脱サラしてカフェ開業に失敗する人は多い|開業前にやるべき8つのこと

最終更新日:2024年09月20日

脱サラして独立を考えるとき、「カフェが好き」という理由からカフェのオーナーを目指す人は少なくありません。街中の小さな喫茶店やカフェであれば、自分にも簡単にできそうと思う人もいますが、事前準備が足りず廃業に追い込まれた人も多いです。カフェ開業で失敗しないためには何をするべきなのでしょうか。本記事ではカフェ開業の失敗談と、成功させるために事前にやるべきことを8つ厳選してご紹介します。

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目次

脱サラのカフェ開業が甘くない理由

カフェ開業には情報収集と計画が重要

カフェ開業前にやるべき8つのこと

脱サラして下準備を念入りにカフェの開業を進めよう 

脱サラのカフェ開業が甘くない理由

脱サラのカフェ開業が甘くない理由

「自分のお店を持ちたい」「カフェなら自分にもできるかも」と考えて、脱サラ後にカフェ開業を目指すサラリーマンは多くいます。しかし飲食店の3年以内廃業率は70%と言われており、脱サラをした素人がいきなり挑戦しても、経営が軌道に乗らず廃業にいたるケースは少なくありません。まずは、脱サラ独立した人の多くがカフェ開業に失敗してしまう理由を確認していきましょう。

コーヒー知識や技術レベルが問題ではない

カフェ開業が失敗する理由は、商品の知識やスキルの問題だけではありません。経営に対する甘さが、失敗の要因となっています。

カフェの経営が失敗した理由として、カフェの経験が浅いから・コーヒーや調理の技術やスキルが弱いから、という2点を挙げる人がいます。しかしこの2つは本質的な課題ではありません。

コーヒーや料理へのこだわり・自分のお店に対する熱意が強くても、正しく原価を管理して利益計算ができなければ、お店の経営は立ち行かなくなります。コーヒーの知識やスキルよりも、売り上げを確実に伸ばすための戦略や具体的な資金計画が重要なのです。お客様が何を求めているかリサーチして仮説を立て、戦略的なサービス提供を行う姿勢を持たなければ失敗してしまうでしょう。

カフェ開業には情報収集と計画が重要

カフェ開業には情報収集と計画が重要

カフェ開業に限った話ではありませんが、事前の情報収集と計画を立てることは経営で最も重要なポイントです。

インターネットで検索をすれば、たくさんのカフェ開業の失敗談や開業手順なども簡単に調べられます。専門誌を読んだり、飲食店の開業支援サービスなどを利用したりすれば、資金計画や店舗、土地、内装、コーヒーや料理に関するさまざまな情報を手に入れることができるでしょう。

脱サラしてカフェの開業を成功させるには、徹底的な情報収集がカギとなります。行き当たりばったりで開業を進めるのではなく、誰をターゲットにして何を売るのか、お店のウリは何にするかなど、複数の事例や情報を集めながら戦略的に準備を進めてください。

カフェ開業前にやるべき8つのこと

ここでは、脱サラしてカフェを始める前に必ず押さえていただきたい8つの項目をご紹介します。1つずつポイントを押さえ、カフェ開業の成功に役立ててください。

1.カフェ開業の目的を決める

カフェ開業の目的を決める

まず、開業して何を達成したいか目的・目標を設定しましょう。開業の目的があやふやだと、トラブルが起きたときに「何としてでも経営を続けなければいけない」と意思を持って踏ん張れません。「カフェを始めること」そのものが目的となってしまわないよう、注意が必要です。

開業目的を明確にしておけば、困難やトラブルに直面したときも簡単に諦めることはないでしょう。一方、何も目的を決めず開業すれば、万が一のときに「苦労してまでカフェ運営を続けなくてもいいか」と考え、廃業を選んでしまう可能性が高くなるかもしれません。

2.開業手段の選択

カフェ開業の際は、開業手段も念入りに情報収集し、比較検討することをおすすめします。代表的な開業方法は以下の通りです。

  • 自分で1から土地、店舗を開拓して開業する
  • 居抜き物件を探す
  • 移動式カフェなど車で販売
  • カフェに就職して店長職を目指す
  • フランチャイズで開業する

1から10まで自分1人で決めていきたい人は、土地や店舗探しから内装工事まで全て自分で行っても良いですが、短い時間で効率的に開業したい人は、フランチャイズを活用する方法もおすすめです。予算や自分のお店へのイメージ、集客したいターゲットなどを整理して、どのような手段で開業すべきか検討しましょう。

フランチャイズ開業のメリット

開業手段の1つにフランチャイズを利用する方法があります。フランチャイズとは、フランチャイザーと呼ばれる本部から、ブランドのロゴやノウハウなどの提供を受け、店舗を運営するビジネスモデルのことです。

フランチャイズ開業のメリットは、次の通りです。

  • 経営ノウハウを提供してもらえる
  • 未経験でもできる
  • 個人で開業するよりも、融資の審査が通りやすい
  • 商品開発は本部が行ってくれるので、自分は経営に専念が可能

一方で、店舗の経営状況に関わらずブランド利用料の対価を支払う必要があることや、契約期間の定めがあることなどデメリットもあるため、利用するときは事前によく検討しましょう。

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3.脱サラ後の資金計画を考える

脱サラ後の資金計画を考える

カフェを経営するための店舗、調理器具、材料の仕入れなどに必要な、運営資金の計画を立てましょう。

脱サラ前に、開業のために必要な資金がいくらで、どうやって調達するのか具体的な数字を計算しておくことが重要です。

万が一手元に大きな資金が少なくても、一定の要件を満たしていれば日本政策金融公庫や銀行から融資を受けられます。ただし融資を受けるには、事業計画を提出して審査に通る必要があり、資金計画も審査の対象となります。早い段階で、カフェ開業にかかる費用や経営が軌道に乗るまでに必要な資金など、お金の計画を立てておきましょう。

4.競合店や出店エリア調査

開業前にほかの人気店の情報や出店予定の場所についてリサーチをします。リサーチをするときは、まず「商圏」を把握しましょう。商圏とは、来店の見込み客が住んでいる範囲のことです。

商圏の範囲に、コンビニや飲食店、ファミレス、ドラッグストアなどをリストアップします。競合店をリストアップしたら、次のような項目を調査してください。

  • 競合店の看板メニュー
  • 料金の相場
  • 競合店のSNS、口コミサイト
  • 営業時間、定休日
  • 客層

出店エリアでは以下のことをチェックします。

  • 人口動態(人口の流入、出生、結婚、離婚などの統計調査)
  • エリアの居住者、利用者のライフスタイル(収入や移動手段など)
  • 商圏バリアのリサーチ(山、谷、川などの自然や学校、道路状況など)

出店するエリアの情報収集を行い、カフェ経営の妨げになる要素がないかを調べましょう。

5.コンセプトや看板メニュー作り

カフェや飲食店は競合が多いため、他店と差別化をはかる「コンセプト・看板メニュー作り」は経営を成功させるカギとなります。コンセプトはカフェの軸となるものです。まずは①ターゲットは誰か、②どんなときにお店を使ってほしいか、③どんなメニューを扱うのかを決めましょう。

コンセプトを決定したら、看板メニューを考えます。メニューはお店の営業力の基盤です。エリアの客層のニーズ、競合店のメニュー、調理の設備・技術を考慮してお店のメニューを決めていきましょう。

6.集客/販売促進

店のイメージを描いたら、次は集客、販売促進に活用するツールを準備します。自店舗のホームページだけではなく、TwitterやInstagram、LINE公式アカウントといったSNSや、グルメサイトや広告出稿なども有力な方法です。

お店を知ってもらうには、インターネットによる情報発信が必要不可欠です。お店のターゲットがどのようにお店を検索するか仮説を立てて、集客手段を検討しましょう。場合によっては、外部のPR会社やプロモーション/販促支援会社にサポートしてもらうと良いでしょう。

7.オペレーション

オペレーションとは「目標達成のための仕組みや手順」を指し、飲食店では主に次の3つに分けられます。

  • キッチンオペレーション
  • フロアオペレーション
  • バックヤードオペレーション

作業動線を見直したり、仕込み量を見極めたり、業務効率を向上させていくことが収益アップにつながります。オペレーションが定まっていなければ、生産性が向上できず継続的な利益確保が難しくなってしまいます。必ず開業前にキッチン、フロア、バックヤードそれぞれのオペレーションを検討し、詳細ルールを決めておくことをおすすめします。オペレーションマニュアルを作成したら、必要に応じてスタッフに共有・研修しておくと良いでしょう。

8.原価率や材料費

カフェ開業で行うべき準備の8つ目は、原価率や材料費の知識を身に付けることです。原価率は「原価÷売値×100」で求められ、飲食店では30%が目安と言われています。全ての材料に対して30%で設定する必要はありません。まずは原価率30%を基準にして、徐々に調整を加えていきましょう。

また、原価率はメニューによって異なります。食材を無駄なく使って廃棄を減らし、価格の見直しや利益の出るメニューを考案するなどして原価率を下げ、売り上げアップの工夫をします。

カフェ開業には毎日材料費や人件費が発生します。原価率と材料費の計算をすることも経営の業務の1つです。

カフェ開業に必要な資金、開業までの具体的なステップを知りたい方はこちらも参考にしてください。
カフェを経営したい!カフェ開業から成功までの重要ポイント

脱サラして下準備を念入りにカフェの開業を進めよう 

脱サラしてカフェ開業を目指すときに、必ず準備して欲しい8つの項目をご紹介しました。「コーヒーが好きだから」「自分にもできそうだから」という理由で参入してくる人が多いカフェ開業には失敗談も多く、長く経営を続けるためには開業前の念入りな下調べが決め手となります。開業する目的や資金をはじめ、経営に必要な情報を収集して整理しましょう。

情報を集めたら、お金や材料について具体的なプランを立てて、開業の準備に取り掛かりましょう。「サラリーマンが向いていないから」「会社を辞めて何でもいいから独立したい」などと安易に考えてカフェ開業をすると、失敗して借金だけが手元に残るという結果になりかねません。今回ご紹介した8つの項目を押さえて、計画的にカフェ開業に取り組んでいってください。

公開日:2021年10月29日

よくある質問

Q 飲食未経験からカフェ開業を考えています。何かおすすめの開業方法はありますか? 回答を見る
Q カフェ開業にあたり、いくらお金を準備しておくと良いですか? 回答を見る

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