ハンバーガー店のフランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
最終更新日:2024年09月20日

ハンバーガー店のフランチャイズ開業では、数千万円単位の資金が必要になります。
ただし、加盟先やビジネスの規模によっては削減できる費用もあるので、少しでも費用を抑えたい方は、各コストの内訳をしっかりと理解しておくことが大切です。
そこで今回は、ハンバーガー店のフランチャイズを始めるために必要な加盟金などの開業資金(初期費用)、ロイヤリティなどの運営資金を詳しくご紹介。
ハンバーガー店のフランチャイズでの独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ハンバーガー店のフランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
ハンバーガー店のフランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安
ハンバーガー店のフランチャイズ開業に必要な資金の目安は、3,300~4,500万円です。
この費用は、開業資金(初期費用)と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。
開業資金のなかでは、物件取得費などを含む「店舗関連費」が最も大きなコストになります。
持ち込み物件がない場合は30~50坪程度の店舗に加えて、商品を作るための厨房機器や空調などの設備が必要になるため、少なくとも2,000万円程度の店舗関連費が必要になるでしょう。
また、運営資金のなかで特に高い費用としては、「人件費」と「材料費」の2つが挙げられます。
ハンバーガー店の運営では、この2つの費用だけで売上の50%以上を占めるケースが多いので、資金面に不安を感じている方はお店の規模などを慎重に検討しましょう。
<開業資金(初期費用)の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
加盟金 | 200~300万円 |
保証金 | 40~300万円 |
店舗関連費 (物件取得費・内装工事費・設備費など) |
2,000~2,500万円 |
資格取得・届出 | 3.0~3.6万円 |
研修費 | 0~50万円 |
合計 | 2,300~3,200万円 |
<運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 400~450万円 |
賃貸料 | 120万円 |
材料費 | 550万円 |
水道光熱費 | 60万円 |
販売促進費 | 0~75万円 |
ロイヤリティ | 15~60万円 |
合計 | 1,000~1,300万円 |
※原材料費は売上の37%、人件費は売上の26~30%と想定して計算を行っています。
※1ヶ月あたりの売上を500万円と仮定し、各項目を計算しています。
以下で一つずつ項目を解説していきます。
ハンバーガー店のフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)
ハンバーガー店のフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)としては、加盟金や保証金、店舗関連費、資格取得費、研修費などが挙げられます。
最も高い費用は店舗関連費ですが、そのほかの費用も加盟するフランチャイズによって大きく変わってくるため注意が必要です。
無理のない予算を組むために、以下で各費用の詳細をチェックしていきましょう。
加盟金
ハンバーガー店の開業に必要な加盟金は、200~300万円程度です。
加盟金とは、フランチャイズ本部への加盟時に一度だけ支払う費用のこと。
本部から提供されるノウハウやサポート、ブランド(看板)を使用するための「使用料」と考えるとイメージしやすいでしょう。
加盟金の金額は、本部のブランド力が高かったり、サポートが充実していたりすると高くなる傾向があります。
そのため、単に金額だけを比較するのではなく、各本部の集客力やサポート内容も加味したうえで、自分にぴったりな開業プランを選ぶことが大切です。
保証金
ハンバーガー店のフランチャイズ開業では、40~300万円程度の保証金も発生します。
保証金とは、フランチャイズの加盟者が本部に預ける一時金のこと。
保証金は契約の満了時に返還されますが、仮に仕入れ債務やロイヤリティの支払いが滞ると、その不足分が保証金から差し引かれてしまいます。
業種によっては保証金が発生しない開業プランも多く見受けられますが、ハンバーガー店のフランチャイズではほとんどの開業プランに含まれるコストなので、その点も合わせて覚えておきましょう。
店舗関連費(物件取得費・内装工事費・設備費など)
一般的なハンバーガー店の開業時には、少なくとも2,000~2,500万円程度の店舗関連費が発生します。
なかでも「内外装費」は非常に高いコストであり、加盟する本部によっては内外装費だけで2,000万円程度のコストがかかります。
そのほか、物件取得費に含まれる敷金や礼金、空調などの設備費も忘れてはいけません。
店舗関連費は、開業する店舗の規模や加盟するフランチャイズによって大きく変わってくるので、その点を意識しながら慎重にビジネスプランを考えましょう。
資格取得・届出
ハンバーガ店をはじめとした飲食店では、「飲食店営業許可」の届出を提出する必要があります。
また、各店舗に「食品衛生責任者」を置くことも義務づけられているので、スタッフに資格取得者がいない場合には、オーナーが自らこの資格を取得しなければなりません。
また、収容人数が30名以上の店舗を運営するケースでは、「防火管理者の届出」も必要になります。
これらの資格取得費や届出にかかる費用を合計すると、少なくとも3.0~3.6万円程度のコストが発生します。
研修費
開業プランに研修制度が含まれている場合には、加盟時に30~50万円程度の研修費が発生します。
ハンバーガー店のフランチャイズ業界では、ほとんどの開業プランに研修制度が含まれているため、研修費はあらかじめ発生する費用と考えておきましょう。
研修内容は本部ごとにさまざまですが、期間については数週間~1ヶ月程度が一般的です。
また、加盟先によっては開業後にもサポートやアドバイスを受けられるので、運営面に不安を感じる方はそのような開業プランから検討してみましょう。
ハンバーガー店のフランチャイズに必要な運営資金
ハンバーガー店のフランチャイズに必要な運営資金としては、主に以下の6つが挙げられます。
- 人件費
- 賃貸料
- 材料費
- 水道光熱費
- 販売促進費
- ロイヤリティ
ハンバーガー店のランニングコストは種類が多いため、開業前に各費用の詳細をしっかりとチェックしておきましょう。
人件費
ハンバーガー店の運営では、「売上の25~30%程度」の人件費が毎月発生します。
そのため、毎月の売上を500万円と仮定すると、1ヶ月あたりの人件費は125~150万円程度になるでしょう。
人件費は従業員数によってある程度は調整できますが、あまりにも従業員を減らしすぎると、お店の回転率がガクっと下がってしまいます。
薄利多売のビジネスと言われるハンバーガー店において、回転率の悪さは致命的な欠点になりかねないので、人件費を無理に削減することは控えましょう。
賃貸料
ハンバーガー店の賃貸料は、「売上の8%程度」が目安となります。
つまり、毎月の売上を500万円と仮定した場合には、1ヶ月あたり40万円程度の賃貸料を想定しておくとよいでしょう。
賃貸料は、物件の選び方次第で大きく抑えられるコストです。
たとえば、古い物件や狭い物件、地方にある物件などは家賃が低めに設定されていますが、その代わりに集客力が低い恐れがあるため、安易に安い物件を選ぶべきではありません。
特に立地による集客効果・宣伝効果は経営面に大きな影響を及ぼすので、物件を取得する際には「周辺環境」も強く意識しておきましょう。
材料費
ハンバーガー店の運営では、材料費が最も高いランニングコストになります。
金額は店舗の規模によって変わりますが、「売上の37%前後」がひとつの目安になるでしょう。
したがって、毎月の売上を500万円と考えた場合は、1ヶ月あたり185万円程度の材料費が発生します。
材料費は確実に発生するコストですが、工夫次第では毎月の負担を大きく抑えられます。
たとえば、仕入れを調整して廃棄ロスを減らしたり、需要の低いメニューを削減したりすればある程度は節約できるコストなので、開業前に店舗の運営方法を見直しておきましょう。
水道光熱費
飲食店経営では毎月発生する水道光熱費も、軽視できないコストのひとつ。
こちらも店舗の規模によって金額は変わりますが、水道光熱費の目安は「売上の4%前後」となります。
つまり、毎月の売上を500万円と仮定すると、1ヶ月あたり20万円程度の水道光熱費が発生します。
ほかの費用に比べると金額はそれほど高くありませんが、特に空調機器を多く使う夏季・冬季は電気代が高額になりやすいため、運転資金としてきちんと確保しておくことが大切です。
販売促進費
多くの開業プランに販売促進費が含まれている点も、ハンバーガー店のフランチャイズでは覚えておきたいポイント。
販売促進費は「売上の2~4.5%」に設定されているケースが多く、仮に毎月の売上を500万円とすると、1ヶ月あたり10~22.5万円の販売促進費が生じます。
なかには販売促進費がかからない開業プランもありますが、そのような本部に加盟すると広告・宣伝を代行してもらえないので、どうしても開業時・開業後の手間が増えてしまいます。
本部に販促活動を任せたい方は、販売促進費が含まれている開業プランを選びましょう。
ロイヤリティ
ハンバーガー店のフランチャイズ運営では、売上の1%~4%にあたるロイヤリティが毎月発生します。
ロイヤリティとは、本部のブランドやノウハウ、特許などを使用するために支払う、いわゆる「使用料」のこと。
ロイヤリティにはいくつか計算方式があり、ハンバーガー店のフランチャイズ業界では売上に対する割合が固定された、「売上歩合方式」が多く採用されています。
ロイヤリティは本部にブランド力があったり、サポートが充実していたりすると高くなる傾向があります。
つまり、ロイヤリティの安さだけで本部を選ぶと、理想的な運営体制を築けなくなる恐れがあるので、本部の集客力やサポート内容も加味したうえで加盟先を選ぶことが大切です。
ハンバーガー店のフランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
ハンバーガー店をフランチャイズで開業する場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
(必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。)
今回は、1ヵ月あたりの売上高が約500万円の店舗をモデルに算出しています。
総粗利益高
185.0万円
=500万円(売上高)ー185.0万円(材料費)ー130.0万円(人件費)店利益
77.5万円
=185.0万円ー107.5万円(家賃や水道光熱費、ロイヤリティなど)
ハンバーガー店のフランチャイズ経営では、「売上高の12%前後」が最終的に残る利益となります。
そのため、1ヶ月あたりの売上高が1,000万円を超えれば、毎月100万円以上の利益を見込めるでしょう。
ただし、廃棄ロスなどの無駄なコストが多く発生すると、フランチャイズオーナーの利益は減ってしまいます。
また、加盟先によって月々のコストは大きく異なるので、候補となる開業プランを見つけたら、具体的な数値を当てはめて自身でもシミュレーションをしておきましょう。
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公開日:2020年07月28日