カフェを開業・経営したいなら必読!未経験からの開業にも役立つ資金・年収・成功の秘訣を紹介
最終更新日:2024年09月20日

一度はカフェや喫茶店を開業・経営してみたいと考えたことがある方も多いと思います。しかし、「未経験者だと開業できないのでは…」「カフェを開業したいけど何をすれば良いのか分からない…」「ちゃんと経営していけるだろうか…」などの悩みもつきものです。
そこでこの記事では、憧れのカフェ・喫茶店の開業・経営を成功させるためのポイントについて解説します。近年のカフェのトレンドから開業時に必要な資金、免許・資格、開業する方法など役立つ情報をお届けしますので、カフェの開業をお考えの方は参考にしてみてください。
カフェ・喫茶店の開業・経営は未経験者でもOK!
カフェや喫茶店を開業するには、飲食店の勤務経験や調理経験が必要と思われがちですが、実は必要ありません。簡単に言えば、未経験でも開業することが可能です。
必要な免許や資格もそれほど多くありませんし、店舗設備の条件をクリアして届け出をしっかりしておけば、誰でもカフェや喫茶店を開業できます。
もちろん調理師免許やバリスタの資格などがあればお店の強みにもなりますが、必須というわけではありません。
開業資金が比較的安く、開業に際しての免許や資格のハードルが低いということも、カフェ・喫茶店経営の人気の要因の一つと言えます。
また、未経験だから不安…という方は、サポート体制の整ったフランチャイズを利用するのもおすすめです。下記では人気のカフェフランチャイズをランキング形式で紹介しているので、合わせてご覧ください。
カフェ・喫茶店の開業スタイル
カフェ・喫茶店の開業と言っても、さまざまな種類や形態があります。
- 自家焙煎系カフェ:コーヒーにこだわりを持ったカフェ
- フード・スイーツ系カフェ:食事メニューも充実しているカフェ
- 複合系カフェ:本やペット、スポーツなどに関するサービスも提供しているカフェ
など、コーヒーやフード・スイーツ、カフェ以外のサービスにもこだわったカフェや喫茶店が多く存在しています。
また、
- 小規模カフェ:10席前後の小規模カフェ
- 自宅カフェ:自宅の中で営業するカフェ
- 週末カフェ:既存店を間借りするなどして週末だけ営業するカフェ
- 移動式カフェ:キッチンカー・移動販売車で人の集まる場所へ出向いて営業するカフェ
など、開業スタイルも多様化しており、自分の理想や状況に合ったカフェ・喫茶店の開業が実現しやすいでしょう。

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カフェ・喫茶店を開業する方法4選
実際にカフェや喫茶店を開業する方法として、以下の3つが考えられます。
- 講座やスクールに通いながらカフェ・喫茶店を開業する
- 自分でゼロからカフェ・喫茶店を開業する
- 社員からカフェ・喫茶店を開業する
- フランチャイズでカフェ・喫茶店を開業する
メリットや注意点、向いているタイプがそれぞれあるので、どういった方法で開業したいかを考えながら確認してみてください。
1.スクールや講座で勉強してカフェ・喫茶店を開業する
まず1つ目は、スクールや講座で勉強してカフェ・喫茶店を開業する方法です。
開業に必要な知識から経営の方法までしっかり学ぶことができるので、未経験者でもチャレンジしやすいです。
夜間や土日に通えるスクールもあるので、昼間に働いている方や平日はカフェでアルバイトをして実務経験を積みたいという方も通うことができます。
カフェ・喫茶店の開業を夢に持つ仲間と出会えるだけでなく、スクールを卒業した先輩に開業や経営のアドバイスをもらったり、スクールと関わりのある業者や金融機関を紹介してもらえたりなど、カフェ・喫茶店を開業するために役立つ人脈を広げることができることも大きなメリットだと言えます。
スクールや講座で勉強してカフェ・喫茶店を開業が向いているタイプ
空いている時間にカフェ・喫茶店に必要な知識やスキルを勉強したいという人向け。
開業後もコンサルティングを行っているスクールもあるので、手厚いサポートが必要な未経験者でも安心です。
2.自分でゼロからカフェ・喫茶店を開業する
2つ目が、自分でゼロから開業する方法です。まったくのゼロの状態から、自分1人でカフェ・喫茶店を開業するには、さまざまなことを決める必要があります。
カフェ・喫茶店開業の準備
ゼロからカフェや喫茶店を開業する場合、下記のような準備が必要です。
- 店舗の立地
- 導入する設備の種類
- 店舗のコンセプト
- 従業員数
- メニューの価格
- 外装や内装に必要な家具の仕入れ先
- 食器の種類
- 座席数
これらを全て自分の意思で決められるというメリットはありますが、考えなければならないことが多いため、かなり時間と労力が必要となります。
このほか、経営や開業についてもある程度の勉強が必要となります。資金繰りなどのお金にまつわることもしっかり勉強しておかなければ、赤字経営になってしまうかもしれません。
個人で経営コンサルタントやカフェ専門のアドバイザーなどを雇うという方法もありますが、それなりに費用がかかってしまうので、資金面では入念な計画が必要です。
自分でゼロからカフェ・喫茶店を開業が向いているタイプ
カフェ・喫茶店にこだわりがあり、自分の想いを込めたお店づくりがしたいという人向け。
ある程度経営の知識もあり、開業資金も豊富にある人ならばさらに良いでしょう。
3.社員からカフェ・喫茶店を開業する
3つ目はいきなり独立するのではなく、まずは「雇われ店長」、つまり社員としてカフェ・喫茶店を経営する方法です。カフェや喫茶店のチェーン店などで応募している店長候補などに採用されれば、正社員としてカフェ・喫茶店の店長になることができます。
自由度は低くなりますが、正社員として働くことで安定した給料と福利厚生などを受けつつ、カフェ・喫茶店経営のノウハウを身につけられるというメリットがあります。
社員からカフェ・喫茶店を開業が向いているタイプ
将来的に独立したいけれど、自信がないという人向け。
安定した生活を送りながら、カフェ・喫茶店経営のノウハウを身につけることができます。また、開業資金を貯めるのにも好都合です。
4.フランチャイズでカフェ・喫茶店を開業する
4つ目は、フランチャイズ本部に加盟して、カフェや喫茶店を開業する方法です。この場合、さまざまなメリットがあります。
まずは本部からの支援です。一般的な飲食店のフランチャイズでは、以下のような支援が受けられます。
- 店舗の立地条件調査
- 宣伝
- スタッフ教育
- 資金援助
- メニュー開発
- 経営ノウハウの提供
- 研修の夜商品提供の技術
- 開業後の経営相談
これらのほかにも、さまざまな支援が受けられるので、未経験からでもスムーズにカフェ・喫茶店を開業できます。
一方、開業にはデメリットも存在します。それは、フランチャイズに加盟することで、自由度が下がってしまうこと。店名やメニュー、店内の雰囲気作りなども、基本的には本部に従ったものにしなければなりません。
また、フランチャイズに加盟することで毎月のロイヤリティが発生します。
ただし、有名チェーン店の看板を掲げられるため、ある程度の顧数は見込め、宣伝効果なども大きくなるというメリットがあります。なお、最近では自分で好きなようにお店づくりができるフランチャイズも増えています。
フランチャイズによるカフェ・喫茶店を開業が向いているタイプ
未経験でスムーズに開業したいという人向け。
フランチャイズ本部の支援・研修を受けることができるので、まったくの未経験でも開業できます。開業後も本部のサポートが受けられるのも安心です。
カフェ・喫茶店を開業・経営する魅力やメリット
次に、カフェ・喫茶店を開業する魅力やメリットとして、以下の2つについて解説します。
- 誰でも開業しやすい
- 「こだわり」のある経営を実現できる
メリット①誰でも開業しやすい
冒頭で触れたように、特殊な免許や資格が不要なカフェ・喫茶店は未経験者でも開業することができます。
また、カフェ・喫茶店は客席が10席程度の小規模な店舗や自宅での開業のほか、店舗を持たずに日時を限定して営業するスタイルや、キッチンカーなどで移動しながら営業するスタイルなど、選択肢も豊富。
初期費用を抑えた開業や低リスクでの開業、自分の生活スタイルに合った開業などさまざま理想を実現しやすいので、「未経験だから…」「資金が少ないから…」「時間がないから…」などの理由で諦める必要はありません。
自分のお店を持ってみたいという夢を誰でも叶えやすい業種だと言えます。
メリット②「こだわり」のある経営を実現できる
昔ながらの喫茶店は時代に関係なく高い人気がありますが、最近では食事にも力を入れたカフェも増えています。アジアンテイストを取り入れたりスイーツに力を入れたりするカフェは、女性を中心に人気が高くなっています。
また最近では、コーヒー豆の品種や産地にこだわった、「サードウェーブ」(第3の波)と呼ばれるコーヒーをメインに掲げたカフェや、月額料金を支払うと飲み放題になる定額制を取り入れたサービスも登場。そのほか、夜はアルコールを提供するバーとして営業したり、自宅を改装した「家カフェ」にしたり、ネイルサロンや雑貨屋、画廊といった、他業種と組み合わせたりと、バラエティ豊かな業態と言えます。
カフェであれば、単に飲みものや食べものを提供するだけではなく、「こだわり」を持ったカフェや喫茶店が増えており、経営者の趣向を凝らした経営を実現できるでしょう。
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カフェ・喫茶店の廃業率は高め?経営が難しいと言われる理由
開業ハードルが比較的低く、こだわりが詰まったお店を持てるカフェ・喫茶店の開業ですが、3年以内の廃業率が7割と言われているくらい経営に苦戦する方が多い業種でもあることを忘れてはいけません。
さらに、近年はコロナ流行による外出自粛だけでなく、輸入コーヒー豆の高騰もカフェ・喫茶店の廃業率の増加に影響していると言われており、一般社団法人 日本フードサービス協会が発表した「外食産業市場規模推計」によると、「喫茶店」の2020年度の市場規模は8,055億円。前年度から31.6%減少したことが分かっています。
また、東京商工リサーチによると、2021年における「喫茶店」の廃業は過去最多の100件を記録。前年比26.5%も増加したことが分かっています。
廃業率が高いなら開業は辞めておこうかな…と不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、廃業したお店の居抜き物件が探しやすい、相場より安く物件を借りられる、ライバル店が少ないなど、カフェ・喫茶店の開業や経営がしやすくなっているという一面もあります。
ほかにも、外出自粛により需要が増加したデリバリーやネット通販を活用してみるなど、アイデア次第でリスクを減らしていけるでしょう。
また、これからご紹介するカフェ・喫茶店の経営が難しいと言われる理由を正しく理解することで、開業前に効果的な対策を講じることができます。
参照:外食産業市場規模推計 | 一般社団法人 日本フードサービス協会
※「外食産業市場規模推計の推移」をもとに比較ネットが作成
出典:「喫茶店」の廃業、2021年は過去最多の100件 | 東京商工リサーチ
カフェ・喫茶店の経営が難しい理由
カフェ・喫茶店の経営が難しいと言われる主な理由は、以下の通りです。
- 客単価が低い
- 回転率が低い
- 競合店が多い
メインのメニューがコーヒーのカフェ・喫茶店は、飲食店のなかでも客単価が低め。客単価を上げるには、ほかの店舗にはないようなこだわりのコーヒー豆を使用している、食器や店内にもこだわっているなど、特別な価値を提供する必要があるでしょう。
また、飲食しながらゆっくり過ごす空間というイメージが強いカフェ・喫茶店は回転率も低いです。ただし、ゆっくり過ごせる空間というのがカフェ・喫茶店の魅力でもあるので、強引に改善しようとすると客離れにつながってしまう危険性も。経営を安定させたいなら、回転率より客単価の改善に注力するほうが安全でしょう。
競合店が多いのも、カフェ・喫茶店の経営が難しい理由の一つ。
ネットカフェや動物系のカフェなどのジャンルが多様化しており、さらにコンビニやファストフードでも手軽に美味しいコーヒーが飲めるようになるなど、競争が激しくなっています。お客様に選んでもらえるような差別化が必須だと言えるでしょう。
カフェ・喫茶店開業に必要な資金
今回はカフェや喫茶店の開業に必要となる資金について実際のカフェ経営者の経験談などをもとにまとめてみました。
また、カフェや喫茶店を開業する際に利用できる補助金や助成金についても紹介しているので、費用面で踏みとどまっている方も参考にしてみてください。
カフェ・喫茶店の開業にはいくら必要?
カフェや喫茶店に限らず、事業を始めるには開業資金が必要となります。店舗の用意が必要なカフェ・喫茶店の場合、どのくらいの開業資金が必要なのでしょうか。
平均的なカフェ開業資金は、平均500~600万円と言われています。
また、フランチャイズなら300万円から開業可能なカフェもあるので、安く安定して開業できるフランチャイズも検討してみてください。
店舗10坪、家賃10万円のカフェ資金(設備を全て揃えた場合)
項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 120万円 |
内装 | 40万円 |
設備 | 200万円 |
備品 | 30万円 |
宣伝費 | 50万円 |
運営資金 | 100万円 |
合計 | 540万円 |
物件取得費には、家賃10ヶ月分の保証金や礼金、仲介手数料を含みます。また、開店直後の赤字期間を考慮して運営資金を用意しておくのも重要です。
なお、飲食店だった物件をそのまま使用する「居抜き」の場合は、物件取得費や内装、設備投資、備品などを削減できるので、100~200万円程度で開業することもできます。
ポイントはこだわる部分を明確にすること。コーヒーの味にこだわるのならば設備にお金をかける、居心地の良さを重視するなら店舗の立地や広さ、内装などにお金をかけるといったように、限られた資金でどこに注力するのかを、あらかじめ明確にしておくことが大切です。
「自分のカフェを持ちたい!開業資金の避けては通れない話」を見る
カフェ・喫茶店経営に必要な従業員数
カフェや喫茶店を開業する場合、従業員を雇うかどうか迷うところです。従業員を雇えばそれだけ人件費がかかってしまいます。
一般的に、カフェ経営では10席程度ならば1人でも営業できると言われています。20席程度の規模ならば、夫婦2人で大丈夫でしょう。それ以上の席数になったら、10席あたり1人の割合で従業員を雇うことを考えておきましょう。
また、メニューのバリエーションなどでも従業員数は変わってきます。飲みものメインならば最低人数で営業できますが、フードメニューが多いカフェなどでは、専門のシェフも必要になってきます。自分がどんなお店をやりたいのか、よくシミュレーションをして従業員数を決めましょう。
カフェ・喫茶店の開業資金を抑えるコツ
カフェ・喫茶店の開業にある程度資金が必要であることは避けられませんが、できるだけ安く抑えたいという方も多いでしょう。
開業資金を抑えるコツをご紹介します。
- 居抜き物件を選ぶ
- 設備や備品は中古品を活用する
- 自分で内装工事を行う
- 出資者を見つける・共同経営者と開業する
元々カフェや喫茶店だった居抜き物件を選ぶことで、設備や備品をそのまま使うことができ、開業資金を大幅に抑えることが可能です。
また、設備や備品は可能な限り中古品を選ぶ、できる範囲で内装は自分で行うなどすることで、資金の節約につながります。
そのほか、出資者を見つけて開業資金をサポートしてもらったり、共同経営者と開業資金を折半することで負担を減らしたりといった方法も選択肢としてあります。
カフェ・喫茶店の開業で活用できる助成金・補助金も
カフェや喫茶店を開業する場合、国や自治体が提供している助成金や補助金を利用できるケースもあります。
例えば自治体ごとに「創業支援補助金」の制度を設けていたりPOSレジを導入する際には「IT導入補助金」を利用できたりなど、種類も豊富です。書類の提出などは必要ですが、費用面でカフェの開業を諦めていた方にとって大きな支えとなるでしょう。
ただし、助成金や補助金の制度は年度などのタイミングで変更となる可能性もあります。助成金や補助金を利用したい方は、必ず最新情報をチェックするようにしてください。
カフェ・喫茶店の経営は稼げる?気になる年収の目安
では実際にカフェ・喫茶店を開業したら稼げるのか気になる方も多いと思います。
カフェ・喫茶店の年収の目安は、経営のスタイルやメニューなどにもよりますが、平均200~500万円程度と言われています。
フランチャイズの場合、郊外型喫茶店を展開する『さかい珈琲』を例に挙げると、80坪ほどの店舗で月の売上は約900万円。営業利益は172万円が目安となっています。
また、ハワイがコンセプトのカフェフランチャイズ『魔法のパンケーキ』は40坪ほどの店舗で月の売上は約456万円、月間利益は約111.4万円。年間だと1,336.8万円の利益が残せる計算です。
カフェ・喫茶店の開業・経営に必要な免許や資格
カフェや喫茶店を開業するにあたっては、いくつか免許や資格や手続きが必要になります。
こちらでは、「食品衛生責任者」「飲食店営業許可申請」「菓子製造業許可申請」「防火管理者」の4つについて説明します。
①食品衛生責任者
この資格は、カフェや喫茶店に限らず、飲食店を開業するために必須のものです。
資格を取得するためには、各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講する必要があります。受講料は約1万円。全国共通の資格のため、どの都道府県で取得しても全国で開業できます。
②飲食店営業許可申請
資格や免許ではありませんが、飲食店を営業する場合に必要になるものです。飲食店営業許可申請は保健所に提出するもので、厨房や食器棚、空調、トイレなどの細かい規定があるので、店舗着工前に設計士と一緒に所轄の保健所に相談に行きましょう。
申請には、店の見取り図や食品衛生責任者手帳、手数料が必要です。店舗の工事が終わる2週間ほど前に申請をしておくと、開業までスムーズに行えます。
なお、喫茶店で開業する場合には不要です。
③菓子製造業許可申請
店舗内でお菓子やパンを製造し、テイクアウトや卸業を行う場合に必要となります。この申請には、厨房を密閉する必要が生じるため、通常の設備よりも工事費が割高になる可能性があります。
なお、店舗メニューとして料理と同じようにお菓子やパンを提供する場合は、この資格は不要の場合があるので、事前に保健所に確認しておきましょう。
④防火管理者
収容人数が30名以上の飲食店を開業する場合に必要となります。日本防火・防災協会開催の講習を受講することで取得でき、管轄の消防署が開催している場合もあります。
店舗の延べ面積が300平方メートル以上の場合は甲種講習となり2日で約10時間、300平方メートル未満の場合は乙種講習となり1日約5時間。受講料は甲種講習が8,000円、乙種講習が7,000円となります。なお、消防署が開催していう場合は日程や料金が異なります。
カフェと喫茶店の違い
まずは、カフェと喫茶店の違いについて解説します。一般的に、開放的な大きめの店舗で、ドリンクのほかにフードメニューが充実しているのがカフェ、こじんまりとした落ち着いた雰囲気で、ドリンクメインなのが喫茶店というイメージでしょう。
いずれにしても、コーヒーをメインとしたドリンクとくつろげる空間を提供するという点においては、両者にそれほど違いはないように感じます。
しかし、法律的には両者の営業区分は異なっており、カフェは「飲食店営業」、喫茶店は「喫茶店営業」に分類されます。
「食品衛生施行令第35条(営業の指定)」では、以下のように定められています。
飲食店営業 | 喫茶店営業 |
---|---|
・酒類の提供可能 ・調理全般可能 |
・酒類の提供不可 ・調理は基本的に不可 |
設備的には、喫茶店営業の場合は衛生上の問題だけをクリアすればよいのですが、飲食店営業は冷蔵設備、洗浄設備、給湯設備、客席、客用便所などの、一定の設備要件をクリアする必要があります。
アルコールを提供したい、フードメニューを充実させたいという場合は「飲食店営業」を、こだわりのコーヒーで勝負したいという場合は「喫茶店営業」を選ぶのが良いでしょう。
必要な資格は店舗の規模や業態により異なる
基本的に必要となる免許・資格は以上となりますが、収容人数30名未満で、お菓子やパンのテイクアウトを行わないのであれば、カフェは「食品衛生責任者」と「飲食店営業許可申請」、喫茶店ならば「食品衛生責任者」だけで開業ができます。
なお、アルコールを提供する場合は特に資格は不要です。しかし、深夜12時を越えてアルコールを提供する場合は「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を警察署に提出する必要があります。
また、カフェ・喫茶店ともに「調理師免許」は不要です。
カフェ・喫茶店の開業・経営で成功するための3つのポイント
カフェ・喫茶店の開業を成功させるために重要なことは「リピーター」の獲得です。常連客がいてこそ、経営が安定すると言えます。
では、リピーターを増やすためにはどのような経営をすればいいのでしょうか。こちらでは大きく3つに分けて紹介します。
お店のコンセプトを明確にしよう
まず大事なポイントは「コンセプト」です。コンセプトを明確にすることで、店舗選びから外装や内装、メニュー、集客方法までカフェ・喫茶店の開業における全てのことが決まると言っても過言ではありません。
そして、お店のコンセプトに合った外装や内装、メニューなどが顧客の好みとマッチしたときに、「また来たい」と思わせることができます。
外装に関しては、通りがかったときに思わず足を止めて、思わず入店したくなるようなものがベスト。開放的な入口やオープンテラス席などがあると、入りやすい雰囲気を演出できます。
内装は、くつろげる空間の演出がポイント。長時間座っても疲れないイスや、目にやさしい配色、照明の色などにも気を配ると良いでしょう。
食器やインテリア、BGMなどにもこだわると、お店独自のカラーを出すことができます。実は、顧客は細かい部分へのこだわりを感じると、リピーターになる確率がアップします。ちょっとしたこだわりを随所に感じさせるようにしましょう。
また、おいしいドリンクやフードが揃っていても、接客が悪ければ意味がありません。常に顧客目線で、良質の接客が提供できるように心掛けましょう。
もちろん、大前提として清潔感は重要。いくらおしゃれな店内でも、汚ければ評価は下がってしまいます。客席はもちろん、厨房やトイレなどもこまめに掃除しましょう。
コンセプトの作り方
これから開業するカフェ・喫茶店のコンセプト作りは、主に以下の3つのポイントを押さえておくことが大事です。
開業したいカフェ・喫茶店のイメージがより具体的になり、他店との差別化も図りやすくなります。
- ターゲット層…どのような人に提供したいか
- 利用の機会…お客さんの人数や利用頻度、時間帯
- 独自性…お店の強みは何か
実際にコンセプトを作る際には、「5W2H」の考え方を用いることでより効率的に進めることができます。
項目 | 意味 | 例 |
---|---|---|
Why | 何のためにやるのか(開業目的) | くつろげる空間を提供したい |
Who | 誰に提供するのか(ターゲット層) | 会社員 |
What | 何を提供するのか(メニュー) | コーヒー/軽食 |
Where | どこで開業するのか(立地) | オフィス街 |
When | いつ営業するのか(営業時間) | 11:00~22:00 |
How | どのように提供するのか(サービス) | 落ち着いた雰囲気の接客やBGM、家具 |
How much | いくらで提供するのか(値段) | コーヒー500円/軽食700円 |
具体的なコンセプトがあったとしても、資金が不足している、ターゲット層の集客が見込めないなど、状況によっては実現できないこともあります。実現可能なコンセプトであるかという点にも気をつけながら取り組むようにしましょう。
電源・Wi-Fiなど便利な設備を整えよう
最近では、移動中にカフェや喫茶店などでノートパソコンやタブレットを使って仕事をする「ノマドワーカー」が増えています。こういった顧客は、リピーターとなる可能性が非常に高い存在です。
ノマドワーカーに限らず、カフェや喫茶店でスマホやタブレットを使用している人は非常に増えています。そのような顧客のために導入しておきたいのが、電源環境とWi-Fiです。
移動中にもスマホを使っている人は、常に充電切れを心配しています。そこで、座席に自由に使えるコンセントを用意しておけば、一息つきながら充電ができるようになります。
また、Wi-Fi環境も重要。Wi-Fiが使えれば、スマホのデータ容量を圧迫することがないため、安心感を与えられます。Wi-Fiは、Wi-Fiスポット設置サービスの業者を利用すれば、月々500円ほどで導入できるものも。また、店内の業務用回線の一部を開放するといったことも可能です。
電源やWi-Fiが使えるカフェや喫茶店を検索するスマホ用アプリがあるほどなので、これらが使えれば、顧客に「便利だ」と思われ、「また来たい」と思わせることができるでしょう。
SNSを利用しよう
今では行きたいカフェや喫茶店を探すのにSNSを利用する方も非常に多いです。
カフェや喫茶店の集客や開業後のリピーター探しにはSNSに力を入れてみましょう。
SNSで色んな人に見てもらうコツは
- ハッシュタグをたくさん使う
- 可愛いSNS用のメニューを用意しておく
- 投稿は毎日する
など工夫して運用してみると、だんだんSNSを見てやってくるお客さんが増えていきます。
カフェや喫茶店の開業後はぜひSNSを利用してみてください。
カフェ・喫茶店経営の失敗例
「自分のお店を持ってみたい」「こだわりのコーヒーを提供したい」と憧れてカフェ・喫茶店の開業を考える方も多いですが、甘い考えで始めてしまうと思わぬ落とし穴にはまってしまう危険性があります。
そこでこちらでは、カフェ・喫茶店経営で陥りやすい失敗例として以下の3つを紹介します。
- 最初から大きな投資をしてしまう
- 収支計画や採算管理が甘い
- 効果的な集客施策が打てていない
カフェ開業後のリスクを少しでも抑えられるよう、しっかり確認してください。
失敗①開業後すぐに大きな投資をしてしまう
カフェ・喫茶店経営で陥りやすい失敗例として、最初から大きな投資をしてしまうことが挙げられます。
特に脱サラをして未経験から始めようとする場合、理想ばかりが先走ってしまい、お店の立地や雰囲気、メニュー、食器などオーナーのこだわりを詰め込んだカフェ・喫茶店を作ろうとして初期費用が膨大になってしまうケースがあります。
また、お金をかけて開業したものの、仕事が自分に合わなかったと感じる方も。
開業してから経営が軌道に乗るまでに時間がかかることなどのリスクも考えたうえで、最初は小規模のカフェ・喫茶店から始めてみることをおすすめします。移動販売やテイクアウト専門店など、比較的リスクの低い開業方法を検討してみるのも良いでしょう。
失敗②収支計画や採算管理が甘い
収支計画や採算管理が甘いことも、カフェ・喫茶店経営で陥りやすい失敗例の一つです。
カフェ・喫茶店は、飲食店のなかでも客単価が低めで、材料費だけでなく家賃や人件費、水道光熱費などの経費もかかります。そのため、収支計画や採算管理が甘い状態で開業・経営してしまうと思うように利益が上がらず、早期廃業に追い込まれる可能性も。
カフェ・喫茶店の経営を維持するために必要な売上高を把握することはもちろん、あらゆるリスクを想定した現実的な収支計画を立て、徹底した採算管理により売上と経費のバランスが取れた経営を心がける必要があります。
失敗③効果的な集客施策が打てていない
効果的な集客施策が打てていないことも、カフェ・喫茶店経営で陥りやすい失敗例として挙げられます。
自分のお店にこだわりや自信を持っているオーナーほど、「お客様は自然に来てくれる」と思い込んでいることが多いです。
ですが、カフェ・喫茶店経営を成功させるためには、効果的な集客施策が欠かせません。チラシやフリーペーパーへの広告掲載をはじめ、近年ではホームページやSNSを活用した集客も有効です。
カフェ・喫茶店の経営だけでなく、集客のための宣伝活動も積極的に行う必要があるでしょう。
カフェ・喫茶店経営者のリアルな話も開業成功のヒントに!
実際にカフェ・喫茶店を開業・経営している方の話を聞いてみることも、成功させるためのヒントを得られるのでおすすめです。
「居心地のいい空間づくり」に注力し、高いリピート率を実現
渋谷と青山の中間地点、渋谷2丁目にあるカフェ「factory」は、思い思いに時間を過ごす人たちが集う、自由な雰囲気のカフェ。電源やWi-Fiを完備し、ソフトドリンクのほか約100種類のビールを用意。自家製バターチキンカレーや、お肉屋さんの餃子などのフードメニューがラインアップされているほか、食べ物は持ち込みOKというユニークな特長を持っています。
そんなカフェ「factory」のオーナー西原さんは、飲食店に勤務していたころは主に接客やホールスタッフの教育を担当。料理人ではなかったため、factoryを開店する際には食事で集客をするという考えはありませんでした。それよりも、居心地のいい空間をつくることに注力しており、一番大事にしているのは「リピート率」だと言います。
西原さん:
「飲食店の売り上げは、回転率と客単価という2本柱が重要だといわれますが、僕はリピート率を一番大事に考えています。滞在時間が長いということは、居心地がいいということ。居心地の良さは、お客さんのリピート率に繋がっていると考えています。」
「料理で勝負するタイプではないと思っていましたので、心地よい空間を提供するということは開店当初から考えていました。家具選びとか、過剰接客はしないようにするというところに気をつけています。」
カフェ・喫茶店の開業・経営についてまとめ
カフェや喫茶店を開業する際のポイントをまとめると、以下になります。
- 開業資金は500~600万円である
- 客席数10席につき従業員1人が目安
- 「職員衛生責任者」「飲食店営業許可申請」などが必要
また、安定した経営をするためには以下の点がポイントとなります。
- 明確なコンセプト作り
- 内装や外装、細かい部分などへの「こだわり」がリピーターにつながる
- 電源やWi-Fiなどの付加価値を提供する
- 開業後はSNSも上手く使ってみる
- 経営に関してのノウハウも必要
カフェ・喫茶店の経営には、ゼロから自分で始める方法、社員から始める方法、フランチャイズに加盟する方法があります。いずれの方法も向き不向きがあり、メリット・デメリットがあります。
なかでもフランチャイズでの開業が気になっている方は、ぜひサポートの整った本部に相談してみてください。
興味がわいた方はカフェ・喫茶店のフランチャイズブランドを確認してみてください!
カフェの開業・経営に関する記事
- カフェ開業までのステップ
- カフェ経営のために必要な準備と、成功のためのポイント
- 自分のカフェを持ちたい!開業資金の避けては通れない話
- カフェフランチャイズの開業・運営に必要な資金
- カフェのフランチャイズを始めるのに必要な準備
- 猫カフェをフランチャイズで開業するには?費用や注意点、準備などまとめ
- ネットカフェ・漫画喫茶のフランチャイズを始めるのに必要な準備
- ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
- 脱サラしてカフェ開業に失敗する人は多い|開業前にやるべき8つのこと
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公開日:2022年06月24日