小さなカフェを開業するには?手順と必要な準備・開業資金を抑えるポイント

最終更新日:2023年04月03日

カフェを開くことが夢という人も少なくありません。しかし大手チェーン店から個性的なコンセプトを持つカフェなどが多く、差別化が難しい業種といえます。開業を成功させるためには、オリジナルメニューの開発や独自のコンセプトを考えるなどの工夫が必要です。

この記事では、小さなカフェの開業に必要な準備・開業資金を抑えるポイントなどをご紹介します。

カフェ・喫茶店・レストランで独立・開業できるフランチャイズを探してみる

目次

小さなカフェとは

小さなカフェ開業に必要な準備

小さなカフェを開業する7つの手順

小さなカフェの開業にかかる資金の目安

小さなカフェの開業資金を抑えるポイント

小さなカフェの開業におすすめのフランチャイズ3選

小さなカフェ開業についてまとめ

小さなカフェとは

小さなカフェとは、どのくらいの規模の店舗を指しているのか、その目安と喫茶店との違いを以下で解説します。

小さなカフェの広さの目安

一般的なカフェの広さは5~20坪程度と店舗によって面積に幅があります。イートインスペースを設け、お客様の様子が見れるカフェにしたい場合は10坪程度(約33㎡)を目安にすると良いでしょう。テイクアウト専門のカフェを開業するなら、10坪以下であれば営業に十分な広さを確保できます。

ただし「開放感がある空間でゆっくり過ごせるカフェ」「おしゃれな雑貨を店内にちりばめたお店」など、カフェのコンセプトによっては十分な広さを検討する必要があります。

カフェと喫茶店の違いを確認

カフェと喫茶店は飲み物や軽食を提供するため混同されがちですが、それぞれに違いがあります。カフェを開業するためには飲食店営業許可を取得する必要があり、アルコール類の提供が可能です。一方、喫茶店は喫茶店営業許可の取得が必要で、提供できるメニューに制限があります。なお、アルコール類の提供はできません。

小さなカフェ開業に必要な準備

 小さなカフェ開業に必要な準備

小さなカフェを開業するために準備しておきたいことを以下で解説します。

カフェのコンセプトを考える

カフェの開業にあたり、どのようなお店にしたいのかコンセプトを検討します。コンセプトを作る際は絞り込みすぎないように注意しましょう。最初から細かく決めすぎると開業後に修正がきかなくなり失敗しやすくなります。大まかな方向性だけを決めておき、運営していくなかでコンセプトを絞り込むようにすると柔軟に対応できます。

小さなカフェの場合、手軽に食べられるパンやスイーツなどの提供は強みとしてアピールしやすいです。店舗のスペースは限られているため、名物になる食品を考えましょう。

必要な資格を確認する

カフェの開業に調理師の資格は必要ありませんが、食品衛生責任者と防火管理者の2つの資格が必須です。それぞれの資格の概要を解説します。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は飲食店営業許可の取得に不可欠で、食品管理・衛生管理などの方法や調理器具の取り扱いなどの飲食業の基礎知識を習得できる資格です。
店舗ごとに1人の有資格者を置く必要があり、各自治体で行っている講習を受講することで取得できます。

防火管理者

防火管理者は、従業員を含めて30人以上を収容できる飲食店を開業する場合に必須の資格です。
防火管理者の役割は火災発生の防止はもちろん、火災報知器の設置や火災時の避難経路の確保などが挙げられます。日本防火・防災協会や消防署が開催する講習を受講すると取得できます。

必要な資金を用意する

小さなカフェを開業するために必要な資金を準備しておきましょう。開業資金の内訳や費用の目安は後ほど解説します。

開業資金の調達方法として最初に思い浮かぶことは自己資金を貯めることではないでしょうか。開業に必要な費用を計算することで、いくら貯金をすればいいのかが分かります。

日本政策金融公庫では、飲食店を含む生活衛生関係営業の事業者向けの融資制度を運営しています。融資制度を利用することで開業資金や運転資金の一部を補てんでき、余裕を持った資金管理ができるでしょう。

事業計画書を作成する

小さなカフェを開業する場合にも事業計画書の作成が必要です。事業計画書とは、事業の業態の種類や戦略の内容、収益の見積もり額などをまとめた書類です。
事業計画書は融資制度の審査に提出したり、共同経営者と共通認識を持つために活用したりと事業内容を共有する上で重要な役割があります。
事業計画書に記載する主な項目は次の通りです。

  • 企業の理念・ビジョン
  • 事業内容
  • 売上・利益に関する計画
  • 資金調達の計画
  • 仕入先など

上記のほかにも商品・サービスの特徴や強み、競合・市場環境の分析やマーケティング戦略なども記載しておきましょう。

小さなカフェを開業する7つの手順

小さなカフェを開業するまでの全体の流れを次の7つの手順に沿って解説します。

1.物件を探す

小さなカフェ向けの物件を探す場合、物件を歩いて回る・不動産会社に相談する・テナント物件を扱っているWebサイトを活用するなどの方法があります。駐車スペースや目印になるランドマークの有無や人通りの多さなどを確認し、お客様の動線をイメージして利用しやすい物件かどうかをチェックしましょう。

不動産会社やWebサイトの情報だけで決めず、実際に足を運んで自分の目で確認することが物件選びのポイントです。

2.内装業者に見積もりを依頼する

物件の賃貸契約後は、カフェの内装工事の実績がある業者に相見積もりを依頼しましょう。コンセプトに合ったカフェにするためには、クロスの張り替えや電気・ガス・水道設備の設置などの内装工事が必要です。

カフェの内装工事の実績がない業者に依頼すると開業後に設備の不備が見つかる場合があるため、業者に依頼する際は実績の多さやアフターフォローの充実度なども確認しておきましょう。

3.必要書類を公的機関に提出する

カフェの開業前に、青色申告と飲食店営業許可の取得を済ませておきましょう。また、開業してから1ヵ月以内に開業届を税務署に提出する必要があります。開業届を提出しなかった場合、青色申告を利用できないため忘れずに提出することが大切です。

青色申告

青色申告とは、事業者が1年間の所得を申告するための書類です。
青色申告は確定申告を行い、事業者が納税の義務を果たすために欠かせません。青色申告に必要な書類は事業所を管轄する税務署の窓口や国税庁のホームページでダウンロードできます。オンライン申告の手続きも行えます。

飲食店営業許可

飲食店営業許可は飲食店に該当するカフェの開業に不可欠な許可証です。
飲食店営業許可は保健所の窓口で申し込みを行い、保健所のスタッフによる現場確認を経て問題がなければ認可を得られます。現場確認後に追加の工事が必要になると費用の負担が増えるため、事前に保健所の担当者に図面をチェックしてもらうことで余分なコストを減らせるでしょう。

4.設備や備品を揃える

カフェの運営に必要な設備や備品も揃えておきましょう。開業に必要な設備や備品にかかる費用は後ほど解説します。カフェの開業にあたり必要になる主な設備や備品は次の通りです。

  • 冷蔵・冷凍庫やオーブンなどの厨房機器
  • 食器棚やテーブル・ソファなどの家具
  • 調理器具・食器
  • パソコン
  • 電話・インターネット回線など

設備や備品は店舗の広さや動線、保管する材料の種類などを考慮して選びましょう。

5.食材の仕入れ先を決める

提供するメニューに使用する食材の仕入業者を決めましょう。専門業者から業務用食材をまとめて仕入れて材料費を安定させることができれば利益を多く残せます。

専門業者のマッチングサイトを活用して探したり、信頼できる人から紹介してもらったりといった方法で仕入業者を探せます。食材にこだわる場合は生産者と交渉することも一つの方法です。

6.スタッフを募集する

スタッフを雇う場合は求人広告を出して人材を募集します。求人を募集するためには以下の方法があります。

  • 店舗の外に募集のチラシを貼り出す
  • 求人情報誌に出稿する
  • ハローワークに登録する

志望動機はカフェのコンセプトを理解しているかどうかを見極める上で重要な要素になります。採用面接では応募者の志望動機を確認しましょう。

7.オープンする

オープンの数日前に関係者や家族、友人などを招待して本番と同じようにサービスを提供するプレオープンを行うとオペレーションの課題や改善点の洗い出しができます。
プレオープンでは注文から提供までにかかる時間や動線をチェックします。プレオープンで洗い出した課題や改善点をオペレーションに反映させ、オープン当日に備えましょう。

プレオープンについては下記記事で詳しく解説しています。

プレオープンとは?オープンとの違いやプレオープンのポイントを解説

小さなカフェの開業にかかる資金の目安

小さなカフェの開業に必要な資金の内訳と費用の目安を以下で解説します。

家賃・保証料

カフェの開業には家賃や敷金・礼金などの初期費用や保証会社に加入するための保証料がかかります。家賃の目安は想定する売り上げの1割程度です。賃貸契約を交わす際に前家賃や敷金・礼金の支払いが必要になるため、1年分の家賃を目安に資金を用意しておくと良いでしょう。ほかにも火災に備えて保険に加入しておくと安心です。

内容工事費

店舗のリフォームを行う場合は内装工事費が発生します。居抜き物件かどうかで金額は変動します。内装工事を行った場合の一般的な費用の目安は次の通りです。

  • 居抜き物件:坪単価10~30万円程度
  • それ以外の物件:坪単価30~60万円程度

クロスの張り替えやペンキ塗りなどの簡単な作業をDIYする場合でも10万円程度の予算を見積もっておきましょう。

備品や仕入れ代

10坪程度のカフェを例に開業で必要になる代表的な備品や機器の費用の目安を紹介します。

  • 厨房機器:120万円程度
  • ガスレンジ:10万円程度
  • コーヒーマシン:10万円程度
  • 冷蔵・冷凍庫:25万円程度
  • 製氷機:15万円程度
  • シンク・作業台:13万円程度
  • テーブル・イス:28万円程度
  • 食器:10万円程度

上記のほかに会計業務を円滑にするPOSレジや電気フライヤーなどを使用する場合は、総額300万円程度の費用が必要です。

小さなカフェの開業資金を抑えるポイント

小さなカフェの開業資金を抑えるポイント

できるだけ開業資金を安く抑えたい場合は、次に挙げる3つのポイントを意識して準備を進めましょう。

テナント家賃や内装費を抑える方法

家賃や内装工事費はテナント物件の坪数によって変動するため、カフェの営業に最低限必要な坪数の物件を選ぶことで開業に必要な資金を減らせます。居抜き物件を利用すれば、内装費を安く抑えることが可能です。

暖房機器や冷蔵庫などは中古を選ぶ

厨房機器や暖房機器などの高額な費用がかかる機材は中古品を選ぶことで費用を安く抑えられます。ただし、中古品は新品に比べて部品交換や故障のリスクが高くなるため、故障した際の費用は考慮しておくことが大切です。

フランチャイズで開業資金を抑えよう

資金調達や開業準備に不安がある場合はフランチャイズの加盟を検討しましょう。フランチャイズに加盟すると、少ない資金でもカフェを開業できます。本部から開業・運営に関する手厚いサポートが受けられるため、メニューや内装などを一から考える必要がなく手間もかかりません。

カフェ・喫茶店で独立・開業できるフランチャイズ

小さなカフェの開業におすすめのフランチャイズ3選

小さなカフェの開業におすすめのフランチャイズをご紹介します。

1.珈琲所コメダ珈琲店

『珈琲所コメダ珈琲店』は全国に830店舗以上を展開しており、老若男女問わず幅広い客層から支持されている喫茶店です。開業前に社員として実際の現場で経験を積めるため、未経験の方にもおすすめのフランチャイズです。

『珈琲所コメダ珈琲店』の資料をもらう

2.京都利休の生わらび餅

『京都利休の生わらび餅』は、300万円の少ない資金でカフェを開業できるフランチャイズです。季節・流行を取り入れたラテやクレープなどの商品を開発しています。デジタル技術を積極的に取り入れた最新のマーケティングの知識も学べます。

『京都利休の生わらび餅』の資料をもらう

3.Café Hanamori

『Café Hanamori』は、カフェ業態・デリバリー&テイクアウト・バル業態の三毛作カフェビジネスを展開するフランチャイズ本部です。自己資金100万円~と低リスクで、副業として始めることもできます。

小さなカフェ開業についてまとめ

小さなカフェを開業するためにはコンセプトを明確にし、必要な資格や許可証を取得しておく必要があります。開業には数百万円規模の資金が必要になるため、資金計画を含めた事業計画書を作成することが大切です。開業資金を抑えたい場合はフランチャイズへの加盟を検討すると良いでしょう。

公開日:2022年12月20日

よくある質問

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