家族の大反対を押し切り脱サラ!年収1,000万円超え会社員が介護施設フランチャイズで独立

最終更新日:2023年02月10日

独立に興味はあるものの「もう年齢的に遅いのでは」や「家族から理解を得るのが難しい」という方もいるかもしれません。

今回取材した門田 英爾さんは、家族の大反対を押し切り、年収1,000万円超えのサラリーマン人生を捨てて独立した人物。フランチャイズへ加盟し、これから市場が拡大する介護施設の運営を行なっています。

そんな門田さんに、開業資金やリアルな収入、独立時の家族の反応などを赤裸々に語ってもらいました。

目次

25年間勤めた生命保険会社の経験が、現在の事業にも活きている

上司には内緒、家族からは大反対を受けながらの独立

自己資金2,000万円を開業資金に投入!気になる年商や年収は?

“お泊まりできるデイサービス”に魅力を感じフランチャイズ加盟を決意

フランチャイズはサポートしてくれるが「主体的に動くこと」も大切

「責任の重さをやりがいと捉えること」こそが脱サラの醍醐味

25年間勤めた生命保険会社の経験が、現在の事業にも活きている

そもそも、なぜ脱サラをしたのか教えてください。

門田さん「サラリーマン時代、祖母が認知症になってしまったのが一つのきっかけです。近くに住んでいたわけではないので、実際に私が介護するということはありませんでした。

ただ、認知症の症状が進んで祖母が私のことを分からなくなってしまったときに「もっと何かできることがあったのでは…」と後悔したのです。この出来事がきっかけで、脱サラしようと決意しました」

なるほど。もともと、サラリーマンとしてどのような仕事をしていたのでしょうか。

門田さん「49歳で会社を退職するまでの25年間、外資系の生命保険会社に勤めていました。そのときの経験も、独立を決意したきっかけの一つです。

介護保険の販売に携わるなか、お金だけではなく介護そのものに興味を持つようになり、自分でも介護サービスを始めたいと思うようになりました」

サラリーマン時代の経験が、今の仕事にも活きているのですね。

門田さん「そうですね。サラリーマン時代は、自社の商品の魅力を代理店にアピールし、代理店が自社商品を積極的にお客さんに売ってくれるよう働きかける仕事をしていました。

今の仕事では自分の施設の強みをケアマネージャーにアピールする必要があるので、サラリーマン時代の経験が活きていると思います」

上司には内緒、家族からは大反対を受けながらの独立

上司には内緒、家族からは大反対を受けながらの独立

いつ頃脱サラを決意したのでしょうか。

門田さん「介護施設をオープンしたのが2021年4月で、脱サラを決意したのがその1年半くらい前です。

もうすぐ50歳だなと感じたのが、一つの節目かもしれません。このままずっと会社に残る選択肢もありましたが、何か新しいことにチャレンジするなら50歳が限界だと自分では思っていたので」

脱サラの準備として、最初に何を始めましたか。

門田さん「まずは、自分がこれから何を始めたいのか整理することから始めましたね。漠然と考えるだけではなく、きっちりと整理すること。

あとは、まだ介護業界に対する知識が浅かったので、介護業界について改めて調べ直しました。整理したり調べたりするなかで、自分のしたいことやできることが明確になっていったのだと思います」

独立を決意する前に、誰かへ相談したのでしょうか。前職の上司やご家族の反応はどうでしたか。

門田さん「誰にも相談しませんでした。実は前職の上司へは、脱サラのことは伝えていません。家族には2020年の年末前に伝えましたが、妻と娘はあまり良い反応ではありませんでしたね。

「失敗したらどうするの?」と聞かれたので、「介護業界のマーケットはまだまだ広がっていく市場だから失敗しないよ」と答えました。「学費やこれからの生活はどうするの」と妻から怒られましたが、今はきっともう大丈夫でしょう」

自己資金2,000万円を開業資金に投入!気になる年商や年収は?

上司には脱サラすることを伝えず退職し、妻と娘には脱サラを大反対された門田さん。今では「家族4人が食べていける年収を稼げている」と話しますが、具体的にどのようなビジネスを展開し、どのくらいの年商があるのでしょうか。

現在運営している介護施設について、詳しく教えてください。

門田さん「フランチャイズへ加盟し、介護度1~5の方を対象とした介護施設『ブルーミングケア茅ヶ崎萩園』を運営しています。日中は定員20名ですが、この施設は宿泊ができるデイサービスでもあるので、夜間は9名まで宿泊できます」

ブルーミングケアの資料をもらう

開業資金や年商、年収などはどのくらいでしょうか。

門田さん「開業資金で活用したのは、退職金と政策金融公庫です。地元の信用金庫から、創業融資という形で出資してもらいました。公庫と信用金庫からそれぞれ1,000万円ずつの合計2,000万円を借り入れし、それに加えて自己資金が2,000万円ありました。

次に年商について、昨年オープンしたばかりですが、6,000万円ペースで進んでいます。年収は、家族4人が食べていけるくらいですね。黒字になったのも、最近のことです」

サラリーマン時代と比べると、年収はどのくらい変わりましたか。

門田さん「サラリーマン時代の年収は、1,300万円〜1,400万円だったと思います。目標を達成するとボーナスが上がる仕組みだったので、その年によって年収は上下していました。サラリーマンのときと比べると、やはり年収は下がりましたね」

“お泊まりできるデイサービス”に魅力を感じフランチャイズ加盟を決意

“お泊まりできるデイサービス”に魅力を感じフランチャイズ加盟を決意

取材の途中、実際に門田さんに『ブルーミングケア茅ヶ崎萩園』の部屋や浴室を案内してもらいました。

施設の建物自体はフランチャイズ本部が建て、オーナーの門田さんが賃貸として借りているシステムだそう。基本的には本部の担当者とオーナーが一緒に土地を探し、施設を建設する場所を決めていきます。

フランチャイズに加盟して独立することは、もともと決めていたのでしょうか。

門田さん「もともと介護保険の販売の仕事をしていましたが、私自身は介護業界について全くの素人です。ノウハウもなければ、人脈もありません。行政の書類を1つ提出するにしても分からないことだらけなので、フランチャイズを活用してスムーズにスタートを切りたいと考えました」

そのなかでも、現在のフランチャイズ本部を選んだ理由を知りたいです。

門田さん「“お泊まりもできるデイサービス”という運営スタイルに魅力を感じたことが理由です。宿泊する部屋が完全個室になっているので、昼間は食堂でみんなでわいわい楽しく過ごしつつ、夜寝るときは個室でしっかりとプライベート空間を確保できる。このサービスに魅力を感じ、加盟を決意しました」

そもそも、現在のフランチャイズ本部とはどのように出会ったのでしょうか。

門田さん「ネットでいろいろと調べていくなかで、巡り会ったと記憶しています。ちょうどコロナが流行り始めた時期だったので、オンラインで説明をしてもらいました。「もし自分が介護される側だったら、どの施設に入りたいだろう」と考えたとき、ブルーミングが一番良いなと思いました」

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フランチャイズはサポートしてくれるが「主体的に動くこと」も大切

フランチャイズ本部が、建物の建設から運営まで全て対応してくれるのでしょうか。

門田さん「全て対応してくれるわけではありません。最初に行う施設の申請手続きや、書類作成のサポートなどはもちろん対応してくれます。こちらから何かお願いしたり質問したりすれば、サポートしてもらえるシステムですね」

逆に言うと、自分から動く必要があると。

門田さん「そうですね。本部もいろいろな加盟店を抱えていて、それぞれの加盟店に割ける時間は限られていますから。私たち加盟店側が、積極的な姿勢を見せることが大切なのではないでしょうか」

実際に加盟してみて、本部から説明されていた話と現実では、どのくらいのギャップがありましたか。

門田さん「備品や物にかかるお金は、本部のシミュレーション数値とあまりずれていません。ですが、人件費や採用にかかる費用は、予定より多くかかっています。最初はなかなか採用が上手くいかず派遣社員を雇っていたので、やはり割高になってしまいました。

ただ、最近は私自身が少しずつ経験を積んで、従業員が定着するようになってきています。理想論ではありますが、できれば事前に何ヵ月間か介護職員として現場で働いてみて、介護の仕事を肌で体感しておけば、遠回りせずに済んだかなと思っています」

介護のフランチャイズを始めるのに必要な準備

「責任の重さをやりがいと捉えること」こそが脱サラの醍醐味

年収1,000万円超えの外資系サラリーマンから、貯金2,000万円を費やして独立に挑戦した門田さん。

サラリーマン時代の高給から年収が下がり、さらに思わぬ人件費の増加などさまざまな困難がありましたが、独立したこと自体に後悔はないのでしょうか。

門田さん「脱サラや独立について、後悔していることはないですね。チャンスがあればもっと早くに挑戦しても良かったのですが、子どもが小さいうちはリスクが大きいことを始めるのはなかなか難しいですから。私の場合、子どもがある程度大きくなったことで、独立に踏み切れたのだと思います。

今後の夢としては、まずは今の茅ヶ崎にある施設の利用者数を増やすこと。そして、施設数を2つ、3つと増やしていきたいです」

最後に、脱サラを目指す方々へ一言お願いします。

門田さん「脱サラすると全責任を自分が負うことになりますが、それをプレッシャーだと思うのか、やりがいだと思うのか。私はそれを、「やりがい」と思って生きています。一歩踏み出した先にはまた違った世界があるので、ぜひ挑戦をしてもらいたいです」

脱サラをする際、多くの人がぶつかるプレッシャーという壁。業種によっては従業員を雇う必要があり、従業員の生活を背負うことに大きな不安を感じることでしょう。ですが、それを乗り越えた先で“大きなやりがい”を得られるのが、サラリーマンにはない脱サラの魅力なのかもしれません。

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公開日:2022年11月09日