定年後に独立開業するメリットやおすすめの職業とは？
最終更新日：2023年04月05日
定年後の生活にもの足りなさを感じる方や、収入面の不安を感じる方もいるでしょう。独立開業をすれば、好きな仕事でやりがいを感じながら、収入アップができるかもしれません。しかし独立開業を成功させるには、入念な準備とリスクコントロールが重要です。この記事では、定年後に独立開業するための準備やメリット・デメリット、おすすめの職業や気を付けるべきことを解説します。
目次
定年後にシニア世代が独立開業するためには
定年後の独立開業は早めの準備が大切です。また、年金の受給資格取得やフランチャイズへの加入など、リスクを調整し安定感のある運営ができるようにしなければいけません。それぞれ重要な要素なので、具体的に見ていきましょう。
50代のうちから準備しておく
定年後スムーズに独立開業するには、50代からの準備が大切です。開業・運営資金を計画的に貯めておき、安定感のある運営ができるようにしておきましょう。また、起業したい分野や目的を明確にし、綿密な計画を立てることも重要です。
自分がチャレンジしたい業種や実現したい生活をイメージできると、学習の道筋も立てやすくなります。また、家族にも具体的に説明できるように計画し、納得してもらうと独立開業をしやすいでしょう。
年金の受給資格を得てから独立し開業する
独立開業をする前に、年金の受給資格を得ておくと心に余裕が生まれます。余裕がないと冷静な判断がしにくくなるため、安定した収入を確保しておくことは重要です。年金があると、開業してすぐにうまくいかなくてもコツコツと続けられるでしょう。
年金の受給は基本65歳からですが、60歳から65歳まで減額された年金を受け取れる「繰り上げ受給」や、66歳から75歳まで増額された年金を受け取れる「繰り下げ受給」も可能です。自分の経済状態や開業時期により、最適な選択肢を選ぶと良いでしょう。
フランチャイズへの加入を視野に入れる
フランチャイズとは、本部と契約して運営ノウハウやブランド力、商品開発力などを得る対価として、フランチャイズ本部へロイヤリティを支払うビジネスモデルです。未経験でも始められるほど集客やマニュアルが仕組み化されているため、始めから安定感のある運営が期待できます。
個人で独立開業すると、はじめに時間や労力が必要です。年齢的にも全てを自分で行うのは難しいこともあるでしょう。「開業や集客をすべてできる自信がない」という方は、フランチャイズへの加入も視野に入れてみてください。一度収益の上がる仕組みが手に入ると、知識やスキルの向上も早くなります。
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定年後に独立開業するメリットとは？
定年後の独立開業は、資金や運営の計画などをしっかりと立てられます。ほかにも、定年後ならではのさまざまなメリットがあるので、強みを活かすためにも確認しておきましょう。
収入アップが見込める
定年後の独立開業で収入アップができると、より豊かな老後を過ごせます。定年後の再雇用なども考えられますが、一般的に給与は下がるでしょう。しかし、独立開業をすれば、頑張り次第で大幅な収入アップも実現可能です。
また、定年まで企業勤めをしてきた方は「好きな仕事で自由に働きたい」という気持ちを持っていることもあります。このように定年後の独立開業は、好きな仕事で収入アップが見込めることも魅力です。
長い経験や豊富なスキルを活かせる
本業や副業、趣味など、定年までの豊富な経験を独立開業に活かすことができます。若い人にはない豊富な社会人経験やスキルがあるため、有利に事業を進められることもあるでしょう。
また、融資を受ける場合にも長年の業務経験が武器になることもあります。説得力のある事業計画書を作成できるので、銀行などでの印象が良くなるかもしれません。
時間に融通が利く
定年後は自由になる時間が増えるため、独立開業をしても余裕を持って働けます。会社員時代は、自分で選択できない仕事環境や長い労働時間など、思うように時間をコントロールできません。また、子育てや家族サービスにも多くの時間を使うでしょう。
一方、子育ても終わり自由な時間が増えた定年後の独立開業は、働き方のスタイルを自分でコントロールしながら、充実した毎日を過ごせます。
開業資金を用意しやすい
貯金や退職金も含め、会社員時代よりも資金面で有利に独立開業できます。資産に余裕がある場合、融資を受けずに自己資金だけで開業する方も多いでしょう。
また、退職金や手持ちのお金は資産運用に回し、融資を受けた資金で独立開業を行う選択肢もあります。定年までに十分な資産を用意しておくと、資金面で悩まず幅広い選択ができるのもメリットです。
いつまでも働ける
定年後の独立開業が成功すれば、好きな仕事でいつまでも働けるという楽しみがあります。「定年後に働くのはつらそう」と感じる方もいるかもしれませんが、下記のような思いを持つ人にとってさまざまなメリットがあります。
- 資産を減らしたくない
- 仕事にやりがいを感じたい
- 社会貢献がしたい
- 仕事をしながら健康でいたい
- 新しい人間関係をつくりたい
働くことをポジティブに捉えられる方には、定年後の独立開業がおすすめです。
定年後に独立開業するデメリットとは？
定年後の独立開業は、年齢を重ねることによるメリットがある一方、デメリットもあります。その内容を理解した上で計画的にチャレンジすることが大切です。ここでは、定年後の開業ならではのデメリットを見ていきましょう。
失敗後の再チャレンジが難しい
定年後の独立開業に失敗すると、再就職や資金調達の面で、若い世代よりも年齢的に再チャレンジが難しくなります。
自己資金で再チャレンジしようにも、老後の生活資金を大きく減らすのは危険です。失敗の可能性を減らすため、リスクが低く継続できそうな業種を選択しましょう。
体力の低下から開業準備が思うように進まない
独立開業の準備は思いの外大変な作業です。定年後は体力の低下から、思うように進まないかもしれません。独立開業をするには以下のような多くの準備が必要です。
- 開業届の提出
- 必要であれば許認可の取得
- 事業用のクレジットカードや銀行口座の開設
- 確定申告の準備
- 名刺や印鑑の作成
- 事業用のホームページやSNSの開設
- 補助金や助成金の申請
上記に加え、店舗での営業を行うのであれば、物件や資材の確保などさまざまな準備があります。体力の低下した定年後では、開業準備を思い描いたペースで進めるのは難しいかもしれません。
柔軟に対応できず事業が成長しづらい
インターネットの発達により、何かと変化の早い時代になっています。事業においても当てはまるため、成長するためには時代や状況に合わせた柔軟な対応が必要です。しかし、年齢を重ねると経験が増える一方、柔軟性は失われるのが一般的でしょう。
定年後の独立開業におすすめの職業
資金や時間に余裕がある定年後の独立開業には向いている職業があります。ここでは、おすすめの職業と仕事内容、メリットや定年後に始める利点を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ハウスクリーニング
ハウスクリーニングとは依頼人の自宅はもちろん、企業や店舗の清掃も引き受ける仕事です。店舗なしで独立開業できる上、仕入れや在庫の確保が必要ないので低リスクで始められます。
また、機材や薬剤の使い方、汚れを落とす技術を身に付ければできる仕事なので、未経験からでもチャレンジしやすい職業といえるでしょう。自信がない方は、ノウハウの手に入るフランチャイズから始めるのが良いかもしれません。多少の体力的な負担はありますが、定年後でも健康的に働けるおすすめの職業です。
修理（リペア）
体力を使わずにできる職業では、修理（リペア）もおすすめです。革製品や衣類、電化製品やスマートフォンなどの修理業が考えられます。
定年後からのスタートでも十分習得できるスキルなので、未経験からの挑戦もおすすめです。エコに注目されていることからも、今後も需要のある職業といえるでしょう。
コインランドリー
十分な開業資金がある方には、コインランドリー運営もおすすめです。それなりの開業資金は必要ですが、運営に時間をかけず収益が得られます。また、フランチャイズやリース契約で始めれば、初期費用を抑えることも可能です。
清掃や集金、消耗品の補充や電話対応などの業務はありますが、十分な収益があればスタッフの雇用もできるでしょう。軌道に乗れば半不労所得のようにできる職業なので、資金と時間に余裕のある老後を過ごしたい方におすすめです。
ネットショップ運営
ネットショップ運営はパソコンさえあれば自宅で始められるため、定年後で体力に不安のある方でもおすすめです。自分で商品をつくったり、仕入れた商品をネット上で販売したりして収益を得ます。
小さく始めれば開業資金もあまり必要なく、低リスクで開業できる仕事です。ツールの使い方や、収益の出る商品を見つけることに苦労する場合はありますが、スキルをつけながら地道に続けていくと着実に成果の出る仕事といえます。
定年後だからこそ気を付けるべきこととは
定年後の独立開業は、無理をせずに始めることや気持ちを切り替えてチャレンジすることが大切です。ここからは、定年後ならではの気を付けるべきことを紹介します。
初期投資をしすぎない
定年後は貯金や退職金があるため、つい多額の初期投資をしがちです。しかし、一度失敗すると再チャレンジしにくいことや、老後の生活資金のためにもある程度のキャッシュを残しておきましょう。
定年後の独立開業は、大きな成功を狙うよりリスクを回避しつつ継続性のあるビジネスに取り組むほうが懸命です。後悔をしないように、初期投資は抑え資金に余裕のある状態で事業を行いましょう。
前職の肩書きに囚われない
前職で大企業に勤めていた方や管理職をしていた方は、前職の肩書に囚われたまま独立開業する場合があります。開業は一から事業を起こす行為なので柔軟な対応が重要ですが、不要なプライドがあっては難しいでしょう。
新たに開業する際は前職の肩書を忘れ、新人になった気持ちで謙虚に学ぶことが大切です。
サポートを受けながら開業する
定年後の独立開業を、自分1人の力で目指すのは体力的にも困難です。年長者の強みであるこれまで培った人脈や、家族からのサポートを受けながらチャレンジするほうが良いでしょう。
また、フランチャイズで事業を始めるとスムーズな開業が可能です。本部からさまざまなサポートが受けられるほか、店舗を持たずにスマホやパソコンでできる仕事もあります。優れたビジネスモデルで手厚いサポートを受けながら開業したい方にピッタリの方法です。
定年後の独立開業についてのまとめ
定年後の独立開業は、豊富な準備期間や自己資金がある一方、体力的な不安や再チャレンジがしにくいなどの注意点もあります。しかし、リスクを抑えつつ興味のある分野で独立開業を成功させると、収入、やりがいなどの面でさまざまなメリットがあり、充実した日々を過ごせるでしょう。
また、リスクを抑えつつサポートを受けながら開業したい方は、フランチャイズの活用がおすすめです。一からビジネスモデルをつくる必要がなく、はじめから一定の集客力やブランド力を持ってスタートできます。定年後もチャレンジを続けたい方は、ぜひ独立開業を検討してみてください。
公開日：2022年08月24日
