家庭教師のフランチャイズの開業・運営に必要な資金とは

公開日:2020年05月29日

家庭教師のフランチャイズの費用は、種類としてはさまざまなコストが発生するものの、金額自体はやや低い傾向にあります。

そこで今回は、家庭教師のフランチャイズを始めるために必要な加盟金などの開業資金(初期費用)や、ロイヤリティなどの運営資金を詳しくご紹介。
家庭教師のフランチャイズでの独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

家庭教師のフランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安

家庭教師のフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)

家庭教師のフランチャイズに必要な運営資金

家庭教師のフランチャイズのキャッシュフローシミュレーション

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家庭教師のフランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安

家庭教師のフランチャイズの開業に必要な資金の目安は、15~130万円です。
この費用は、開業資金(初期費用)と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。

なかでも差がつきやすい費用としては、本部への加盟金や備品・設備費などが挙げられます。
また、生徒の数によってはアルバイトやパートなどの従業員が必要であり、規模を拡大するほど人件費がかさんできます。

<開業資金(初期費用)の目安>

項目 金額
加盟金 0~45万円
教材費 2~10万円
備品・設備費 0~30万円
研修費 10~20万円
合計 15~100万円

<運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合>

項目 金額
人件費 0~40万円
消耗品費や雑費 10万円
広告宣伝費 0~30万円
ロイヤリティ 6~8万円
合計 16~100万円

※人件費はケースによって差があるため、最大値についてはアルバイトやパートを1人雇用した場合を想定して計算を行っています。

※1ヶ月あたりの生徒数は10名、月の売上は約30万円として計算を行っています。

以下で一つずつ項目を解説していきます。

家庭教師のフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)

家庭教師のフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)としては、加盟金や教材費、備品・設備費、研修費などが挙げられます。
発生する費用の種類は多いですが、家庭教師の開業では物件取得費や内装工事費がかからないので、ほかの業種に比べると初期費用は少ない傾向にあります。

では、発生する具体的な初期費用について、以下で詳しくご紹介していきましょう。

加盟金

家庭教師のフランチャイズ開業に必要な加盟金は、45万円程度です。

加盟金とは、フランチャイズ本部のノウハウやサポート、ブランドなどを利用するための”使用料”のこと。
初期費用の中でも大きな割合を占めるコストですが、加盟時に一度だけ支払うものであるため、ランニングコストにはなりません。

家庭教師のフランチャイズ業界では、この加盟金の中に研修費などの費用が含まれていることがあります。
また、加盟する本部によっては、加盟金が一切発生しないケースがある点も事前に押さえておきたいポイントです。

ただし、加盟金がない分、ほかの費用が高めに設定されていたり、サポートが充実していなかったりする可能性があるため、加盟金だけを比較するべきではありません。
そのほかのコストやサポート内容もチェックしたうえで、総合的に加盟する本部を選びましょう。

教材費

家庭教師のフランチャイズ開業では、教材や機材を購入するための「教材費」も初期費用として発生します。
金額は加盟先によって異なりますが、2~10万円程度が相場です。

教材費の名称や内訳は、加盟する本部によって異なります。
たとえば、「スタートキット」や「機材費」としてまとめられているケースがあるので、各開業プランの内訳はしっかりと確認しておきましょう。

備品・設備費

家庭教師のフランチャイズ開業では、最大で30万円ほどの備品・設備費が発生します。
実店舗は必要ありませんが、パソコンや書籍、文房具をはじめとした消耗品などが開業プランに含まれていない場合は、自前で用意をしなくてはなりません。

ただし、すでに所有している備品・設備はそのまま使用できるため、文具やパソコンなどを持っている方は備品・設備費を抑えられます。
候補となるフランチャイズ本部が見つかったら、「業務でどのような備品・設備が必要になるのか?」や「開業プランにどのようなものが含まれているのか?」を確認し、自前で用意するべき備品・設備をしっかりと把握しておきましょう。

研修費

家庭教師のフランチャイズ開業では、本部への加盟時に10~20万円ほどの研修費が発生します。
基本的な研修はどの開業プランにも含まれるため、仮に塾講師などの実務経験があったとしても参加が必要になります。

研修システムは本部によってさまざまであり、本社に直接足を運んで2~3日かけて基礎を学ぶ形式や、ビデオによる研修などがあります。
研修では教育に関する内容だけではなく、フランチャイズ本部の仕組みやシステムについても学ぶことになるでしょう。

なかには、開業後にも経験豊富なスーパーバイザーがつき、実務を一定期間サポートしてくれるような開業プランも。
ただし、このようなサポートが「オプション」として設定されている場合があるので、研修やサポートに関する内容は事前に細かく調べておきましょう。

家庭教師のフランチャイズに必要な運営資金

家庭教師のフランチャイズに必要な運営資金は、主に以下の4つです。

  • 人件費
  • 消耗品や雑費
  • 広告宣伝費
  • ロイヤリティ

基本的に実店舗は必要としないため、「賃料」や「水道光熱費」などのコストは発生しません。
その影響で、家庭教師のフランチャイズはほかの業種に比べると、少ない資金で運営することができます。

ただし、運営資金は毎月発生するコストなので、各費用をしっかりと把握しておきましょう。

人件費

家庭教師は個人でも営めるビジネスですが、生徒が増えてきたら従業員を雇わなくてはなりません。
人件費は雇用形態にもよりますが、アルバイトやパートを1人雇うと仮定した場合、3ヶ月で40万円ほどのコストが発生します。

従業員を雇うと、より生徒を増やせるため、売上の増加は見込めますが、人件費は予想以上に膨れ上がる恐れがあるので、人材の採用は慎重に進めることが重要です。
人件費が経営を圧迫することがないように、事前にしっかりと計画を立てたうえで採用活動に取り組みましょう。

消耗品費や雑費

家庭教師のフランチャイズ開業では、月に3万円ほどかかる消耗品や雑費も忘れてはいけません。
文具や事務用品は使うたびに消耗しますし、場合によってはパソコンなどの機器を買い替える必要性も出てきます。

雑費については、生徒宅に向かうための「交通費」が大きな費用となります。
ただし、加盟するフランチャイズによっては、交通費を生徒側の負担にできる可能性があるため、加盟前に経営方針やシステムを確認しておきましょう。

広告宣伝費

家庭教師のフランチャイズでは、広告・宣伝が開業プランに含まれていないことがあります。
このような本部に加盟する場合、必要に応じて1ヶ月あたり数万円~10万円ほどの広告宣伝費を自分で負担しなければなりません。

広告宣伝費の金額は、実際に広告・宣伝をする手段によって大きく変わってきます。
たとえば、案内状やチラシは数万円ほどのコストで作れますが、WEBサイトを立ち上げて運営するとなると、1ヶ月あたり10万円程度の費用が発生することもあります。

なお、加盟する本部によっては広告のひな形を受け取れるなどのサポートを受けられる可能性があるので、開業後フォローの内容も調べておくことをおすすめします。

ロイヤリティ

フランチャイズで家庭教師を開業する場合、少なくとも1ヶ月あたり2~3万円ほどのロイヤリティが発生します。

ロイヤリティとは、本部の設備やノウハウ、ブランドを使用するために、加盟者が毎月支払う費用のこと。
ロイヤリティには大きくわけて3つの方式がありますが、家庭教師のフランチャイズ業界では主に以下の2つが採用されています。

・定額方式…「毎月●万円」のように、金額が固定されている方式
・売上歩合方式…「売上の●%」のように、売上に対する割合が決められている方式

定額方式では1ヶ月あたり2万円ほど、売上歩合方式では売上の10%程度が相場となります。
ただし、売上歩合方式が採用されている場合は、規模が大きくなるほど(=生徒数が増えるほど)ロイヤリティの負担が増大するため注意が必要です。

家庭教師のフランチャイズのキャッシュフローシミュレーション

家庭教師をフランチャイズで開業する場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
(必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。)

今回は、1ヵ月あたりの売上高が約80万円の店舗をモデルに算出しています。

  • 総粗利益高
    36.5万円
    =80万円(売上高)ー5.5万円(雑費など)ー38万円(人件費)

  • 店利益
    26.5万円
    =36.5万円ー10万円(ロイヤリティや広告宣伝費など)

フランチャイズで家庭教師を営む場合、生徒数を30名と想定すると、1ヶ月あたりの利益は25~30万円前後となります。
生徒が増えるほど利益も大きくなり、生徒数50名では月収50万円、100名になると月収100万円も夢ではありません。

ただし、規模が大きくなると人件費が増大する点には注意が必要です。
上記のシミュレーションを見てわかる通り、売上原価のなかでも人件費は大きな割合を占めるので、できる限り自分が出勤するなどの工夫が重要になります。

また、特に「売上歩合方式」が採用されている本部については、ロイヤリティの負担も忘れてはいけません。
売上が伸びるほどロイヤリティの負担は大きくなるため、支払い分をしっかりと確保しておく必要があります。

これらのコストは軽視できませんが、家庭教師は物件取得費や家賃などの大きな費用が発生しないため、ほかの業種に比べると黒字化のハードルはやや低めです。
季節講習・特別講習など、特定の期間に稼働数を増やす形で経営をすれば、さらなる高収入も十分に狙えるでしょう。

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