不動産のフランチャイズを始めるのに必要な準備

最終更新日:2020年05月27日

不動産ビジネスは、個人で一から開業する方法より店舗運営のノウハウや経験がない方でも開業しやすいフランチャイズが人気です。

そこで今回は、不動産フランチャイズの費用や特徴、準備、本部選びのポイントなど、不動産フランチャイズを始める前に知っておきたい情報をまとめました。おすすめのフランチャイズ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

不動産フランチャイズの費用

不動産フランチャイズの特徴

不動産のフランチャイズを始めるときの準備

不動産フランチャイズ本部選びのポイント

おすすめのフランチャイズ

不動産フランチャイズの費用

ここでは、不動産のフランチャイズでかかる開業資金(初期費用)と運営資金について解説していきます。
フランチャイズ本部や業態などによって費用は異なります。

開業資金(初期費用)

不動産フランチャイズを始めるために必要な開業資金(初期費用)は、約510万円です。

本部に支払う加盟金や保証金のほか、店舗関連費、資格・免許取得費、システム導入費などが必要です。

不動産と一言で言っても、個人・法人向け、賃貸・売買・管理などさまざまな業態があります。フランチャイズ本部が取り扱っている業態や店舗の有無などによっても費用が大きく変わるので、事前にしっかり確認することが大事です。

運営資金

不動産フランチャイズの運営資金は、1ヵ月で約720万円です。

賃貸料や人件費、システム利用料、ロイヤリティなどが発生します。

不動産のフランチャイズの場合、業態によっては自宅や小スペースでの開業が可能なので賃料は比較的抑えられます。

また、人件費に関しては売上の30~40%程度ですが、資格保有者を雇う場合には人件費が膨らむ可能性も考えられます。

ロイヤリティに関しては月額固定制が多く、月々10~30万円の支払いが発生します。売上に対して変動する歩合制を採用している本部もあり、3~6%で設定されていることが多いです。

そのほか、物件や顧客、業者、契約などを管理するWebシステムを導入する場合、毎月10万円程度のシステム利用料が必要です。

こちらの記事でも不動産フランチャイズの開業資金(初期費用)や運営資金について詳しく解説しています。

不動産フランチャイズの開業・運営に必要な資金について詳しく見る

不動産フランチャイズの特徴

ここでは不動産フランチャイズの特徴として、サービス内容やメリット・デメリットについて解説していきます。

サービス内容

不動産フランチャイズの主なサービス内容は以下の通りです。

  • 物件の管理
  • 集客
  • 賃貸・売買の仲介
  • 売上管理

業態や本部のサポート内容によってオーナーの仕事も異なります。

専門的な知識が必要な場合もありますが、フランチャイズの場合は研修を受けたり、有資格者の雇用で対応したりなどフォロー体制が整っているので、未経験者でも開業可能です。

メリット

不動産をフランチャイズで開業するメリットを3つご紹介します。

■ネームバリューによる集客力

不動産をフランチャイズで開業するメリットとして、本部のネームバリューによる集客力を利用できることが挙げられます。

全国的に知名度のあるフランチャイズ本部であれば信頼性も高く利用してもらいやすいので、オーナーに経験や実績がなくても開業直後からある程度の集客が見込めます。

高額な取り引きが多く何よりも信頼が大事な不動産ビジネスにおいて、フランチャイズでの開業は大きなメリットになると言えるでしょう。

■ノウハウ提供による安定経営

本部のノウハウ提供による安定経営が実現できるのも、不動産フランチャイズのメリットの一つです。

開業前には、不動産の経営に関するノウハウを研修を通して学ぶことができます。

成功・失敗問わずさまざまな事例をもとに確立されたノウハウを提供してもらえるので、個人で一から独立するよりはるかに安定した経営が実現しやすいと言えます。

■システムによる業務サポート

不動産ビジネスでは、物件や顧客、業者、契約の管理など、さまざまな業務が発生します。

フランチャイズの場合、これらの機能を搭載したWebシステムによる業務サポートを行っている本部も多く、オーナーの業務負担を軽減することが可能です。

煩雑な業務も多いビジネスでもありますが、フランチャイズなら本部から提供されるWebシステムを導入するだけで業務効率化が図れるというメリットがあります。

デメリット

次に、不動産フランチャイズのデメリットを2つご紹介します。

■出店地域が制限される

不動産フランチャイズは、加盟店同士の競争を防ぐためにエリア制を採用している本部が多く、出店地域が限定されているケースも珍しくありません。

既存店舗の半径何メートル以内には出店ができないなど、本部独自のルールがあるので、希望エリアでの開業ができない可能性も考えられます。

加盟するフランチャイズ本部を検討する段階で、希望エリアでの開業ができるかどうかをしっかり確認しておくと安心でしょう。

■ロイヤリティが負担になることも

不動産フランチャイズは月額固定で設定している本部が多いので、売上によってはロイヤリティの支払いが負担になってしまうこともあります。

しっかり売上や利益が出せるビジネスモデルになっているか、収益シミュレーションを十分に行うなどして見極める必要があるでしょう。

成功・失敗のポイント

不動産フランチャイズの成功・失敗のポイントを3つご紹介します。

■他社との差別化

特に競合が多いと言われている不動産仲介業では、他社との差別化が成功するための重要なポイントです。

具体的には、家賃保証の拡充や空室リスクへのサポートなどの家主向け、高齢者に特化したサービスや土日のサポート、保証人不要の物件紹介などの入居者向けのサービスが考えられます。

時代の変化とともにニーズも刻々と変わっていくので、いかに柔軟な発想で差別化を図れるかが大切だと言えるでしょう。

■現実的な事業計画

不動産をフランチャイズで開業する前には、事業計画書の作成が必要不可欠です。

本部からシミュレーションデータを提供してもらうこともできますが、売上や利益が保証されているわけではないので、自信でしっかり調べて事業計画を立てることが大切です。

事業計画書作成に必要な項目をただまとめるだけでなく、現実的な内容になっているかまで注意して作成することで、成功に近づきやすくなるでしょう。

■システム導入

管理会社との情報交換や仲介物件の広告情報の登録など、さまざまな業務が発生する不動産ビジネスでは、いかにスピーディーに業務を進められるかも成功のポイントとなります。

そこで有効なのが、これらの業務を一元管理できるシステムの導入です。

管理戸数が増えたら、お金に余裕が出たら、従業員が増えたらと先延ばしにすると気づいたときには多忙過ぎて導入・うまく活用できないなどの可能性も考えられるので、開業時に導入するのが得策でしょう。

不動産フランチャイズを始めるときの準備

不動産フランチャイズを始めるときの主な準備は、店舗と採用・教育、資格・免許です。
資格・免許に関しては不動産の業態によって異なるので、十分な確認が必要だと言えます。

店舗

不動産フランチャイズを始める際にまず必要なのは、店舗の準備です。

小規模であれば自宅でも開業することは可能ですが、ある程度の規模での経営を考えている場合には、自宅とは別に店舗を構えるほうが良いでしょう。

店舗に関する費用は立地や規模、内外装工事の程度などによって大きく変わります。

採用・教育

不動産フランチャイズは1人からでも開業することはできますが、従業員を雇う場合は採用・教育を行います。

また、オーナー自身も不動産や店舗運営のノウハウを学ぶため、本部が実施している研修に参加する必要があります。

資格・免許

不動産フランチャイズは、役割によって必要な資格・免許が異なります。
主な資格・免許は以下の通りです。

資格名 概要
宅地建物取引士 不動産の売買・仲介
宅地建物取引業免許 宅地建物取引業の経営
マンション管理士 管理組合へのコンサルティング
管理業務主任者 管理組合への指導・重要事項の説明
不動産鑑定士 不動産の価格調査
土地家屋調査士 不動産の測量と表題登記

不動産の売買・仲介を行う場合は、「宅地建物取引士」と「宅地建物取引業免許」の2種類が必要です。

宅地建物取引士は開業する都道府県で指定の試験に合格し、2年以上の実務経験がない場合には合格後に実務講習を受ける必要があります。
宅地建物取引士の資格取得、または資格保有者の設置完了後、各都道府県の担当窓口に申請することで宅地建物取引業免許を取得できます。

宅地建物取引士は従業員5人のうち1人配置する義務があるなど、仕事内容によって配置人数が異なるので、開業前にはしっかり確認しておきましょう。

不動産フランチャイズ本部選びのポイント

不動産フランチャイズの本部選びで重要なポイントは、大きく以下の3つが挙げられます。

  • 知名度や実績があるか
  • 本部のサポート体制
  • 信頼できる本部か

まずは、フランチャイズ本部に知名度や実績があるかどうかです。
不動産をフランチャイズで始める最大のメリットは、本部の知名度を利用した経営が可能なこと。知名度が高いほうが安心して利用してもらいやすく、集客力にも期待ができます。
知名度だけでなく、加盟店舗数や継続率が高いなど、実績のあるフランチャイズ本部を選ぶとより安心です。

また、本部のサポート体制も選ぶ際の重要なポイント。
日々の業務負担を減らすWebシステムの提供を行っている本部もあるので、研修制度や開業前後のサポートとあわせて確認しておくと良いでしょう。

そして、忘れてはいけないのが信頼できる本部かどうか。
不動産業界で問題視されているおとり広告を出していないか、話をしっかり聞いてくれるかなど、本当に誠実なフランチャイズ本部であるかを見極めることが重要です。

おすすめのフランチャイズ

アパマンショップ

アパマンショップは、全国に1,000店舗以上展開する大手の不動産フランチャイズ本部です。

賃貸物件検索サイトやCM、情報誌などによる安定した集客が大きな強みとしています。

研修制度やWebシステムによる業務支援、加盟店への情報提供サービスなど、本部サポートも万全です。

アパマンショップについて詳しく見る

エイブル

エイブルは、不動産仲介や管理事業を展開するフランチャイズ本部です。

長年培った店舗運営ノウハウを余すことなく提供。各種研修や販売促進支援も充実しています。

異業種からの参入実績が多いのも特徴の一つです。

エイブルについて詳しく見る

ホームメイト

ホームメイトは、テレビCMやインターネットなどのさまざまなメディアでの広告展開を強みとしている不動産フランチャイズ本部です。

業務支援システムの導入やシステム専用のサポートデスクの設置、業務に関するマニュアル・コンテンツの提供など、本部サポートも充実。

店舗運営をしっかりサポートしてもらえるので、安心して開業できます。

ホームメイトについて詳しく見る

公開日:2020年04月17日