ホワイトニングサロンの開業は儲からない?失敗しないためのコツや開業に必要な準備や流れ
最終更新日:2024年11月28日

健康や美容意識の高まりに加え、コロナ禍により歯科治療が受けづらかったことやマスクを外す機会が増えてきたことなどによって、ホワイトニングの需要も増加しています。
そこで注目されているのがホワイトニングサロンの開業です。しかし、開業しても儲かるのか、将来性はどうなのかなどが気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、ホワイトニングの開業は儲かるのかや将来性などをはじめ、開業に向けて知っておくべき必要な準備や注意点、失敗しないためのコツなどをまとめて解説します。
以下の動画では実際にホワイトニングサロンで開業した方に「開業のリアル」を伺っているのでそちらもぜひ参考にしてみてください。
【ホワイトニングサロン開業のポイント・この記事の要点】
ホワイトニングサロンの開業は儲からない?
ホワイトニングサロンの開業は十分な収益が見込まれるビジネスなのでしょうか?
ホワイトニングのサロン開業は儲かるのか、3つのポイントで解説します。
ホワイトニングサロンの市場規模は拡大している
ホワイトニングサロンの市場規模は年々拡大傾向にあります。
2024年の株式会社グローバルインフォメーションが調査・公開している市場規模レポートによると歯のホワイトニングサロン市場は、2029年に89億4,000万米ドルに達し、2024年から2029年の間に3.75%の年平均成長率で拡大すると予測されています。
これには、新型コロナウイルスの大流行により、歯の衛生や歯科エステに対する関心が人々の間で高まっていることが背景理由として挙げられます。コロナ禍で多くの人々が歯科治療を受けられなかったため、歯の変色や汚れを解消したい、新型コロナ感染による合併症のリスクを予防したいなどの理由で歯科クリニックに行かなくても手軽に受けられるホワイトニングサロンへの需要が増えているのです。
近年では、中高年層だけでなく若年層の間でホワイトニングへの関心が高まっている点も、需要の拡大に拍車をかけています。
参照:株式会社グローバルインフォメーション「歯のホワイトニング:市場シェア分析、業界動向と統計、成長予測(2024~2029年)」
ホワイトニングサロン業界は参入しやすい
ホワイトニングサロン業界の新規参入へのハードルが低い点もホワイトニングサロン開業への注目が集まる一因となっています。
特に、セルフホワイトニングサロンの開業では、資格が必要ありません。開業に必要な店舗や設備、用具などを揃えられれば参入可能です。
開業への関心が高まっているとは言え、ビジネスとしてはこれからの成長市場で、認知度はまだ低いため現時点ではそれほど競争が激化してはおらず、収益化は十分に見込めます。
ホワイトニングサロンの利益率は高い
ホワイトニングサロンの開業は、他の美容系業種と比較して利益率が高めのビジネスです。一時間あたりの価格を高めに設定できることに対し、使用する材料費は平均約1,000円で済むため、90%以上の粗利率が見込めます。
特にセルフホワイトニングのフランチャイズの場合、必要な機器類の導入費用が安価である点、省スペースの開業も可能で物件取得費用や賃料などを安く押さえられるなどの点で、高い収益が期待できます。
ホワイトニングサロンをフランチャイズで開業するのに必要な準備やメリット・デメリットについて 、詳しくはこちら
成功する人の特徴・失敗する人の特徴
ホワイトニングサロンの開業であっても、当然リスクが無い訳ではありません。
ここでは成功する人の特徴と失敗する人の特徴を説明します。
成功する人の特徴は「差別化」「集客力」「接客力」
ホワイトニングサロンの開業に成功する人は、他のサロンと差別化されたサービス運営をしています。
具体的には、競合の店舗には無い高性能の最新機器を導入したり、ホワイトニング効果を高める商品を店舗で販売するなど美容に関する情報提供をしています。
また、成功する人は集客にも力を入れていて、MEO対策やSNS・HP、ポスティングなどオンラインとオフラインの両方でお客さんを集めています。
スタッフの接客態度にも注意が必要です。施術前の丁寧な説明や施術後のアフターフォローなども丁寧に行うことも成功の鍵になります。
失敗する人の特徴は法令を軽視してしまう人
失敗しないために「差別化」「集客力」「接客力」に力を入れることも重要ですが、薬機法や歯科医師法などのルールを守ることも大切です。
しかし、これらの法令に対する理解不足から、意図せず違反をしてしまう人もいます。
例えば、ホワイトニングサロンは医療クリニックではないため、医療行為と誤解される表現や、スタッフが施術をすることはできません。
また、必要以上に効果を強調して集客を行っていると、消費者を惑わせる誇大広告とみなされて罰則の対象になる恐れもあります。
ホワイトニングサロンの開業で失敗しないためには
先ほど説明したように、ホワイトニングサロンの開業で成功する人や失敗する人の特徴を説明しました。
ここでは、ホワイトニングサロンの開業で失敗しないためにどうすれば良いか具体的に説明していきます。
ターゲットを明確にして他のサロンと差別化をする
成功するためには、ターゲット層を明確にして、他のサロンとサービスを差別化していくことが重要です。
例えば20〜30代や学生などをターゲットにしているのであれば、最新の機器を用意しなくても、より低価格でサービスを提供すると良いでしょう。
一方で、比較的富裕層が多いエリアでは、高性能の機器を導入したりよりホワイトニング効果を高める商品を販売することなどもおすすめです。
MEO対策で来店に繋げる
MEO(Map Engine Optimization)対策をきちんと行うことも重要です。
MEO対策とは、Googleマップなどで検索した際、上位表示を目指しそこからの来店を獲得することです。
ホワイトニングサロンを探しているユーザーは、マップ上で検索して店舗を探すことが多く、MEO対策をしっかり行うことでユーザーに見つけてもらいやすくなります。
MEO対策のためには、下記の点を意識しましょう。
- ビジネス情報を登録する
- 写真や動画を自ら投稿する
- お客さんからの口コミを積極的に収集する
- 最新の店舗情報をこまめに更新する
SNSやHPを通して店舗の魅力を高める
特に10〜30代の若い世代においては、オンラインでの情報発信はとても重要な要素です。
若い世代では様々な情報収集をSNSで行うことも多く、写真や動画でサロンの雰囲気や施術のbefore afterを投稿することも有効でしょう。
もちろんホームページを充実させることも大切です。サロンのメニューや、料金、アクセスマップ、オンライン予約システムなどを配置することも行うのがベストです。
スタッフの接客力を上げる
ホワイトニングサロンの開業を失敗しないためには、スタッフの接客も大きく影響します。
接客力が低いと重要なリピーターの獲得を逃すことになり、機会損失になってしまいます。
スタッフの接客力を上げるには以下の実践が大切です。
- 接客マニュアルの作成・周知
- 研修や接客試験の実施
- アンケートや口コミサイトなど顧客の声を集める
セルフホワイトニングサロンの場合はスタッフが施術を行わない
ホワイトニングサロンを開業する場合、スタッフが顧客に施術を行わないよう徹底する必要があります。
歯科医師法の定めによると、他者の口や口腔内に触れることができるのは、歯科医師や歯科衛生士のみです。そのため、セルフホワイトニングでは、スタッフが顧客の口や口腔に触ってホワイトニングの処置を手伝うのは禁じられています。
仮に無資格のスタッフがホワイトニングを手伝う行為を行った場合、医療行為を行ったとみなされ、厳しい罰則が下される恐れがあるため注意が必要です。
誇大広告はしないようにする
ホワイトニングサロンを開業する際に宣伝・広告を行うケースが多いですが、必要以上に効果を強調すると、消費者を惑わせる誇大広告とみなされて罰則の対象になる恐れがあります。
具体的には「セルフホワイトニングなのに歯医者でのホワイトニングと同じ効果が得られる」「一回の処置で真っ白になる」といった文言や、事実に基づかない写真・動画を宣伝で使用することなどです。
また、セルフホワイトニングサロンを開業する際は、医療クリニックではないということを明確にしておく必要があります。
ホワイトニングサロンと聞くと歯科医師や歯科衛生士が施術をするイメージを持つ人が少なくないため、医療クリニックと誤解されがちです。
セルフホワイトニングサロンの場合、あくまで顧客本人が店舗の設備・薬剤を使用してホワイトニングを行う美容サロンであり、医療クリニックに該当しません。
医療行為を連想させるような言葉の表現は避けるとともに、過度に効果を強調していないかなど、広告宣伝で使用する素材は入念にチェックしましょう。
フランチャイズで開業する
フランチャイズへ加盟して開業をすることも、ホワイトニングサロンの開業を成功させるための一つの手段です。
上で述べた、競合との差別化や集客、スタッフの研修、法令遵守など全て1人でやろうとすると中々手が回らないというのが現実でしょう。
フランチャイズに加盟すると、本部が持つブランドやノウハウを活用することができます。
すでに確立したブランド力がある状態で、経営を始めることができます。知名度や認知度が高いブランドであれば名前を聞いただけでもサービスをイメージしてもらえるので、開業した直後でも集客を行いやすいことがメリットです。
また、本部には他店舗の成功事例をノウハウとして持っていたり、スタッフの研修をサポートしてもらうことも可能なので、全くの未経験でホワイトニングサロンの開業を検討する人におすすめです。
ただし、フランチャイズへの加盟には個人ではかからない、加盟金やシステム利用料などが発生するので注意が必要です。
今回はおすすめのホワイトニングサロンのフランチャイズをピックアップしたので、フランチャイズでの開業を検討したい方は下記から資料請求してみてください。
ホワイトニングサロンの開業に資格は必要?
ホワイトニングサロンの開業に資格は必要なのでしょうか。
ホワイトニングサロンは、セルフホワイトニングサロンと、歯科医院が運営する医療用のホワイトニングサロンの2タイプに大別されます。
ここでは、それぞれの開業に必要な資格や特徴の違いを解説します。
セルフホワイトニングサロンの開業に資格は不要
歯科医院以外でのホワイトニングはセルフホワイトニングが一般的で、セルフホワイトニングサロンを開業する場合は特に資格は必要ありません。
セルフホワイトニングサロンの場合、サロン側はマシンと呼ばれる機材や薬剤を提供するだけです。
顧客自らがスタッフの説明に基づいて、機材と薬剤を使用し、歯の表面に付着している汚れを除去します。そのため、歯科医師や歯科衛生士などの歯科系の国家資格を有するスタッフの配置が必要ないのです。
医療用ホワイトニングの施術には資格が必要
ホワイトニングサロンの開業に資格が必要ない一方、医療用ホワイトニングのサロンは歯科医院が運営する施設で施術を行うため資格が必要です。
医療用ホワイトニングの施術は、スタッフが漂白作用のあるホワイトニング剤を使用して顧客の口腔内に触れ、歯の表面だけでなく、歯質内部の汚れを分解・除去するケアを行います。
この施術は医療行為に該当するため、歯科医師免許や歯科衛生士の国家資格が必要なのです。
ホワイトニングサロンの開業に必要な資金
項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 200万円 |
内装工事費 | 450万円 |
什器・備品費 | 250万円 |
広告宣伝費 | 30万円 |
合計 | 930万円 |
ホワイトニングサロンの開業に必要な資金はどの程度でしょうか。
サロンに使用する物件の取得費用や建物の面積、内装の改装費用、広告宣伝費用によっても変わってきますが、平均約930万円ほどです。
なお、ホワイトニングサロンの開業でもっと詳細に必要な資金の目安に関する詳細は、下記の記事を参考にしてください。
ホワイトニングの副業を始めたい方必見!必要な資金や資格などを徹底解説
ホワイトニングサロン開業から運営までの流れ
ホワイトニングサロンの開業に必要な準備や、開業に向けた流れを解説します。
フランチャイズか個人か開業方法を決める
まずはフランチャイズに加盟して開業するか、個人で開業するかを選択する必要があります。
先ほど説明したように、本部のノウハウやブランド力を活かして開業をすることができるので、ゼロから開業する人にはフランチャイズで開業することがおすすめです。
一方で、すでにホワイトニングサロンでの仕事や開業経験がある人や、フランチャイズのロイヤリティなどが気になる人には個人で開業することがおすすめです。
物件を選ぶ
ホワイトニングサロンの開業にあたり、まずは店舗を構えるのに必要となる物件を選びます。
駅から近い・商業施設から近い・ターゲット層となる顧客が多く住んでいるなどの立地であれば顧客が通いやすいので集客しやすく、経営を安定させて軌道に載せられるでしょう。
建物の種類に制約はありませんが、営業目的で利用できる物件かどうかを確認しておくことが大切です。美容サロン向け物件の仲介実績がある不動産業者に依頼してみるとスムーズに物件を探せるでしょう。
備品や機材を揃える
ホワイトニングサロンの開業に必要な備品や機材を揃えます。
メインとなるのはホワイトニングをするためのホワイトニングマシンで、数万円程度から数十万円するものまで価格はさまざま。加えて、椅子やロッカー・収納棚などのインテリア用品・レジ・パソコン・タオルや歯ブラシなどの備品が必要です。
開業届を提出する
ホワイトニングサロンを開業する地域を管轄する税務署に開業届を提出します。
サロン経営を通じて得た収益をベースに所得税を納税する義務があるため、期限となる開業後1ヵ月以内に必ず提出しましょう。
なお、開業届を提出することで開業にかかった費用を経費として申告できることだけでなく、政府からの補助が受けられるケースもあります。
広告宣伝活動を行う
ホワイトニングサロンを開業し、経営を軌道に載せるためには多くの顧客に利用してもらう必要があるため、ホワイトニングサロンを開業する地域での広告宣伝活動を行います。
チラシのポスティングやフリーペーパーへの広告掲載はそれなりの効果が見込めますが、手間や費用がかかるのが難点です。
店舗のホームページを開設してサロンの宣伝につなげる場合、プロに依頼することもできますが、オンラインツールを利用すれば費用をかけずに簡単に見栄えの良いホームページを作成できます。
また、美容専門のポータルサイトにサロンの情報を掲載する方法でも効果が見込めますが、他店舗との競合になるため、しっかり独自の魅力や強みを打ち出して差別化を図ることが大切です。
ホワイトニングサロンの開業におすすめのフランチャイズ3選
ホワイトニングサロンの開業をフランチャイズで行えば、本部からのサポートが受けられるため未経験でも安心して開業できます。
そこで、ホワイトニングサロンの開業におすすめのフランチャイズをご紹介します。
ホワイトニングサロンフランチャイズ本部の比較
フランチャイズ名 | 開業資金 | ロイヤリティ | ポイント |
---|---|---|---|
美歯口ホワイトニング | 50万円 | 0円 | ・セルフホワイトニングサロンで業界シェアNo.1 ・加盟金やロイヤリティは無料、頭金なしでも低リスクで開業が可能。 |
HAKU | 198万円 | 売上の10% | ・完全無人でホワイトニングサロンの開業ができるフランチャイズ。 ・システムの導入〜利用まで開業および運営の両面で手厚いサポートが受けられる。 |
T’smile Whitening | 77万円 | 非公開 | ・畳2畳の省スペースで運営できるホワイトニングサロン。 ・現地での接客研修、MEO対策のサポートなども受けられる。 |
- 美歯口ホワイトニング
- ホワイトニングサロンの開業におすすめなのが『美歯口ホワイトニング』です。株式会社シャリオンが展開するセルフホワイトニングサロンで業界シェアNo.1を誇ります。独自のホワイトニングシステムにより痛みや食事制限もなく、1回5,000円程度の料金で利用できる点が顧客に人気です。
加盟金やロイヤリティは無料、頭金なしでも低リスクで開業が可能です。物件紹介サポートや販促ツールの提供・定期的な研修などサポート体制が充実しているのも魅力です。
- HAKU
- 『HAKU』は、完全無人でホワイトニングサロンの開業ができるフランチャイズです。オンライン診療の導入・歯科と同等のホワイトニング品質・1回あたり3,850円の安価な価格設定など競合との差別化によって利用者数を伸ばしています。
予約決済システムの構築・運用やオンライン診療導入・利用など、開業および運営の両面で手厚いサポートが受けられます。自己資金は100万から300万円程度の低資金で始められるのもおすすめポイントです。
- T’smile Whitening
- 『T’smile Whitening』は、わずか畳2畳の省スペースで運営できるホワイトニングサロン。利益率は90%以上の高水準を誇っており、提携先のくろさわ歯科がホワイトニング材の仕入れを行うため、サロンで発生する施術の必要経費はブラシや紙コップなどの消耗品だけになっています。
ホワイトニングマシン契約期間内無料保証や、現地での接客研修、MEO対策のサポートなども受けられるため、不安を解消しながら安心してビジネスに取り組むことが可能です。
ホワイトニングサロン開業についてまとめ
ホワイトニングの市場規模はさらなる拡大が予測されていることから、ホワイトニングサロンの開業は十分な将来性が見込まれるビジネスと言えるでしょう。
セルフで行うホワイトニングサロンであれば無資格でも開業できます。
ホワイトニングサロンの開業にあたっては、医療クリニックでないことを明確化した上で過度な宣伝や医療行為とみなされるような行為は避けるなどの注意が必要です。
フランチャイズ加盟での開業なら、未経験でも経営ノウハウや宣伝ツールの提供、研修など手厚いサポートが受けられるため初めての開業でも安心です。興味のある方はぜひこの機会に検討してみてください。
公開日:2023年05月24日