社会に必要とされる、「デイサービス」のフランチャイズとは?

公開日:2016年02月25日

多くの高齢者にとって、必要不可欠なサービスとなっているデイサービス。

フランチャイズビジネスとしても大きな可能性を持っていることから、新規参入を考えている方もいると思います。

ここではデイサービスフランチャイズの現状を他のフランチャイズも含めて説明しています。

目次

1. デイサービスのフランチャイズとは?         2. デイサービスと代表的な介護フランチャイズとの比較     3. デイサービスのフランチャイズと他業種との比較     4. デイサービスのフランチャイズのまとめ

1. デイサービスのフランチャイズとは?

デイサービスとは、「通所介護」と言われるように、利用者がデイサービスセンターなどの施設に通い、入浴や食事といった日常生活の支援や、リハビリによって生活機能を向上させるサービスを提供する介護方法です。

ここではデイサービスをフランチャイズで開業する前に知っておくべき、市場動向やビジネスモデル、運営ノウハウを紹介します。

1-1. デイサービスの市場動向

高齢者が増えていることから、介護ビジネスの需要は拡大しています。

デイサービス事業所数も増加していて、2013年には約1万件ほどだった事業所数が、2015年には事業所数が約4万件と2年で4倍に拡大しています。

事業所数拡大の主役は小規模なデイサービス事業所です。これは、これまでの特別養護老人ホーム等の「住居系介護」から、通所や訪問による「在宅介護」の充実が求められている背景があると言えます。

1-2. デイサービスのビジネスモデル

介護サービスの収入の9割は介護保険からの収入、つまり国から支払われます。ビジネスモデル的に言うと、「制度ビジネス」と言われ、確実に入金が期待できることから、安定した経営が期待できます。

ただし、安定した経営にはデイサービスの利用者の確保が必要です。一般的には介護支援専門員(通称:ケアマネージャー)のところへ訪問営業をおこない、施設をケアプランに組み込んでもらうための営業活動が必要です。

しかし、昨今のデイサービスの急増に伴い、訪問をすればすぐに入居者の紹介を受けるのは難しくなっています。

そこで、ケアマネージャーへのアピールポイントをまとめた集客支援ツールの提供や、ケアマネージャーへの告知活動を同行してくれるなど、ノウハウを基にしたサポートをおこなっているFC本部があります。

また、フランチャイズでの開業であれば、ネームバリューによる安心感で集客や安定的な利用も期待できます。

「具体的な集客支援」制度がある分、デイサービスフランチャイズは個人経営よりメリットがあると言えます。

1-3. デイサービスフランチャイズの開業資金

デイサービスをフランチャイズで開業する場合、どれくらいの開業資金が必要になるのでしょうか?
同じ介護系フランチャイズの中でも訪問型と違い、施設の設備費が必要になるため、デイサービスは開業資金が高くなる傾向があります。
必要な開業資金の内訳は大きく3つです。
①加盟金
②設備資金
③ランニングコスト

まず、デイサービスフランチャイズに加盟する場合、加盟金が必要になります。本部ごと、またデイサービスの規模によりその額は異なりますが、小規模デイサービスの場合、おおよそ、100万円~700万円前後と幅広くあります。この中に研修費や保証金が含まれているかも確認しておく必要があります。

一方、大型デイサービスの場合2,000~3,000万円と、初期投資は高額となります。どのくらいの規模のデイサービスを選ぶのかは、綿密なシミュレーションをおこないましょう。

それ以外に毎月かかるランニングコストも必要です。ランニングコストには本部に支払うロイヤリティーも含みます。ロイヤリティーは売上に対して支払う場合と固定料金として支払う場合などあり、本部によって変わるので確認しましょう。準備する金額は最低500万円程度は見ておきましょう。

1-4. デイサービスの店舗運営・集客ノウハウについて

デイサービスは事業として見た場合、店舗型ビジネスと言えます。店舗型ビジネスが成功するためには運営・集客が上手く機能する必要があります。特に集客が出来ないとビジネスの存続自体が難しくなるので、重要視すべきです。

「ビジネスモデル」の説明時にも触れましたが、デイサービスは利用者に直接営業をすることはできません。ケアマネージャーにケアプランのひとつとして組み込んでもらう必要があります。そのため、デイサービスフランチャイズのオーナーは、ケアマネージャーに対して営業活動をおこないます。

自分たちの施設を採用してもらうには、他施設との差別化ポイント、ケアマネージャーとの密なコミュニケーションのほかに、提出する「資料の精度」なども見られています。デイサービスをご利用いただいた方のご利用事例や、利用者に楽しんでもらえるための工夫ポイントなど、自分たちの施設を組み込んでもらうためのアピールが必要です。

通常の店舗型サービスとは異なり、デイサービスならではの集客手法が必要となるため、専門的なノウハウを持っている方が有利になります。この、業界ならではの知識を開業時から持つことができるのも、デイサービスフランチャイズへの加盟メリットと言えるでしょう。

2. デイサービスと代表的な介護フランチャイズとの比較

介護フランチャイズにはデイサービス以外にもいくつかの種類があります。ここでは、その代表的なものとして、訪問マッサージと配食サービスを取り上げて説明します。

2-1. デイサービスと訪問マッサージとの比較

介護フランチャイズの一つに「訪問マッサージ」があります。

訪問マッサージとは...

・身体が不自由で通院できない要介護者の家、施設に訪問し、マッサージ治療を行うサービス。

・施術を行うにはあん摩マッサージ、指圧師の資格が必要。

・施術を行わず、経営する立場の方は資格不要。

このような性質のサービスです。

そして、訪問マッサージは医療保険(健康保険)が適用されるので、一定の需要が見込めます。

ただ、利用回数を利用者側が決めることができないため(利用できる上限が決まっている)、経営的な視点から言うと厳しい面もあります。

また、マッサージを施術出来るのは「按摩マッサージの国家資格取得者」でなければなりません。そのため「人材確保」という点で難しさがあります。

一方、デイサービスと違い「店舗を持つ必要がない」ため、開業資金が150~350万円前後とデイサービスに比べて「低資金」で開業できるのは、訪問介護の良さとも言えます。

収益面では、平均月間収益が150~500万円と、デイサービスに比べて低い傾向にあります。

経営に専念をしたいという人よりは、資格取得者が一人で開業し「利用者が増えた時点で従業員を雇う」という自営業スタイルに向いているビジネスです。

あるいは訪問マッサージ単体でのサービスではなく、他の訪問型介護サービスやデイサービスを含めた複合的なサービスとするのも一つの方法です。

2-2. デイサービスと配食サービスとの比較

高齢者の食生活を支えるサービスとして期待されているのが「配食サービス」です。

2世帯家族は減少傾向にあり、高齢夫婦のみ、また一人暮らしの高齢者世帯にとって高いニーズがあります。

介護フランチャイズの中でも、介護系の「専門的な資格」や「技術」は不要。店舗を構える必要もないため低資金で開業できるフランチャイズが多く、本部によっては「0円」開業も可能です。

決まった時間にお弁当をお届けするビジネスなので時間のリズムがつくりやすく、本業はもちろんサイドビジネスとして配食サービスをおこなう人もいます。

デイサービスフランチャイズと事業を併用することで、介護業界をより多角的に網羅できることからも、注目したいビジネスです。

3. デイサービスのフランチャイズと他業種との比較

ここではデイサービスフランチャイズと他業種のフランチャイズを比較することで、デイサービスフランチャイズの特色を浮かび上がらせたいと思います。

3-1. デイサービスと飲食業との比較

店舗型のフランチャイズという点、接客サービスという点では飲食業もデイサービスもある意味、似ている側面があります。

「家族との大切な時間を楽しい食事で彩りたい」ということであれば、「デニーズ」や「やよい軒」のようなファミリーレストランを利用し、会社の同僚と一日の労をねぎらいに「やきとり大吉」や「赤から」で一杯というように、美味しい食事と憩いの場を提供するのが飲食店です。

一方、デイサービスが用意するのは「高齢者の、健康的で当たり前な生活支える」ための空間。入居者がどれだけ元気な笑顔を見せてくれるかこそが、デイフランチャイズに求められるものです。

同じように店舗を構え、社会インフラと言っても過言ではない両サービスですが、お客様が求めるものは大きく異なります。

一期一会の出会いや、気心の知れた常連さんとの会話を求めるならば飲食店を、家族のように穏やかな時間を共にし、入居者と心を通わせるコミュニケーションを理想とするならデイサービスをおすすめします。

3-2. デイサービスと小売業との比較

街のインフラとも言える「コンビニ」や、鎌倉時代から続く由緒正しい「買取ビジネス」に代表される小売業もまた、デイサービスと同様、店舗を構えたサービスです。

小売業は品物を販売して対価を得るビジネス。

「お客様はどのような商品を求めているのか」「思わず手に取りたくなる陳列は?」など、来店者のニーズを予測し、並べる品や仕入れ量を決めていく「経営力」が試されます。

デイサービスフランチャイズも同じく経営力は求められますが、小売ビジネスとの違いはメインとなる客層です。

「新規顧客」相手に経営センスを発揮していきたいということであれば小売ビジネスを、「既存顧客」との繋がりを大切にしたいのであればデイサービスを選ぶと良いでしょう。

4. デイサービスのフランチャイズのまとめ

デイサービスフランチャイズのポイントをまとめました。

・少子高齢化に伴い「住居系介護」から、通所や訪問による「在宅介護」の充実が求められているため、デイサービスは需要増加が考えられる。

・介護保険からの収入が大半を占めるため「制度ビジネス」と言われる。

・ケアマネージャーのプランに取り込んでもらうことが入居者募集に繋がる。

・店舗が必要なため、開業資金の自己資本として500万円以上は必要と言われる。

・飲食業や小売業のフランチャイズと比べて、「人との繋がり」がより強く感じられるのもデイサービスの特徴。

以上のように、デイサービスフランチャイズは多くの開業資金が必要になりますが、高齢化が進展する中で大きな可能性を秘めたビジネスと言えます。

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