かる?開業後の年収目安

居酒屋の経営を始めるにあたって、果たして儲かるのか、どのくらいの年収が得られるのかも気になるところ。

個人経営の居酒屋の場合、年収は300~2,700万円、平均年収は約600万円とも言われています。
国税庁が発表した「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、国民の平均給与は443万円ということから、居酒屋の経営は儲かりやすいビジネスだということが分かるでしょう。

参照:令和3年分 民間給与実態統計調査 | 国税庁

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居酒屋の経営に必要な資格や届出

居酒屋の経営に必要な資格や届出

居酒屋の経営を始める前には、必要な資格や届出をしっかり確認することも大事です。
それぞれ解説します。

居酒屋経営に必要な資格

居酒屋に限らず、飲食店では「食品衛生責任者」の資格を持つ人が必要になります。調理師や栄養士の資格を持っている人は、食品衛生責任者の資格も認められるので、別途取得する必要はありません。「調理資格者がいないと飲食店は営業できない」というのは勘違いです。特に、個人経営の飲食店では調理師がいないところも多くあります。

必須の食品衛生責任者の資格は、調理や食品提供などが衛生的に行われるように管理するためのもの。資格取得は、各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講する必要があります。受講料は約1万円。1日受講すれば取得可能です。なお、全国共通の資格のため、どの都道府県で取得しても全国で開業できます。

また、収容人数が30人以上の店舗の場合は、「防火管理者」を選任する必要があります。防火管理者は、消防法により業種や規模によって選任が義務づけられている資格。日本防火・防災協会開催の講習を受講することで取得できます。店舗の延べ面積が300㎡以上の場合は甲種講習となり2日で約10時間、300㎡未満の場合は乙種講習となり1日約5時間。受講料は甲種講習が8,000円、乙種講習が7,000円となります。なお、管轄の消防署で講習を受けることも可能。消防署が開催している場合は日程や料金が異なるので、問い合わせをしましょう。

簡単に言えば、絶対に必要な資格は「食品衛生責任者」。そして30人以上の規模の店舗の場合は「防火管理者」が必要ということになります。

居酒屋経営に必要な届出

居酒屋をはじめ飲食店を開業するには、「飲食店営業許可」が必要となります。これは保健所に提出するもので、厨房や食器棚、空調、トイレなどの細かい規定があります。メインとなるのは衛生面。流しや手洗いの位置、厨房と客席が分かれているかといった部分を重点的にチェックされます。申請する際には、店舗着工前に設計士と一緒に所轄の保健所に事前相談に行きましょう。

事前相談でOKとなったら、申請に移ります。店の見取り図や食品衛生責任者手帳、手数料が必要です。手数料は自治体により差がありますが、およそ1.5〜3万円ほどです。郵送では受け付けていないので、保健所に出向く必要があります。

申請後、保健所の職員により店舗検査があるので、店舗の工事が終わる2週間ほど前に申請をしておくと、開業までスムーズに行えます。

そのほか、収容人数30人を超える店舗の場合は、先の述べた「防火管理者」を選んで消防署に届ける必要があります。なお「収容人数」とは、客だけではなく従業員も含まれます。客席が28人、スタッフが2人働いているという場合は必要になるので届け出が必要です。

また、深夜0時以降もアルコールを提供する場合は「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を警察署に提出する必要があります。

居酒屋と同業種のFCも比較・検討してみてはいかがでしょうか

居酒屋の開業方法と経営開始までの手順7ステップ

では実際に居酒屋の経営を始めようとしたとき、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。
まずは居酒屋の開業方法についてご紹介したあと、経営開始までの手順と詳細を解説していきます。

居酒屋の開業方法

居酒屋の開業方法

居酒屋開業には、以下の2つの選択肢があります。

  • 自分でゼロから開業する
  • フランチャイズ(FC)で開業する

自分でゼロから開業する場合は、自分の思い通りのコンセプトで店舗運営ができ、利益幅も大きいという点がメリットです。しかし、全て自分で手配しなければならない上にコンセプト作りに失敗してしまうと思うように売上や利益を出せないというリスクを抱えています。

フランチャイズ(FC)で開業する場合、フランチャイズ本部のネームバリューに加え、営業マニュアルやメニューなど本部の支援を受けられ、初心者でも比較的簡単に出店できるメリットがあります。しかし、加盟料やロイヤリティなどの負担が発生するため、一気に大儲けすることは期待できないのがデメリットです。

それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

自分(個人)でゼロから居酒屋を開業するメリット・デメリット

自分で店を持つことは、誰もが一度はロマンを感じたことがあると思います。自分で居酒屋を開こうと決意してから、じっくりと考えてまとめ上げたコンセプトは魅力的ですよね。それに基づいて店舗の立地場所を決め、店の内外装を決定し、こだわったメニューを開発するなど、店に込めた思いは本人にしか分からないことです。自分で決めたコンセプトがお客様に受け入れられて、愛されるというのは嬉しいことでもあります。

居酒屋の大きなメリットの一つが「高い利益率」です。ビールや日本酒、焼酎、ウイスキーなどのアルコール類はもちろん、焼き鳥やフライドチキン、刺身などの料理も仕入れコストの2〜3倍で提供できるため、かなりの利益が期待できます。また、フランチャイズに加盟すると必要になる加盟料やロイヤリティも不要です。

一方デメリットとしてあげられるのが、開店前の膨大な準備作業。店舗取得から各種届け出、店内の改装、仕入れ先の手配やメニューづくり、営業マニュアル作成、スタッフ教育、宣伝・広告などなど、全て自分がこなす必要があります。

開店にこぎつけたとしても、フランチャイズのようなチェーン店ではないため、軌道に乗せるまでが大変なこともデメリットです。客層が立地場所と合わなかったり「高い」「まずい」といった噂が広まってしまうと、客足が遠のいてしまうこともあります。コンセプト作りがいかに大切かということを痛感されるでしょう。

フランチャイズ(FC)で居酒屋を開業するメリット・デメリット

対極的なフランチャイズで開業するメリット・デメリットについては、前述の個人で開業するメリット・デメリットをそのまま逆にすると分かりやすいでしょう。

個人開業のデメリットである「開店前の準備作業が大変」という面は、メニューや営業マニュアル、社員教育などかなりの部分がフランチャイズ本部からの支援を受けることができるので、とても楽になります。

ネームバリューの問題も、フランチャイズ本部のチェーン店の名称が使えるので、かなり解消されるはず。コンセプトの面では、パッケージ化されたフランチャイズ本部の運営システムを導入するため、頭を悩ませる必要がありません。

すでに確立されているフランチャイズ本部のシステムに従って営業するので、安定した経営が期待できるのは最大のメリットと言えます。

一方で、メニューなどは本部主導で作られるので店舗の独自色を出すことはできません。最大のデメリットは、本部に支払う加盟料やロイヤリティです。FCに加盟して起業を考えている方が一番気になっているポイントでしょう。

加盟料とは、フランチャイズ加盟の際に商標の使用や営業ノウハウの指導などへの対価として支払う費用。金額はFCにより幅がありますが、数十万円から数百万円。場合によっては加盟保証料が発生する場合もあります。

ロイヤリティとは、一般的に売上に応じて決められたパーセンテージの金額を毎月支払うもの。最近では「月額固定」や「ロイヤリティ不要」というフランチャイズもあるので、チェックしてみましょう。

ロイヤリティのパーセンテージはフランチャイズによってさまざまです。売上総利益高に応じて細かく設定されている本部もあります。

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居酒屋のオーナーになるための開業手順7ステップ

居酒屋のオーナーになるための開業手順7ステップ

居酒屋を開業するには、主に下記7つの手順が必要です。

1.居酒屋のコンセプトを決める
2.コンセプトに合わせた料金・メニューなどを決める
3.具体的な事業企画を立てる
4.資金を調達する
5.居酒屋の物件確保と設備などを準備する
6.居酒屋開業の資格取得や届出をする
7.スタッフ採用や集客のためのPR依頼などの手配をする

これらの手順のなかで最重要と言っても過言ではないのが、「居酒屋のコンセプトを決めること」です。
誰にどのような商品やサービスをどのように提供するかを考えることで、このコンセプトによって居酒屋を開業する立地から店舗の内装、メニュー、料金設定などが全て決まっていきます。居酒屋経営における軸となる部分なので、しっかり考えて決めるようにしましょう。

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居酒屋経営のメリット・デメリット

居酒屋経営のメリット・デメリット

居酒屋は、他の飲食店に比べさまざまなメリットがあります。経営面では、利益率が高いこと、そして売上の多くを現金で即日回収できることが挙げられます。短期間で経営を安定させたいという場合、居酒屋は適していると言えます。

それだけではありません。居酒屋業界は小規模店舗でも採算が見込めること、価格競争になりにくいこと、メニューによる差別化ができることもメリットに挙げられます。

一方、居酒屋の経営にはリスクも存在します。利益幅が大きい商売だけに、顧客獲得がうまくいかなければ居酒屋の商売が成り立たないこと。特に立地条件が重要なポイントとなります。加えて、食中毒の心配があることも忘れてはいけません。
ここでは居酒屋経営のメリット・デメリットを紹介していきます。

居酒屋経営のメリット

居酒屋経営のには利益幅が大きいという点がメリットに挙げられますが、この利益率の高さを支えているのが「粗利率」です。粗利とは、仕入れ原価や家賃、人件費などの必要経費を引いたもの。たとえばビールの大瓶1本の仕入れは、高くても250〜300円。それを居酒屋で提供する場合は450〜550円となります。250円で仕入れたビールを500円で提供すれば、2倍となるわけです。焼き鳥などの料理も、食材に少し手を加えるだけで2〜3倍の値段になります。これが居酒屋の最大のメリットと言えます。

居酒屋経営のもう一つの大きなメリットが、資金効率の良さです。飲食店に限らず、どんな業種でも開店時から黒字経営ということはありません。経営が軌道に乗るまで数ヵ月から1年ほどかかるのが普通。そのため、運営資金が不足する傾向があります。

その点、売上をその場で回収できるのはメリットとなります。味・価格・メニューの三拍子が揃い、常連客をつかむことができれば、一気に経営を軌道に乗せることができます。また、小売店の悩みの種である「万引き」の心配がないことも魅力です。ただし、食い逃げには注意しましょう。

居酒屋経営のデメリット

居酒屋経営には以上のようなメリットがありますが、常に「お客様が来てくれなかったら…」という不安がつきまといます。いくら粗利率が高いからといっても、味やメニューがお客様に受け入れられずに売上が上がらなければ、利益にはつながりません。くわえて、厨房設備や内装、電気工事など、店舗にかかる開業資金が高いということもデメリットです。

そのほかにも、深夜まで及ぶ仕事のため身体的な疲労が蓄積しやすいことと、酔っ払ったお客様への対応など、他の飲食店にはないデメリットも存在します。

また、食中毒を出したら即営業禁止処分になるという点も注意が必要。これは、居酒屋だけではなく飲食店全般に関することなので、衛生面に関しては細心の注意を払いましょう。

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居酒屋経営で陥りがちな失敗例

居酒屋経営で陥りがちな失敗例

自分のお店を持つことに憧れて居酒屋を開業する方も多いですが、経営するにあたって気をつけておきたいポイントもしっかり確認しておきましょう。
こちらでは、居酒屋経営で陥りやすい失敗例を3つ紹介します。

独りよがりの店舗づくり

居酒屋経営で陥りがちな失敗例として、まず独りよがりの店舗づくりが挙げられます。

「自分の理想のお店をつくりたい」と考える方も多いと思いますが、オーナーの理想ばかりを追及してしまいターゲットや客層に適した商品・サービスを提供できなければ、お客様はどんどん離れていってしまいます。

集客できないと経営が傾いてしまうので、お客様が求めている商品・サービスを提供できる店舗づくりを心がける必要があるでしょう。

また、居酒屋の経営を始める前には、なかなか良い物件が見つからない、手続きで躓いてしまう、想定より費用がかさんだなど、予期せぬできごとが起きる可能性もあります。特に初めて居酒屋を開業するという場合には、先輩経営者などにアドバイスをもらうなど、他人の意見を取り入れることも検討してみてください。

計画性のない資金計画

居酒屋の経営を始めるには、物件取得費や内装工事、厨房設備、電気工事費、人件費、広告費などさまざまな費用が発生します。

数百万円で開業できる場合もありますが、1,000万円またはそれ以上かかることもあるので、開業前に綿密な資金計画を立てておくことが重要です。

これを怠ると、実際に店舗をつくってみたら想定より大幅に予算オーバーしてしまい、開業後の資金繰りも困難になってしまうという事態も招きかねません。
目先のことばかりではなく、開業後のこともしっかり考えた現実的な資金計画を立てるようにしましょう。

工夫のない集客施策

居酒屋の経営を安定させるためには、集客が必要不可欠です。

ですが、居酒屋業界は飽和状態にあるため、ただお金をかけて集客施策を打てば良いというわけではありません。

ポスターやチラシ、ホームページを作成し、新規のお客様に居酒屋の存在や魅力を知ってもらう、ポイントカードやSNSを活用してリピーターを増やすなど、目的に応じて工夫することが大事です。

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居酒屋経営を成功させるポイント

居酒屋経営を成功させるポイント

居酒屋を開業する際、どんな店にしたいか、夢が膨らんでいることと思います。内装や提供するお酒の種類、それに合う料理。そして喜んでくれるお客様の笑顔を見て、思わずワクワクしてしまうことでしょう。

しかし、その夢を叶えるためには「どんな店」を「どこに出すか」というのが重要になります。要は店のコンセプトと立地条件が重要ということです。この2つがマッチすることが、居酒屋をはじめ飲食店、ひいては客商売の成功のカギとなります。ただし、この2つがマッチしたとしても成功するとは限らないのが商売の難しいところ。コンセプトが時代に合っていない、または間違った方向に向かっているような場合は、成功はあり得ません。ここではコンセプトづくりをはじめ、居酒屋経営を成功させるポイントについて解説します。

開業する居酒屋のコンセプトを考える

開業する居酒屋のコンセプトを考える

居酒屋と一言で言っても、お店の雰囲気や提供するメニューなどもさまざまです。
そのため、居酒屋を開業しようと決めたら、まずは店のコンセプトを考えましょう。居酒屋の場合、どんな客層をターゲットにして、どんな料理を提供するかが基本となります。

基本のコンセプトが固まったら、さらに次のようなことを決めていきます。

  • どこで?→出店エリア
  • どんな料理やお酒を?→メニュー
  • 誰に?→ターゲット客層
  • どのように?→売り方やスタイル
  • いくらで?→価格帯

このように、具体的に一つずつ分けて考えていくと、あなたの目指す「居酒屋像」が見えてくるはずです。

これにより、安くて多メニューの回転率で勝負するのか、少ないメニューで味で勝負するのか、基本的なコンセプトが決まってきます。前者の場合はある程度店の規模を大きくする必要があるため、安い食材の仕入れルートを確保することが必要でしょう。後者の場合は、経営者または料理人の腕が重要となります。このようにコンセプトが決まっていけば、ターゲットの客層や出店場所も絞られてくることでしょう。

また、あらかじめ出店場所が決まっている場合もあると思います。その場合は、コンセプトやターゲットの客層を出店場所に合わせ、メニューや規模、営業時間などを考えていく必要があります。

居酒屋開業の出店地選び

経営したい居酒屋のコンセプトが固まったら、次に考えるのは出店場所です。店のコンセプトと出店場所がマッチするかどうかが成功のカギを握ります。安いメニューで回転率を上げる場合は、駅の近くや繁華街などの人通りの多いところがいいでしょう。しかし、家賃が高くなってしまうのが考えどころです。かといって家賃の安い裏通りや駅から遠い場所では、高い回転率は期待できません。

対して、クオリティの高さで少ないメニューで勝負する場合は、多少立地条件が悪い店舗でも「隠れ家」として口コミで顧客が増える可能性が期待できます。

立地条件がいいと言っても、ライバル店が近くにある場合はたいへんです。それが安いメニューで勝負する店の場合は、価格競争に陥る危険性があります。

立地場所で重要視したいのが、「ターゲットにする客層との相性」。回転率の高さを狙うなら、大学や大学生向けのマンションなどが近くにある場所がオススメです。逆に、クオリティで勝負する場合は、学生街はなるべく避けるようにすべきです。高いメニューが売れないばかりか、学生たちが騒いだりすることで、常連客が離れてしまう可能性があります。

メニューを工夫する

メニューを工夫することも、居酒屋経営を成功させるためのポイントとして挙げられます。

居酒屋の経営を軌道に乗せるためには、利益率の向上が必要不可欠。そのため、「利益を出しやすいメニュー」を提供することが大事です。
利益を出しやすいメニューには、

  • アルコール類
  • サラダや漬物
  • 揚物(唐揚げやフライドポテトなど)
  • デザート(アイスクリームやケーキなど)

などが挙げられます。

ですが、利益率の高さばかりを気にしてしまうと先ほどご紹介した失敗例「独りよがりの店舗づくり」になりかねないので要注意。利益率が低いメニューがあっても、全体を通して利益率のバランスが取れれば良いので、その点も意識しておきましょう。

居酒屋経営者の成功事例を参考にする

居酒屋経営者の成功事例を参考にすることも、成功への近道です。
こちらでは、大手企業から独立して居酒屋の経営者になった脱サラさんのインタビュー動画をご紹介します。

【大手企業から独立⁈】成功と失敗:若手居酒屋オーナーが抱える悩みと成功する秘訣とは、、[密着ドキュメンタリー]

コロナ禍で初年度売上5000万円!恵比寿脱サラ飲食経営者が語る“成功の秘訣”

居酒屋経営者のリアルなインタビュー動画をもっと観たい方はこちら

フランチャイズに加盟して居酒屋を経営する

フランチャイズに加盟して居酒屋を経営することも、成功率を上げるポイントになります。

先述の通り、フランチャイズへの加盟には、本部からの支援が受けられることやネームバリューを活用した集客が可能など、居酒屋の経営を成功させられる要素が豊富にあります。

特に初めての独立開業という場合には、大きなメリットとなり得るでしょう。

居酒屋に限らず自分のお店を持ちたい方はこちらをチェック!

自分のお店を持てるフランチャイズ一覧はこちら

居酒屋経営の成功率が上がる!おすすめのフランチャイズ

最後に、居酒屋経営でおすすめのフランチャイズをご紹介します。
無料で資料請求できるので、気になる方はぜひご活用ください。

産地直送居酒家『浜焼太郎』

産地直送居酒家『浜焼太郎』は、お客様が自身で焼いて食べるスタイルの海鮮居酒屋を展開しているフランチャイズ本部です。

自己資金25万円~と、居酒屋フランチャイズのなかでも低資金で開業できる点が大きな強み。物件選定から内外装工事、メニュー開発、販売促進、スタッフ募集・育成まで本部が徹底的にサポートしてくれるので、業界未経験者でも安心して居酒屋経営を始められます。

博多かわ屋

『博多かわ屋』は、予約の取れない焼き鳥屋で話題のフランチャイズ本部です。

居抜き物件の活用によって初期投資を抑え、開業から2年という早期投資回収を実現できます。簡素化されたオペレーションによって、オーナー自身が店舗にいなくても居酒屋の経営が可能。職人も不要なので、未経験者でも開業できます。

秩父ホルモン酒場 まる助

『秩父ホルモン酒場 まる助』は、地元密着型のホルモン居酒屋を手掛けるフランチャイズ本部です。

独自の立地診断プログラムを活用した立地戦略や魅力的なメニュー展開が大きな強み。圧倒的な集客力や商品力のほかにも、ロイヤリティ3%という低コスト経営により、年商8,000万円以上も目指せます。

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居酒屋経営の成功には入念な事前準備が大事

今回は居酒屋開業・経営に関する必要な情報について解説いたしました。

居酒屋経営のメリットは、なんといっても利益率の高さです。そして売上をその日のうちに回収できることによる資金回転の良さ、そしてコンセプト次第で他店との差別化がしやすいことが挙げられます。

デメリットは、経営に失敗したときにリスクが大きいことと、まとまった開業資金が必要なこと、そして夜間営業がメインとなることです。

開業資金に関しては、200~1,000万円と幅が広く、こだわりが強いほど高額になる傾向にありますが、居抜き店舗を使うなどをすれば、大幅に開業資金を低くすることも可能。また、開業に伴い食品衛生責任者や防火管理者などの資格所有者が必要となります。そのほか、保健所や消防署などへの届け出も必要です。

居酒屋経営を成功させるためにも、今回ご紹介した

  • コンセプトづくり
  • メニューの工夫
  • 居酒屋経験者の成功事例を参考にする

などを意識してみてください。
居酒屋を自分で開業するか、フランチャイズで開業するかは、それぞれのメリット・デメリットを十分に理解した上で自分に合った開業方法を選びましょう。

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居酒屋の経営に関する記事

公開日:2022年01月07日

よくある質問

Q 居酒屋を開業・経営するメリット・デメリットは? 回答を見る
Q 居酒屋の開業・経営に必要な資金は? 回答を見る
Q 居酒屋の開業・経営に資格は必要? 回答を見る
Q 居酒屋を開業・経営する方法は? 回答を見る
Q 居酒屋経営を成功させるためには何が必要? 回答を見る