創業時に活用すべき融資制度!その制度の仕組みと申請方法

最終更新日:2020年12月04日

創業には多額の資金が必要となる場合が多いです。その際に利用できるのが創業融資制度です。創業融資制度のメリットや仕組み、申請方法、注意点などについて知っておくことで、創業のメリットを享受することが可能です。

目次|創業時に活用すべき融資制度!その制度の仕組みと申請方法

1 創業融資とは?       2 創業融資を受けるために必要なこと       3 そのほかの支援サービス     4 まとめ

1 創業融資とは?

創業融資制度とは、日本政策金融公庫や自治体などの公的な機関が行う融資制度です。新たに事業を始める人や、事業をスタートさせて間もない人が無担保・無保証人で利用できる融資制度です。通常、創業時には多額の開業資金が必要になります。しかしだれもが多くの開業資金を用意できるわけではありません。

1-1 創業融資とはどんな制度なのか

事業を始めたくても資金がないと始められない、という場合もあります。しかし創業の際に資金がないために、今後社会に貢献できる企業が生まれないのは残念なことです。創業融資はそのような問題を補い、チャンスを与えてくれる融資なのです。

1-2 新創業融資制度のメリット

新創業融資のメリットは、無担保保証で連帯保証人の署名が不要で、融資可能な点です。日本政策金融公庫の新創業融資制度においては、最大3,000万円まで融資が可能です。これは、経営者本人の連帯保証の署名も不要ということです。

さらに融資実行までの時間が約1か月と短いのもメリットです。自治体の創業融資においては、自治体、金融機関、信用保証協会といった3つの機関が関わるため、融資には約2か月かかります。

自己資金の割合が少なくても融資してもらえるという点もメリットのひとつです。通常、融資を受ける場合は、一定以上の自己資金割合が求められることが多いので、創業融資はそういった点においては有利となるでしょう。

新創業融資は起業・独立を積極的に支援しています。銀行や信金などの金融機関が貸し渋り融資に対して消極的なのに対して、新創業融資は積極的に起業・独立を支援し、新しいビジネスの育成に取り組んでいることがメリットです。

1-3 新創業融資制度のデメリット

メリットの多い創業融資ですが、デメリットも抑えておきましょう。日本政策金融金庫の創業融資制度を利用する場合は、自治体よりも金利が高いケースが多いです。自治体の融資の場合は、利子補給などさまざまな優遇措置を利用できるケースがあり、金利が安くなるというメリットがあるのです。

そうはいっても、一般的な金融機関から融資を受ける場合と比較すると、金利は十分に低いです。

2 創業融資を受けるために必要なこと

起業するための融資はできるだけスムーズに受けたいものです。そのためには、準備を怠らないことが大切です。必要なものは何か、どのような手順が必要なのか、といったことをしっかりと把握して漏れのないようにしましょう。また、創業融資を受けるには、熱意やしっかりとした事業計画、返済計画、さらになぜ資金が必要なのか、といった点も明確にしておくことが大切です。

2-1 必要書類の準備

創業融資を受けるためには次のような書類が必要です。
的確で具体的な書面による書類を提出することが大切です。その書面としては、1年間の売上や推移計画が分かる創業計画書、1年間の資産や負債がわかる資金繰り表、設備資金の見積書、さらに履歴事項全部証明書または法人の場合は登記簿謄本が必要です。

また、予定損益計算書が必要になることもあります。損益計算書は無理な数字を計上しても信用されないので、誠意を持って正直な数字を書くことが大切です。

2-2 創業融資の申し込み・面談

通常の企業融資の場合は、過去の実績や売り上げなどから経営者としての能力を判断するため、返済に関しても判断できるのですが、創業融資の場合、判断材料がありません。計画書に記載されている内容や、面接の態度などから判断されることになります。信頼を得るためにも、面接は重要です。

融資の面談においては、起業・独立の動機、したいこととできることが矛盾していないかといった内容や、どのくらいの期間で返済できるのかをしっかり伝えるようにしましょう。質問によっては急に返答できないこともあるでしょう。しかし、あせらず、正直に熱意を持って答えるようにしましょう。事業の社会的存在意義についても伝えることが大切です。

面接では具体的な使い道を伝え、そのためにはいくら必要か、といった内容も明確に伝えることが大事です。

2-3 創業融資を受けるまでのポイント

融資の面談において重要なことは、ひとつはビジネスモデルを分かりやすく伝えることです。融資をする人は、どのように返済してもらえるのか、ということが心配なわけですから、事業内容をより具体的に話し、理解してもらうことが必要です。説明資料を用意するのもおすすめです。

また、受けた融資の使い道やいくら使うのか、といった内容を明確にしておくことも、信頼を得るうえでは大切です。必要書類をもれなくそろえることはもちろん、熱意をしっかりと伝えるようにしましょう。

3 そのほかの支援サービス

融資の方法は創業融資だけではありません。自分にとって一番メリットが多く、適切な融資の方法を選ぶことが大切です。

3-1 地方自治体で実施しているもの

公的融資には、各都道府県や市区町村単位で実施しているものがあります。対象者や融資条件、申し込み要件などが多岐にわたっているので、それぞれの融資窓口に問い合わせてみましょう。申し込みはそれぞれの窓口からの申し込みとなります。

そのなかに、制度融資というものがあります。制度融資は地方自治体と信用保証協会、銀行などの金融機関が協力をして公的資金を融資する制度です。地方自治体によって、制度の内容や条件、利率などは多少異なりますので、それぞれの地方自治体に確認することが必要です。

制度融資の流れとしては、申し込みをしたあと金融機関が審査をして、信用保証協会に保証依頼を行います。信用保証協会は審査後、保証書を発行し承諾、金融機関が地方自治体の定めた内容によって融資を実行します。

3-2 その他の融資制度

銀行や信用金庫による融資制度もあります。銀行には都市銀行のほか地方銀行がありますが、メガバンクと呼ばれる都市銀行は大企業をメインとして取引をする傾向にあり、小規模な起業に対しては融資をしてもらえない可能性も高いです。

一方で、地方銀行は地元の中小企業を対象に取引をしています。特に第二地方銀行は、地元の優良企業のメインバンクとの取引が第一地方銀行になるため、低金利などの政策をとって、積極的な営業をしている銀行が多いです。

小規模の取引になる場合は、信用金庫や信用組合の方が向いているでしょう。担当者も積極的に相談にのってくれたり、細やかな対応やアドバイスをもらえたりすることもあります。

融資を受ける際には、信用してくれて、きめ細やかに対応してくれるといった点も大事です。そのような対応も含めて、どのようなところで融資を受けるか検討してみましょう。

4 まとめ

まずはじめに、創業融資制度についてご説明しました。これは、日本政策金融公庫などが事業を始める人に行う融資制度でしたね。この制度のメリットである、無担保保証で連帯保証人の署名が不要で、融資実行までの時間が約1か月と短い点はしっかり覚えておきましょう。

また、創業融資制度で融資をスムーズに受けるためには、必要な書類や手続きをしっかり把握しておくことが重要だとお話ししました。書類としては、事業計画書、1年間の資産や負債がわかる資金繰り表、設備資金の見積書などが必要になる他、担当者との面談に備えて、ビジネスモデルや資金の使用用途、返済期間などについて話せるようにしておきましょう。

その他の創業時の融資制度として、自治体や銀行や信用金庫による融資制度についてもご紹介しました。それぞれの特徴をしっかり理解し、うまく活用しましょう。

公開日:2020年12月04日