アーリーリタイアに必要な資金はいくら?年代別の目安や成功のコツを解説!

最終更新日:2022年10月24日

一日も早く悠々自適の暮らしを送りたい場合、アーリーリタイアは魅力的な選択肢です。ただし、気になるのは、資金がいくらあれば寿命まで困らずに生活できるかという点ですよね。

今回は、アーリーリタイアに必要な資金額を年代別に紹介するとともに、アーリーリタイアのメリット・デメリット、成功の秘訣などを解説します。アーリーリタイアを検討している方は参考にしてください。

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目次

まずアーリーリタイアとは

【年代別】アーリーリタイアに必要な資金

アーリーリタイア後の収入源

資金を貯めてアーリーリタイアするメリット

資金があってもアーリーリタイアで起こり得るデメリット

アーリーリタイアを成功させるコツ

アーリーリタイアにはいくら必要?まとめ

まずアーリーリタイアとは

本題に入る前に、「アーリーリタイア」の意味や、類似する用語の「セミリタイア」との違いを解説します。

アーリーリタイアの意味

アーリーリタイアとは、定年よりも早い年齢で仕事を辞めて引退することです。現在、少子高齢化が進み労働者人口が不足している状況を背景に、2021年4月からは、それまで60歳や65歳が中心だった正規雇用の定年を70歳に引き上げる努力義務が企業に課せられています。

そのため、以前であればスタンダードであった60代での退職も、定年が70歳に引き上げられればアーリーリタイアとみなされます。

セミリタイアとの違い

アーリーリタイアは早期退職後に働かず生活するライフスタイルである一方、セミリタイアは、リタイア後もアルバイトやフリーランスなど一定の収入を得ながら生活するライフスタイルです。セミリタイア後は、無理せず適度な収入を得ながら暮らしていきます。

【年代別】アーリーリタイアに必要な資金

【年代別】アーリーリタイアに必要な資金

アーリーリタイアを実現するのに必要な資金はどれくらいでしょうか。アーリーリタイアをする年代別に必要な資金額を解説します。なお、これらの金額はあくまで目安であり、世帯人数や生活水準などの要素により大きく異なる可能性があります。以下は全ての年代で共通する前提条件です。

  • 生活費の目安は「総務省の家庭調査報告(2020年)」の調査結果を参考に算出
  • 税金などの非消費支出は含めない
  • 寿命は88歳と仮定
  • 66歳から88歳までの生活費に関しては、65歳以上の夫婦のみの無職世帯からの消費

出典:令和3年簡易生命表の概況|厚生労働省,家計調査報告 家計収支編2020年(令和2年)平均結果の概要|総務省

30歳では1億7,000万円程度が必要

30歳でアーリーリタイアした場合、目安として1億7,000万円程度の生活費が必要です。前述の総務省の調査に基づき、以下のとおりに生活費を算出しました。66歳以上の生活費については夫婦のみの無職世帯からの消費支出と仮定しているため、65歳以下と66歳以上で計算を分けています。

  • 30歳から65歳まで:26万7,022円(1ヵ月分の生活費)×12(月)×36(年)=1億1,535万3,504円
  • 66歳から88歳まで:224,390円(1ヵ月分の生活費)×12(月)×23(年)=6,193万1,640円

以上の2つを合計した結果、30歳から88歳までは、1億7,728万5,144円の生活費がかかることになります。
 

40歳では1億4,000万円程度が必要

40歳でアーリーリタイアした場合、目安として1億4,000万円程度の生活費が必要です。前述の総務省の調査に基づき、以下のとおりに生活費を算出しました。66歳以上の生活費については夫婦のみの無職世帯からの消費支出と仮定しているため、65歳以下と66歳以上で計算を分けています。

  • 40歳から65歳まで:26万7,022円(1ヵ月の生活費)×12(月)×26(年)=8,331万0,846円
  • 66歳から88歳まで:22万4,390円(1ヵ月の生活費)×12(月)×23(年)=6,193万1,640円

以上の2つを合計した結果、40歳から88歳までは、1億4,524万2,504円の生活費が必要です。

50歳では1億1,000万円程度が必要

50歳でアーリーリタイアした場合、目安として1億1,000万円程度の生活費が必要です。前述の総務省の調査に基づき、以下のとおりに生活費を算出しました。66歳以上の生活費については夫婦のみの無職世帯からの消費支出と仮定しているため、65歳以下と66歳以上で計算を分けています。

  • 50歳から65歳まで:26万7,022円(1ヵ月の生活費)×12(月)×16(年)=5,126万8,224円
  • 66歳から88歳まで:22万4,390円(1ヵ月の生活費)×12(月)×23(年)=6,193万1,640円

以上の2つを合計した結果、50歳から88歳までは、1億1,319万9,864円​​の生活費がかかります。

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アーリーリタイア後の収入源

アーリーリタイア後の収入源

アーリーリタイア後の収入源には、どのようなものが考えられるでしょうか。一般的に老齢
年金が支給される65歳を境目として解説します。

65歳までは金融資産や退職金など

65歳までは、原則として公的年金からの給付は得られません。そのため、生活費を得るためには金融資産や不動産などからの不労所得を得るのが最善です。退職金や企業年金などの給付状況は企業によって異なり、なかには早期退職希望者に、定年退職者よりも退職金の給付額を割増しする退職金優遇制度を設けている企業もあります。

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65歳以降は公的年金を受け取れる

65歳以降は、条件を満たしていれば公的年金の老齢年金を受給できます。

総務省の「家計調査報告」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における家計収支の平均月額は「約22万円」とのことです。つまり、65歳から88歳までに、目安として総額6,000万円程度(22万円×12ヵ月×23年=6,072万円)が必要になります。

公的年金の給付金額は、加入年数などが人によって異なるため、政府が発送する「ねんきん定期便」あるいは「ねんきんネット」で確認できます。

また、退職後も公的医療保険や公的年金(国民年金)の保険料は支払い続ける必要があります。

出典:家計調査報告2020年(令和2年)平均結果の概要|総務省

資金を貯めてアーリーリタイアするメリット

資金を貯めてアーリーリタイア生活に入ることで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。4つのポイントから解説します。

仕事のストレスがない

アーリーリタイアの大きなメリットとして、仕事によるストレスを受けないことが挙げられます。組織での役割や役職から生じる責任、業務上のノルマ、勤務先の部署やチーム、取引先との人間関係のしがらみなど、さまざまなストレス要因から解放されて自由になります。

朝早く起きたり満員電車に乗ったりする必要もありません。アーリーリタイア後の生活のために十分な資金を貯めておくことで、ゆったりと生活できるでしょう。

自由な時間を元気なうちに持てる

体力や気力があるうちに早期リタイアした場合、元気なうちに自由な時間を満喫できます。

たとえば70歳で定年退職しても、体力の限界、あるいは持病があるなどの理由で、思い通りに体が動かないことがあるかもしれません。アーリーリタイアをより充実させるなら、できるだけ早めに資金を貯めてチャレンジするのがおすすめです。

やりたいことができる

好きなこと、やりたいことができるのも、資金を貯めてアーリーリタイアする際の特権です。旅行や趣味、スポーツなど、会社員時代は時間や場所に縛られて叶わなかったことを時間やお金をかけてチャレンジできます。

なかには物価の安い国に長期移住したり留学したりなど、海外でセカンドライフを楽しむ人もいるでしょう。やりたいことが明確に決まっていれば、リタイア後の時間を有効活用できます。

生活リズムを整えられる

リタイア後は、会社員時代に崩れていた生活リズムを整えて健康的な生活が送れるでしょう。会社勤めをしていると、残業が続いたり接待で帰りが遅くなったりと、定時に帰宅できないケースも少なくありません。

特に遠方から通勤している場合は、朝早くに家を出て帰宅が遅くなりがちです。不規則な生活が続くと生活リズムが崩れ、健康にも精神にも悪影響を及ぼします。

資金を貯めてアーリーリタイアすれば早寝早起きはもちろん、運動や散歩をしたり、スポーツジムに通ったりなど、健康的なライフスタイルを通じて生活リズムを整えられます。

資金があってもアーリーリタイアで起こり得るデメリット

たとえ十分な資金があったとしても、アーリーリタイアにはデメリットもあります。どのようなデメリットが起こり得るか、3つのポイントから解説します。       

安定した収入を得られなくなる

アーリーリタイアした場合、会社からの給与が支給されなくなるため、収入が不安定になります。もちろん、アーリーリタイアを見越して貯蓄をしていた場合、何もなければ生活に困らないでしょう。

ただし、社会や世界・経済・気候などの大きな変化、加えて、病気や怪我など個人レベルの変化により予定外の出費が増え、生活水準が下がるリスクもないとはいえません。アーリーリタイアする場合は、それらの可能性も考慮して検討する必要があります。

社会的信用がなくなる

アーリーリタイアすると、社会的信用が低下する可能性があります。アーリーリタイアは要するに、一般的な定年よりも早く無職になることです。セミリタイアと違って副業を持たないのも特徴です。無職になると収入も途絶えます。

そのため、クレジットカードの作成や、銀行の融資の申し込み、賃貸物件の契約締結などの際に、社会的な信用に欠けると判断されて却下される可能性もあります。

アーリーリタイアを目指す場合は、社会的信用の喪失を見越して準備を進める必要があります。

将来受け取れる年金額が減る

アーリーリタイアすると、将来受け取れる年金が減額されます。老齢基礎年金の給付額は、退職までの平均給与額および年金への加入年数により決まります。会社員や公務員がアーリーリタイアすると年金の平均給与額が減り、加入年数も短くなるため、給付金額が定年退職者よりも少なくなることが一般的です。

アーリーリタイアする前にこれまでの年金加入状況を確認し、退職する年齢に基づいて将来的な給付金額を計算しましょう。

孤独を感じやすい

アーリーリタイアによって孤独を感じやすいのもよくあることです。それまで属していた会社という組織から離れ、仕事を通じて関わってきた人々との交流が少なくなります。自由に使う時間は増えても、仕事で得られる達成感や刺激はなくなるでしょう。

趣味やボランティアなどプライベートで打ち込めるものがなく、他者との関わりが減ってしまうと虚無感が高まることがあるため注意が必要です。

アーリーリタイアを成功させるコツ

アーリーリタイアは重大な決断であるだけに、ぜひとも成功させたいものです。どのようなコツを押さえておけば成功につながるのか、3つのポイントから解説します。      

アーリーリタイア後の人生プランを立てる

アーリーリタイア後の人生について、しっかりしたプランを立てておきましょう。人生プランが明確であれば、想定されるコストとそれをカバーするために必要となる資産額が明らかになります。

何歳での退職を想定しているか、家族は何人か、どのような生活水準を維持したいか、住居は持ち家か賃貸か、移住の予定があるかなど、考慮すべきことはいろいろあります。

貯金や投資で資産形成をする

前もって貯金や投資で資産形成をし、アーリーリタイア後の生活に備えておきましょう。

アーリーリタイアはセミリタイアと違い、副業を持たない完全リタイアです。会社員時代のような定期的な収入は途絶えるため、今から少しでも多く貯金したり投資をしたりするなどで、資産形成に励みましょう。リタイア後も不労所得を得られる金融資産や不動産運用もおすすめです。

アーリーリタイア後の収入額を考える

アーリーリタイアに入ったあと、実際に毎月いくらの収入が入ってくるか、具体的な金額をあらかじめ把握しておくことも重要です。

会社から受け取る退職金や老齢基礎年金の給付金額、資産運用で得られる利益など諸々の収入を合計し、毎月の収入を算出します。

算出された収入額が生活プランの実現には不足している場合、今から不動産や株などの金融資産を確保して運用するのがおすすめです。また、完全なアーリーリタイアとは行かないまでも、フリーランスやフランチャイズなどで足りない分を補う方向性も検討しましょう。

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アーリーリタイアにはいくら必要?まとめ

アーリーリタイアにいくらの資金が必要かは、退職年齢別におおよその目安が示されています。アーリーリタイアには、仕事のストレスを受けない、時間を自由に使えるなど多くのメリットがある反面、収入が不安定になる、社会的信用が低下するなどのデメリットも覚悟する必要があります。

真剣にアーリーリタイアを検討する場合は、リタイア後の目標を明確にした上で現実的な人生設計を立て、実際の収入額を計算し、投資や貯金などの資産形成に取り組みましょう。

公開日:2022年10月26日

よくある質問

Q 41歳にはアーリーリタイアしたいのですがいくらあれば生活に困らないでしょうか? 回答を見る
Q アーリーリタイアせずに定年まで働いた場合、その後の生活費はいくら程度必要ですか。 回答を見る