運送業で独立するなら!まずは必要な費用や特徴、準備など基礎知識を学ぼう

最終更新日:2021年02月15日

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数ある業種のなかでも、運送業は将来的に需要が伸びると言われています。
個人でも安定収入を狙えるため、「運送業で独立したい!」と考えている方は多くいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、運送業の独立に必要な費用や準備などを徹底的にまとめました。
スムーズな独立を目指すために、必要な知識をしっかりと身につけていきましょう。

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目次

運送業の独立に必要な費用

運送業の特徴

運送業で独立する方法

運送業の独立に必要な準備

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運送業の独立に必要な費用

運送業の独立に必要な費用は、「初期費用」と「運営資金」の2つに分けられます。
このうち、運営資金は売り上げがなくても発生するコストなので、少なくとも3ヵ月分の資金を用意しなくてはなりません。

では、それぞれの費用がどれくらいかかってくるのか、以下で初期費用と運営資金の内訳を紹介していきましょう。

初期費用

運送業の開業時には、約700~1,700万円の初期費用がかかります。
ただし、これは小規模な事務所を想定した場合の金額なので、あくまで目安として参考にしてください。

<初期費用の目安>

項目 金額
車両費 600~1,000万円
物件取得費 50~600万円
保険料 30~50万円
什器・備品代 10~20万円
合計 700~1,700万円

※一般貨物自動車運送事業として独立開業した場合を想定しています。

運送業の初期費用は、営業形態によって大きく異なります。

一般貨物自動車運送事業として独立開業する場合、車両費については最低でも5台分が必要になりますが、この5台は全てトラックでなくても構いません。
軽自動車は認められませんが、貨物用であれば小型のバンなども含められるので、大型トラックの数を減らせば車両費はある程度抑えられます。

また、初期費用のなかでは「物件取得費」も高額になりやすいコストです。
運送業では駐車場つきの事務所を用意する必要があるので、それなりに広い物件を取得しなければなりません。
ただし、十分なスペースがあれば賃貸物件でも問題ないので、物件取得費も工夫次第で節約できます。

そのほか、自賠責保険・任意保険などの保険料や、什器・備品代も忘れてはいけません。
また、車両のメンテナンスのために自分で機械を購入する場合は、別途「設備費」も発生するため注意しておきましょう。

運営資金

運送業の1ヵ月あたりの運営資金は、約250~300万円です。
開業時に3ヵ月分の運営資金を用意するとなると、約800~900万円の資金が必要になります。

<運営資金の目安>

項目 金額
人件費 525万円
燃料費 60万円
保険料 20~50万円
自動車税 6万円
メンテナンス費(車検代含む) 80~100万円
地代家賃 90万円
水道光熱費 30万円
広告宣伝費 30万円
合計 800~900万円

※一般貨物自動車運送事業として独立起業した場合を想定しています。
※人件費や燃料費、保険料については3ヵ月分の金額を記載しています。

運送業の運営資金は、事務所の規模やトラックの台数によって大きく異なります。

人件費については、運送業許可を取得するために最低でも5人の運転者(※オーナーを除く)を用意しなければなりません。
また、従業員数に合わせて駐車場や燃料を用意する必要があるので、「人件費・燃料費・地代家賃」の3つはどうしても高額になります。

また、運送業では毎月発生する「保険料」も軽視できないコストです。
加入先によっては節約できますが、トラックの大きさや運ぶ製品、経路などを踏まえて、十分な補償が備わった保険を選ぶ必要があります。

そのほか、自動車税や車検代も運送業ならではのコストになるので、開業前にはしっかりと費用を見積もっておきましょう。

運送業の特徴

独立・開業をする前には、運送業の特徴をしっかりとつかんでおく必要があります。
そこで次からは、運送業のサービス内容やメリット・デメリットをまとめました。

サービス内容

運送業の主なサービス内容は、荷物の運搬です。
営業形態によって多少異なりますが、基本的には顧客から受け取った製品や部品などを、指定された場所に届けることが仕事になります。

ただし、運送業で発生する業務は車両の運転だけではありません。
簡単に挙げるだけでも、運送業では以下のような業務が発生します。

  • 顧客からの受注処理
  • 荷物の積載
  • 顧客から受け取った荷物の管理
  • 売上管理
  • 物流システムの構築や提案
  • 車両のメンテナンスや管理
  • 広告や宣伝

また、届け先があまりにも遠い場合は、運搬の過程でフェリーなどを手配することもあります。

メリット

次は、運送業で開業するメリットを見ていきましょう。
細かく見るとさまざまなメリットがありますが、特に押さえたいポイントとしては以下の3つが挙げられます。

業務内容がシンプルで分かりやすい

運送業の業務は、荷物を指定場所に運ぶことが中心です。
ほかにも細々とした業務はありますが、専門職のように特別な知識やスキル、コミュニケーション能力が求められることはありません。

つまり、運送業は未経験からでもチャレンジしやすいので、開業のハードルが比較的低い業種と言えるでしょう。
仕事の流れが全体的にシンプルなので、人材教育もスムーズに進められます。

在庫をあまり抱えない

運送業で在庫となるものは、顧客から受け取った荷物が大半です。
つまり、飲食店や小売店のように大量の在庫を抱えることがないので、在庫リスクを気にすることなく経営にあたれます。

ただし、受注から配達までに時間がかかると、一時的とはいえ荷物を管理するためのスペースを用意しなくてはなりません。
配達までのタイムラグが長いほど多くの在庫を抱えるリスクが高まるので、業務フローはしっかりと整備しておくことが大切です。

将来的に需要が伸びる可能性が高い

ネット通販が台頭している影響で、運送業は将来的に需要が伸びると予測されています。
開業当初の集客活動は必要になりますが、事業が一度軌道に乗れば安定した売り上げを見込めるため、小規模であっても十分に高収入を狙えるでしょう。

また、短期案件から長期案件まで、さまざまなタイプの案件が存在する点も魅力的なポイントです。
売上目標に合わせて引き受ける案件を調整できるので、工夫をすればプライベートの時間もしっかりと確保できます。

デメリット

運送業の独立前には、デメリットにもきちんと目を通しておくことが大切です。
特に以下で挙げる2つのデメリットは、深刻な経営リスクにつながる恐れがあるので、できれば事前に対策を考えておきましょう。

ドライバー不足に悩まされやすい

運送業のデメリットのなかでも、特に深刻なものが「ドライバー不足」です。
運送業界は慢性的な人材不足に悩まされており、近年ではドライバー1人あたりの負担が増大しています。

そのため、開業前はもちろんのこと、開業後にも採用活動に力を入れなくてはなりません。
また、想定していた人材が集まらない事態に備えて、場合によってはオーナー自身が業務にあたれるように準備を整えておくことも必要になるでしょう。

交通事故のリスクが高い

交通事故のリスクが高い点も、運送業では軽視できないデメリットです。
万が一大きな事故が起きると、従業員がケガをするだけではなく、多額の損害賠償が発生するかもしれません。

したがって、運送業では交通事故のリスクに備えて「任意保険」に加入しておく必要があります。
交通事故は決して珍しいトラブルではないため、最悪のケースを想定して補償が万全な保険に加入しておきましょう。

運送業独立の成功・失敗ポイント

運送業で成功を収めるには、経営戦略に工夫をとり入れることが大切です。
そこで次からは、運送業の成功・失敗を左右する3つのポイントをまとめました。

人が集まりやすい方法で採用活動ができているか

運送業の最優先課題は、やはりドライバーを集めることです。
ドライバーがいないと受注に対応できないので、売り上げを順調に伸ばすことができません。

そのため、運送業で成功する企業は、採用活動に以下のような工夫をとり入れています。

  • 相場よりも給料を高く設定する
  • 応募者の年齢や経験にこだわらない
  • 免許を所有していない人材も、積極的に採用する

運送業の採用活動ではとにかく「人の集まりやすさ」を重視する必要があるので、幅広い層から応募が届くような工夫を考えておきましょう。

スムーズな物流を実現できているか

運送業で成功する企業の多くは、スムーズな物流を実現しています。
具体的には、荷物の仕分けや管理、運搬の経路などを最適化しており、業務にかかる時間やコストを大きく抑えています。

運送業は経営スタイルによってコストが大きく変わるため、あらゆる業務フローを見直して現場力を強化することが必須です。
一つ一つの業務を細かく見直すと必ず改善点が見つかるので、独立前には実際の業務をイメージしながら最適化することを考えましょう。

流通が発展するエリアで開業できているか

運送業は将来性のあるビジネスですが、地域によって需要が大きく異なります。
ネット通販の利用者や企業が少ないエリアで開業すると、安定して顧客を見つけることが難しくなるので、事業をうまく軌道に乗せることができません。

そのため、運送業の独立前にはしっかりと市場調査を行い、「流通が発展する開業エリア」を選ぶことが重要です。
需要の予測は簡単ではありませんが、市場調査が無駄になるケースは少ないので、調査・分析には十分な時間とコストをかけましょう。

運送業で独立する方法

運送業で独立する方法は、大きく以下の3つに分けられます。

  • 個人で独立する
  • 法人で独立する
  • フランチャイズで独立する

では、それぞれどのような特徴があるのか詳しく解説していきます。

個人で独立

個人事業主として独立する場合は、税務署に開業届を提出するだけで事業をスタートできます。
法人のように設立登記をする必要がないため、事業に必要なものを除けば開業費用はほとんどかかりません。

また、将来的に住所を移転した場合も、面倒な登記手続きをすることなく事業を続けられます。
ただし、社会的な信用性が低い影響で、銀行など金融機関からの融資を受けにくい傾向があるので、事前にしっかりと自己資金を貯めておく必要があるでしょう。

法人で独立

法人として独立する場合は、最初に会社を設立する必要があります。

登記手続きはもちろん、労働基準監督署や自治体、ハローワークなどでも所定の手続きを行う必要があるので、個人事業主に比べるとどうしても手間と費用がかかるでしょう。
仮に株式会社を設立するとなると、少なくとも約27万円の開業費用が発生します。

その一方で、金融機関から融資を受けやすくなったり、節税手段が増えたりする点は法人ならではの大きな魅力。
また、法人は顧客の立場から見ても信用性が高いので、売り上げが安定しやすい点もメリットになります。

フランチャイズで独立

運送業の独立では、フランチャイズへの加盟も一つの手段になります。
運送業界でフランチャイズを展開する本部は多く見られるため、事前にしっかりと情報収集をすれば、自身の経営方針にぴったりなフランチャイズに加盟できます。

そのほか、フランチャイズでの独立には以下のようなメリットもあります。

  • 初期費用を大きく抑えられる
  • 研修制度によって、経営に必要なノウハウを身につけられる
  • 本部のブランド力やノウハウを利用できる
  • 什器や備品など、業務に必要なものを用意してもらえる

なかでも初期費用を抑えられる点は、独立を考えている方にとって非常に大きなメリット。
運送業では数千万円単位の開業資金が必要ですが、フランチャイズに加盟すれば必要資金を数十万円~数百万円程度に抑えることも可能です。

また、駐車場代を本部が負担してくれる開業プランもあるので、加盟先次第では月々の運営資金も削減できるでしょう。

運送業の独立に必要な準備

運送業で独立開業するには、いくつかの手順を踏む必要があります。
手順を間違えるとスムーズに経営を始めることが難しくなるので、独立前には必要な準備もしっかりと確認しておくことが大切です。
最後に、運送業の独立に必要な5つの準備を紹介します。

資格取得

運送業で必要になる資格は、立ち上げる事業の種類によって異なります。

事業の種類 一般貨物自動車運送事業 貨物軽自動車運送事業
運転免許 最低5人以上の運転者が必要 1名以上の運転者が必要
運行管理者 1人以上の管理者が必要(※運転者との兼任不可) 不要
整備管理者 1人以上の管理者が必要 軽貨物車が9台以下の場合は不要

上記の「貨物軽自動車運送事業」とは、独立開業の手続きが簡略化されている代わりに、運送手段が軽トラックやバイクに限定される事業のことです。
一方で、一般貨物自動車運送事業ではさまざまな車両を使用できますが、上の表を見ると分かるように「運行管理者」と「整備管理者」を必ず配置しなければなりません。

また、貨物軽自動車運送事業を選ぶ場合であっても、営業所の軽貨物車が10台を超える場合は整備管理者を置く必要があるので注意しましょう。

運送業許可の申請

一般貨物自動車運送事業として独立開業する場合は、「運送業許可」も取得する必要があります。
運送業許可は最寄りの地方運輸支局で取得できますが、取得にあたっては主に以下の要件が設けられています。

  • 十分な数の従業員(運転者や各管理者)を揃えていること
  • 市街化調整区域外に営業所を構えていること(2.5平米以上の休憩室が必要)
  • 要件を満たす駐車場を用意していること
  • 用途欄に「貨物」と記載された車両を5台以上所有していること
  • 申請後に実施される法令試験に合格すること

上記のうち駐車場については、出入り口前の道路幅に関する要件が設けられています。
対象となる道路が一方通行の場合は2.5~3.0m以上、相互通行の場合は5.5~6.0m以上の道路幅を確保しなくてはなりません。

なお、運送業許可は個人事業主でも取得できますが、個人の場合でも取得要件は同じです。

車両

運送業では事前に準備する車両も、事業の種類によって異なります。
貨物軽自動車運送事業は運送業許可がなくても営業できるため、1台以上の軽トラックまたはバイク等を用意すれば問題ありません。

一方で、一般貨物自動車運送事業として独立する場合は、最低でも5台の貨物車両が必要です。
大型トラックである必要はありませんが、一般的な軽自動車などは必要台数分として認められないので注意してください。

事務所

運送業許可を取得する場合は、事前に市街化調整区域外の営業所(事務所)を用意する必要があります。
前述の通り、営業所には休憩室の広さや駐車場に関する要件が設けられているため、物件を取得する際には運送業許可の詳細を見直しておきましょう。

また、所有する車両分の駐車場が必要になる点も、合わせて覚えておきたいポイントです。

採用・教育

運送業の独立前には、営業形態や事業の種類に合わせて従業員を揃える必要があります。
特に運送業許可を取得する場合は、前述の要件をしっかりと満たすように採用活動を進めていきましょう。

また、従業員を採用した後には、業務内容に合わせた「人材教育」を行うことも必要です。
特に独立直後は、基本的にオーナーが直接指導をすることになるので、オーナー自身も必要な知識・スキルをしっかりと身につけておきましょう。

なお、採用活動や人材教育に不安を感じる方には、研修などを通してオーナーを手厚くサポートしてくれるフランチャイズへの加盟がおすすめです。

不安を感じる方にはフランチャイズの利用がおすすめ

運送業の独立ではさまざまな準備が必要になるため、事前にしっかりと計画を立てることが大切です。
特に運送業許可を取得する場合は、全ての要件を満たせるように早めに準備を進めておきましょう。

なお、フランチャイズのなかには、オーナーの開業準備を徹底的にサポートしてくれる本部も存在します。
フランチャイズを利用すると独立のハードルをぐっと下げられるので、不安を感じている方はフランチャイズへの加盟を積極的に考えてみましょう。

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公開日:2021年02月15日