カフェ経営のために必要な準備と、成功のためのポイント

最終更新日:2020年05月15日

「いつか自分の店を持ちたい」と考えている方の中でもカフェ経営を夢としている方は多く、街に軒を連ねる多くのカフェが個人経営で開業をしています。

なぜカフェ経営に人気が集まるのかというと、カフェ経営はほかの業種に比べて運営がしやすく、開業資金も比較的に安価で済むといった理由が挙げられます。

では、カフェを経営するにあたって知っておくべきことや気を付けるポイントとは何でしょうか。

カフェ経営|目次

1 自分のカフェを経営する      

2 カフェ経営を成功させるために          

3 実際にカフェ経営をするには    

4 まとめ

1 自分のカフェを経営する

将来は自分でカフェを開業したいと考えている方は多くいます。カフェ経営を成功させるためには、まず自分が経営するお店をどのようなスタイルにするかといったコンセプトを決めることが大切です。

そして何よりも、カフェを経営するにあたってのメリットやデメリットをしっかりと把握しておく必要があります。それらをよく理解することが、カフェ経営を成功させるための第一歩です。まずは自分のカフェの形を見つけましょう。

1-1 多様化するカフェのスタイル

カフェというと、落ち着いたオシャレな店内を思い浮かべる方も多いでしょう。こうした一般的なカフェがある一方で、近年ではさまざまな形のカフェが登場しています。

近未来をコンセプトにしたお店や古民家を改築したお店など、個性的なお店の雰囲気を作り出しているお店や、スタンダードなメニューだけではなくメニューの一つを売りにして独自のアレンジを加えたり、料理の質を追及して上質な食事を提供したりと、それぞれのコンセプトに沿った雰囲気作りやメニュー作りが行われています。

そのほかにも、犬や猫、鳥などの動物と触れ合いながらお茶を楽しめるカフェや、店員がメイドや執事などに扮装するカフェ、映画の世界観を再現したカフェなども人気です。

これらのお店は「コンセプトカフェ」と呼ばれます。カフェ業界では、注目を浴びるような新しいコンセプトを持った店が続々と登場しているのです。

1-2 カフェ経営のメリット

カフェ経営には、開業しやすいというメリットがあります。小さなスペースでも営業でき、調理機材や冷蔵庫も業務用サイズのものをそろえなくて済みます。

物件も、もともとカフェとして営業されていた居抜き物件を利用すれば大規模な改装を必要としません。そのため、ほかの業種に比べて開業資金を抑えることができるのです。

また、もともと会社員として働いていた方にとっては、自分の裁量ですべて決めることができる個人経営に魅力を感じることもあるでしょう。カフェのコンセプト決めから素材の仕入れ、また内装や経理なども自分の手ですべて行うことができ、その責任を自分が持つということは、個人事業主だからこそできる経験でもあります。

さらに、コーヒーや紅茶などの飲み物にこだわりたい方にとっては、カフェを経営することで自分の好みやこだわりを追及した飲み物を提供することができます。

ほかの飲食店では物足りないと思っていた味を自分自身で追い求められるのも、カフェ経営の魅力の一つです。

1-3 カフェ経営のデメリット

カフェ経営にはさまざまな難しい点も存在します。前述のように、すべての責任が自分にあるため、うまく軌道に乗せるのも経営難に陥らせてしまうのも自分次第というわけです。

売上や仕入れなど、収支計算もすべて自分で行わなければならず、スタッフを雇う場合には給料計算やシフト管理も必要になります。

またカフェを開業する際には、店の責任者として取得しなければならない資格があります。飲食物を提供する店のオーナーは、食品衛生責任者の資格が必須です。飲食店においては、最低一人はこの責任者を置くことが義務付けられており、一人でカフェを開業する場合には必然的に経営者がその責任者になることが求められます。

さらに防火管理者の資格は、その店舗が30人以上を収容できるなどの特定の条件を満たす場合に必要となります。その場合、甲種と乙種のうちの甲種の資格取得が求められます。

2 カフェ経営を成功させるために

ほかの業種に比べて開業がしやすいと言っても、ただ開店させただけではカフェ経営の成功は難しいでしょう。

経営を軌道に乗せ順調に運営していくために、諸手続きや資格取得、そして経営のノウハウや接客に関することなど、知っておくべきことがいくつかあります。

2-1 カフェ経営に必要な資格と資金

前述のように、カフェを経営するにあたって食品衛生責任者の資格は必ず取得しなければなりません。また特定の条件を満たす店を持つ場合には防火管理者の資格が必要です。これら二つは、短期間の講習もしくは試験で取ることができます。

また、開業の際はさまざまな申請を行わなければなりません。カフェに限らず、食品を取り扱う店舗においては保健所の許可がなければ営業を始めることはできないのです。

さらに、税務署には営業を開始する旨を報告する開業届、店舗がある自治体には事業開始等申告書を提出しなければなりません。これらの申請を行わずに営業を進めると、税金に関してのさまざまな控除などが受けられなくなってしまいます。

開業資金は、物件を賃貸で借りる際の家賃や敷金、礼金、調理器具やコーヒーメーカー、食器や雑貨をそろえる費用や、内装を大幅に変える場合はその工事費用も必要です。ここに、各種届出の費用も加わって資金の総額となります。

居抜き物件などで構造を大きく変える必要のない場合には100万円程度で開業できるケースもありますが、色々と手を加え設備をそろえる場合には1000万円程度かかることもあります。

2-2 カフェのコンセプトを決める

店舗のコンセプトが固まっていれば、開業の作業もスムーズに進められます。決めたコンセプトに基づいて内装や装飾品、食器などをそろえていけばお店全体に統一感が出るでしょう。

ただ、コンセプトと一口に言ってもその定義は大まかで、具体的に描くために細かい項目を決めて、理想とする客層や価格帯、雰囲気などを明確にしておくとわかりやすくなります。

ターゲットはどのような層にするか、その層にどのようなメニューを提供するのか、それを実現するための場所はどこか、価格帯はどれくらいに設定するかといったように、それぞれの項目を明確にしておけば、理想のカフェのイメージがわきやすくなります。また、自分がこうしたいという雰囲気があれば、具体的に説明ができるように整理しておくことも大切です。

2-3 接客で注意すること

カフェは自分の思い通りに運営できる反面、多くの不特定多数のお客様を相手にする接客業です。そのため接客においてもきちんとした態度で臨まなければ、客足を獲得するのは難しくなるでしょう。

専門的に接客のスキルを勉強するのもよいですが、堅苦しくしたくないということであれば、お客様が快適にカフェでの時間を過ごせるようなお店独自の工夫をしてみるのもよいでしょう。

例えば、接客の基本である笑顔を絶やさないというだけでもお店の中は明るい雰囲気になりますし、不快感を与えない身だしなみや言葉遣いにも気を付けることで、お客様も心地よくお店を利用することができます。

また、お客様がカフェを利用する目的の一つとして、ゆったりとした空間の中でくつろぎたいというものがあります。そのためお客様に接するときは、あまりに大きな声や早口で話すよりもゆったりと丁寧に話した方が、雰囲気を妨げずに落ち着いた気分を保てるでしょう。

2-4 集客・宣伝をする

ただ単に店を構えただけでは、当然のことながらいきなり多くのお客様が訪れるわけではありません。より多くのお客様に来店してもらうためには、宣伝も大きな仕事の一つとなります。

例えば、開業する場所の周辺地域の住人にお店の存在を知ってもらうためにチラシを配ったり、近所の店舗に挨拶しておいたりなど、近隣とのつながりを持っておくことは大切です。

また、近年ではインターネットを駆使した集客も利用しない手はありません。多くの方に目にしてもらえるよう店のサイトやブログを立ち上げたり、また各種SNSを利用して宣伝したりするのも効果的です。ここで店の特徴や様子、メニューやイベントなどがわかるような内容を発信することで、来店のきっかけが生まれるかもしれません。

さらに、一度来店してくれた方が再び来店したくなるように、キャンペーンやポイントカードなどの特典などを用意すれば、リピーターを獲得する足がかりになります。

2-5 より良い空間にする工夫

そのカフェのコンセプトにもよりますが、例えば家具や装飾品にもこだわるとそのお店の雰囲気に個性が出るほか、その雰囲気を好むお客様が足を運んでくれるようになるでしょう。また、観葉植物や店内のBGMなど、リラックスできる空間を作る要素もカフェには大切です。

可愛い・おしゃれ・ナチュラル・スタイリッシュなど、イメージを実際に体感できる雰囲気作りのためには、その店のメニューや使用する食器も大切です。メニューは、その店がどのような客層をターゲットにしているかで違ったものになりますし、食器も店内やメニューの雰囲気と合わないものを選んでしまってはせっかくの魅力が半減してしまいます。

こうしたトータルコーディネートは、店内の雰囲気そのものを決めるポイントになるのです。そのため、店のコンセプトを決める際に、より良い空間にするための具体的なプランを考えておくことをおすすめします。

3 実際に開業するには

カフェを開業する方法として、個人で0からスタートするものと、大手カフェチェーンでフランチャイズ経営するものとに分けられます。これら二つの方法は、結果的にはカフェ経営ということで共通していますが、そのシステムや経営者の行うお店の運営内容が大きく異なります。

これらの経営方法は、自分がどのようなカフェを経営したいかで選び方が変わってくるため、それぞれのメリットやデメリットをよく把握しておくことが、経営方法を選ぶ決め手となります。

3-1 ゼロからのカフェ経営

カフェを経営するにあたって、何もない状態から自分で始める場合、コンセプトや内容を自分の思い通りの店にできるということが一番のメリットとなります。内装やコーヒー、食材などへのこだわり、またコンセプトへのこだわりなど、自分がやりたいと思ったことを実践できることは、カフェを個人経営することにおいての大きな魅力です。

こうしたこだわりを貫くなら、おいしいコーヒーや料理などを提供するノウハウは自分で身につけておかなければなりません。せっかくおいしいコーヒー豆や食材を頑張って準備しても、それを生かすことができなければ意味がありません。

また、こだわった素材をどのルートで仕入れるかも自分自身ですべて決めて開拓していく必要があります。こだわりの素材を選ぶなら、仕入れ先の情報なども多く取り入れるべきでしょう。

さらに、自分がこういう店を経営しているという情報を発信することも、集客においても取引先の獲得においても大切です。

3-2 フランチャイズでのカフェ経営

一方で、大手カフェチェーンのフランチャイジーとなってフランチャイズ経営を行うというのも一つの方法として挙げられます。この場合の大きなメリットとは、大手のブランドネームを背負っての営業となるため、知名度を利用して集客することができる点です。

また、経営のノウハウやシステムなどは自分で考える必要がなく、本部のマニュアルによって進めることができるということから、すべてを自分の手に任されるよりは比較的スムーズに営業を進められることもメリットです。

一方で、店のイメージや雰囲気などは統一する必要があるため、自分のこだわりを出せるかどうかはそのチェーン店の本部の判断に任されるところがあります。

チェーンによって、フランチャイジーの自由度は異なり、ほぼ完全に統一しなければならない場合やある程度の自由度が認められている場合があるため、その程度の裁量が認められるのかは注意しておきたいところです。

4 まとめ

カフェブームの今、様々なカフェが出現し、差別化を求められています。自分の理想と顧客のニーズをマッチングさせ、しっかりとコンセプトを決めておくことが大切です。

比較的少ない資金や従業員で経営ができ、メニューやお店作りにこだわれるメリットがありますが、食品衛生責任者の資格が必須でです。経営に関する知識、コミュニケーションスキル、営業など様々な分野を勉強していくことが大事です。

インターネットを使った集客もかなり効果的です。SNSなどのツールを工夫して使っていけば、口コミで広まりやすく、お店のコンセプトもしっかり明示することができますね。

近年では有名なチェーン店のフランチャイズもあり、経営のノウハウを学んで開業することができます。

しかし、最後の決め手はやっぱり「居心地の良さ」。接客やコーディネートなど、お客様にゆっくりしてもらえる空間を作っていくことが、プロのカフェ経営者として成功する術になります。

公開日:2020年04月08日