メンズエステの開業に必要な準備・費用とは?想定売上やおすすめ開業方法まで解説
最終更新日:2024年09月10日
東京都内を中心に、いまでは幅広い層の男性から注目され始めているメンズエステ。
将来的にニーズが増えていく可能性があるため、「メンズエステを開業してみたい」と考えている方も多くいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、メンズエステの開業に必要な費用や開業前の知識と準備など、メンズエステの開業前に知っておきたい情報をまとめました。おすすめのフランチャイズ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
メンズエステの開業に必要な費用
はじめに、メンズエステの開業に必要な費用を初期費用と運営資金、売上、借入の有無に分けて紹介します。
メンズエステの初期費用
メンズエステの開業に必要な初期費用は、約370~530万円です。
以下は、一般的な広さのエステ(20坪程度)を想定した場合の金額なので、あくまで目安として参考にしてください。
<初期費用の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 120~240万円 |
内装工事費 | 200万円 |
設備費 | 10~50万円 |
備品購入費 | 10万円 |
広告宣伝費 | 30万円 |
合計 | 370~530万円 |
主な費用としては、物件取得費や内装工事費、設備費、備品購入費、広告宣伝費が挙げられ、これらの費用は店舗の規模や立地によって変動します。
なかでも物件取得費と内装工事費の2つは、開業スタイルによっても金額が大きく異なるコストです。
たとえば、上記はテナントで開業する場合の金額ですが、自宅で開業をするケースでは物件取得費が一切かかりません。
内装工事費も20万円程度になるので、自宅をサロンにすれば初期費用を300~400万円ほど抑えられるでしょう。
さまざまな設備・機器が必要になるメンズエステでは、設備費や備品購入費も軽視できないコストです。
また、開業直後から集客を安定させるには、開業前の段階から販促活動に取り組む必要があるため、広告宣伝費もしっかりと用意しておきましょう。
ちなみに、メンズエステをフランチャイズで開業する場合は、これらの費用に加えて加盟金や保証金、研修費用が発生します。
その影響で、フランチャイズ開業における初期費用はやや高くなりますが、加盟先によっては手厚いサポートやアドバイスを受けられるので、選択肢のひとつとして考えておくことをおすすめします。
メンズエステの運営資金
メンズエステの開業に必要な運営資金は、1ヵ月あたり約196万円です。
毎月の売上を200万円と想定し、各項目を計算しています。
<運営資金の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 100万円 |
賃貸料 | 20万円 |
水道光熱費 | 3万円 |
その他、消耗品費など | 18万円 |
広告宣伝費 | 5万円 |
合計 | 146万円 |
主な費用としては、人件費や賃貸料、水道光熱費、消耗品費、広告宣伝費などが挙げられます。
運営資金のなかでも人件費は、特に意識しておきたいコストです。
メンズエステは従業員の技術によって成り立つビジネスであり、1人のお客に1人の従業員がつく形となるので、どうしても人件費が高くついてしまいます。
店舗の規模や営業形態にもよりますが、一般的なサロンの人件費は売上の50%が目安となるので、この数値を意識して従業員数を考えましょう。
人件費ほどではありませんが、メンズエステの運営では賃貸料や消耗品費も負担が大きいコストです。
ただし、店舗の賃貸料に関しては、自宅をサロンとして活用すれば一切発生しません。
また、比較的少額ではあるものの、毎月数万円程度の水道光熱費や広告宣伝費がかかる点も忘れないようにしましょう。
ちなみにフランチャイズ開業を選ぶ場合は、上記の費用に加えて毎月本部へ支払う「ロイヤリティ」が発生することも。
ロイヤリティの金額は売上の4~6%程度が相場となりますが、フランチャイズ本部によって計算方式が大きく異なるので、事前にしっかりと詳細を確認しておくことが大切です。
メンズエステの売上
メンズエステの売上は、店舗の規模や立地などによって大きく変動します。
一般的なエステサロンでは、売上の約50%が人件費にあたるので、人件費から考えると大まかな売上金額を算出できます。
仮に1ヶ月あたりの人件費を100万円とすると毎月200万円ほどの売上、人件費が250万円の店舗では毎月500万円ほどの売上を期待できるでしょう。
ただし、メンズエステの売上は営業形態の影響も大きく受けます。
たとえば、東京都に本社を構えるサロン『GORIGO』では、独自に開発した回転式施術によって、ワンオペレーションでありながら毎月300万円以上の売上構築を可能としています。
借入の有無
メンズエステの開業では、借入によって資金調達をすることが可能です。
主な借入先としては、民間銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などが挙げられるでしょう。
なかでも銀行は身近な金融機関ですが、これまでに特筆するべき経営実績がない場合には、門前払いに近い状態で融資を断られてしまうことがあります。
そのため、借入審査になかなか自信を持てない方は、創業者に対して積極的に融資をしている日本政策金融公庫の利用を検討してみましょう。
日本政策金融公庫は「新創業融資制度」や「女性、若者/シニア企業家資金」など、創業者に向けてさまざまな融資制度を実施しています。
融資実行までにやや時間はかかりますが、制度によっては低金利かつ長期間の融資が可能なので、まずは利用できる融資制度を調べてみることをおすすめします。
メンズエステを開業する事前知識
ここではメンズエステを開業する前の知識として、メンズエステのサービス内容やメリット・デメリットについて解説していきます。
メンズエステのサービス内容
メンズエステの主なサービス内容は、男性客への美容施術です。
近年のメンズエステは、施術の際に最新の設備や機器を使用します。
そのため、設備・機器の扱いにさえ慣れていれば、特別な知識やスキルがなくても施術にあたれます。
ただし、一般的なエステサロンと同じく、ほかにも以下のようにさまざまな業務が発生します。
- 売上の管理
- 接客や集客
- 店内の清掃
- 顧客へのヒアリング
- メニューの考案
なお、営業形態によって業務には違いがあるため、上記の内容はあくまで参考として考えておきましょう。
メンズエステを開業するメリット
メンズエステを開業するメリットを3つご紹介します。
初期費用を抑えやすい
メンズエステのサービス内容は、女性向けのエステサロンとそれほど大きくは変わりません。
ただし、通常のエステと比べると必要になる設備・機器がやや少ないため、メンズエステの初期費用は100~200万円ほど低くなると言われています。
初期費用を抑えやすい点は、特に自己資金が少ない方にとっては大きなメリットです。
必要資金が少ないと、借入時の審査基準となる「自己資金割合」がアップするため、金融機関から融資を受けられる可能性も高まるでしょう。
現時点では競合がそれほど多くない
メンズエステは大手の参入をきっかけとして、2000年頃から注目され始めました。
その後は順調に市場を拡大させており、2007年にはエステティックサロン全体の売上が減少しているにも関わらず、メンズエステ市場は前年度比114%の成長率を見せています。
その影響で、いまでは日本全国に専門店が見られるようになりましたが、実は女性向けサロンに比べると店舗数はそれほど多くはありません。
つまり、現時点では競合の数が少ないため、早めに参入すると大きなビジネスチャンスをモノにできる可能性があるでしょう。
特別なスキルや資格が求められない
やや専門的なイメージのあるメンズエステですが、実は開業時に特別なスキルや資格は必要ありません。
使用する設備・機器の扱いにさえ慣れれば、どのような方でも施術スタッフとして顧客対応することが可能です。
また、フランチャイズに加盟する場合には、本部が用意した研修を受けられるケースも。
フランチャイズの研修では、施術に必要な知識・スキルをしっかりと学べるため、メンズエステ業界は未経験の方でも挑戦しやすい傾向があります。
メンズエステを開業するデメリット
次に、メンズエステを開業するデメリットを2つご紹介します。
女性用サロンとは異なる経営スタイルが必要になる
美容施術を行う点は同じですが、メンズエステと女性用サロンは顧客に求められるサービスがやや異なります。
そのため、繁盛している女性用サロンの経営スタイルを真似しても、成功を収められるとは限りません。
顧客の性別が異なると、美容に対する意識や悩みごとが変わるため、当然ニーズも変わってきます。
したがって、メンズエステを繁盛させたいのであれば、男性客に寄り添ったサービスを展開する必要があるでしょう。
集客につなげることがやや難しい
集客のハードルが高い点も、メンズエステでは気を付けておきたいデメリット。
どれだけ魅力的なサービスを打ち出しても、効果的な方法で広告・宣伝を行わなければ、客数を増やすことはできません。
一般的な販促活動としてはチラシやDMなどが挙げられますが、最近ではインターネットからお店の情報を収集する顧客が増えてきています。
したがって、ホームページやSNSなどの集客ツールは、確実に利用しておきたいところでしょう。
メンズエステ成功・失敗のポイント
メンズエステの成功・失敗のポイントを3つご紹介します。
1.集客が見込める立地での開業
メンズエステは市場が拡大してきているとは言え、現時点では成長段階のビジネスです。
そのため、男性や人通りが少ないエリアに出店をしていては、新規客を一気に増やすことはできません。
メンズエステの立地選びでは、サラリーマンが多い通り沿いや大型のショッピングモール内など、人の目に留まりやすいエリアを選ぶことが大切です。
競争が起こりにくい地域も魅力ですが、そのようなエリアはそもそも需要が低い恐れがあるので、基本的には人通りの多い立地を選びましょう。
なお、フランチャイズ開業を選ぶ場合は、本部から立地選びの面でサポートを受けられる可能性があります。
なかには、立地に左右されない営業形態を確立している本部も見受けられるので、立地選びに対して不安を感じている方は、フランチャイズ開業も選択肢として考えておきましょう。
2.男性客一人ひとりに寄り添ったサービス
メンズエステの運営では、一人ひとりの男性客に寄り添うことが何よりも重要です。
たとえば、オーナーが女性だからと言って、女性目線でのサービスを提供していては繁盛させることは難しいでしょう。
一般的なメンズエステでは、脱毛や痩身、リラックスを目的としたマッサージが人気と言われています。
これらのように幅広い年齢層から求められるサービスについては、しっかりと基本メニューに組み込んでおくと良いでしょう。
なお、同じ男性客でも年齢層や体型によって希望する施術は異なるので、サービス内容を考える際には「具体的なターゲット層」を意識することが大切です。
3.スキル・質の高い従業員
施術にあたる従業員のスキルが不足していると、リピーターを効率的に増やすことはできません。
特に近年では、SNSの発達によって悪評が広まりやすいので、多くの男性が満足できるようなサービスを提供する必要があります。
そこで積極的に考えておきたい対策が、優秀な従業員の採用・教育。
スキルや質の高い従業員をそろえることができれば、そのサロンの評価は自然と高まっていきます。
一人ひとりのお客を満足させることが売上の増加につながるビジネスなので、特に施術にあたる従業員に対してはしっかりと教育を行いましょう。
メンズエステの開業に必要な準備
メンズエステの開業に必要な主な準備を3つご紹介します。
メンズエステの開業準備 1.市場調査
現時点では競合が少ないとは言え、新たなビジネスを始める際には「市場調査」が必須です。
もし近くに大手の競合店があると、競争に負けてしまうリスクが一気に高まるので、少なくとも競合店の調査は徹底する必要があるでしょう。
市場調査を終えたら、次はその結果をもとに店舗のコンセプトやターゲット層を決定します。
特にコンセプトは、他店との差別化を図るための経営方針になる部分なので、より慎重に設定することを心がけましょう。
なお、市場調査は専門的な知識が求められる工程なので、なかには「十分に調査をする自信がない…」とお悩みの方も多いはず。
そのような方には、市場調査を代行・サポートしてくれるフランチャイズ本部に加盟する方法がおすすめです。
フランチャイズ開業を選べば、コンセプトやターゲット層もあらかじめ決まっているため、開業における手間を大きく省けるでしょう。
メンズエステの開業準備 2.店舗
事業計画がある程度固まったら、次は店舗の準備へと移ります。
前述でも触れましたが、メンズサロンの経営スタイルは「テナント」と「自宅サロン」の2つにわけられるので、まずはコンセプトやターゲット層に適した経営スタイルを選びましょう。
店舗にする物件を決めた後には、設備や機器、什器などをそろえることも忘れてはいけません。
特別な資格や届出は求められないビジネスですが、店内の雰囲気や施術環境の作り方で評価がわかれる業界でもあるので、店内に必要なものは過不足なくそろえましょう。
メンズエステの開業準備 3.採用・教育
メンズエステは1人でも開業・運営できますが、店舗の規模を拡大したい場合には従業員の採用・教育が必要です。
具体的な教育手段としては、オーナーが自ら必要なスキルを教える方法と、専門的なスクールやセミナーに通ってもらう方法の2つがあります。
ちなみにフランチャイズ開業では、本部が用意している「研修制度」を利用する方法も選択肢に含まれます。
ただし、実際に習得できる知識・スキルや、オーナー以外の人物が参加できるかどうかは開業プランによって異なるため、事前にしっかりと情報収集をしておきましょう。
メンズエステのおすすめ開業方法
メンズエステを開業するのにおすすめの開業方法は「フランチャイズ」です。
フランチャイズで開業すれば、元々人気のエステの名前を借りて新規店舗として出店することができます。
今回はメンズエステの開業でおすすめのフランチャイズも紹介していきます。
メンズエステフランチャイズ 1.メンズエステ GORIGO(ゴリゴ)
『メンズエステ GORIGO(ゴリゴ)』は、東京都に本社を構えるフランチャイズ本部です。
男性専門の脱毛・痩身エステサロンとして事業展開しており、最新の痩身機器や高速脱毛器を導入することで、質の高いサービスを提供しています。
加盟金は300万円とやや高めですが、この開業プランでは保証金やロイヤリティーが一切かかりません。
さらに、独自に開発した回転式施術によって、オーナー1人でも1ヶ月あたり売上300万円以上のビジネスモデルを実現しています。
メンズエステフランチャイズ 2.シンメトリー
『シンメトリー』は日本全国に25店舗を構える、サポートが充実したフランチャイズ本部です。
直営店で約30時間の研修を受けられる、独自の本部データシステムを使用できるなど、特に未経験者にとっては心強い環境が整えられています。
男性専用のサロンではありませんが、幅広い層に対してさまざまなメニューを用意しているため、高い集客力も期待できるフランチャイズと言えるでしょう。
その証拠に、創業から12年が経過した現在でも撤退した加盟店は1店舗のみであり、フランチャイズ展開では実に95%の成功確率を誇っています。
メンズエステフランチャイズ 3.美容脱毛サロン 開業ビジネス
『美容脱毛サロン 開業ビジネス』は、脱毛機である「LUMIX」のみを貸し出す特徴的な開業プランです。
最先端のSHR方式を機器に採用することで、施術が難しいと言われていた産毛や金髪、日焼け肌などの脱毛を可能にしています。
さらに、従来では2~3時間かかっていた全身脱毛の施術を、わずか12分に短縮できる点もこの機器の大きな魅力。
ロイヤリティや契約料が発生せず、初期費用のみで利用できる点もオーナーにとっては嬉しいポイントでしょう。
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公開日:2022年01月21日