源泉徴収票とは?発行時期や見方、作成方法を徹底解説!

最終更新日:2020年10月20日

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年末調整や従業員の転職時など、会社が源泉徴収票を発行するタイミングはいくつかあります。経営者を目指すのであれば、源泉徴収票の正しい発行時期や作成方法などをしっかりと理解しておかなくてはなりません。

そこで今回は、経営者が知っておきたい源泉徴収票の基礎を徹底的にまとめました。作成義務を怠ると罰則が科せられることもあるので、自信のない方は最後までしっかりとチェックしていきましょう。

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目次

源泉徴収票とは?

源泉徴収票の作成が必要になるとき

源泉徴収票の発行時期は?

源泉徴収票の見方と作成方法【給与所得】

源泉徴収票の見方と作成方法【退職所得】

経営者はいつでも源泉徴収票を作成できる準備を

源泉徴収票とは?

源泉徴収票とは、会社などが従業員に対して支払った総支給額と、そこから差し引かれた所得税額が記載されている書類のこと。サラリーマンとしての経験があれば見慣れた書類かもしれませんが、実はこの源泉徴収票には以下の2つの種類があります。

  • 給与所得の源泉徴収票…勤め先からの1年間の総支給額と、差し引かれた所得税額が記載されている書類。
  • 退職所得の源泉徴収票…勤め先からの退職手当と、差し引かれた所得税額が記載されている書類。

いずれの源泉徴収票についても、作成義務は給与等を支払った者に課せられます。つまり、源泉徴収票は雇用主である会社や個人事業主が作成する形となるので、フランチャイズオーナーを目指している方はこれを機に正しい知識を身につけておきましょう。

源泉徴収票の作成が必要になるとき

では、そもそも源泉徴収票はなぜ作成する必要があるのでしょうか。その点を紐解くために、次は源泉徴収票が必要になるタイミングについてご紹介していきます。

従業員が転職をするとき

従業員の再就職時には、転職前の会社から発行された源泉徴収票の提出が求められます。これは、年末調整の際に「前職の源泉徴収票」と「転職先での源泉徴収票」の2つが必要になるためです。

ちなみに、正社員からの転職だけではなく、アルバイト・パートから転職をした場合であっても、経営者は必要に応じて源泉徴収票を作成しなければなりません。つまり、源泉徴収票の作成義務は、従業員の雇用形態に関わらず課せられるので注意しておきましょう。

確定申告のとき

一般的なサラリーマンは、会社内で行われる年末調整によって税金の過不足を精算します。ただし、以下のケースに該当する従業員については、年末調整に加えて個人で「確定申告」をすることが義務付けられています。

  • 年をまたいで転職をするとき(転職先の年末調整が間に合わないとき)
  • 年収が2,000万円を超えるとき
  • 副業による収入が年間で20万円を超えるとき

いずれのケースにおいても、確定申告の際には源泉徴収票の提出が求められます。

ライフイベントで収入証明が必要になるとき

マイホームの購入や結婚をはじめ、ライフイベントのなかにも収入証明としての源泉徴収票が必要になるタイミングがいくつかあります。具体的なケースとしては、従業員が住宅ローンを組むときや、結婚をして誰かの扶養家族に入るときなどが挙げられるでしょう。

つまり、源泉徴収票が必要になるタイミングは、従業員の状況によって大きく変わってくるので、経営者はいつ要望が来ても応えられるように準備を整えておく必要があります。

源泉徴収票の発行時期は?

次は、会社側が源泉徴収票を発行する時期について解説をしていきましょう。源泉徴収票の発行時期は、大きく以下の3パターンに分けられます。

従業員の退職時

従業員が退職をした場合は、退職日から1ヵ月以内に源泉徴収票を作成し、退職者に交付をする必要があります。前述の通り、雇用形態に関わらずすべての従業員に対して交付をする義務があるので、会社側はアルバイト・パートに対しても源泉徴収票を渡さなければなりません。

最後の給与明細とともに源泉徴収票を渡す方法が確実ですが、退職者の状況次第では直接手渡すことが難しいケースもあります。このようなケースを想定し、退職者の今後の連絡先についても事前に尋ねておきましょう。

年末調整後

年末調整の後には、従業員に対して源泉徴収票を交付するとともに、税務署に対しても翌年1月末までに源泉徴収票を提出する必要があります。さらに、市区町村に対しても2部の源泉徴収票を提出するため、年末調整後には合計で4部の源泉徴収票を作成します。

このように、源泉徴収票は従業員に対する交付だけではなく、税務署・市区町村に対する提出も義務づけられているので注意しておきましょう。

従業員から要望があったとき

前述でご紹介したライフイベントの際など、従業員から要望があったときにも会社側は源泉徴収票を作成する必要があります。そのほか、従業員が源泉徴収票を紛失し、再発行を希望してきた場合にも会社側は対応をしなければなりません。

ちなみに再発行のルールは企業ごとに異なり、なかには数百円程度の手数料を徴収する企業や、再発行までに数週間ほどを要する企業なども見受けられます。再発行に関する規則を定めていない経営者は、これを機にルール整備に取り組むことを検討してみましょう。

源泉徴収票を作成しなかった場合

源泉徴収票の作成義務・提出義務を怠った場合、会社側には「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられます。この罰則は所得税法に明記されているため、源泉徴収票の作成義務・提出義務は必ず守らなくてはなりません。

特に注意しておきたいのは、中途採用者が前職場から源泉徴収票を受け取っていなかった場合や、採用時期の関係で発行が期日までに間に合わないようなケース。これらのケースでは、摘要欄に「年調未済」と記載した源泉徴収票を従業員に交付し、各従業員に確定申告を行ってもらう必要があります。

源泉徴収票の見方と作成方法【給与所得】

最後に、給与所得の源泉徴収票の見方と作成方法を見ていきましょう。源泉徴収票は種類によって様式がやや異なるので、まずは「給与所得の源泉徴収票」の見方と作成方法から解説をしていきます。

給与所得の源泉徴収票

出典:国税庁ホームページ
※「給与所得の源泉徴収票」を加工して作成

支払いを受ける者の情報

最上部にある「支払いを受ける者の情報」の欄には、主に以下の3つの情報を記載します。

1.住居又は居所

1月1日時点での従業員(受給者)の住所、もしくは居所を記載します。中途退職をした従業員については、退職時の住所・居所を記載する必要があるので注意しておきましょう。

2.個人番号

税務署などに提出する源泉徴収票では、この欄に従業員のマイナンバー(個人番号)を記載します。なお、従業員本人に交付する源泉徴収票については、マイナンバーを記載せず空欄のままで渡します。

3.氏名

受給者となる従業員の氏名と、フリガナを記載するための欄です。シンプルな欄ですが、社内での役職名(職務名)を併記する必要があるので忘れないようにしましょう。

種別・支払金額

「種別」の欄には、該当する従業員に対して支払った給与等の種別を記載します。給料や賞与、俸給、財形給付金など、企業や個々の従業員によって給与等の種別は異なるため、担当者は事前に種別を確認しておくことが大切です。

次の「支払金額」の欄には、支払いが確定した給与等の総額と、その横に現時点での未払い分をカッコで閉じて記載します。なお、受給者が「法律に基づく形で未払給与等の弁済を受けた退職勤労者」に該当する場合は、その弁済金額を含めない形で記載する必要があるので注意しておきましょう。

給与所得控除後の金額

年末調整を行った従業員の源泉徴収票では、この欄に「給与所得控除後の給与等の金額」を記載します。給与所得控除の金額については、以下のような形で計算方法が決められています。

給与等の収入金額 給与所得控除額の計算方法
1,625,000円以下 550,000円
1,625,001円~1,800,000円 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円~3,600,000円 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円~6,600,000円 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円~8,500,000円 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円

ちなみに、上記は令和2年分以降の給与所得控除額であり、将来的には計算方法が変更される可能性も考えられます。そのため、源泉徴収票を作成する際には、給与所得控除額の計算方法を毎年チェックすることが望ましいでしょう。

所得控除の額の合計額

こちらも、年末調整を行った従業員のみ記載する欄です。社会保険料控除や生命保険料控除をはじめ、全14種類のうちいずれかの所得控除を受ける場合には、その所得控除の合計金額をこの欄に記載します。

なかでも医療費控除や雑損控除、寄附金控除の3つに関しては、従業員が確定申告をしない限り適用されないので、必要に応じて従業員本人の確認も取りながら作業を進めていきましょう。

源泉徴収税額

この欄には、1年間に支払った源泉徴収税額(所得税と復興特別所得税)を記載します。やや複雑に見えるかもしれませんが、源泉徴収税額は以下の式によって計算できるため、ここまでの欄を記載できていればそれほど手間はかかりません。

源泉徴収税額=課税所得金額×税率-控除額
※課税所得金額=給与所得控除後の金額-所得控除の額の合計額

上記のうち「税率」は、所得税率と復興特別所得税率を合計したものが使用されます。では、税率や控除額がどのように決められているのか、以下で簡単にご紹介しておきましょう。

課税所得金額 所得税率 復興特別所得税率 合計した税率 控除額
1,950,000円以下 5% 2.1% 7.1% 0円
1,950,001~3,300,000円 10% 2.1% 12.1% 97,500円
3,300,001円~6,950,000円 20% 2.1% 22.1% 427,500円
6,950,001円~9,000,000円 23% 2.1% 25.1% 636,000円
9,000,001円~18,000,000円 33% 2.1% 35.1% 1,536,000円
18,000,001円~40,000,000円 40% 2.1% 42.1% 2,796,000円
40,000,001円以上 45% 2.1% 47.1% 4,796,000円

こちらの税率や控除額についても、将来的に変更が加えられる可能性は十分に考えられるので、毎年欠かさずチェックすることをおすすめします。

所得控除の詳細

種別から源泉徴収税額までを書き終わったら、次はその下にある「所得控除の詳細」へと移りましょう。

この欄には、扶養家族の人数や保険料の金額など、各所得控除の詳細をひとつずつ記載していきます。多くの情報を記載することになりますが、年末調整前に各従業員から提出された以下の書類をもとに記載できる部分なので、事前に書類をそろえておけばスムーズに作業を進められます。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書

上記3つは源泉徴収票の作成時に必ず必要になるため、年末調整の前には従業員に対してしっかりとアナウンスをしておきましょう。

源泉徴収票の見方と作成方法【退職所得】

次は、「退職所得の源泉徴収票」の見方や作成方法を解説していきます。給与所得の源泉徴収票とはやや様式が異なるため、その点に注意しながらチェックしていきましょう。

退職所得の源泉徴収票

出典:国税庁ホームページ
※「退職所得の源泉徴収票」を加工して作成

支払いを受ける者の情報

この欄には給与所得の源泉徴収票と同じく、従業員に関する以下の3つの情報を記載します。

  • 1.住居又は居所
  • 2.個人番号
  • 3.氏名(役職名)

源泉徴収票の作成時点での住所とは別に、1月1日時点での住所を記載するための欄も設けられているので、こちらも忘れずに記載しましょう。

支払金額

支払金額の欄には、会社が退職手当(退職金)として支払った金額を記載します。

この退職手当には、退職を理由として支払われた「すべてのお金」が含まれます。つまり、定年退職時の手当はもちろん、中途退職者に対する支給金も含まれるので、退職の際に支払った金額は細かくチェックをしておきましょう。

源泉徴収税額

退職手当に対して支払った、源泉徴収税額を記載するための欄です。給与所得の源泉徴収票と同じく、支払った所得税と復興特別所得税の合計額を記載しますが、以下のように計算式がやや異なる点に注意が必要です。

源泉徴収税額=課税退職所得金額×税率
※課税退職所得金額=(支払金額-退職所得控除額)×50%

上記のうち「退職所得控除額」については、勤続年数によって計算方法が異なります。

勤続年数 退職所得控除額の計算式
20年以下 40万円×勤続年数(下限:80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

上記の通り、退職所得控除額は勤続年数が長いほど金額が増える仕組みがとられているので、各退職者の勤続年数は事前にチェックしておきましょう。

特別徴収税額

この欄には、退職手当に対して支払った住民税の金額を記載します。市町村民税は「課税退職所得金額×6%」、道府県民税は「課税退職所得金額×4%」でそれぞれ計算するため、計算式を混同しないように注意したいところです。

退職所得控除額

上記でご紹介した、「退職所得控除額」を記載するための欄です。計算方法は前述の通りですが、障害者となったことが原因で退職をした場合や、同一年中に複数の勤務先から退職手当を受け取った場合などには、控除額の計算方法がやや異なる可能性があります。

これらのケースに該当する場合は、税理士などの専門家に相談をすることも検討しましょう。

経営者はいつでも源泉徴収票を作成できる準備を

源泉徴収票には「給与所得・退職所得」の2種類があり、それぞれ様式や源泉徴収税の計算方法などが異なります。経営者を目指すのであれば、これらの違いをしっかりと理解したうえで、源泉徴収票をいつでも作成できるように準備しておかなくてはなりません。

その余裕がない方には、源泉徴収票の作成代行サービスを利用する方法がおすすめです。ある程度の費用はかかりますが、なかには郵送に加えてメールやネットプリントでの納品に対応しているサービスも見受けられるので、依頼先によっては手間をかけることなくスムーズに源泉徴収票を用意できるでしょう。

公開日:2020年10月12日