柔道整復師として開業を目指すには?必要な条件や資金、開業の流れ、失敗しないポイントなど分かりやすく解説

最終更新日:2023年07月04日

柔道整復師は、国家資格を活かして開業できる仕事です。開業を成功させるためには、開業に必要な知識を理解した上で資金調達や開業条件を満たすための準備が欠かせません。

そこでこちらの記事では、柔道整復師として開業する際に必要な準備や開業の流れ、押さえておくべきポイントなどついて解説します。柔道整復師として開業を検討している方はぜひ参考にしてください。

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目次

柔道整復師の開業率は高め?独立開業するメリットとは

柔道整復師として開業するには

柔道整復師が開業するまでの流れ

柔道整復師が開業するために必要な資金と年収の目安

柔道整復師の開業で失敗しないためのポイント

柔道整復師の経験を活かして開業できるおすすめフランチャイズ

柔道整復師の開業についてまとめ

柔道整復師の開業率は高め?独立開業するメリットとは

柔道整復師の開業率は高め?独立開業するメリットとは

日本の人口減少に伴い、患者数が減っているにもかかわらず柔道整復師の開業率は高まっています。柔道整復師の業務は接骨院・整骨院をはじめ、整形外科やリハビリ施設、介護施設、高齢者施設などさまざまな場所で求められているからです。柔道整復師として独立開業するメリットは、幅広い年齢層をターゲットにできることと言えるでしょう。

たとえば、アスリート専門のトレーナーになったり、地域密着型のサービスを展開して子どもから高齢者までをターゲットにしたりできます。また、顧客1人を施術するスペースを確保すれば開業できるため、自宅の空き部屋を利用することで開業資金を抑えることも可能です。

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柔道整復師として開業するには

柔道整復師として開業するには国家資格が必要です。柔道整復師は骨折や打撲、捻挫などの損傷した部位の治癒力を高めるための施術を行います。人体に備わる治癒力を高めるやりがいのある仕事だと言えるでしょう。

柔道整復師の主な業務内容は、整復や固定などの施術を行うことです。整復は骨折や外れた関節を元の状態に戻す施術で、固定は脱臼や骨折した部位に添え木をして損傷部位が動かないようにすることを目的としています。柔道整復師は、接骨院・整骨院や介護・福祉施設の機能訓練指導員など幅広い分野で活躍しています。

柔道整復師として開業するために必要な条件

柔道整復師として開業するためには、「施術管理者要件」と「実務経験」について理解しておく必要があります。

施術管理者要件とは、療養費の受領委任の取り扱いを許可する管理者の条件のことです。2018年3月までは柔道整復師以外の資格は不要でしたが、それ以降は施術管理者に関する要件が定められています。受領委任の届出をするためには柔道整復師としての実務経験と研修の受講が必要です。

実務経験は柔道整復師として雇用された期間を指しており、実務経験が不足している場合は開業できません。また、実務経験の年数は届出をする年度によって異なります。

届出する年度 必要な実務経験の年数
2008年4月~2022年3月末 1年間
2022年4月~2024年3月末 2年間
2024年4月以降 3年間

研修に関しては、「職業倫理について」と「適切な施術所管理」、「適切な保険請求」、「安全な臨床」が受講内容となっており、2日間(合計16時間以上)のプログラムとなっています。

柔道整復師として開業するために必要な資格

柔道整復師として開業するためには、国家試験に合格して柔道整復師の資格取得が必要です。国家試験に合格して柔道整復師名簿に登録されると柔道整復師と名乗り、実務経験を積むことができます。

柔道整復師の国家試験は、基礎的な知識を問われる必修問題と科目別に出題される一般問題の2つで構成されており、マークシート形式で実施されるのが特徴です。合格基準は、必修問題が正答率8割以上、一般問題は正答率6割以上となっています。

また、柔道整復師養成施設の認可を受けた専門学校や大学では実技や基礎医学を学ぶことができ、国家試験に向けた個別相談やサポートを受けることが可能です。

柔道整復師として開業するのに必要なスキル

柔道整復師として開業するために必要とされるスキルは以下の通りです。

  • 施術スキル
  • 経営スキル
  • マーケティングスキル
  • 集客スキル

顧客を満足させる施術をするためには技術力が欠かせません。施術の技術は実務経験を積み重ねることで向上できます。

経営スキルやマーケティングスキル、集客スキルは開業を成功に導くために必要なスキルです。柔道整復師としての技術力も大切ですが、集客やマーケティングができなければ顧客を呼び寄せることはできません。

また、経営に必要な知識やスキルがなければ、独立開業しても安定した運営ができなくなります。近年はSNSを活用した集客やマーケティングを取り入れる柔道整復師の方も増えているため、知識として習得しておくことをおすすめします。

柔道整復師として開業するために必要な手続き

柔道整復師として開業するためには、必要書類の準備や各種手続きが不可欠です。主な必要書類は次の通りです。

  • 施術所開設届
  • 柔道整復師の免許証の原本と写し
  • 施術所の平面図

施術所開設届は開業日から10日以内に保健所へ提出しなければなりません。賃貸物件を借りて施術所を開業する場合は賃貸契約書が必要です。施術所を設けずに出張による施術サービスを行う場合は、出張施術業務開始届を提出します。

個人事業主ではなく、法人として開業する場合は登記簿謄本や定款の写しも用意しておきましょう。保険請求するためには施術所を管轄する厚生局に届出を忘れずに行う必要があります。

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柔道整復師が開業するまでの流れ

柔道整復師として開業するまでの流れは以下の通りです。

  • 事業計画を立てる
  • 開業場所や店舗の選定
  • 内装・備品の準備
  • 開業手続きを開始する
  • 保険請求のための手続きを行う
  • 受領委任を取り扱う場合は施術管理者研修を受講する

それぞれの流れを詳しく確認してみましょう。

事業計画を立てる

柔道整復師として開業する際は、事業計画から立て始めます。事業計画とは、施術所のコンセプトや資金計画などをまとめた書類です。
次に挙げる項目をイメージしておくと、事業計画を立てやすくなります。

  • 開業予定日
  • ターゲット
  • 施術時間
  • 施術メニュー
  • 従業員の人数など

開業場所や店舗の選定

柔道整復師が開業を成功させるためには、開業場所や店舗の選定が欠かせません。

ターゲットが少ないエリアを選ぶと集客が難しくなるので慎重に選ぶことが大事です。ターゲットの年齢層や施術が得意な症状によって選ぶべきエリアは異なるため、複数の候補地を選び、競合や住民の人数、人の流れを確認しておきましょう。

内装・備品の準備

柔道整復師として開業する場所や店舗が決まったら、施術に必要な医療機器を選定し、コンセプトに合わせた内装を考えます。

医療機器は高額なものが多いため、実際に体験してから必要な機器を導入する方法がおすすめです。施術所の内装工事をする場合は、保健所が定める構造設備基準を満たすレイアウトの設計を依頼しましょう。

開業手続きを開始する

柔道整復師として開業する準備が整ったら、開業届を保健所に提出します。

ただし、自治体によって手続きの内容が異なる場合があるため、開業場所を管轄する自治体に確認をとっておきましょう。たとえば、東京都で柔道整復師として開業する場合は開業届を提出する前に相談が必要です。施術所の平面図を持参し、保健所の保健医療担当へ相談しましょう。

開業届は事業開始から10日以内に提出しなければなりません。その後、保健所職員による立ち入り検査が実施され、問題がなければ事業を始められます。

保険請求のための手続きを行う

柔道整復師として開業する場合、施術内容によって健康保険が適用される場合があります。

健康保険が適用される場合は、保険請求をするための手続きが必要です。所属する団体で代理請求に対応していない場合や、所属する団体がなく自分で請求する必要がある方は、開業日から10日以内に開業場所を管轄する厚生局に受領委任取り扱いの届出をしましょう。

受領委任を取り扱う場合は施術管理者研修を受講する

開業する際に柔道整復師が受領委任を取り扱う場合は、施術管理者研修の受講が必要です。

施術管理者研修は、厚生労働省から認可を受けた公益財団法人 柔道整復研修試験財団が実施しています。受講するためには事前の申し込みが必要なため、受講方法や研修の日程をホームページで確認しておくことをおすすめします。

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柔道整復師が開業するために必要な資金と年収の目安

柔道整復師が開業するために必要な資金と年収の目安

柔道整復師の開業に必要な資金と年収の目安について紹介します。

開業資金(初期費用)の目安

柔道整復師が接骨院や整骨院を開業するために必要な資金(初期費用)の目安は、700~1,000万円程度です。開業資金の内訳は次の通りです。

  • 物件取得費
  • 設備投資費
  • 内装工事費
  • 広告費
  • 人件費など

自宅やマンションの一室を利用して1人で開業する場合は、物件取得費や人件費が不要になるため、開業資金を抑えられます。

柔道整復師が開業資金を調達する方法

柔道整復師として開業する際に資金調達が必要な場合、日本政策金融公庫を利用する方法があります。

日本政策金融公庫は国が出資する金融機関で、新たに開業する方を対象に融資を行っています。日本政策金融公庫を利用するメリットは、無担保・無保証人制度を利用できることです。融資を受けるためには、創業計画書や資金計画書の提出が必要です。

開業後の年収の目安

柔道整復師として開業した場合の年収は、集客力にかかっていると言えるでしょう。効果的な集客を行って多くの顧客を集めることができれば、高年収が期待できます。

厚生労働省が運営する職業情報提供サイトjobtagによると、柔道整復師の全国の平均年収は443.3万円です。ただし、売り上げが高くても毎月かかる経費が高いと利益率は低くなるため、開業後は無駄な経費がないか見直すことも大切です。

参照:職業情報提供サイトjobtag「柔道整復師」

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柔道整復師の開業で失敗しないためのポイント

柔道整復師の開業率は高まっていますが、廃業してしまうケースも少なくありません。そこで、柔道整復師の開業で失敗しないためのポイントについてご紹介します。

患者さんとの良好な関係を築く

柔道整復師として開業を成功させるためには患者さんから信頼され、満足してもらえる施術を行い続ける必要があります。

患者さんと良好な関係を築くことで良い口コミが広がり、利用客が増加すれば安定した経営がしやすくなります。患者さんの満足度を向上させるためには、日々のコミュニケーションを大切にしましょう。

独自の強みをアピールする

柔道整復師の開業で失敗しないためにも、独自の強みをアピールすることが大切です。

たとえば、柔道整復師の施術の技術や独自のメニューは施術所にとって大きな強みになります。ただし、施術所のコンセプトやターゲットに合った強みでなければ効果的なアピールはできません。コンセプトやターゲットを明確にし、競合調査を行った上で独自の強みを打ち出しましょう。

院内を清潔にしておく

施術所が清潔であることも、柔道整復師が開業を成功させるためのポイントの一つです。

院内の掃除が行き届いておらず、清潔さが感じられないと患者さんを不快にさせる恐れがあります。患者さんに気分良く来院してもらうためにも、清潔感を保てるように掃除を徹底することをおすすめします。

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柔道整復師の経験を活かして開業できるおすすめフランチャイズ

柔道整復師の開業は1人で行うこともできますが、フランチャイズ経営を選ぶのも一つの方法です。資格や実務経験がない方でも、フランチャイズ経営なら実務経験を満たした柔道整復師を従業員として雇用すれば開業できる場合があります。ここからは、おすすめのフランチャイズを紹介いたします。

ほねつぎブランド

『ほねつぎブランド』は、柔道整復師が機能訓練を提供できる次世代型のデイサービスや接骨院・鍼灸院の口コミ・予約システムを提供しているフランチャイズです。デイサービスでは、独自の性的機能訓練によって利用者の介護度の進行を予防するサービスを提供できます。

訪問医療鍼灸マッサージGENKISUN

『訪問医療鍼灸マッサージGENKISUN』は、介護事業会社が母体の訪問医療鍼灸マッサージのフランチャイズです。拡大し続ける高齢者市場で営業利益率が40%と高く、安定収益を目指せます。介護事業の経験や差別化したノウハウを提供してもらえるため、開業が初めての方でも安心です。

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日本訪問マッサージ協会

『日本訪問マッサージ協会』は、治療院の開設や人材の採用・育成など開業前後に手厚いサポートが受けられる訪問型マッサージのフランチャイズです。訪問型マッサージは競合が少ない将来性の高い事業です。加盟金とロイヤリティが0円のため、低資金で開業できます。

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柔道整復師の開業についてまとめ

柔道整復師として開業するためには国家資格の取得や施術管理者の届出など、さまざまな準備や手続きが必要です。

1人で独立開業する方法もありますが、まずはフランチャイズでの開業を始めることも検討してみてはいかがでしょうか。フランチャイズ本部からノウハウを学びながら、安定した経営を目指せます。

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公開日:2023年05月24日

よくある質問

Q 柔道整復師と整体師として開業する場合の違いを教えてください。 回答を見る
Q 開業前に柔道整復師として働く場合の平均年収を教えてください。 回答を見る